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コラム

「これほど厳格な歯止めを定めた国はない」平和安全特別委員会

【詳細】安倍晋三内閣総理大臣×岩屋毅衆議院議員(自民党)

ネットメディア局次長 小林史明 ×国防部会長 佐藤正久

質問者岩屋 毅 衆議院議員
答弁者安倍 晋三 内閣総理大臣
中谷 元 防衛大臣
岸田文雄 外務大臣

 

歯止めとなる「新3要件」について

(岩屋 毅)

 自民党の岩屋です。

 私は、この一年がかりで二十五回にわたって開催された与党協議に参加をしてまいりました。それだけに、ともに汗をかいていただいた同志の皆さんとともに、この法案に責任と使命感を感じているところでございます。

 また、二十五回の協議を通じて、友党公明党の皆さんからは非常に有意義な御提案、御意見を賜りました。とりわけ、我々が今、北側三原則と言っているこの三原則でございます。この法案をつくるに当たっては、次の三つのこと、国際法上の正当性がしっかりないといけないよね、二番目には、国民の理解と民主的統制、つまり、自衛隊が動く場合には、国民の理解と支持を得て、つまりは国会の承認をきちんと経て動かなければいけないよね、三番目には、全ての活動を通じて隊員の安全確保に万全の対策が講じられていなければいけないよね、この三つが北側三原則でございます。我々はこれを全面的に受け入れて、全ての法案にこれを貫かせているというふうに考えております。

 正直申し上げて、当初自民党が考えていた案からすると、これがさらにモデレートされて、抑制的になって、そして平和国家日本にふさわしい法案に仕上がっているというふうに考えておりますが、この三原則がしっかりと貫かれているんだということについて、総理から国民の皆さんにぜひ説明をしていただきたいと思います。

 

(安倍晋三内閣総理大臣)

新三要件を明確に定めて、すべての法案で貫徹。

自民党と友党公明党との間で、そして政府も交えて、二十五回にわたって法案作成に向けて御尽力をいただいた、岩屋委員にも中心的な役割を果たしていただいたことに御礼を申し上げたいと思います。

そこで、今御紹介をいただきました三原則でありますが、北側三原則とも言われているこの三原則は、まさに、国内外に自衛隊を派遣する際に、こういう原則のもとに自衛隊を派遣しますよということを明示し、透明度を上げ、国際的な理解を深める、そういうための原則でもある、このように思います。

第一には、国際法上の正当性を有すること、そして、国民の理解を得られるように、国会の関与等の民主的統制を適切に確保すること、そして、自衛隊員の安全確保のための必要な措置を定めること、この三つでございますが、今委員が御指摘のように、政府としては、全面的に受け入れまして、三原則を法律上の要件として明確に定め、全ての法案にこの原則を貫徹することができたのではないか、このように思います。

政府としても、このような平和安全法制の内容について、わかりやすく、丁寧に今後とも説明していきたいと考えております。

 

「抑止力」と政治の責任について

(岩屋 毅)

危機管理に、想定外は許されず。だから法整備。

 では、もう一つ、国民の皆さんにぜひ御理解をいただきたいのは、この法案がどういう類いの、どういう性質の法案かということでございます。

 この平和安全法案というのは、総じて危機管理法案なんですね。いろいろな事態がそこに書いてあります。だけれども、それらの事態がすぐさま起こるなんということを我々も考えているわけではないわけですね。しかし、危機管理には想定外は許されないんです。万々が一のときに、手段がない、だから国民を守れないというわけにはいかないんですね。だから、穴のないように、切れ目のないように法案を整備しておく必要がある。

 例えば、今、我が国には有事法制というのがあります。日本が攻撃されたときにどう対応をするかということが書かれた法律なんですけれども、もちろん、これは一回も発動されたことはない。

 今、日本が攻撃される蓋然性が高いわけではない、しかし、その備えはきちんとしておかなくちゃいかぬ。これと同じことなんですね。そのことをぜひ御理解いただかなければいけないと思います。

 そういう事態が起こらないようにするということが我々政治の責任でありますけれども、すき間のないように法案をつくり、そして万が一の場合の対策をつくり、それに向かって訓練を重ねることによって抑止力が高まり、結果として紛争を未然に防ぐことができる、これが法案の持っている特質、性質だと思いますが、そのことを総理からまたぜひ説明をしていただければありがたいと思います。

