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【特番】基礎からわかる駆け付け警護

【特番】基礎からわかる駆け付け警護

(平成28年12月07日収録)

(左から)
小林史明ネットメディア局次長
寺田稔国防部会長
佐藤正久国防部会長代理

「平和安全法制」によって可能となった新任務「駆け付け警護」の本質を伝える

小林
番組をご覧のみなさんこんばんは。ネットメディア局次長の小林史明です。
今日はカフェスタ特番、『基礎からわかる駆け付け警護』をお送りしたいと思います。よろしくお願いします。
11月15日に閣議決定された「駆け付け警護」。安保法制によってできる新任務ということですが、世論調査を見ていると、反対が(賛成に)勝っている。なかなか本質が伝えられていないではないかという反省を元に、ぜひみなさんに、通常のメディアからは届けられないお話をここからお届けしたいと思っています。
本日は国防の専門家である、寺田稔国防部会長にお越しいただきました。よろしくお願いします。
寺田
自民党の国防部会長、ネットメディア局長代理を仰せつかっています、寺田稔です。
火曜日の「てらだ稔の何でもトーク」という番組枠で、集団的自衛権、また「平和安全法制」を放送した時(※動画はこちら)に、多くの視聴者の方からご意見やコメントたくさんいただきました。まずは感謝申し上げたいと思います。
また昭和20年代から、日本の内閣法制局が集団的自衛権のことちゃんと考え、当時は認めていたんだよという話をしたところ、目から鱗でしたというコメントを頂いております。
今日は「駆け付け警護」をはじめ、自衛隊の大事な積極的平和主義に基づく活動をご紹介することができればと思います。よろしくお願いします。
小林
はい。よろしくお願いいたします。そしてもう一人のパネリスト、"ヒゲの隊長"としておなじみの佐藤正久国防部会長代理にお越しいただきました。よろしくお願いします。
佐藤
よろしくお願いします。カフェスタに来たのは久しぶりです。
昨年の平和安全法制の時に、小林先生と一緒に(番組を)やらせていただきました(※記事はこちら)
自民党広報のあかりちゃんアニメ「教えて!ヒゲの隊長」(※動画はこちら)の時以来なので、今日は楽しみにしてきました。できるだけ現場の話を入れながらやっていきたいと思います。
南スーダンに行った第11次隊、青森から行っておりますけども、先月その壮行会にも行って参りました。そんな話もしていきたいと思いますので、今日はよろしくお願いします。
小林
よろしくお願いします。全体像から現場の意識まで、今日はしっかり深掘りをしてみなさんにお伝えをしたいと思います。今日は(視聴者)コメントの通り、2カメラ体制でやってますから、ぜひお2人のアップも楽しみにしていただきたいと思います。
それでは本題に入りますが、12月1日、陸上自衛隊の主力部隊の第1陣約120名が、南スーダンの首都・ジュバに到着しました。
まず、なぜ南スーダンに日本の自衛隊員の方が派遣されているのか。南スーダンにおける内戦の変遷とあわせて、まずは寺田部会長からご説明いただいてもよろしいでしょうか。

