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政策トピックス

東日本大震災復興加速化本部

2019年3月11日

東日本大震災から8年を迎えて

東日本大震災復興加速化本部 本部長 額賀 福志郎

1.はじめに

「夢だけは 壊せなかった 大震災」――。
これは、宮城県女川町の女川中学校の中学生が友人や家族を失っていく衝撃のなかで、自らの再起を期し、1000年後の将来でも生命を守ることができるようにとの祈りを込めて詠んだ句のひとつであり、同中学校校舎前の石碑に刻まれているものです。
地震と津波で2万人あまりの尊い生命を飲み込んだ未曾有の東日本大震災が発生してから8年の月日が経ちます。いまだに被災3県で5万数千人の方々が避難生活を強いられていることを私たちは決して忘れてはなりません。

現在、地震・津波被災地域においては着実に道路、鉄道、港湾などのインフラが完成しつつあり、住居も仮設住宅から恒久住宅への移転が進み、岩手県、宮城県においては2020年度末までに仮設住宅の解消を目指しています。
原子力事故災害被災地の福島県では、来春にはJR常磐線が全線開通し、帰還困難区域にも具体的に復興の手が入り、待ちに待った本格的な「ふるさと」を取り戻す作業が始まったところです。
浜通り地域では、「福島イノベーション・コースト構想」に基づいて先端技術を切り開く未来産業と、再生可能エネルギーや水素等による新たなエネルギー基地の建設が進んでいます。
今後、「東北から日本を変える」ことは夢ではありません。

自由民主党東日本大震災復興加速化本部は、政府と一体となって被災地の皆さまのひとりひとりに寄り添いながら東北地方が21世紀の日本の新たな地平を開く先駆けとなって勇敢にチャレンジしていく被災地と被災者の皆さまを全面的に支援していきたいと決意しています。

2.これまでの東北地方の復興の足取り

この8年間、自由民主党および同党東日本大震災復興加速化本部は、常に地域の皆さまが何に苦しみ何を求めているかという現場主義と果敢な政治主導の視点に立って課題解決のための7次にわたる復興加速化のための政策提言を行い、政府に対しその実現を強く求め、成果を上げてまいりました。
そこで、これまでの復興の状況と残された課題について改めて見つめてみたいと思います。

(1)岩手県について
本年3月9日、初めて三陸沿岸部の釜石港と内陸部の花巻空港を結ぶ復興支援道路の釜石道が開通したほか、3月23日には沿岸部の三陸鉄道リアス線が全線開通する予定となっています。また、昨年オープンした釜石鵜住居復興スタジアムでは、9月にラグビーワールドカップが開催されることになっています。
これらは、この地域の産業再生、発展、インバウンド誘客に計り知れない効果をもたらすと考えられます。
ただ、陸前高田市や大槌町などの高台移転の造成地の立地の遅れや三陸沿岸の市町村の人口減少の加速化などに見られる内陸部と三陸沿岸部の格差の拡大は今後の大きな課題です。

(2)宮城県について
宮城県は、今回の地震・津波災害による住宅の全壊戸数が被災3県で最も多かったところですが、遅れていた名取市閖上地区の住宅確保も含めて住宅問題は今年中に解決することとなっています。また、高速道路の三陸沿岸道路仙台~気仙沼間と仙台平野南部の防潮堤整備も完了し、インフラ整備はほぼ完結することになります。
問題は、石巻、塩釜、気仙沼の三大漁港を抱える宮城県をはじめ、三陸沿岸の漁業、水産加工業が、漁業の水揚げ量の減少、加工業の販路回復の遅れなどの構造的な課題を抱えていることです。今後どのように取り組むかについて、水産庁、漁業者、水産加工業者など関係者が協議を行い、商品に付加価値をつけていくなど知恵を絞り現状を打開していかなければならないと考えます。

(3)福島県について
福島県は、いまだにふるさとに帰れない方々が約4万人もいます。国、県、各市町村は帰りたい人が帰ることができる生活環境整備に懸命に努めています。
そのようななか、楢葉町の「笑ふるタウンならは」が医療、福祉、商業、交流施設を集約したコンパクトタウンとして活況を呈していることは注目されます。
帰還困難区域のなかでは、1年後のJR常磐線の全線開通を契機に、大熊町、双葉町など6町村で生業や生活環境の整備を含めた帰還促進のための街づくりを着実に推進し、「希望の灯」を高く掲げていかなければなりません。
また、浜通り地域の「福島イノベーション・コースト構想」は、日本経済の成長戦略の一端を担う重要な役割を果たそうとしています。
日本経済に浮揚力が乏しいのは、人口減少局面において生産性の向上が見られないことが原因と考えられます。それゆえ、ロボット、ドローンなどの技術革新が成長戦略のカギとなることは間違いがありません。また、エネルギーコストの高い日本で、第4次産業革命を成功させるためには、再生可能エネルギーや水素エネルギーなどの安全かつクリーンな電力の安定的な供給を高めることが不可欠です。
こうしたことを実現していくことにより、文字通り「東北から日本を変える」道筋をつけることができるのではないでしょうか。
東京電力福島第一原子力発電所における廃炉、汚染水対策については、汚染水発生量の低減と使用済み燃料の取出しおよび燃料デブリの取出しに向けて、引き続き中長期ロードマップに基づき安全で着実な作業を続けることが重要です。

