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コラム

今こそ自主憲法の制定を

改正へのわが党の姿勢

保利耕輔・憲法改正推進本部長に聞く

 自主憲法制定は立党以来のわが党の党是だ。立党50周年の平成17年に新憲法草案を取りまとめ、平成19年には、憲法改正に必要な手続きを定める憲法改正国民投票法を成立させるなど、わが党は一歩一歩努力を積み重ねてきた。憲法公布から65年を迎えて、わが国を取り巻く国際環境が大きく変化する一方、国内的にも様々な問題に直面している。このような状況の中、わが党はどのような姿勢で憲法改正に取り組むのか。近藤三津枝党新聞出版局長が保利耕輔党憲法改正推進本部長に聞いた。

現行憲法のベースはポツダム宣言にあり

「権威があり、わかりやすい憲法の作成を目指す」と語る保利耕輔・党憲法改正推進本部長
「権威があり、わかりやすい憲法の作成を目指す」と語る保利耕輔・党憲法改正推進本部長
――今年は、日本国憲法が公布されてから65年、また来年は、サンフランシスコ講和条約発効60年を迎えます。最初に、保利本部長の現行憲法への思いをお聞かせください。

 現行憲法は終戦からわずか1年余りの昭和21年11月3日に公布され、翌22年5月3日に施行されました。国中で新しい憲法ができたことをお祝いし、この日が憲法記念日として国民の祝日になっています。当時私は中学2年生でしたが、学校でも新憲法や民主主義について教えられたものです。

 しかし、よく勉強してみると、憲法は日本の民主化のために連合国側の強い意思に基づいて作られ、また、そのベースになったものは、日本に降伏を勧告し、戦後の対日処理方針を表明したポツダム宣言だと思うようになりました。特に憲法の前文にはそのことが強く表れていると思います。

――憲法改正推進本部が一昨年12月に設置され、自主憲法の制定に向けて取り組んでいます。

 昭和30年に左右社会党が統一されたことに対抗し、当時の自由党と日本民主党が合同し、自由民主党が誕生しました。わが党は立党時から自主憲法の制定を党是として掲げています。

 その約3年前にはサンフランシスコ講和条約が発効し、わが国は占領体制から独立国家へと歩みだしました。そして、他国から与えられた憲法ではなく自分たちの自主的な憲法を作ろうという動きが出てきて、その流れが連綿と引き継がれて今日に至っています。

 わが党は平成17年、立党50年を機に新憲法草案を作成し、平成19年、安倍晋三内閣の時に憲法改正の手続き法である憲法改正国民投票法を成立させました。そして同法が昨年5月18日に施行され、憲法改正案を国会に提出することができるようになったのを機会に、憲法改正推進本部は、最近の国際情勢なども勘案して新憲法草案をより良くするための作業を行っています。

大地震などの災害や緊急事態への対応を

――今なぜ、憲法改正が必要なのですか。

 今後、日本は世界の中で、ますます指導力を発揮することが求められるでしょう。また、わが国を取り巻く厳しい国際情勢を考えたとき、国を守るということにみんながもっと関心を持ってもらわなければなりませんが、そのとき、現行憲法のままでよいのかどうか。そうしたわが国の置かれた立場を考えたとき、われわれの先輩方が主張された自主憲法の作成を、今こそ達成させなければならないのではないかと思っています。

 現行憲法には、翻訳調の文章も目立ちます。とくに前文です。例えば、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して......」などです。こうした翻訳調の文言は日本の最高法規にふさわしいとは言えないと思います。

 また、今回の東日本巨大地震・津波のような人知を超えた大災害に対して、国民の総力を結集させることも考えなければなりません。

 しかし、そのような緊急事態のときに、誰が誰に、どういう場合に、大きな権限を与えるのかは意外に難しい問題です。あるところに権力を集中するというやり方は、全体主義になる可能性もあり、慎重な議論が必要で、これは今後、研究を要する課題です。