人道的な見地から、緊急的、応急的かつ一時的な措置として行う

<パネル:UNMISSの状況(部隊展開状況)>
寺田
実は南スーダンという国は、今、世界で一番新しくできた国なんですね。
<UNMISSの状況(部隊展開状況)>をご覧いただきたいと思いますが、実は南スーダンはずっと内戦が続いていました。と言うのも、スーダンという国が南北で分かれて、アフリカの南北戦争というふうに言われていまして、一世紀以上に渡って民族間の対立、宗教の対立があったところなんですね。
上の方のスーダン、こちらはアラブ系のイスラム教徒です。2011年に独立した南スーダンの地域は、アフリカ系のクリスチャンであり、宗教も民族も違う。かなり対立状況にあって、ずっと内戦をしていました。
これが民族自決の原則で、南が99%という圧倒的多数の国民投票によって独立をした。独立したその年にUNMISS(アンミス)というPKOが組成され、日本の自衛隊も派遣をされております。日本の自衛隊はどういう役割かと言いますと、まさに施設部隊です。東ティモールの時もそうでしたけれども、それぞれ各国で自分の得意分野を受け持つということです。南スーダン全部で1000万人を超える人口がいますが、約1万人が部隊を組成しました。
2011年の初年度から日本は施設部隊を派遣して、今回行ったのは第11次隊です。従ってこれまで、10回に渡って派遣をされています。
主としていろんな施設建設、いわゆるトンカチと言いますが、国連関係の施設を作ったり、道路を作ったり、橋を架けたり、この民生分野において大変みなさんに喜ばれる活動をしているのが、自衛隊の部隊です。今は大体、350名ぐらい派遣をされておりまして、主たる業務は施設部隊です。
2つの新たな任務「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」、これが今回11次隊から新たに付加されたということであります。
<寺田写真①>
小林
今まさに、活動を頑張って始めているということですけれども。佐藤さん、他国はどういう対応をされているんでしょうか。
佐藤
全部で60数ヵ国が南スーダンの国づくり、支援のために要員を派遣している。先進国は少ないとの話もありましたけども、今度イギリスも施設部隊を送るとのこと。
以前、韓国軍が小銃の弾が足りなくなって日本の方に要請してきたことを覚えてますでしょうか。
小林
はい、求めたというのがありましたね。
佐藤
実はほとんどが発展途上国の軍隊なので、先進国の軍隊とは小銃の口径が違うんですね。日本や韓国は5.56ミリ。他は大体7.6ミリ。日本しか口径が合うのがなかったから、求められた。
どちらかというと先進国は後方支援関係の為にやって来ていて、発展途上国は治安維持にあたっているという構図があります。
小林
そういう役割分担の中で、それぞれが活動されているわけですね。
早速、今月12日から新任務ができるようになるというわけですが、まさに「駆け付け警護」の任務について、寺田部会長からご説明いただきたいと思います。まず、この「駆け付け警護」の具体的な任務についてお話ください。
寺田
実はこれまで過去のPKO活動で、こういうことができたらいいなという希望が自衛隊からもあったんですね。
昨年成立した「平和安全法制」の中で、幾つかの要素がありますが、PKO法の改正で「駆け付け警護」というのが新たに付与された。
これは法律にどう書いてあるかと言いますと、極めてシンプルで、一緒に活動している仲間がやられそうになったと。そういう時に、その仲間を助けに行くという書き方なんです。これは法律の書き方で言うと、「活動関係者」という言い方をするんですね。つまり一緒にPKO活動をしている人、になります。
例えば私と小林さんがPKO活動をしている。小林さんが襲われそうになった、あるいは襲われたという時に、小林さんから助けに来てくれという要請を受けて、私が助けに行く。その時に武器も携行して助けに行くということで、法律上に書かれております。
よく国会でも、「駆け付け警護」とは何ぞや?ということがさんざん答弁されているんですけれども、先ほど言った通り、自衛隊の部隊は施設整備を中心に活動していますが、その近場でNGO、国連のPKO職員や部隊、あるいはそれに関わる方々が襲われたと。小林さんの周りに対応できる治安当局、警護部隊がいない、丸腰だ、という時に襲われたとしますね。その時に、小林さんの方からSOSサインが出る、緊急の要請を受けるわけです。このまま放っておけば、小林さんが危険になる、殺されてしまうかもしれない。こういう時、あくまで施設整備を行っている部隊ですが、人道的な見地から、緊急的、応急的かつ一時的に、私の能力の範囲内で小林さんを守る、という活動。これがいわゆる「駆け付け警護」です。
小林
"できる範囲内で"ということだったんですが、先ほど(視聴者からの)コメントに、必ず行くの?というご質問がありましたが。

