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コラム

給付型奨学金の創設を 渡海紀三朗党教育再生実行本部長に聞く

 安倍晋三総裁が最重要課題として掲げる教育再生への取り組みを強化するため、総裁直属機関として設置された「党教育再生実行本部」。同本部は今年4月に第6次提言を取りまとめ、私立学校の耐震化推進、校務支援システムの導入、専門職大学院の充実や特別支援教育における高校の通級指導の制度化などを打ち出した。なかでも、貧困家庭から大学への進学の道を閉ざさず、経済的理由による教育格差が生じないようにすることを目的として盛り込まれた返済義務のない「給付型奨学金」は、大変な反響を呼んだ。渡海紀三朗本部長に同奨学金創設に向けた取り組みなどについて話を聞いた。

奨学金制度のさらなる充実・拡充を
全ての子供に教育の機会均等を保障

一人ひとりにチャンスが与えられる社会を

「一億総活躍社会の実現に向け、教育における格差克服に全力を尽くす」と語る渡海紀三朗党教育再生実行本部長

――同奨学金創設の意義は。

 渡海紀三朗党教育再生実行本部長 安倍内閣が掲げる「一億総活躍社会」とは、一人ひとりにチャンスが与えられる社会です。

 これを実現するために、教育再生実行本部として「教育」の観点からどのような支援ができるかを考えた時に、特に高等教育段階で学費などが非常に重 い負担になっている現状に鑑み、いわゆる切れ目のない支援策として、未来の担い手になる子供たちの貧困の連鎖を断ち切ることが極めて重要であるという認識 に至りました。

 意欲ある子供たちが経済的な理由により進学を断念するようなことがないように経済的負担の軽減に取り組んでいくことが重要です。そのためには、現 行の奨学金制度の改善・拡充もやらなければなりませんが、それだけでは不十分であり、高等教育段階において返済の義務がない「給付型奨学金」を創設するこ とにより、返還負担の懸念が解消されて、大学進学への道が開かれることは大変意義があると考えています。

 ――給付対象者の選定と財源については。

 渡海 財源については、これまでにさまざまな議論がありましたが、教育を社会インフラとして捉え、未来への投資という意味で、「社会的便益」という考え方をすることが必要だと考えています。

 教育における格差の問題を放置することは、わが国に深刻な危機をもたらすことになること、これを克服することが、社会に税収増や社会保障費抑制などのさまざまな便益をもたらすという社会的コンセンサスを得ることが必要です。

 いずれにしても、あらゆる手段を使って財源を確保することにより、この政策を実現していくことが大事です。

 給付対象者については、家庭の経済状況に左右されることなく、進学の機会を確保するという同奨学金の趣旨を考えながら、対象者の範囲を検討していく必要があると思います。

誰ひとり見捨てない、
誰ひとり忘れない社会を実現

 ――無利子奨学金など、現行の制度との関係については。

 渡海 まず、無利子奨学金は、貸与基準を満たす希望者全員が利用できるよう拡充します。

 加えて、今後、「有利子から無利子」への流れをさらに加速させる必要があると思います。

 また、奨学金の返還負担を軽減し、返還者の状況に応じてきめ細かく対応するため、返還月額が卒業後の所得に連動する「所得連動返還型奨学金制度」を創設し、平成29年度の進学者を対象に導入を図る予定です。

 これらの無利子奨学金などをさらに拡充した上で、返済の必要がない給付型の奨学金を創設し、経済的支援をより充実させていく必要があると考えます。

 5月18日の党文部科学部会・教育再生実行本部合同会議でも、奨学金制度の充実・拡充に関する決議を採択しました。

 今後、決議をもとに、「ニッポン一億総活躍プラン」に反映すべく政府に働きかけていきたいと思います。

 ――最後に、「6次提言」のテーマの1つでもある「誰ひとり見捨てない、誰ひとり忘れない社会」の実現など、教育再生実行本部長としての教育格差克服に向けての思いを。

 渡海 わが国に生まれた全ての子供に教育の機会均等を保障するのが、日本の教育政策の柱であり、まさに「一億総活躍社会」を実現するためにも必要なことです。

 教育格差の問題がこれだけ社会的にも大きな問題になっている中で、これを解決するのは政治の責任であるという危機感を共有することが大事だと思います。 

 いわゆる貧困の連鎖を断ち切る有力なツールの一つが教育です。

 あらゆる選択肢を排除しないという前提で、これからも政策を総動員し、全力でこの問題に取り組んでいきたいと思います。

 

機関紙「自由民主」2698号(2016年5月31日)1面に掲載

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