農林水産業

  • 農林水産業は国の基(もとい)であり、将来にわたり国民に食料を安定的に供給することは国の責務です。食料安全保障の強化(食料自給率などを含む目標の達成)のため、すべての田畑フル活用等による国内の農業生産の増大を第一に、特に輸入依存度の高い食料・生産資材の国内生産力拡大を基本とし、安定的な輸入と備蓄を確保します。
  • 令和7~11年度までの5年間で、既存予算とは別枠で、事業規模おおむね2.5兆円(うち国費おおむね1.3兆円)の産地負担の少ない思い切った農業の構造転換集中対策を実施し、収益力向上の実現を通じた農業・農村の所得増大を目指します。
  • 土地改良事業を強力に推進します。政権交代前の平成21年度予算を大幅に超えた本事業について、スマート農業への対応等のため、農地の大区画化や中山間地域のきめ細かな整備など、地域の要望に応える予算の確保を図るとともに、農業水利施設の保全・管理、更新・改修への支援を充実します。
  • 共同利用施設について、更新費用の高騰・老朽化等も踏まえ、補助率嵩上げや手厚い地方財政措置等により、再編・集約化等を集中的に進めます。
  • 「スマート農業技術活用促進法」のもと、スマート技術の開発、中山間地域を含む生産現場への技術導入と生産方式の転換、サービス事業体の育成を進め、スマート農業の実用化を促進し、労働負担の軽減と生産性向上を図ります。産官学連携により、気候変動等に対応した革新的な新品種の開発・普及を推進します。
  • 米の安定供給に向け、需要に応じた生産・販売を、精度を高めた調査に基づいて進めるとともに、食糧法を見直し、流通実態把握の強化や、官民での総合的な備蓄体制を確立します。併せて、事前契約の推進などにより取引・流通の安定化を進めるとともに、備蓄水準の回復に努めます。
  • 4月から本格施行される食料システム法に基づき、米をはじめとした品目について、持続的な経営発展を可能とするコスト指標の作成を進め、生産者・消費者双方が納得できる価格の形成・安定を加速化します。その際、フードGメンによる実効性ある取組みを進めます。
  • すべての田畑フル活用を基本とする新たな水田政策を創設します。水田活用の直接支払交付金について、農業者や関係者の意見を丁寧に把握したうえで、主食用のみならず輸出や米粉用、飼料用、業務用、加工用なども合わせた米の生産力の維持・低コスト化、地域実態に応じたブロックローテーションや輪作等を含む麦・大豆など作物ごとの生産性向上等への支援へと転換します。同様に、地域の農地の活用に積極的に取り組む農業者の経営安定に向け、施策の充実と十分な予算の確保等を行います。
  • 中山間地農業を元気にします。農地と農業水利施設とともに地域社会の維持に向け、地域が取り組みやすくなるよう「中山間地域等直接支払」や「多面的機能支払」等の地域政策を見直し・拡充するとともに、「中山間地農業ルネッサンス事業」や農村RMOを推進します。農家の所得向上が図られ、持続的に農業経営が可能となるように、地域政策の展開と一体的に農業機械導入、基盤整備等を総合的に支援します。
  • クマ・シカ・イノシシ等の鳥獣被害対策について、被害軽減に向けた侵入防止柵の整備など効果的な取組みやジビエ利用の拡大に向け、支援を総合的に実施します。
  • 未来に向けた投資として、わが国が世界最先端のテクノロジーを有する分野である、完全閉鎖型植物工場等のフードテックへの投資を促進します。
  • 肥料・飼料・燃油等の生産資材については、価格高騰等の問題に万全に対応します。肥料については国産資源への転換や肥料原料の備蓄体制の整備、飼料は飼料生産組織の運営強化や青刈りとうもろこし、稲WCS等の作付け推進、コントラクター育成や耕畜連携等による産地づくりを強力に進めます。
  • 農業者の経営安定に向け、物価高騰等を踏まえ、ゲタ対策の検証・実施や、ナラシ、マルキン、収入保険等のセーフティネット対策により万全に対応します。