法律の枠内で自国民をどうやって守るか。現場指揮官が抱えるジレンマ

<佐藤写真①>
佐藤
実は「駆け付け警護」という言葉は、他の国の軍隊にはないんです。今回のポイントは、要は救出だけなんです。
自分の自衛隊の部下がちょっと離れた場所で作業している時に、暴動に襲われたと。当然、本体の方に助けてくれと救助要請がきますよね。実は今までそういう時に、武器使用を前提として「駆け付け」ることもできなかった。
普通の国は軍隊において、自分の部下が襲われたときに助けない軍隊はありませんし、自分の自国民が襲われた時に助けない軍隊というのもない。
今まで実は自衛隊も、旧ザイール(現コンゴ民主共和国)や東ティモールでも、邦人から助けてくれと言われて、実際には「駆け付け警護」をやっているんです。ただ任務と権限がない中、現場の指揮官の判断で、人道的な見地から行っている。寺田部会長も言われたように、あくまでも自衛隊の任務は、施設整備にある。
例えば、現場が千代田区としますね。千代田区の全部を守る、千代田区の文民を守るというような、治安維持任務ではない。
あくまでも自衛隊は道路を直したり、あるいは学校を直すと行った施設業務が主で、そういった作業している時、たまたま近くで日本人等が襲われた時に、本当に助けなくていいのか。助けられるのに助けなくていいのかという人道的、応急的な措置なんです。
よく言われるような歩兵部隊の派遣、どこかで治安維持をして、どこにでも助けに行くようなものではなくて、たまたま近くにいた時に助けられるのに、本当に助けなくていいのかと。しかも自分の自国民や、自分の部下を助けない。これは普通、あり得ませんから。今回しっかり任務と権限を与えて、事前に訓練をさせて、派遣している。
今までは現場に無理をさせていた。本来政治は、現場に無理をさせたり、悩ませてはいけないはずなんです。
今回はしっかり法的に担保をして、事前に訓練をさせて、派遣してもらった。この状況になれば、今まで以上に、現場の隊長は自信をもって判断できるようになるということです。
小林
はい。寺田さん、そういう意味では、これまでは現場に行く自衛隊員の方々は「駆け付け警護」の訓練はできていなかった、ということでしょうか。
寺田
その通りですね。今回はちゃんと法的な措置も整えて、十分な訓練もしていくわけです。先ほども言ったように、これまでは施設建設がメインですから、そうした訓練はしていない。
本来、国内の陸上自衛隊の歩兵隊は、国内の本来業務で警護出動があるわけですが、これはまさに、歩兵部隊は本来業務としてやっていたということ。今まで全くやってなかった事をやらせて、危険に飛び込むようなイメージがあるかもしれませんが、そうではないということなんです。
佐藤
意外と国民の方々に知られていないのは、「駆け付け警護」というものについて、実は民主党(民進党)も国会に法案を出しているんです。
小林
そうなんですか。
佐藤
衆議院に出していて、継続審議になっていますけども。民主党(民進党)も現場のニーズを受けて、ここは何とかすべきだということで法案を出しています。野田政権の時も実は真剣に考えて、法案を出そうということまで、当時の民主党政権もやっていた。
ただ、そんなに今回の面で批判される筋合いはないんですけども、なぜか今回、南スーダン情勢の一つを取って「駆け付け警護」そのものがダメだみたいな話になっていて、非常に残念に思います。
小林
一般的な感覚からすると不思議な状況だと、みなさんも思われると思いますが。
自衛隊のお話が出るとよく心配されるのが、武器使用の件ですね。制限がありすぎてなかなか難しいわけですが、今回この武器使用の件はどうなんでしょうか。
<小林写真①>
寺田
これも実は今回、明確な根拠を与えているんですね。ちゃんと法律で担保されています。
これまでは自分を守るための武器使用、いわゆる「自己保存型」と言っていました。今回は新たな任務が付与された。したがって、いわゆる「任務遂行型」の武器使用、これが明確に認められています。
小林さんを守るために、武器使用ができる。ちゃんとした要件がありますが、警告射撃のみならず、いわゆる危害射撃ですね。相手が襲ってきた場合に、同程度の「比例原則」と言ってるんですけども、対応ができる。これは諸外国でも認めているところの、「正当防衛緊急避難」。これがきちっとできるということが書かれた。
国会でも議論になりましたが、誤射ですね。ちゃんとルール守っていれば、誤って過失で撃った時も責任を問われませんと。そういうことになった。
小林
しっかり隊員の方を守る、という整備になった。これまで守られていなかったというわけですが、佐藤さんにお聞きしたいのは、実際に現場に出られて、こういう事態は経験されたことがあったのでしょうか。
佐藤
当然、ずっと派遣部隊中は常に頭に引っかかっているんです。自分の部下部隊が離れた場所で作業してますよね。その状況を知りたいけども、なかなかわからない。何かあった時に助けに行きたいけども、武器使用を前提に助けに行けない。非常にジレンマがあった。日本人の方、大使館の方やJICAの方、あるいは民間企業やマスコミの方など、結構いるわけです。
何かあったときに自国の日本人を守らない自衛隊というのはあり得ませんから。どうやって今の法律の枠内で守ろうか、ずっと悩みは大きかった。現場の指揮官の肩に、ずっとかかっていた。
しかも武器使用は「正当防衛緊急避難」というのは認められていましたけれども、任務遂行は認められない。 例えば、ある近くのホテルに日本人がいて、助けてくれと要請があった。ホテルに行く途中に、何らかのバリケードが張られていたとします。邦人を救うために、バリケードを乗り越えないとホテルには辿り着けない。任務遂行の武器使用ができないと、武器を使ってどけと言えない、警告もできない。自分の正当防衛ではないから。ホテルに行って自分の管理下、一緒にいれば何かあったら正当防衛の範囲内で打ち返すことができます。が、行くまでの間がお手上げなんです。妙なことだったのが、今回できるようになった。
ほぼ他の国と同じようなレベルまで、武器使用ができる。全然、今までとは違います。
小林
そういうことですね。もう一つ気になったのが、先ほどおっしゃった誤射の件。これまで誤射をした場合の責任は、どのようになっていたのですか。
寺田
必ずしも明確な規定はなかったんですが、今回いろいろと明確化をしました。
誤射をしたと。しかしそれはあくまで、「任務遂行型」の、任務遂行という「正当業務行為」です。この中での過失行為は日本の国内法で言うと"過失致死傷"というものになりますが、国内法の海外適用はしませんという政府答弁によって、"免責"となっております。従って、この点についてもしっかりと整理ができたということです。

