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記者会見

安倍晋三総裁 ぶら下がり会見

平成24年11月15日(木)15:05~15:15
於:党本部4Fエレベーターホール

質疑応答

Q
議員歳費の2割削減の法案がこの後の本会議で衆議院を通過する予定だが、協力した背景も含めて受け止めを。
A
歳費のあり方について、議員の歳費はどれくらいのレベルであるべきかという議論は議論としてあるのだろうと思います。しかしその中で、消費税を再来年から上げていくという法律を通した以上、国民の負担を強いる以上、私たちも身を切る姿勢を見せなくてはなりません。従来より、私たちはそういう議論をしてまいりました。そこで、総理からの提案もあり、私もこれは基本的に各議員と役員の了解も得ることができましたので、これは賛成をし、成立させるという決断をいたしました。
Q
一方、議員定数の削減について、三党で合意文書をまとめる形になったが、総裁のおっしゃる通り、選挙を経ると院の構成も変わるし、合意の仕方も難しいと思うが、どういったやり方が良いと思うか。
A
これは現場に任せておりますけれども、そもそも院の構成が変わり新しい政党が出てくるでしょうし、我々は国民の審判を受ける立場であります。我々の中で誰が当選して誰が院を去っていくのか分からない段階で、来年の国会審議をどのように縛ることが出来るかという根本的な問題もあります。同時に、他の少数政党も含めて全ての政党が参加して議論をしながら、民主主義の土俵ですから、多くの政党がなるべく納得できるような案にしていく。全ての政党が賛成できるような案というのは不可能でしょうが、なるべくそういう方向に持っていく努力をするというのが、あるべき姿なのだろうと思います。そういう中において、どのように書き込んでいくかを考えなくてはならないと思います。言わば、選挙の直前にいかにも選挙目当てで何人削減、何人削減というのは、議論をしていく姿勢として乱暴で不真面目ではないかと思います。
Q
野田総理が解散をすると言った後、民主党から離党者が相次いでいることについて、どのように見ているのか。
A
これは予測されたことなんですが、民主党政権が選挙互助会的なものであって、綱領もなくて、理念や政策で結びついていた、結党されていたわけではなかったということが明らかになったのではないかと思います。
Q
朝の日本商工会議所との会合における総裁の発言から波及して、一部報道で総裁がTPPの交渉参加に前向きな姿勢を示したと報じられているが、今までの総裁の姿勢とは違うと思うが、この点については。
A

朝の日本商工会議所との懇談の中の挨拶、政治部の皆さんはTPPについての私の言いぶりを何回も聞いておられるでしょうから、基本的な姿勢がそれと全く変わらなかったと受け止められたと思いますが、交渉参加に前向きというのはあくまでもミスリードだと思います。後で伺ったところによりますと、あそこには経済部の記者の方々もおられていて、経済部の方々は私のTPPについての発言をあまり聞いてこられなかった。また、バックグラウンド、ブリーフィング的なことも聞いておられなかったので、全体のコンテキストではなくて一部の発言に対して、言わばミスリードをしたのではないのかと思います。私の挨拶の中でも述べたように、例外なき聖域なき関税撤廃、これを交渉の条件とする限り、交渉参加には私たちは反対するという姿勢は変わっておりません。つまり民主党政権には、こうした交渉をする能力がないと申し上げたわけであります。自由民主党には外交交渉力があるという考え方を述べたものであります。

Q
19日から行われるオバマ大統領と野田総理の会談の中で、野田総理がTPP参加意向を伝えると一部報道で伝えられているが、解散を表明した総理がこうした方針を表明することについて、TPPの交渉参加を含めてどのように受け止めているのか。
A
総理は今年の年初にTPPについての情報を公開すると、そして国民的な議論を深めていくとおっしゃった。しかし今に至るまで情報公開はほとんどなされていません。マスコミの皆さんもおそらくこの情報を得ておられないだろうと。野党である私たちにも情報提供はなされておりません。そして、国民的な議論を深めていく努力をそもそも野田さん自体がしていないじゃないですか。そして急に選挙において、党が混乱する中で決断力を示そうという一点において、ご本人や政党が十分に議論を深めているか、理解を深めているか怪しい時に、いきなり外交の場に持ち込む。つまり外交を選挙のために弄ぶというのは、彼らはすでに、あの鳩山由紀夫さんの「最低でも県外」という発言に学習したのではないかなと思います。残念ながらそうではなかったということではないかと思います。それと、総理は解散をして、解散した後行くという立場で、未来に向かって新たなことを約束していくことは、政治家としてどうなのかという議論があるだろうと思います。
Q
同じようなことが北朝鮮との交渉においても指摘されていて、日朝協議において、横田めぐみさんのご両親に対して、めぐみさんのお嬢さんと会わせることで政府が交渉しているという議論があります。この状況についてはどのように受け止めているか。
A
正確な情報を私は承知をしておりませんが、北朝鮮との交渉において、私たちは経験をしてきましたが、彼らは様々な思惑を持っております。まさに政権が選挙を目の前にして何かの成果のごときものを欲しい欲しいと、そういう要求が強いということを利用するのに長けていますから、民主党政権が彼らの思うつぼにはまっているのではないかと私は心配しております。拉致問題の解決というのは、言わば国民の信を得た強力な政府によって、対話と圧力、圧力に重点をおいたじっくりとした交渉によって成果を得られると思います。