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コラム

金子一義党国家戦略本部第4分科会座長に聞く
今後10年、最優先で防災・減災対策

 わが国は今、東日本大震災の復旧・復興に加え、首都直下型地震などの大災害に備えることが最優先課題となっている。民主党が掲げた「コンクリートから人へ」のスローガンを「理念として破綻している」と批判し、今後10年間に最優先で防災・減災対策に取り組む方針を打ち出した党国家戦略本部第4分科会(国土保全・交通担当)の金子一義座長に聞いた。

コンクリートが命を守る

金子一義座長
――――先月末、新潟・福島両県を豪雨が襲いました。

 両県は平成16年にも豪雨災害に見舞われましたが、その後河川改修を着実に進めたため、前回以上の記録的大雨になったにも関わらず、被害は減りました。東日本大震災に続き、今回の豪雨災害で「コンクリートから人へ」のような情緒的な局面ではないことを学んだと思います。

 この数年、公共事業に対する議論は、経済効率、費用便益比(B/C)が中心でした。しかし、この議論は行き過ぎでした。元国土交通大臣として反省しております。

 経済効率だけではない、必要な公共事業はあります。東日本大震災で、岩手県・釜石港の防波堤は、破壊されたものの、浸水を6分間遅らせ、その分逃げる時間が確保されました。コンクリートが命を守ったのです。

――――首都直下型地震などへの備えは。

 平安時代に東日本で発生した大震災では、首都直下型地震、東海・東南海地震が連動しました。東日本大震災の復旧復興に加え、30年以内に70%の確率で起こるとされる首都直下型地震や、東海地震、東南海・南海地震の対策に最優先で取り組まなければなりません。

 その際必要なのは、浜岡原発の稼働停止のような「つまみ食いの対策」ではありません。わが国の安全、足元を固める対策です。わが党は、今後10年間で取り組むべき減災対策の目標を定め、優先順位を決め、効果的な対策を講じていきます。なかでも、首都直下型地震に対しては、総裁の下に「首都圏防災対策本部」を設置し、具体的対策を議論する方針です。首都機能のうち、行政のバックアップ機能を大阪に分散する考えもあります。

 それから、ハードとソフトの両面からの対策が重要です。ハード面では、例えば、道路が寸断された場合、「陸の孤島」となるような地域では、道路などのアクセス面を強化する。海岸沿いの平地に工場があるような地域は、高台に工場を移転するのを支援する。つまり、地域の実情に応じた対策が必要です。

 ソフト面では今回の豪雨災害で、多くの自治体が防災無線を導入していたため、迅速な避難につながりました。避難訓練とあわせ、こうした対策の強化も大切です。

――――わが党の公共事業に対する考えは。

 わが党は、地域と国際競争力強化を柱にした国土を作ってまいります。公共事業は、利権や談合のように言われてきましたが、今わが党で、そんなことを考えている人は誰もいません。

 地域は、地域で暮らす人々の「絆」を結び、わが国固有の伝統や文化を育み、守っています。今回の震災でも地域の「絆」が生きていました。わが国全体が東北を助けようという「絆」を再認識しました。これは、地域の良質な保守を代表するわが党が最も大事にすべき点です。地域に必要不可欠な社会基盤整備は、経済効率だけにとらわれることなく、重点的に取り組みます。

 一方、わが党にも反省しなければならないことがあります。平成2年の日米構造協議で、10年間で430兆円の公共投資を約束してから、何に投資するかではなく、数字ありきの公共事業を積み上げました。それによって、わが国の国際競争力は強化されたかといえば、残念ながら、空港や港湾の拠点はアジア各国に移りました。

 企業の海外移転が懸念されるだけに、わが国の国際競争力を強化する観点での空港・港湾の整備が求められています。

産業基盤の整備に全力

――――具体的には。

 空港で言えば、羽田空港を明確に位置づけ、5本目の滑走路を建設します。

 重要な港湾については、管理を地方から国に移管します。北米・欧州などからの大型貨物船は、日本の港湾では水深が浅いため、一度、韓国の釜山港で荷物を降ろし、小分けしてから輸送するケースがあります。そうした港湾を整備しようとすると地方の所管では、なかなか進まない。やはり、国が責任を持って直接管理、整備していく必要があります。海洋国家・日本の国際競争力を強化するためには、地方分権と逆方向に進むことが必要です。

 企業の海外流出を防ぎ、海外からわが国に来ていただく。アジアの成長を取り込むため法人税制と併せ産業基盤の整備に全力を挙げていきます。

 

機関紙「自由民主」2474号掲載

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