  • 農地バンクの機能発揮とあわせ、農業委員会など地域の農業関係者が一体となる形で、地域計画のブラッシュアップを継続します。農家負担のない農地整備事業の活用等を通じ、農地の集積・集約化と適正利用を進めるとともに、中小・家族経営等を含む地域の担い手の経営発展や経営承継、サービス事業体の育成等による支援を図ります。「改正農振法」のもと、食料の安定供給のための農地の総量確保を図ります。
  • 新規就農者の確保に向け、資金支援の交付額を165万円に引き上げる等、資金・初期投資の支援やサポート体制の整備、農業大学校・農業高校等の農業教育の充実、雇用環境の改善に取り組む農業経営体の支援等を強化します。女性活躍の推進や外国人材の確保等を支援します。
  • 拡充した「畜産クラスター事業」を推進し、中小規模・家族経営を含む畜産・酪農の生産基盤を強化します。輸出施設の整備を推進し、畜産物の輸出を後押しするとともに、省力化機械の導入支援や酪農ヘルパー等の外部支援組織の強化等により、畜産・酪農の働き方改革を推進します。
  • 肉用子牛の対策や生産者と乳業が協調した脱脂粉乳在庫低減の取組みへの支援とともに、和牛肉や牛乳・乳製品の販路・消費拡大を進め、生産基盤を守り、生産者が営農継続意欲を維持できるよう支援します。併せて、畜安法における規律強化などにより生乳需給・取引きの安定を図ります。
  • 豚熱や鳥インフルエンザの発生予防とまん延防止に全力を尽くすとともに、発生農家等の経営再開を支援します。総合防除体系の構築を推進するとともに、アフリカ豚熱等、各種感染症の侵入を防ぐため、法制度を含め、空港・港湾等の水際対策を強化します。
  • 「総合的なTPP等関連政策大綱」に基づき、規模の大小を問わず生産性向上に向けた機械導入等により農林漁業者の体質強化と経営安定を図ります。
  • 「産地生産基盤パワーアップ事業」により、果樹・野菜・花きなどすべての農作物を対象に、品質向上・コスト低減や高収益作物・栽培体系への転換等を強力に支援します。
  • 農林水産物・食品の輸出額5兆円目標(2030年)に向け、輸出産地・事業者の育成、品目団体・現地系商流を含めた戦略的サプライチェーンの構築、輸出先国の多角化、輸入規制撤廃等に向けた働きかけ、食品産業の海外展開、インバウンド食関連消費の拡大等を進めます。
  • 農林水産物・食品の国際競争力の強化に向け、さらなる品種改良を進めるとともに、優良品種の海外流出を防止し、戦略的な海外展開を推進するとともに、「家畜遺伝資源法」等のもと、わが国固有の財産である和牛を守ります。また、模倣品対策やGIの活用等を強化します。
  • 米やパックご飯、おにぎり、米粉、日本酒など米の加工品の国内需要の拡大を図るとともに、海外市場の開拓や輸出産地の育成等を強力に支援します。
  • 「みどりの食料システム戦略」に基づき、農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現します。環境負荷低減の先進的な取組みを支援する新たな環境直接支払交付金を創設します。
  • 物流の省力化・自動化等の推進に向け、物流拠点の整備等を支援します。フードバンク・こども食堂等への食料の円滑な提供に向けた体制づくり等も支援します。
  • 食料システム法の計画認定制度に基づき、食品等事業者が行う食品等の持続的な供給に資する取組みや関係者の連携による地域発の食ビジネス創出を支援します。
  • 6次産業化・地産地消や官民共創、インバウンドの受入れも含めた「農泊」・農福連携等の地域資源を活用した付加価値の創出による「里業」の推進により、農業・農村の所得向上と雇用の創出を支援します。
  • 「棚田地域振興法」に基づき、棚田の保全とともに、棚田を核とした地域振興の取組みを、関係府省庁一体で総合的に支援します。
  • 近年の豪雨・地震等、頻発する自然災害に対し、被災した農林漁業者の一日も早い経営再開に向けて、農地等の復旧や農業用ハウスの再建等、きめ細かな支援対策を継続的かつ迅速に講じます。