 

(安倍晋三内閣総理大臣)

抑止力こそ、まさに本質。日本の繁栄のため。

 今回の法制は、まさに岩屋委員が御指摘になったように、この法制をつくったから、直ちに自衛隊がどこかに出ていくというものではありません。今おっしゃったように、危機が起こったときに、国民の命と幸せな暮らしを守るために、切れ目のない対応をできるようにしていくためのものであります。

 そして、こうした対応をしっかりと法制上とっていく、この法制上とれていく中において、自衛隊はそのための訓練もしています。そのことによって抑止力が高まり、未然にさまざまな出来事を防ぐことができるというものでございます。

 例えば、自衛隊が創設されて六十年たちます。海外から侵略を防ぐためのものであります。しかし、この六十年間、一度も防衛出動はしたことはないわけでありますし、自衛権も、個別的自衛権も行使したことが幸いないわけであります。だからといって、自衛隊法がなくてよかったわけではありません。自衛隊の存在がなくてよかったわけではなくて、逆であります。それをしっかりと、そうした備えをつくっておいたからこそ、日本を侵略しようという、よこしまな考え方を持つ国々が、やはりやめておこうということになってくるわけであります。ここが抑止力の、まさに本質と言ってもいいんだろう。

 こうした抑止力をきかせながら、さらには国際的な平和と安定を保っていくことは、我が国の繁栄にもつながっていくことであります。その中で、今までの経験を生かして、より効率的に貢献していこう、そのための法整備であります。

 

後方支援と安全対策について

(岩屋 毅)

リスクに対して、しっかりと手だてを講じている。

ですから、実際に行うということと、できるようにするということとは違うんですね。

 今回の法制を通じて、確かにできるようになることはふえておりますけれども、では、実際にそれをすぐさま、無理やり、自動的に行うかというと、決してそういうことではない、これが法案の特質なので、そこをぜひ国民の皆さんにも御理解いただきたいというふうに思います。

 これまでの議論を通じて最も時間が割かれたのはリスクの問題ですね。国民の皆さんの御心配も、まさにそこに集中しているんだと思います。

 きのう私がテレビで申し上げたのは、自衛隊の活動の範囲、内容は確かにふえていきますよね、したがって、リスクがふえる可能性があるということは事実でしょう、しかし、だからこそ我々は、この法制を通じて、法制面であるいは運用面でしっかりと手だてを講じているんですと。大串さん、間違いないですよね。そういうお話を私はさせていただきました。そういう説明をしっかりしていけば、必ず国民の皆さんは御理解をいただけると私は確信をしているところでございます。

 そこで、この心配の最大の原因になっているのは、やはり後方支援のところだと思うんですね。今までは非戦闘地域という、言ってみればゾーニングをして、ここの中だったら国や国に準ずる組織は出てこないよ、だから憲法で禁ずる武力の行使には当たらないよということで、そういう枠組みを設定して活動してきたわけでございます。

 しかし、これは、言ってみれば憲法上の要請に応える枠組み設定だったわけですね。議論を聞いていると、この憲法上の問題と法制上の問題と運用上の問題がちょっとごっちゃになっているなという感じがしておりました。そこをきちんと分けて議論するということが大事だと思います。

 わかりやすく言えば、私は大分県ですけれども、大分県でまだ戦闘が一部続いている。これまでは、中谷大臣のところの高知県は非戦闘地帯だ、だからこの中でだけ活動しようということだったわけですね。しかし、経験を積んだ結果、総理の山口県では医療活動がしばらくの間、安全にできますよね、外務大臣の広島では補給活動がしばらくの間安全にできますよね、そういう安全な実施区域を大臣が定めていくことができるようになる、こういう枠組みの設定の仕方に変えるということなんですね。そこをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。

 しかし、より難度の高い活動に自衛隊が従事をしていくことは事実ですから、やはり法制上あるいは運用上しっかりとした安全対策が必要であることには変わりはありません。そこをどう考えているかということを中谷大臣から説明していただきたいと思います。

 

(中谷元防衛大臣)

