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コラム

二階俊博国土強靱化総合調査会会長に聞く
災害に強い国土づくり 自信を持って必要性訴える

 今年は、3月11日に発生した東日本大震災や9月の台風12号による豪雨災害など日本列島を大きな災害が襲った。これを受け、わが党は役員改選に伴い政務調査会に国土強靱化総合調査会を新設し、〝強靱〟な国土づくりに向けて議論を開始した。同調査会長に就任した二階俊博衆院議員に聞いた。

コンクリートが人を守った

二階俊博党国土強靱化総合調査会長
――――国土強靱化総合調査会を新設したねらいは。

 今年は、大災害に打ちひしがれ、国全体が地べたに叩きつけられたようでした。

 われわれ人間が、完全に自然災害を予知し、防ぐには、限界があります。だからと言って、自然のなすがままにしていれば、国民生活は成り立ちません。人と自然の共生を前提に、創意工夫し、積極的に防災・減災に取り組み、国民の生命・財産を守っていかなければなりません。それが政治の責務です。「コンクリートから人へ」という寝言を言っているわけにはいきません。

 私の地元の和歌山県はじめ紀伊半島は、台風12号による豪雨災害で、東京ドーム約80倍相当の土砂が流されるなど甚大な被害を受けました。しかし、那智勝浦町では、砂防ダムが大量の土砂の流出を防ぎました。もし、砂防ダムがなければ、さらに多くの住宅や田畑が土砂で押し流され、被害が拡大していたはずです。

 また、民主党は一昨年の総選挙で、県南部の高速道路を「無駄な公共事業」と宣伝カーまで出して、盛んに批判しましたが、今回の豪雨災害では、この道路のおかげで、自衛隊、消防、救急車などが迅速に展開でき、多くの命を救うことができました。コンクリートが人命を守ったのです。

 「強靱」という言葉には、単に強いというだけではなく、「しなやか」との意味も含まれています。強さと同時に、試練や変化に柔軟に対応できるしなやかさを持った国土。それが本調査会の目指す「強靱な国土」です。

二階俊博国土強靱化総合調査会会長に聞く
政治評論家の森田実氏から話を聞く党国土強靱化総合調査会。
同氏は「民主党政権は防災意識が薄い」と批判した(11月10日)
――――どのような考えで「強靱な国土」を実現していく方針ですか。

 わが党は、これまで道路、鉄道、港湾、河川などの社会資本整備について近頃は、やや遠慮していたところがありました。しかし、東日本大震災の甚大な被害を目の当たりにし、防災、減災のための社会資本整備をきちんと進めることの重要性をあらためて認識しなければなりません。財政再建は重要ですが、こうした反省にたって、自信を持ってその必要性を訴えていきます。

 特に災害に強い国土づくりは最重要課題です。今後、首都直下型地震、東海、東南海、南海地震の連動型地震が発生すれば、超広域的大災害となる恐れがあります。早急に対応を進めなくてはなりません。

 一方、災害に強い国土の形成は、社会資本整備だけでは実現しません。最新の科学技術やこれまで長い歴史の中で積み重ねられてきた知恵に学ぶことが必要です。

 今年6月、わが党が主導し、公明党と共に、全会一致で津波対策推進法を成立させましたが、同法には「11月5日」を「津波防災の日」と定めました。

 安政元年(1854年)のこの日、大津波が現在の和歌山県広川町を襲い、庄屋の浜口梧陵が稲むらに火を付けて村人に津波の襲来を知らせたという、「稲むらの火」の故事にちなんだものです。小学校の教科書にも出ています。

 法律制定後、初めての「津波防災の日」となった今年、俳優の杉良太郎氏のプロデュース、藤舎華鳳、藤舎清成両氏作曲によって「浜口梧陵ご献上稲むら太鼓」が演奏されるなど、県民の間にも津波防災の教訓を伝え、理解を深めました。

 また、日頃から市町村単位、町内会単位、学校区単位で、災害があった場合にどう対応するかを真剣に考え、訓練しておくことも必要になります。こうしたハード、ソフト両面の対策が重要です。

アジア諸国と協力し成長を

国土強靱化総合調査会
会長 二階俊博
顧問 大島理森 古賀誠 野田毅
町村信孝 山東昭子
会長代理 武部勤
筆頭副会長 林幹雄
副会長 金子一義 金田勝年 高市早苗
中谷元 三ッ矢憲生 宮腰光寛
佐藤信秋 鶴保庸介 脇雅史
事務総長 福井照
常任幹事 平井たくや(総務部会長)
柴山昌彦(法務部会長)
小野寺五典(外交部会長)
西村康稔(財務金融部会長)
下村博文(文部科学部会長)
宮沢洋一(厚生労働部会長)
山田俊男(農林部会長)
牧野たかお(水産部会長)
菅原一秀(経済産業部会長)
望月義夫(国土交通部会長)
吉野正芳(環境部会長)
今津寛(国防部会長)
竹本直一(内閣部会長)
幹事 赤澤亮正 橘慶一郎 谷公一
長島忠美
参与 泉信也
―――― 調査会の目的には自然災害のほかに国際社会の急激な変動に対応する国土づくりがありますね。

 国際競争力に資する国土づくりも本調査会の重要なテーマです。なかでも、成長著しいアジアの成長をわが国に取り込むための産業基盤整備に取り組んでいかなければなりません。

 私が小泉内閣の経済産業大臣時代に提唱した、アジアの経済について政策研究・提言する東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)が、16カ国の協力を得て、平成20年にジャカルタに設立されました。

 今では、国際会議の場で、各国首脳から「ERIA」との言葉が聞かれるようになり、ERIAの重要性が高まり、経済協力開発機構(OECD)との情報共有も進んでいます。例えば、このERIAを拠点に、わが国とアジアの諸国と協力して経済成長の道を歩んでいきたいと考えています。

 また、国際競争力に資する地方産業として、経済波及効果の高い観光は重要です。そうした観点からの基盤整備に取り組んでいきます。

―――― 今後、どのように調査会を運営していく方針ですか。

 まずは年内に骨格の中間取りまとめを行い、来年6月を目途に最終答申を作成できるよう急ピッチで議論を進めていく方針です。また、議論にあたっては門戸を広く開き、謙虚で柔軟な姿勢で、地方の声にも積極的に耳を傾けていきます。そのために調査会で行われた有識者の講演録を都道府県連などにもFAXで送信し、それに対する意見・提言を頂いています。まさに、わが党の総力を結集して自然と共生し、都市と農村が共に繁栄するための方針を打ち出したいと考えています。

 そして、大企業、さらに中小企業にも元気を出して奮起していただき、自民党が「日はまた昇る」を信じ、国民に呼びかけていきます。

 

機関紙「自由民主」第2487号掲載

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