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記者会見

自民党新執行部 共同記者会見

平成24年12月25日(火)16:00~16:30
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

【安倍晋三総裁】

この度、自由民主党の新しい執行部、役員が決定いたしました。高村正彦副総裁には留任していただきました。そして、石破茂幹事長にも留任していただきました。河村建夫選対局長には新たに選対委員長として党四役という形になりまして、留任していただきました。この度の選挙におきまして、わが党は大きな勝利を得ることができました。しかし、来年の参院選に勝って初めて、衆参のねじれを解消し、中長期的な大きな目的に向かって進んでいくことができるのでありまして、参議院の必勝体制を作っていく上においても、幹事長、選対局長に留任していただきました。そして、高村副総裁には大所高所から様々な助言をいただきました。高村副総裁にはそういう大きな立場において、今後も支えていただきたいとお願いしたところです。自由民主党は、この選挙を通じて、自民党が変わったのかという問いをかけられ続けてきたわけであります。自由民主党は変わったということをお示しできる、そういう執行部にしたいと、この人事の間、考えてきたわけであります。その中において、高市早苗衆議院議員に政調会長をお願いし、そして野田聖子衆議院議員に総務会長をお願いした次第でございます。野田聖子衆議院議員はすでに三回閣僚を経験している議員であります。総務会におきましては、これから様々な困難な課題が出てくるだろうと思いますが、今までの経験を生かして、自由民主党の総務会というのは極めて重要な機関でありますので、そこでの議論を深めていく。そして最終的には党が一致をしていく。それが今までの政権与党とは違うところでありまして、十分にその職責を果たしていただけると考えております。高市早苗議員においては、閣僚経験もありますし、副大臣も二回経験しているわけであります。政策に明るい高市議員ということで、お願いをさせていただきました。今までの自由民主党においては、言わば派閥のバランスをとる上において、党三役というものがある種の機能を発揮していたわけでありますが、石破幹事長そのものがそうでありますが、野田議員も高市議員も無派閥であります。そして、女性の力を活用していくということにおいては、今までも小泉政権において多数の女性閣僚が誕生したことはありましたが、党においては残念ながら、三役は先般、小池百合子総務会長が誕生するまではなかったのでありますが、政権与党としては初めての党三役ということになるわけであります。今度は四役でありますが、この四役の中で二人が女性ということになるわけでありまして、女性の力を生かしていく自由民主党なのだということも、自民党が変わったということにおいて、ご理解をいただけるのではないかと思います。内閣においては危機突破内閣でありますが、執行部においても、危機的な状況を内閣とともに突破していく布陣ができたのではないかと思います。

【高村正彦副総裁】

引き続いて副総裁を拝命いたしました高村正彦でございます。総裁から、「自分が常時党におられないので、副総裁職をラインとしてやってほしい」という指示を受けております。そのような心づもりでやっていきますが、実際には今までとそれほど変わらないのではないかと思っております。三役をはじめ、司々の人が十分働きやすいように、そしてその司々の人と責任を共有するつもりで党内全般に目配りしながらやってまいりたいと思っております。執行部一丸となって、執行部というよりも党が一丸となって、総理・総裁を支え、内閣の後方支援をしっかりやってまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

続きまして、この度の選挙において、陣頭指揮を取っていただき、勝利に導いてくださいました石破幹事長です。

【石破茂幹事長】

引き続きまして幹事長を拝命いたしました石破でございます。至らぬ点も多いかと存じますが、よろしくお願い致します。総裁からご下命がありました通り、参院選に勝って、初めて安定した政権運営ができるということであります。それは党利党略と言うことではなくて、国家国民のためにわが党が勝ちたいと考えております。全身全霊をもって、選挙に臨んでいる。衆議院で多くの支持をいただきましたのは、総裁のもとで一致結束し、最大の緊張感を持ち、最大の祖国日本に対する使命感と責任感を持って全員が臨んだということもあったろうかと思います。それを参議院まで引き続き、最大の緊張感と最大の責任感をもって選挙に臨みたいと思っております。また、党が変わったということについて、国民の皆さま方に実感をしていただかなければなりません。選挙において与えられました票は、ある意味、ご期待の票ではなかったかと思っております。総裁が就任直後におっしゃいました通り、党改革というものをきちんと断行し、自由民主党が、謙虚で誠実で正直で丁寧、勇気と真心をもって真実を語る党として、国家国民に奉仕する。そういう政党であることを認識していただき、多くの方々の支持を得るために全力を尽くしたいと思っております。国会運営につきましては、新国対委員長と色々と相談しながらやってまいりますが、よく野党の皆さま方のご意見にも耳を傾け、謙虚に誠実に対応してまいりたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。

