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コラム

ネット選挙の解禁に備える

ネット選挙の解禁に備える 上

機関紙「自由民主」第2551号(平成25年4月9日)3面に掲載

 

ネット活用で幅広い支持得る

選挙期間中、インターネット(ネット=ホームページやブログ、ツイッター、フェイスブック、電子メールなど)を利用した選挙運動を解禁する与野党2法案の国会審議が4月2日にスタート。参院選ではネット選挙が解禁される見込みだ。自民・公明・維新案のポイントとネット選挙対策を紹介する。

党大会に先立ち開かれた第1回ネット研修会であいさつする平井たくや党ネットメディア局長(3月17日、党本部)

党大会に先立ち開かれた第1回ネット研修会であいさつする平井たくや党ネットメディア局長(3月17日、党本部)

概 要

 現行の公職選挙法でも選挙期間中以外なら、ネット上の情報を活用した政治活動ができる。しかし、ネットは同法の「文書図画」にあたるため、ネットを利用した選挙運動は禁止されており、選挙期間に入るとホームページなどの更新ができなくなる。今回の同法改正によるネット選挙運動の解禁はこうした不都合を解消するものだ。
 解禁によって候補者や政党(支部を含む)は選挙期間中、ネット上で日々の活動の記事や写真、動画の更新のみならず、投票依頼、演説会の告知、投票促進運動などの選挙運動を行うことができる。
 候補者以外の国会議員や地方議員、党員や支援団体、会社、後援会員や後援会組織、一般有権者など(以下第3者)もネット(電子メール、ネット広告除く)で選挙運動ができるようになり、今まで政治と関わりが薄かった有権者でも参画しやすくなる。
 もう一つの大きなメリットは紙媒体と比べ、少ない費用で幅広い有権者に情報発信できること。解禁となっても、日常使用しているネットを選挙期間に引き続き活用するだけであれば、あまり追加的な費用が発生しない。  また、ネット上での選挙期日後のあいさつ行為や、屋内の演説会場での映写(ビデオメッセージの上映など)もあわせて解禁することになる。
 ネットへの対応は選挙事情や候補者の特性などによって様々だ。ネットを重視することが高い効果を生む選挙もあれば、最低限度だけに留めて他の手段で勝てる選挙もある。基本は従来と同じ。ネットだけで勝つことはできない。いずれにしても、ネット選挙運動に対する理解を深め、活用することが選挙戦にプラスになることは間違いがない。

 

悪質な誹謗中傷、なりすまし対策

○責任ある情報発信を
 解禁により悪質な誹謗中傷がネット上で拡散することが懸念されているが、これらは現行法制下でも、虚偽事項公表罪(公職選挙法235条2項)、名誉毀損罪(刑法230条1項)、侮辱罪(刑法231条)が適用される。
 今回の改正ではこうした違法なもの以外の純粋な落選運動についても、新たに規定を設け、選挙運動や落選運動を行うホームページなどには電子メールアドレスの表示義務(罰則なし)を課し、自らの頒布する文書図画の記載内容に責任を持たせることとしている。
 また、第3者による電子メールの解禁は、密室性が高く、誹謗中傷やなりすましに悪用されやすいことなどから、自公維案では見送った。
 党本部は今後、ネット上の誹謗中傷をチェックするチームを設置し、虚偽、悪質な情報の拡散を監視する予定だ。また、候補者や政党のネット媒体にSSL(注)と呼ばれる証明システムの導入を促進し、「なりすまし」対策に努めていく。

○反論、訂正が可能
 現行では悪質な誹謗中傷に対し選挙期間中、候補者や政党は反論や訂正が事実上できない。しかし、今回の改正によってネット上で正しい情報を発信し、政策的な主張や批判、悪質な誹謗中傷に対しても有効な反論をすることが可能となる。

○プロバイダ責任制限法の改正
 プロバイダ(インターネット接続業者)が候補者や政党から虚偽事項の削除要求を受けてから、書いた者に削除に対する同意を照会し、「7日」待って返事が無ければ削除しても免責される特例がプロバイダ責任制限法で定められている。今回は同法の照会日数を「7日」から「2日」に短縮し、候補者や政党の被害を可能な限り抑えていく。
 さらに、電子メールアドレスの表示が無い場合、候補者や政党から削除要求を受けて即時削除しても免責される規定を追加した。

 

注意すべき法令違反

 ネットで選挙運動を行う者は公職選挙法の「選挙運動員」となり、報酬を支給すれば運動員買収となる。刑が確定すれば5年間、選挙権と被選挙権を失い、連座制が適用される場合があるので注意が必要だ。
 選挙期間中、候補者や政党の具体的な指示に基づくネット監視や与えられた文章の入力・ネットの機械的な更新・メール送信・ツイート作業を業者に委託した場合、行為の主体は候補者や政党となり「買収」とならない。このような機械的作業を行う者は「労務者」として、法定選挙費用の範囲内で報酬を支給できる。
 ただし、文章内容や政策などを業者に委託して企画作成させた場合、選挙運動の企画立案を業者が行ったことになり、「買収」となるおそれが高い。
 未成年者の選挙運動はネット上でも現行と同様に禁止する。ネット上では相手の年齢確認が困難である分、周知が必要となる。

(注)SSL 所有者の情報、送信情報の暗号化に必要な鍵、発行者の署名データを持った電子証明書

 

 

ネット選挙の解禁に備える 下

機関紙「自由民主」第2552号(平成25年4月16日)3面に掲載

 