  • 「ため池工事特措法」に基づく防災工事等を推進し、第1次国土強靱化実施中期計画のもと、農業水利施設の整備や農業用ハウスの補強等を加速して実施します。
  • 森林資源の循環利用を確立すべく、新たな森林・林業基本計画を策定するとともに、それに基づく取組みとして、改正森林経営管理法に基づく森林の集積・集約化に向けた境界明確化や路網の整備、スマート林業の実装に向けた先進的な林業機械の導入、再造林の低コスト化、加工流通施設の機能強化、労働安全の確保と併せた労働力確保等を加速化します。
  • 国土強靱化を強力に推進するため、治山・森林整備対策を加速的に進めます。国産材の安定供給体制の構築に向けた対策や、林野火災対策、「初期集中対応パッケージ」に基づく花粉症対策を進めます。
  • 「都市の木造化推進法」の協定やCO2削減効果の見える化、JAS材・CLT等により、非住宅・中高層建築、住宅の国産材転換・利用拡大を図ります。
  • 激変する海洋環境による不漁の長期化等に対応するため、研究開発・資源調査の充実やTAC管理の適切な運用と管理により水産資源と漁業者などを守り、成長産業化の取組みを加速させ、漁業者の所得向上など魅力ある水産業を実現します。
  • 食料安全保障における水産業の役割を果たしていくため、国内で持続的な生産体制が引き続き構築できるよう、未来の水産業を担う経営体・人の確保等を行い、水産業の強靱化を進めます。
  • 漁船・漁具等のリース方式による導入や施設の再編整備、計画的な代船建造を進めるほか、海洋環境の変化にも対応したもうかる漁業・養殖業の実証による持続可能な収益性の高い操業体制へ転換など、浜の構造改革を推進します。
  • スマート・デジタル技術の活用やカーボンニュートラルを含む漁業の構造改革、新規就業者対策、水産物の消費の拡大、水産加工・流通業の振興、陸上養殖など養殖技術立国の確立、海外輸出の促進や輸出先の多角化等により、水産業の成長産業化を実現します。積立ぷらすなどの収入安定対策や、燃油・配合飼料対策を着実に実行します。また、ブルーカーボン生態系にも資する漁場環境の保全や増養殖対策等を講じます。
  • ニホンウナギの人工種苗の実用化等を進め、ウナギ完全養殖の社会実装を実現します。
  • 中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)における太平洋クロマグロのわが国の増枠実現や、北太平洋漁業委員会(NPFC)におけるサンマの資源回復など、地域漁業管理機関(RFMO)の資源管理の取組みに適切に対処します。
  • 漁業者が安全に操業できるよう、漁業取締船の装備の充実など取締能力の向上を図り、外国漁船の違法操業を抑止するとともに、密漁対策や周辺国との国際的な資源管理の強化を図ります。また、IUU漁業の撲滅に向けて、地域漁業管理機関等における対策の取組みを後押しします。
  • 海や漁村の地域資源を活用し、地域の所得向上と新たな雇用創出を実現するため、地域が海業に一歩を踏み出すための施策等に取り組むことによって海業の全国展開を加速化します。
  • 「浜プラン」を進めるとともに、漁場生産力の回復・強化のための藻場・干潟の保全活動や国境監視など多面的機能の発揮対策、離島漁業再生に向けた漁業集落の活動、特定有人国境離島地域での雇用の創出を推進し、漁港・漁村地域を活性化します。
  • 「国土強靱化実施中期計画」のもと漁港施設の耐震・耐津波・耐浪化や長寿命化対策等を強力に推進するとともに、拠点漁港等における流通機能強化など機能の高度化を図ります。また、養殖拠点の整備、環境変化に対応した漁場や藻場・干潟の保全・整備等を通じて海域の生産力向上を図ります。
  • 鯨類をはじめとする水産資源の持続的活用の方針を堅持し、鯨類科学調査を着実に実施するとともに、鯨食普及を推進し、再開された商業捕鯨の自立に向けた着実な進展を図ります。

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