他国の部隊は"運命共同体"。20年かかって共に守ることができるように

小林
大変意義のある整理だったということが、ご理解いただけたんじゃないかと思います。
もう一つ、「宿営地の共同防護」についても、今回からできるようになった。こちらを佐藤さんから、詳しく解説いただきたいと思います。
佐藤
私が派遣をされた、シリアのゴラン高原では、同じ宿営地内でカナダの部隊と日本の部隊が一緒にいた。要は宿営地とは、運命共同体のはずですけれども、宿営地を守るための訓練に、自衛隊とカナダの部隊が一緒にできない。
ということは、実はカナダの部隊が周りを警備していて、そのような訓練の時ですら、自衛隊は待避壕でずっと(待避)しなければならない。警備しているカナダ部隊がやられたら、自分たちもやれちゃうんです。それが今までできなくて、ものすごく惨めな、つらい思いをした。
しかも、カナダは兵站部隊や輸送部隊ですね。誰が見ても自衛隊の方が強いんです。
小林
本来、守る能力がない人が守っている。
佐藤
弊害がいろいろあって、今回南スーダンの場合も自衛隊の宿営地の脇、バングラディッシュやルワンダの部隊がすぐ側のゲートを警備しているんです。ルワンダとバングラディッシュですよ。日本の方がずっと普通に見たら、装甲車両などを含めても、規律も正しいしどうしても強そうに見えるし、おそらくレベルも上だと思います。
運命共同体ですから。一緒に警備した方が情報も入るし、間合いもとりやすい。今回はそういうことまでできるようになった。なぜこれに20年かかったのかというくらい、現場指揮官を経験した私としてはそんな思いがあるんですけれども。
20年かかってやっと、「宿営地の共同防護」の警備が一緒にできる。武器使用は、正当防衛や緊急避難だけでなく、同じところにいますから。全てが自分のエリアみたいなものですから。正当防衛といっても相当なことができるように、おそらく問題なく対応できると思います。
小林
武器使用は問題なくできるということになっているわけですね。そういうことは実際にあったんですか。
<佐藤写真②>
佐藤
実際自衛隊は、ゴラン高原で民主党政権末期に撤収しました。あの時はまさに周りで、いわゆるイスラム国(IS)や反政府のいろんなことが入り乱れて、非常に治安が乱れたんですね。当然そういう中で、警備をカナダや他部隊に任せるというのは、現場の隊長は非常に気持ち悪いです。分からないんです。前面にやるという人がいれば、情報がとれますよね。やりとりできる。しかも自分より弱い軍隊に守られるというのは、普通じゃありませんから。
いろいろあって、PKO の五原則は守られてはいる、維持されているけれども、安全な活動が出来ないという理由で、民主党時代に撤収をした。だから、五原則うんぬんだけでなく、安全な活動が出来るかどうかで撤収の判断も実はできる。自分の身が守れない、共同基地警備ができないような状況で、宿営地の中にいろ、活動しろというのは、かなり酷だと思います。
小林
やっと矛盾や問題点が解消されたと。こういうことなんだと思います。 議論の中でよく言われるのが、リスク論ですね。危険度が高まるのではないか、それはちゃんと対応できているんだろうか、こういう話があるわけですが、寺田部会長いかがですか。