(4)共通の課題について
・農林業について
地震・津波被災地域については、農地の大区画化・利用集積を積極的に進め、効率的な土地利用型農業を実現するとともに、トマト等の大規模施設園芸の導入により収益性の高い農業を目指します。また、岩手県遠野市では地元農事組合法人による生産・加工・販売の一貫経営が、宮城県山元町では一粒1000円の値が付くイチゴの生産・販売がそれぞれ実践されているなど、農産物の高付加価値化、ブランド化による収益性の向上が重要であると考えます。
福島県については、避難指示解除区域での水稲の作付けの再開やトルコギキョウ、アンスリウム等の花き生産の導入など、農業の復興は進展しつつあります。風評払拭のカギとなるGAP認証取得数は2017年3月の10件から本年1月には280件に増加しており、今後も一層の努力をしていくことが重要であると考えます。
林業については意欲と能力のある経営体へ森林の管理経営の集積・集約化を図り、路網整備や高性能機械導入を集中的に実施することにより、成長産業化を目指します。
福島県の場合は、間伐等の森林整備と放射性物質対策を一体的に実施し、森林・林業の再生のための努力を継続していくことが重要であると考えます。
・風評の払拭について
福島県のみならず、被災地全体の農林水産物や観光における風評の払拭や、いわれのない偏見・差別の解消に向けて、「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」に基づき、内外に積極的な情報発信に努め、効果的な取組を行います。
・心のケア等について
避難生活の長期化に伴う心身のケア、きめ細やかな生活支援、子どもやお年寄りを大切にする優しいコミュニティルールを創ることが求められます。

3.今後の復興庁のあり方について

現在の復興庁は、2011年3月11日に発生した東日本大震災からの復旧・復興に関する施策を円滑かつ迅速に遂行することを目的に2012年2月に設置されました。復興期間は10年間となっており、2021年3月末で復興庁は廃止されることとなっています。
自由民主党東日本大震災復興加速化本部は、これまでの累次の提言のなかで、わが国が東日本大震災後も、大地震、台風や集中豪雨など、大規模な自然災害に相次いで見舞われてきたことを重く受け止め、国民の生命、財産を守るための平時・有事の防災・減災対策に万全を期する緊急時対応および災害復興のあり方について検討すべきであると求めてきたところです。
政府は、3月8日の閣議で「後継組織として、復興庁と同じような司令塔として各省庁の縦割りを排し、政治の責任とリーダーシップの下で東日本大震災からの復興を成し遂げるための組織を置く」との基本方針を決定しました。
今後、自由民主党東日本大震災復興加速化本部は、被災3県から引き続き国が責任を持って復興を成し遂げ、専任の大臣を置くなど指導力を発揮できる体制を確保してほしいと要望を受けていることを踏まえながら、(1)東日本大震災の復興と福島第一原発の廃炉、汚染水対策については国が責任を持って対応すること、(2)近年相次いでいる大規模な自然災害についても、防災・減災、緊急時応急対応、復旧・復興などを有機的に連携させ、機動的に対処できる体制を整え国民の安全・安心を確保すること―などを念頭に置き、今夏の「復興加速化のための与党第8次提言」までに党としての具体策を議論し、とりまとめを行っていきたいと考えます。

役員一覧
2019年08月05日 【東日本大震災復興加速化本部】
東日本大震災 復興加速化のための第8次提言
~新たな復興の道筋について~
2018年07月27日 【東日本大震災復興加速化本部】
東日本大震災 復興加速化のための第7次提言
~「復興・創生」に向けて一層の加速化を~
2017年12月15日 【東日本大震災復興加速化本部】
東京電力福島第一原子力発電所事故からの生活再建に係る申入れ
2016年12月01日 【東日本大震災復興加速化本部】
福島第一原子力発電所事故からの農林業再生に係る申入れ
2016年08月24日 【東日本大震災復興加速化本部】
東日本大震災 復興加速化のための第6次提言
~復興・創生への道筋を明示~
2016年03月04日 【東日本大震災復興加速化本部】
「東日本大震災 復興・創生期間」のスタートに向けた決意
―オリンピック・パラリンピック東京大会までに―
2015年05月29日 【東日本大震災復興加速化本部】
東日本大震災 復興加速化のための第5次提言
2015年02月26日 【東日本大震災復興加速化本部】
原発事故被災者の自立への支援を
2014年08月06日 【東日本大震災復興加速化本部】
東日本大震災 復興加速化のための第4次提言~協働の力で希望と自立へ~
2014年03月07日 【東日本大震災復興加速化本部】
東日本大震災から3年を迎えるにあたっての決意
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