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コラム

山本一太党総合エネルギー政策特命委員長インタビュー

 福島原発の事故を契機に改めて、わが国のエネルギー政策が問われている中、党総合エネルギー政策特命委員会は今後のエネルギーについてのわが党の考え方を「中間報告」として取りまとめた。原子力政策のあり方など、エネルギーをめぐる様々な課題に、わが国はどのように向き合うべきなのか。同特命委員会で委員長を務める山本一太参院議員に聞いた。

山本一太参院議員
――今回の中間報告を取りまとめるまでに、短期間で30回を超える議論を重ねられましたが。

 中間報告の策定にあたって重視したことは、最大野党として、また、これまで長期にわたって政権を担ってきた自民党として、一時の感情論に流されて無責任な結論を出すのではなく、しっかりと地に足をつけ、現実を踏まえた責任ある内容にするということでした。これが基本的な方針として、根幹にあります。

 ポイントは大きく分けて2つで、まずは当面に最低限必要な電力を賄うための原発の再稼働について。これには、水力や太陽光、風力発電などの再生可能エネルギーと省エネルギーを可能な限り促進した上で、テロや有事への備えも含めて安全確保に万全を期し、地元住民の理解を前提にして進めるべきとの見解を明示しました。

 もう1つは中長期の課題で、これには火力や再生可能エネルギーはもちろん、石油や天然ガスなどの化石燃料、試掘が始まったメタンハイドレートなどによる「電源構成のベストミックス」を確立する重要性を指摘しています。

――原発の方向性についてはどう考えますか。

 原発の新増設が現実的に難しい上、40年程度で廃炉になることを考えると、必然的に原発への依存は下がることになります。これまでエネルギーの中核的な役割を果たしてきた「切り札」がスケールダウンするわけですから、代替エネルギーとして、ありとあらゆる可能性を模索するのは当然ですが、今の段階で40年も先を見通して、脱原発を国策として決定することがベストな選択と言えるでしょうか。

 例えば、(1)国会の事故調査委員会による調査結果が未だ出ていないこと(2)わが党が推進している再生可能エネルギーの普及状況(3)省エネの推進状況(4)安全な原発技術に向けた研究開発の動向(5)イランの不安定化など、先行き不透明なエネルギーをめぐる国際情勢――など不確定な要素が山積しているのです。

 こうした状況を踏まえ、中間報告では今後10年を「原子力の未来を決め10年」と位置付け、トレンドを注視しながら、原発の是非について国民的議論を喚起すべきとする姿勢を打ち出しました。様々な条件を見極めて、二枚腰、三枚腰で柔軟かつ機動的に取組むことが最も国益に適っており、責任ある対応であることは間違いありません。

――特命委員会としての今後の課題は。

 中間報告のエッセンスは、わが党の来年度予算案に盛り込まれましたし、政権公約にも反映させます。さらに具体化に向けて、これをブラッシュアップし、事故調査委員会の調査結果や政府の新しいエネルギー基本計画の内容も精査しながら、夏頃を目途に最終報告を取りまとめます。

 また、原発事故の原因を解明して国際社会に発信することが、日本の責務ですから、過去の政策を総括し、そこに誤りはなかったのか、新たな視点から問題の本質にアプローチする考えです。

――具体的には。

 2点あります。1つは、原子力政策のターニングポイントと政策決定過程について。エネルギー業界、労働組合等と政府や与党との関係を検証します。もう1つは、核燃料サイクル、放射性廃棄物処理の歴史。これは高速増殖原型炉「もんじゅ」などの課題が中心になります。それぞれにワーキングチームを新設し、前者の座長には菅義偉衆院議員、後者の座長には岩屋毅衆院議員に就任していただきました。特命委員会と並行して精力的に議論を進めて6月には意見を集約し、最終報告にも盛り込みます。

 国家の存亡や国の行く末に関わる重要なテーマでもありますから、限られたメンバーだけで結論を出すのではなく、これまでもそうであったように、マスコミにもオープンにした上で、開かれた場で論議を深め、責任ある効果的な将来のビジョンを示すこと。それこそが、国民政党である、わが党の責務に他なりません。

 

機関紙「自由民主」第2499号掲載

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