後方支援は、安全の確保が活動の大前提だ。

 これまでの特措法におきましては、自衛隊の活動が憲法との関係で問題が生じないように、現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域、いわゆる非戦闘地域で活動する旨の規定を設けておりました。

 今般の法整備におきましては、憲法との関係において、いわゆる武力の行使との一体化論、これ自体は前提といたした上で、自衛隊による実際の活動経験、また諸外国の活動の実態等、現実に即して検討を行った結果、現に戦闘行為が行われている現場以外の場所で行う補給、輸送などの支援活動は他国の武力の行使と一体化するものではないと判断をいたしました。

 その上で、後方支援は、性質上、そもそも、危険を回避して、活動の安全を確保した上で実施するというものでありまして、安全な場所でなければ有効な後方支援を実施することはできない、これが大前提でございます。

 そこで、今回の法案につきまして、自衛隊が実際に安全で円滑に活動できるような実施区域を指定することとしておりまして、自衛隊の部隊の安全を考慮して、今現在戦闘行為が行われていないということだけではなくて、自衛隊が現実に活動を行う期間について戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定するということになります。

 また、防衛大臣による実施区域の指定の際には、部隊の安全の観点から、その場所、そして避難できる場所、そして宿営地などの避難経路なども現地の状況において考慮をするということで、攻撃を受けない安全な場所で活動を行うことには従来といささかの変更もなく、新たな考え方への変更そのものが活動に参加する隊員のリスクを高めるとは考えておりません。

 このほか、自衛隊の実際の活動につきましては、いろいろな面で運用する際に、部隊長の判断や、また状況に応じての中止、休止、こういった規定も盛り込んでおります。

 

(岩屋 毅)

これほど厳格な、歯止めを定めた国はない。

 ですから、何か戦闘現場の真横や真後ろで活動するかのような議論がありますが、決してそんなことはないわけですね。あくまでも、安全が確保される実施区域を大臣がさまざまな情報に基づいて責任を持って定める、そして運用については実施要領等でさらに安全をしっかりと確保していく、こういう仕組みだということをぜひ御理解をいただきたいと思います。

 平和安全法の中で想定されている事態、私は、ほとんど起こり得ないと思います。唯一性質が違うのはPKO関連のところですね。ここだけは、平和構築のために今まで以上に積極的に関与していこうということで法律を改正するわけですから、ここには、駆けつけ警護だとか、任務遂行のための武器使用だとか、新たな任務とか権能が加わっているので、ここは、大臣、本当に気をつけなきゃいけないところなので、これについては、この後、友党の遠山委員の方から詳しく聞いていただきたいと思っています。

 それから、自衛権発動の三要件ですね。この表現が、もちろん言葉だけではなかなかわかりにくいわけでありますが、私は、しっかりとしたこれは歯どめになっているというふうに思うんですね。

 およそ国連加盟国全てに認められている集団的自衛権について、これほどしっかりとした歯どめをかけているという例は他にないんじゃないかと思いますけれども、外務大臣、いかがですか。

 

(岸田文雄外務大臣)

 国際法上、集団的自衛権に関しましては、自国と密接な関係にある外国に対する武力を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することを正当化される権利である、このように定義をされています。

しかし、我が国の場合は、我が国が集団的自衛権を行使できる場合、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生するのみでは足りないとしています。あくまでも、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、そして自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることを初め、新三要件、この三要件を満たす場合のみというふうに限定をしています。

 この新三要件自体、憲法上の明確な歯どめであり、これを一般の集団的自衛権の定義に加えている、そして上乗せしている、こうした例は国際的に見ても他に例がない、極めて厳しい基準であると認識をしております。

 

ホルムズ海峡における機雷掃海について

(岩屋 毅)

岩屋 毅

 本当に私もそう思いますね。しかも、この存立危機事態というのは、我が国が武力攻撃を受けたと同様の深刻、重大な被害があるときということに限定されているわけですから、そういうものであるということをぜひ国民の皆さんにも御理解をいただきたいと思います。

しばしば機雷掃海の話が出ておりますが、これは、機雷が敷設されれば、もう無理やりにでも、すぐさま出ていこうなんという話をしているわけではないわけですね。湾岸戦争の後に日本の自衛隊は機雷を掃海しました。これはどういう法律のどういう条文に基づいて行ったのか、中谷大臣、端的にお答えください。