リスクが伴う自衛隊任務において、いかにリスクを軽減させるか。問われる政治の責任

寺田
これはよく国会でも議論になりましたが、あらゆる自衛隊の任務にはリスクがあります。これは、「駆け付け警護」に限らずそうです。常にリスクを伴うわけです。「駆け付け警護」を付与した、あるいは「宿営地の共同防護」を付与した。これは当然リスクが伴います。しかし、訓練もした。能力も高まっていますね。
大事なのは、リスクと能力の対応関係なんです。この対応関係がきちっと取れているということがまず一点。また、この二つの新たな任務を付与することによって、リスクが減る面があるわけです。例えばこの「宿営地の共同防護」をやることによって、自らも守り、宿営地全体も守れる。これはリスクを減らす行為なんです。極めて大きなことで、今回の任務付与で、それぞれの任務はリスクがありますけど、十分自衛隊の能力で対処できるということですね。
小林
はい。(視聴者の)コメントの通りでありまして、リスクのない所なんてないと。
佐藤
やはり自衛隊というのは、国内であっても、国防が主任務です。国民のリスクを減らすために、そのリスクを自衛隊が負うわけです。
我々政治は、国民の代わりにリスクを負う自衛隊員のリスクを、いかに下げるかというところが非常に大事で、そのためには事前にしっかり訓練をさせることがリスク軽減につながります。情報をしっかり取る、与える、あるいは他の国との連携という部分の枠組みづくりも大事。いかにそのリスクを軽減するかっていう部分、さっき言った武器使用、あるいは誤射の場合の話を含めて、そこは政治の責任として、少しでもリスクを低減する努力を絶対にしないといけないと私は思っています。
小林
そうですね。これまでは準備できないことを現場でやってくれという話だったわけですから、そこは解消して、しっかり訓練をしていくと。
佐藤
一番最初に我々がゴラン高原やカンボジアに行った時は、上官が部下に撃てと命令ができなかったんです。いかに正当防衛、緊急避難であっても、個人の判断でしか認めないというところから始まった。隊員がバラバラに撃ったらこれこそ危ないわけであって、部隊長の判断で部隊行動をやるのは当たり前。国内だと当たり前です。
海外だと、憲法が禁ずる「武力行使」に抵触するのではないかということで、ものすごく抑制的に抑制的にきて、20年かかってやっとここまで一歩一歩きたという現実があります。
<寺田写真②>
寺田
リスクについてもう一点言いますと、今回の実施計画では、この「安全確保義務」というのも明確に規定してるんですね。すなわちPKO 五原則は確保されていても、ちょっとでも危ないという事態になれば、十分な活動ができない、持続的にできないという時には撤収をする。あるいは活動をやめるということも明記をしていて、今回初めてこれが実施計画に入ったというのは意義があると思いますね。
小林
実際に今任務に出られた方々の気持ちというのは、どういうものなのでしょう。佐藤さん、(南スーダンに行った第11次隊を)送り出す時に行かれたということですが。
佐藤
初めての新しい任務付与ということで、家族含めて緊張感はありました。今までの壮行式と違って緊張感があって、笑顔はやっぱりありませんでした。真剣な思いは、家族も隊員もそうだと思います。
ただ現場の隊員からすると、今まで任務も権限もなく、場合によってはやれと。やらざるを得ない状況が、今度はしっかり事前に任務と権限を与えられて、訓練も積み重ねて行けるというのは、精神的な余裕が今までよりもあると思います。