そして、新たに就任しました野田聖子総務会長です。

【野田聖子総務会長】

この度総務会長に、就任させていただきました野田聖子であります。今、私が取組むべきことは、安倍総理がおっしゃった、全てのことに対してしっかりとお支えをし、何よりも新しい自民党が新しい力をもって、そして国民の皆さま方にしっかりと答えを出せる。そのために全力を尽くして頑張ってまいりたいと思います。まずは参議院選挙でしっかりと勝つこと。そして、自民党の政権、政治が安定をすることによって、国民の皆さま方が望んでいる様々な思い、または山積している問題を解決することによって、次世代へこの日本の安定をしっかりと約束していきたい。全力を挙げて頑張ってまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

同じく、新たに就任しました高市早苗政調会長です。

【高市早苗政務調査会長】

皆さま、こんにちは。本日、新たに政調会長を拝命いたしました高市早苗と申します。どうぞ、よろしくお願い致します。本日までは、短い期間でございましたが、衆議院選挙終了まで広報本部の仕事をさせていただきました。その中で日本全国の皆さまにお訴えしましたのは、私たち自民党の同志たちの「日本を、取り戻す。」という強い決意で臨んだ前政調会長の甘利先生を中心にまとめられた政策についても、その基本理念、私たちの政策目標をしっかり多くの皆さまにお伝えできたと思っています。今度は与党として、予算措置、税制改正の権限を持つ政権与党として、内閣と一体となって、しっかりと一つ一つ具体的な政策をお示ししていかなければなりません。前政権は、残念ながら、政府与党が時にはバラバラに発言し、行動することが見受けられましたが、国家経営の主体として、一本の責任あるメッセージを、全ての政策について、国民の皆さまにお示ししていく。それまでには、大きな議論も致しますし、私たちの多くの仲間が日本全国で歯を食いしばって頑張っているたくさんの方々の声を聞いて、また勝ち上がってまいりましたから、この3年間でたくさんの方々から伺った声をさらに政策をブラッシュアップして、内閣に実現していただく。そのためには、時には厳しい注文も新しい政権につけることになるかもしれませんが、しっかりと衆知を集め、議論を尽くして、責任ある政策を、メッセージを皆さまにお伝えできる、そして実行できる政権与党でありたいと考えています。どうぞ、よろしくお願い致します。頑張ってまいります。

続きまして、新たに選挙対策委員長というポストを創設し、就任していただいた河村建夫選挙対策委員長です。

【河村建夫選挙対策委員長】

安倍総裁の下で、選対局長から新たに選挙対策委員長として、その任に就くように言われました河村建夫です。3年3か月前、下野して以来、政権奪還を胸に、選挙対策に邁進してまいりました。先の衆議院総選挙の結果を踏まえ、まずは政権奪還を実現しましたが、政権奪還の総仕上げは総裁ご指摘の通り、参議院選挙にあるわけです。そういう意味で新たに選対委員長として、励めということです。それには何と言ってもわが自民党、政権与党の結束が大事だと思います。政策実行力も問われます。驕らず、ひるまず、全力を挙げて取り組みたいと思います。