期間中の記事・動画の更新可能に

ネット選挙が解禁されれば日常的に政治活動で利用しているネットツール(ホームページやブログ、ツイッター、フェイスブック、電子メールなど)が、選挙運動で新たな武器として活用できるようになる。わが党はネット対策を今後、衆参国会議員や地方議員、党組織をあげて取り組まねばならない。ネット選挙運動解禁で「できること」をまとめてみた。

参院選候補者を対象に開催されたネット選挙の研修会には70人が出席し、講師の説明に熱心に耳を傾けた

参院選候補者を対象に開催されたネット選挙の研修会には70人が出席し、講師の説明に熱心に耳を傾けた

●ホームページ、ブログ
 候補者や政党(支部を含む)は選挙期間中、選挙ポスター、政策ビラ、公約、CMをホームページやブログに掲載したり演説会の告知や、動画を使った投票依頼などの選挙運動ができるようになる。今まで政治と関わりが薄かった若い世代の有権者に選挙に関する情報が届き、選挙への関心が高まることが期待される。
 候補者以外の国会議員・地方議員、党員や支援団体、会社、後援会員や後援会組織、一般有権者(以下第三者)のホームページやブログでも候補者や政党を応援できる。そのため、候補者や政党は、第三者に対し、ホームページ上での支援を依頼することも重要だ。また、バナーやブログパーツ(注)を作成し、第三者のホームページやブログに貼りつけてもらえば政策や候補者の人柄を幅広い有権者に浸透させることができる。
 ホームページとブログ制作のキーワードは以下の三つ。
【シンプル】 一つのホームページの滞在時間はわずか数分。情報を入れ過ぎると見てもらえない。
【スマートフォン(スマホ)】 一度の更新でパソコンやスマートフォンなどの端末にあわせて最適化される設計にする。
【更新が楽】 複雑にすると継続が難しくなる。日々の更新はスマホからできるようにすべきだ。

●SNS(フェイスブック、ツイッターなど)
 SNSは人と人を結びつけるコミュニケーションツール。友達同士の対話が基本だが、自分が発信した情報を友達がシェアすれば、その情報は〝友達の友達〟へとネズミ算式に拡散される。選挙期間中の遊説や演説会の日程などを発信すれば、友達のつながりを通じ、政治意識の高い有権者へ効率的に情報を届けることができる。
 フェイスブックは実名での登録なので炎上しにくく、候補者や政党の選挙活動の様子を長文の記事や写真、動画で発信できる。「いいね」ボタンをクリックするだけでの意思表示や、スマホから更新が可能だ。
 ツイッターは140文字以内で簡潔に情報発信ができ、拡散効果が高いので選挙活動の告知に適している。
 現行の公職選挙法では演説会の開催が急きょ決定した場合、紙媒体に記載できるのは応援弁士名と開催日時ぐらい。候補者名を記載できず、受け取った有権者はどの候補者の演説会か理解できない。仮に電話で連絡すると費用がかさんでしまう。
 しかし、SNSを使用すれば費用も労力もかからない。しかも、瞬時にして候補者名を含めた詳細な情報を幅広い有権者に拡散できる。さらに、ホームページと連動すれば相乗効果を発揮する。

●電子メール
 選挙期間中、候補者や政党(自公維案では第三者は禁止)は電子メールを使って、一斉に投票依頼や政策、演説会の日程を伝え、投票促進運動を行うことができる。受信対象に数の制限はない。メールマガジンの発行など日常の政治活動の中で、受信者のメールアドレスの数を可能な限り増やすことが最も有効な方法となる。また、何度でも送信できる。そのため、広い選挙区であっても電子メールを活用すれば幅広い有権者に対し繰り返しアプローチすることが可能となる。
 ただし、メールマガジンの継続的な読者の場合でも、受信者の同意が必要だ。選挙前までに「送信の可否」を尋ねる通知を送信し、拒否の返信をしなかった者に対し送信できる。また、業者から購入したメールアドレスにメールを送信すると、違法なメール送信として処罰の対象となる。

●ネット広告
 現行と同様、政党は対価を払い、政治活動用の有料広告を出すことができる。しかし、候補者については、選挙にかかる費用を抑えるため、現行と同様に禁止。第三者も同様だ。

●動画の配信・中継
 一昨年、党本部に動画スタジオ「カフェスタ」を開設し、党の政策解説や候補者紹介を生中継で配信している。視聴者からの質問にその場で答えるなど、双方向でのやり取りを行っている。都道府県連でも同様の取り組みをしている例がある。こうした動画を、候補者や政党支部のホームページやブログでリンクを張ると相乗効果が生まれてくる。
 参院選の政見放送はスタジオの撮影で、衆院総選挙のように独自の工夫を凝らして制作したビデオを放送しない。だから、参院選の候補者は自分のプロモーションビデオとして、日ごろから動画を撮影して掲載しておくべきだ。
 また、今では候補者個人がインターネット上に動画配信サイトを無料で開設できる。安定的な視聴者を確保できればネット選挙の上級者といえる。

(注)バナー ホームページに貼られる細長い帯状の見出し画像。広告などに利用。 ブログパーツ ブログの端に掲載することができるパーツ(部品)。活動情報や写真などを一つのパーツにまとめ、配布することができる。

自民党・公明党・日本維新の会の法案

 

機関紙「自由民主」第2551号~第2552号掲載

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