一国平和主義ではなく、相応の責任を背負って国際貢献を行うことが日本の役割

小林
そういう意味でもリスク低減のために、我々がまだまだやらなきゃいけないことはたくさんあると思います。この国際平和維持活動に参加する意義について、まず佐藤さんからお伺いをしたいと思います。
佐藤
自分さえ良ければ良い、今さえ良ければ良いという風潮が、若干いまアメリカを含めていろいろ増えていますけれども、それではやっぱり成り立たないんですよね。
日本の場合は特に島国で、資源が少ない。しかも少子高齢化となれば、材料を輸入して、製品にして、外に売る。それでみんなの福祉や生活を担保しないといけないという時に、日本が一国平和主義で、本当に将来の責任を果たせるのか。これは自由貿易上、絶対に無理です。
世界第三位の経済大国日本であれば、まさに一国平和主義ではなく、自分さえ良ければ良い、今さえ良ければ良いではなく、それ相応の責任、役割分担をすべきだと。それはまさに、安倍総理による「積極的平和主義」という名のもとにやる。それは自衛隊だけではなく、文民の方を含めてトータルでやる。自衛隊は自衛隊でしかできない分野に特化して、私は国際貢献を今後ともやっていくべきだと思っています。
小林
はい。寺田さんいかがでしょうか。
寺田
まさにこのPKO活動、今回の「平和安全法制」でも、より充実したものとなった。自分を守り、仲間も守る。そして一緒に世界平和と安定に貢献をするということで、世界標準から見ると自衛隊ができることはまだまだ低いわけですね。
「てらだ稔の何でもトーク」でも言ったように、集団的自衛権のごく一部しかまだ認めておりません。したがって、世界標準から見るとまだできることは劣っていますが、自衛隊というのは極めて高い能力を有しております。私も政務官のとき、各地で見させてもらいましたが、それだけの能力を持っていることで世界の平和に貢献をする。このことこそPKO活動の意義であり、一番大事なことだと思いますね。
佐藤
今、寺田部会長が言われたように、責任を果たすことは大事で、反対反対と言って日本の平和と繁栄が守れるなら、私も思いっきり反対しますよ。それじゃ絶対もちませんよね、寺田部会長。
寺田
その通りですね。まさに行動ですね。
<小林写真②>
小林
はい。これが重要だということをお伝えいただけたんじゃないかと思いますが、最後に佐藤さんから話題を出していただいたので、今の野党の対応をどういう風に見てらっしゃるのか、ちょっと感覚を教えていただけたらと思うのですが、寺田さん、いかがですか。
寺田
私も衆議院の安全保障委員会で、いろんな議論、また平和安全法制の議論も一部参加させていただきましたが、やはり反対のための反対が多い。しかも、言うこととやることのズレがかなりあるのが実態であります。
実は、野党でもちゃんとした安全保障についての政策や綱領を持っていない会派もあるわけです。国を守るという一番基本の国としてやるべきこと、これは国の基本の形づくりなんですね。これをやはりないがしろにするようなことがあってはならないと思います。したがって、ぜひ積極的にこうした議論にも賛同していただきたいと思いますね。
小林
野党のメンバーでも本当はちゃんとした考えを持っていらっしゃる方もいらっしゃるのに、何でこうなっちゃうだろうなっていうのが、若い政治家からするとすごく残念な気持ちですけれども。これは何でなんですか。
寺田
やはり我々与党に対して、とにかく揚げ足を取ろうという態度が多かったのも事実ですね。
とりわけこの安全保障の分野の議論というのは、戦後長らく、いわばタブー、封印されてきた部分がありますから。自由闊達な議論ができなかった部分がありますけど、その負の面を野党はかなり引きずっているんですね。