なお、国対委員長には鴨下一郎衆議院議員、幹事長代行には細田博之前総務会長にお願いしました。

質疑応答

Q

共同通信の鈴木です。党四役に初めて女性を2人登用しましたが、今回の人事の狙いをお聞かせください。また、今回選対局長を格上げした意味も、具体的にお聞かせください。

A

今回の人事については、今までの執行部において、衆議院総選挙を戦い抜くことができました。そして、新たに執行部を刷新したわけです。選挙を通し、自民党は変わったのかという問いかけがありましたが、自民党は変わったということを人事においても示すという意味、そして同時に来年の参議院選挙において、勝ち抜く体制を作っていくという意義を込めて、今回新たな執行部を作りました。そして、2人の女性議員に四役に就任してもらいました。それは選挙を通してお話ししてきたことでありますが、これからの日本は、女性の力を活用していかなければ、日本の活力を取り戻すことはできないという話をしてきました。残念ながらわが党の組織もそうですが、非常に女性議員は少ない。まず、塊より始めよということで、一番難しい党本部執行部の役員に、女性が就任してもらう。経歴、実力から言っても、問題がないわけです。言わば、執行部には重厚な布陣を期待する声もありますが、それは高村副総裁が数人分果たしていただけると、期待しております。そして、河村選対委員長に、今までの選対局長から選対委員長という立場で留任していただいた。ずっと選対において、仕事をしていただきました。選対の仕事というのはかなり専門職的になり、全国の状況、県連の状況、あるいは地域の土地勘を頭に入れ込んで、常に選挙を戦い抜く、言わば専門職として、さらに河村さんに重責を担っていただきました。参議院選挙の重要性について、党全体が認識する上において、新たに委員長というポストを創設して、そこに就任していただきました。

Q

朝日新聞の小野です。自民党は約300名の巨大与党となりましたが、今後、党と政府がどのように政策を決定していくのか、その仕組みをどのようにお考えかお聞かせください。また、党の考えをどのように政府に反映させるのかもお聞かせください。そして、政権奪還を期に、従来の政策決定システムを改める考えはありますか。

A

自民党という政党においては、政務調査会、総務会の2つがありますが、私はそれぞれの組織の機能、権威は、極めて政策決定において有意義だと考えています。まさに政調の部会は、民意を吸収するもので、わが党の多くの議員は金・土・日・月に地元に帰ります。地元の有権者、様々な方々から意見を頂きながら、そこでも議論します。そうした意見を受けて、部会において反映させていくわけです。そうした意見は、必ずしも役所を通じては、拾い上げることができない意見もあるわけです。わが党が政権与党であれば、震災発災後、地元の議員が直ちに部会に出てきて、何が今必要なのかということを意見として延べ、それをすぐに政策化、予算化していくという迅速な対応もできたと思います。つまり、役所ではできない機能を果たす政調の役割は大きいと思います。総務会というのは、自民党が経験と伝統に裏打ちされた責任政党であるという証とも言えるわけです。そこにおいて、最終的に様々な議論が行われます。最後は集約を図っていくことで一致結束の場になっているのです。そこでもちろん様々な議論が出てくる。それは当然なのですね。今回当選した多くの新人議員たちも部会で鍛えられていくわけです。部会においてまともなことをいう議員もいれば、時にはトンチンカンなことをいう議員も出てくるわけです。しかしそこで自分がいったことは間違いだったと気付いて、そして成長をしていくという意味において意義深い組織であると思います。ただ大切なことは、最後は最終的な決断がなされたらみんな一致結束していくというところが自民党と今までの政権と違うところだろう。違うということを示していきたいと思っています。

Q
テレビ朝日の辻井です。自民、公明両党で連立政権合意しましたが、この意義と、今後の抱負をお聞かせください。安倍新内閣は、明日組閣の予定だが、それに向けた人事の基本方針についてもお聞かせください。
A

自民党と公明党は連立政権を作っていくことについて、選挙前について、お互いこの点については合意しながら選挙協力を進めてきました。しかし実際に政権を連立政権という形でこれから運営していく上においては、きっちりと基本的な政策、あるいは政策の優先順位について合意していくことは重要です。それによって初めて政権は安定していく。この度、両政調会長の努力によって基本合意ができた。この基本合意の下に、国民の期待に応えていくことにおいて、答えを出していきたい。このように考えています。
組閣の基本方針は、まさに現在経済においてもそうですし、外交においても、教育においても、そして東北の復興状況においても、危機的状況です。この危機を突破できる内閣を作っていきたい。特に我々は選挙を通してデフレから脱却し、円高を是正させ、経済を成長させていく。そして強い経済を手に入れる、取り戻す。そのことによって日本は世界において地位が低下していると言われている。外交力を失っている。外交力を失っていることについて、日米同盟の信頼関係が棄損されたということもありますが、同時に経済の力も停滞しているということも大きいのだろうと思います。この意味において強い経済を取り戻す内閣にしていきたいと思います。

