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コラム

「絆」を核に新しい日本の時代をつくる
新春インタビュー 谷垣禎一総裁に聞く

「絆」を核に新しい日本の時代をつくる

 平成24年――政権交代から2年余り。嘘のマニフェストで獲得した民主党政権の行き詰まりは、もはや誰の目にも明らかだ。こうした政治の閉塞感を打ち破るためには、今年わが党は是が非でも民主党政権を解散・総選挙に追い込み、政権奪還を果たさなければならない。谷垣禎一総裁に新しい年への決意とわが党が果たすべき役割を聞いた。

総選挙なくして日本再生なし

「絆」を核に新しい日本の時代をつくる
――――民主党政権の震災対応をどのように見られますか。

 鳩山由紀夫、菅直人の両総理のときは「自民党と違うことをやる」という強い意識がありました。その典型が米軍普天間基地移設問題での「国外、最低でも県外」でした。しかし、やってみたらどれも実現できなかった。野田佳彦政権になって、わが党と同じような主張をするようになったのは、民主党のアイデンティティーではなく、消費税を上げないと来年度予算が組めないというような、お尻に火が付いている現実があるからです。

 今、民主党は「自民党と違うことをやる」というアイデンティティーを失い、何をしたいのか、どうしたらいいのかが分からない状況になっています。いわばアイデンティティー・クライシス(自己喪失)に陥っているといえます。これが民主党内の混乱の原因です。

――――わが党が解散・総選挙を求めるのは民主党の公約違反だけが理由ですか。

 野田総理を選んだ民主党議員は総選挙で「4年間は消費税を引き上げない」と訴え、当選してきた人たちです。野田総理、安住淳財務大臣も新聞社の候補者アンケートで、「任期中の消費税増税」に反対していました。そんな民主党政権に、消費税の増税を提起する資格はありません。もし、どうしてもやるのであれば、もう一度国民に信を問うところから出発しなければなりません。

 しかし、解散・総選挙を求める理由はそれだけではありません。

 わが国は東日本大震災の復旧・復興、欧州の金融危機にどう対応するかなど、様々な案件の処理を迫られています。しかし、もはや民主党政権にこれらの問題をさばく能力、資格がなくなっています。

 問責決議が可決された一川保夫防衛大臣や山岡賢次国家公安委員長・消費者問題担当大臣の問題は、まさにそのことを証明しています。あれだけ沖縄の方々を逆なでするような防衛大臣では普天間の問題を解決できるはずがありません。

 あらゆる問題について、もう一度正面から国民の信を問うところから出発しないと日本の再生はありえません。

「絆」と「自立」は表裏一体

――――谷垣総裁は新綱領で「自助」を尊重し、「共助」「公助」する仕組みを充実するとし、また、かねて家族や地域の「絆」の大切さを訴えてきました。
 谷垣総裁が目指す「国のかたち」とはどのようなものですか。

 ブータンのワンチュク国王は昨年11月、国会の演説で日本のことを大変、たたえてくださいました。それは大震災で甚大な被害に遭いながらも、被災地の人々が「絆」を確認しあいながら、自分たちの地域を再建しようと頑張っている姿に感銘を受けられたのだと思います。

 「絆」というのは助け合うということだけでなく、自分たちの地域は、自分たちで再建しようという「自立」の精神が、ちょうどコインの裏表のような関係にあります。

 わが国にはこのような「絆」が全国いたるところにあります。それが日本の良さであり、強さであることを、震災を契機にわれわれは再認識しました。

 民主党政治は、国民からいただいた税金を「子ども手当」や「戸別所得補償」などと配分することには熱心ですが、日本をどう伸ばしていくのかという発想に乏しい。

 日本の良さ、強さをどこに求め、どう伸ばしていくか。私は、「絆」を核に据えた国づくりに取り組んでいきます。

保守政治家に不可欠な郷土愛

――――野党になったこの2年余りに、わが党はどんな党改革に取り組み、どう変わったのでしょうか。

 わが党が野党になった原因の一つは、長い間政権にいたことによって「与党であること」自体がアイデンティティーになっていたことです。そこで、「自民党は何をする政党なのか」をきちっとするために新綱領を作りました。

 それから、良い人材が集まらなければ党を再生することができないということから人材育成に力を入れました。今、都道府県連では、続々と政治学校が開校され、これまで政治に縁遠かった人たちが集まり、それと連携する形で、その卒業生が候補者公募に応募する動きが広がっています。 

 また、わが党の強みは、それぞれの議員が地域に根差していることです。こうしたことは今後も徹底してやっていく必要があります。特に若い人たちにはさらに地域に溶け込む努力をしてもらいたい。そこで暮らす人々の喜びや悲しみを受け止められるということは、保守政治家として大変重要な要素です。そうした郷土愛の延長線上に愛国心があります。

 大震災や台風災害、宮崎県で口蹄疫が発生したときなど、党本部には現地からたくさんの要望や情報が毎日のように上がってきました。ところが民主党はそれができない。

 大震災の際、与党である民主党議員が「俺がやらないで誰がやる」という気概で行動していれば、復興対策は今より大きく進んでいたはずです。私から見ると、民主党の議員は国やふるさとへの愛情が薄いと言わざるを得ません。民主党から政権を取り戻さなければならないという根本にあるのは「こんな郷土愛の薄い政党に任せておいては、日本はおかしくなってしまう」という思いです。

国民の自信と誇り取り戻す

――――今日における保守政治家の役割、そして、保守政党である自民党の使命をどのようにお考えですか。

 保守政治家と言えば、吉田茂、ド・ゴール、チャーチル、アデナウアーなどの偉大な政治家を思い起こします。彼らの共通点は、国が挫折したときに国民に自信を与えたことです。例えばド・ゴールは第2次世界大戦後、フランスの偉大さを訴え、フランス人に勇気と希望を与えました。わが国では、吉田茂が、わが国が敗戦で挫折したなかで登場しました。

 わが国は今、バブル崩壊後の「失われた20年」と言われ、国内総生産(GDP)で中国に追い抜かれ、国民の自信がやや失われているように見えます。

 こうしたなかで保守政党であるわが党にとって一番大切なことは、日本人にもう一度、自信と誇りを取り戻してもらうことです。わが党はそういう政策を打ち出していかなければなりませんし、それができれば、わが党は必ず政権復帰できるはずです。

政権奪還こそ自民党の使命
民主党では難局乗り切れない

「絆」を核に新しい日本の時代をつくる
――――今日における保守政治家の役割、そして、保守政党である自民党の使命をどのようにお考えですか。

 2年前に野党になって、私は野党の総裁になりました。もう一回、国民に信頼していただいて、「自民党よ、政権を担え」と言っていただくのが私の仕事です。

 正直言って、最初は「こんないい加減なマニフェストにペテンにかかるようにやられてしまった」という悔しさがありました。

 しかし、今は、国や国民への愛情が足らない人に政治を任せておいてはこの難局を乗り切れないという気持ちです。

 やはり、わが党がもう一度足腰を鍛え直し、政権を奪還しなければならない。それはわが党に課せられた使命であります。

 それを実現するために、私は、全身全霊を傾け、先頭に立って戦う決意です。

【聞き手・関口昌一党新聞出版局長】

 

機関紙「自由民主」第2493号掲載

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