 

(中谷元防衛大臣)

 これは遺棄機雷と申しますけれども、紛争や戦闘が終了した後、残された機雷を除去するということで、戦闘地域とか戦闘行為が行われていない場所での機雷の掃海作業でございました。

 

(岩屋 毅)

 だから、いつでもできるんですよ。紛争が終わっていれば、自衛隊による掃海は。存立危機事態みたいなものに至らない場合は、紛争が終わってから行きゃいいんです。普通そうするんだと思います。

 しかし、万々が一、まだ停戦合意はできていないけれども、このことによって本当に深刻、重大な、生死にかかわるような状況が国内に生まれている、そういう場合は行けるようにしようという話をしているわけでございます。ここの説明が、総理、ちょっと国民の皆さんにわかりにくくなっていることは事実だと思うんですよね。

 新三要件を満たせば他国の領域において武力を行使することも可能であるという答弁書も政府は決めておりますが、一方で、総理は一貫して、いわゆる一般の海外派兵ということはやらないんだと言い続けてきたわけですよね。

 しかしながら、ホルムズ海峡での停戦合意前の機雷掃海は、万々が一の場合には例外的に可能だ、これは海外派兵には当たらないんだ、こういう説明になっているので、あれ、どっちなのという感じで国民の皆さんは思っていると思うので、そこのところを総理からもう一度しっかりと説明していただければありがたいと思います。

 

(安倍晋三内閣総理大臣)

機雷掃海は、石油とガスを守る例外的な活動。

 武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵は、新三要件にある第三要件に照らして、必要最小限度の実力行使にとどまるべきことに照らして、自衛隊のまさに必要最小限度を超えるものであって、憲法上、一般に許されないと解しています。

 ここで一般にと申し上げましたのは、旧三要件の中におきましても、個別的自衛権においても、一般に海外派兵は許されませんねということを申し上げておりました。この一般というのは同じ意味で使っているわけでありますが、完全に全部だということではないわけでありまして、これはほとんどそうですねという、ほとんどが大体該当しますねと。

 しかし、これは安全保障のことにかかわるわけでありますから、その中にはやはり例外を全く排除はしていないということでありまして、これは今までも一貫しているわけであります。

安倍晋三内閣総理大臣

 その中において、まさに例外的な、例外としての例として、ホルムズ海峡において機雷によって封鎖された場合、これは八割の石油、ガスの多くがここからしかやってこない、しかし、そういう中におきまして、先ほど中谷大臣が答弁されたように、停戦合意がなされていれば、これは遺棄機雷を排除するということで武力の行使には当たらないわけであります。

 ただ、停戦合意が、国際法的に見てなされていない、完全になされていない、両国が調印はしていない、しかし、今もう大体、事実上停戦合意に向けてお互いが話し合い始めていますねという状況というのは、よくこれは起こり得る可能性も排除できないわけでございます。

 そこで可能性を排除できないということであります。起こり得る可能性も排除できない。これは今までも同じ答弁をさせていただいているところ、これはもう昨年来からでございます。

 そこで、排除する上においては、まさに事実上、戦闘行為が行われていない。そもそも、これは岩屋委員もよく御承知のとおり、掃海艇には機雷掃海のための機関銃以外ないわけでありまして、いわば自己防護のための武器というのは、機雷掃海のための機関銃しかない。木やプラスチックでできている。静穏な状況でなければそれはなかなかできないという状況の中で派遣されるわけであります。

 よって、いわば海中の危険物を取り除く、まさに受動的、制限的な行為であることから、必要最小限度の中のこれは実力行使になる可能性もあるということでございまして、そして、それ以外は今我々の念頭にはないということは、繰り返し申し上げているとおりでございます。

 

(岩屋 毅)

 時間が来ましたので終わりますが、機雷掃海というのは極めて例外的な活動だということをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。

 我が国が認めようとしている集団的自衛権は、いわゆる他国防衛を目的とするものではなくて、あくまでも我が国を守るための限定的な自衛権でございます。そのことをしっかりと丁寧な審議で説明していって、国民の皆さんの御理解をいただいてまいりたいと思います。ありがとうございました。

 

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