Q

読売新聞の池田です。参院選に勝つための布陣と言いましたが、衆院選で小選挙区では勝ちましたが、比例の票は多く増えていません。自民党は変わったとおっしゃいますが、国民に伝わっていない証かもしれないと思います。自民党をどのように変えていくのか、具体的なイメージを教えてください。
また、民主党の代表に、海江田万里氏が選出されました。震災対応で批判が噴出した人が代表になったことを含めて、印象含め、所見をお聞かせください。

A

まずは自民党が変わったのか、ということについての疑問が残ったまま勝ったのだろうと思います。実はもう自民党は変わっているのです。しかし比例票も伸び悩んだ。これは随分前からなのですよね。これは今から遡れば、10数年前の森政権の時から比例票は伸びていない。小泉政権の時でも比例票はなかなか伸びなかったという現実があります。我々はこの現実を直視しながら、今回この執行部においても自民党は変わったとお示しできたのではないかと思います。
それと海江田代表が今日誕生したということですが、まずはお祝いを申し上げたいと思います。おめでとうございますと申し上げたいと思います。これから与野党、所を変えながら切磋琢磨する中で、日本の政治を良い方向に導いていきたいと思います。建設的な議論ができればと期待している。

Q
朝日新聞の小野です。中国の程永華大使とお会いされたそうですが、詳しい話をお聞かせください。
A
そのことについて、コメントは致しません。
Q

テレビ朝日・報道ステーションの山口です。新しく女性役員になられました野田総務会長と高市政調会長のお伺いします。一点目は、原発の新増設は認めますか。もう一つは、原発について脱原発を求める世論はたくさんあります。脱原発を目指したいという自民党議員もいます。原発ゼロについてどのようにお考えですか。

A

(安倍総裁): 政策的な課題なので政調会長から。
(高市政調会長): これは日本のエネルギー安全保障をしっかりと確立していかなければならない。この原則に立って、そしてまた産業競争力、生活の安全、今も大変な寒波で今日もつらい思いをされている方もいます。そうしたすべての要因を勘案しながら、3年以内に新エネルギーの精一杯の導入も含めて判断していく。選挙の時に皆様方にお訴え、お示ししたことの内容をもとに、しっかりと議論をすすめていく。

Q
原発ゼロについてどのように思いますか。
A

(高市政調会長): 私個人の考えですか。まあ、この場は、新しい政調会長としての記者会見の場でありますから、個人的な見解を申し上げるべき場ではないと承知しております。

Q
野田さんにもお伺いできますか。
A

(安倍総裁): それは政策的な事柄で、総務会というのはいろいろな意見を取りまとめる立場ですから、ここは政調会長がお答えするということなのだろうということです。

Q
TBSの蓮見です。党の新しい役職に、高市さんと野田さんを据えました。自民党は変わり始めているとおっしゃっていますが、具体的にお二人を据えることによってどんな変化を国民に示したいと思うか。
A

まず、私は選挙戦を通して、2020年までにすべての分野において3割の女性の方が指導的立場に立つという社会を作って行くということをお話しして参りました。先程申しました通り、内閣においては実現しております。党において今回こういう形で女性の有力な議員に入ってほしいということで、これは例えば経済界においても女性の力を活用すべきだという意見が出ているわけですが、今日も経団連にお邪魔させていただいたところ、ほとんど男性でした。そういう意味において、我々はむしろ先頭を走ろうという考えです。当然、そういうことを示していこうということでありまして、今後は全員が女性になることもあろうし、全員が男性ということになって行けば、それは、その時々の人事の結果ですよということになっていくのだろうと思います。そしてさらに申し上げれば、これまで派閥の領袖クラスが就いていく中で、均衡を図って行くということがありました。今度は全く関係ないということをお示しできたのではないかと思っています。