平和な国際環境をつくるため、政治はたゆまぬ外交努力を

佐藤
実際、今回南スーダンの一例をとっても、南スーダン情勢が危ないから撤収すべきだということを民進党さんは言いますよね。「駆け付け警護」の法案を出しておきながら、ですよ。
ところが、民主党時代の野田政権の時に、スーダン北部のスーダン軍が戦闘機を使って、爆弾を落としているんですよ。北部の方では爆弾を落としているの、南スーダンに。そういう時でも、当時の民主党政権は踏ん張って踏ん張って、自衛隊の撤収をしなかった。私も本当に五原則が守られているのか、質問主意書でも出しました。それはしっかり維持できるという答弁までもらっている。それは、厳しい判断だとは思いますけども、ギリギリの判断かもしれないけど、私は正しい判断だと思います。そこまで彼らは政権の時に踏ん張ったんですよ。だったら、この安全保障の問題で、あそこで踏ん張った当時の政権与党・民主党が、野党になったら立場をひっくり返すということを、国防や安全保障でやってはいけない。
今、寺田部会長が言われたように、周辺環境が厳しくなっているというのであれば、備えをしないといけない。憂いているのに備えをしないというのは、一番政治としてやってはいけない行動で、これは与野党関係ない。
一部の若い政治家は、恐らく党の全体の中で飲み込まれやすいんですけれども、『備えあれば憂いなし』という形にするために、この安全保障の面は与野党関係なく議論をし、備えをすることが、現場で汗を流す自衛隊や海上保安庁、消防、警察の方々に報いることだと。私は現場上がりの国会議員の一人として、与野党関係なくやっていただきたいと、素直に思います。
小林
そうなんですよね。飲み込まれちゃっていることがすごく残念だなと。個人的にも知っている方がいて、良い人なのに何で退席しちゃうんだろうと。この辺りは全く納得いかないので、変えていかないといけないのかなと。
佐藤
そこはやっぱり歩留りがありますよね。 今日の党首討論で非常に違和感があったのは、最後の方で民進党の蓮舫代表が総理に向かって、『息をするように嘘をつく』っていう表現を使ったんですね。これはちょっといくらなんでも、党首討論の場で言う言葉かなと、非常に残念に思いました。
小林
そうですよね。全国民が見ている前で揚げ足とりをやっても、何も良くはならないということを理解している方も多いと思うので、これから我々若手も少し与野党共にこういう話ができるようにしたいと思います。
もう一つ納得がいかないのは、年金なども不安を煽って、完全に年金の信頼をなくすような議論も全く意味がないと思っていまして。また後日、年金版の特番もやりますので、ぜひみなさんに見ていただきたいと思っています。
それでは最後に、それぞれお1人ずつからメッセージをいただきたいと思いますので、寺田部会長からお願いします。
<全体写真②>
寺田
この安全保障の問題は、超党派でみんなが議論に参加をして、国を守るという大事な任務を遂行すべきだと思います。その意味でも、「平和安全法制」、また「駆け付け警護」、「宿営地の共同防護」は非常に大事なことでありますし、何と言っても我々が全力で国を守る、そして平和に貢献する。こうした姿を発信し続けたいと思います。視聴者の皆さんのご支援のほどをお願いいたします。
小林
ありがとうございます。佐藤さん、お願いします。
佐藤
我々政治は、国民の命や暮らしを守るために、国際情勢にもっともっと敏感にならないといけないと思っています。日本を取り巻く北朝鮮、あるいは韓国、中国の動向、またアメリカではトランプ大統領が今度誕生するという状況の中で、いかにして国民の命と暮らしを守るかということが大事だと思います。
よく自衛隊の方々に感謝ということを政治の方は言います。ただ我々政治にとって大事なことは、自衛隊の方々に感謝するだけでなく、自衛隊の方々が自衛のための武力行使をしなくてもよい国際環境をつくるための徹底した平和外交努力。外交努力が一番です。
あわせて、いざという時に備え、抑止力や対処力の観点から、自衛隊の方がしっかり動けるような法的な基盤、人員、装備、予算という環境づくり。これをやるのも政治にとって大事な仕事だと思います。
私も今後そういう思いで、寺田部会長をお支えしながら汗をかいていきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。
小林
ありがとうございました。 たくさんの方から分かりやすかったというお話を頂けて、本当に良かったなと思っています。
これからもタイミングを合わせながら、みなさんになかなか伝えられてない部分を、こうやって特番という形でお伝えしていきたいと思いますし、後日、年金の特番もやります。
この間はTPP特番をやりましたが、放送の内容をダイジェスト版や文字起こしをして、スマホでささっと読んでいただけるように編集を行っていますので、ぜひ皆さん読んでいただき、できれば拡散をして応援していただけると大変ありがたいと思っています。
本当に素敵な先輩方と一緒にこうやってお届けできたことを、本当にありがたく思っております。それでは締めたいと思います。本日はみなさん、ありがとうございました。
全員
ありがとうございました。
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