「自国を守る権利」は国家が有する自然権

――9条については、どのようにお考えですか。

 9条は、戦争はしない、戦力は持たない、交戦権は認めないとなっています。しかし、国家には自国を守る権利が自然権として備わっているというのが定説です。

 外敵に侵された場合、これを排除するのは当然の権利であり、そのための戦力は必要です。したがって、平成17年の新憲法草案では自衛軍を持つと規定しています。

 9条の構文上、戦争はしない、しかし自衛軍は持つという2つの事柄には説明が必要で、「戦争はしないが国家には自衛権があり、外敵に侵された場合、自衛権の発動がありうる」とすれば読みやすくなります。

 9条のほかにも、元首の規定、国旗・国歌の位置付け、三権分立、一院制か二院制かの議論、地方分権論など多くの課題があります。

日本人の日本人による日本人のための憲法

3分の2条項の緩和を 党改正案をまとめる時

平成21年12月の初会合以来、党の合意形成に向け取り組む党憲法改正推進本部
平成21年12月の初会合以来、党の合意形成に向け取り組む党憲法改正推進本部
――わが国の憲法は、なかなか改正することが難しいと言われています。

 国会が憲法改正案を発議する場合、衆参の各議院で総議員の3分の2以上の賛同が必要です。

 3分の2の賛同を得て国民に提案する文案の作成には、かなりの時間と労力が必要です。しかし、これを乗り越えなければ、憲法改正はできません。そこで、3分の2条項だけをまず修正して提案条件を緩和するのも1つの方法だという考え方があります。

 また、「憲法改正をしなくても、これまで日本は大きく発展してきたではないか、現行憲法そのままで支障はない」という考え方もあります。それゆえ憲法改正がなかなか国民的議論にならないという問題があります。

――憲法改正国民投票法が施行され、もうすぐ1年になりますが、現在の状況をどう思いますか。

 憲法改正国民投票法の成立により、国会に憲法改正を議論するための憲法審査会が設置されました。わが党の努力によって、参院でも憲法審査会規程を定める動きがようやく出てきました。

 憲法を審査し、改正作業に入るためには各党が憲法改正に関し、それぞれの党としての考え方をまとめる必要があります。

 わが党としても、憲法改正に対する党としての全体的な合意形成をする必要があり、まさに憲法改正推進本部として、この作業を行っているところです。 国民投票にかける憲法改正案は憲法審査会で各党が議論のうえ、固めていくことになりますが、各党間の折衝の際、少なくともわが党の考え方が固まっていなければ議論になりません。議論を促進する意味でも、わが党としての改正案をまとめることが必要です。

わかりやすい憲法の作成を目指す

保利耕輔党憲法改正推進本部長に取材する近藤三津枝党新聞出版局長
保利耕輔党憲法改正推進本部長に取材する近藤三津枝党新聞出版局長
――今後の取り組みを聞かせてください。

 これまで約20回の会議を開き、学者や識者から意見を聴取したり、議員間で議論をしてきました。そして、今年の2月10日に「憲法改正の歴史と今日的意義」と題するリポートを取りまとめ、わが党所属のすべての国会議員に配布しました。

 そして次の段階として、「憲法改正基本方針案」を作成し、これをもとに議論を深めていき、それが合意されれば、いよいよ条文案の作成に入ります。

 しかし、これは非常に大切な問題なので、党内のコンセンサスを得ながら一歩一歩ステップを踏んでいく必要があります。谷垣禎一総裁が言われるように来年の4月28日に、講和条約発効から60年になるので、それを1つの目標に置いて、わが党としての条文化の作業を完成させたいと思います。

――今後、憲法改正をどのようにして国民に訴えていきますか。

 党としての考え方を機関紙「自由民主」に載せたり、広くマスコミに発表したり、日常活動を活性化させていく必要があります。また、選挙などを通じて、憲法改正の必要性を訴えていくことも考えなくてはいけません。

 特に、近時の国際情勢に対応できるようなわが党の憲法改正案ができたときには、国民の理解が得られるように一層の努力が必要だと思っています。

 われわれの住む国、日本の最高法規として、日本人の日本人による日本人のための憲法として、権威のある、しかもわかりやすい憲法の作成を目指します。

 

機関紙「自由民主」2461号掲載

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