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記者会見

野田総理大臣に対する問責決議案可決を受けて
谷垣総裁記者会見

平成24年8月29日(水)19:17~19:30
於:党本部4Fエレベーターホール
谷垣禎一総裁

質疑応答

Q
先ほど、参院本会議で野田総理大臣に対する問責決議案が可決されました。まずこの受け止めを。
A

まず、この3年間の民主党の政権運営、これは極めて稚拙なものであってですね、失われた国益はなかなか取り返しのつかないものだったなと思います。その上で、三党合意以降の野田政権の責任というものをきちっと問わなくてはいけないと思います。私達自民党が三党合意、一体改革でやったことは、これは参議院の選挙公約等々でやるということを国民に約束したことでもありますね。あるいは、社会保障についても我々の主張で通したわけですね。
ところが民主党は、結局このことによって「やらない」と言っていた消費税をやる。それから、マニフェストの骨組みであった、目玉政策であった社会保障等々についても実現不可能になった。この嘘をついたマニフェスト違反の責任は当然問われなければならないわけで、それは解散してきちっと信を問うことだということに尽きますね。そして今のようなマニフェスト違反によって正統性を失ったということに加えましてね、大勢の離党者が与党から出て、正統性を失ったことに加えて、政権基盤が弱いものになってしまった。そしてマニフェスト違反ということもあって、何をやっていく政権なのかという方向性が見いだせないのが現状です。したがって今のような外交・領土問題等々の色々なことを考えましてもね、一日も早く解散をして、そしてしっかりとした政治運営の体制をつくっていく。その責任を野田総理はきちっと受け止めなければいけないと思います。
それに加えまして、最近の民主党の国会運営というものは目に余るものがありますね。要するにこの三党合意、一体改革で明らかになったことは、衆議院で物を通していこうとしたら少なくとも241必要なんですが、あの時は結局218しかなかったわけですね。
ということは、今の民主党の現状を見ますとね、参議院のことも考えますとね、野党とどう合意形成をしていくかということがなければ、色々なことが進んで行かない。それがその言ってみれば呪縛行為みたいなものですね。通せるというあてもなく、このままやっていけば特例公債であろうと選挙制度であろうと、呪縛してしまうと。そういうようなことをやって、それは野党が反対するから…という所にもっていこうというだけですね。
与党としての責任感も何もない。こういう国会運営は厳しく糾弾されなければいけないと思いますね。
ですから野田総理が今のような問題、三党合意後の一体改革後の政府与党の、政権与党の責任のあり方というものを十分に自覚・反省されるのであれば、我々まだ懸案がありますから、それについては色々また協議をしていく、ご相談をしていく余地があると思います。しかしそういうことがないとすれば、今後野田政権に協力することは一切できない。
それが今日のこの問責が、何よりも参院の中で、結局この問責に反対する人が91票しかなかったということが極めて大きいですね。

Q
今日の問責は自公両党が出したものではなく、国民の生活が第一やみんなの党が出したものに乗る形になった。その提案理由は、消費税の三党合意に反対であるとか、消費税そのものに反対というものだが、それに自民党として賛成して乗った理由は何か。
A
提案した野党も我々もですね、もう野田政権が今の国政を掌握して前に進めていく力がないということでは、基本的なことでは一致しているわけです。ただし、色々な物の考え方は、違う党ですから、どうしても整理が十分にできないところもあったけれども、そういうことよりも、今の政治の停滞を少しでも打破しなければと、そういうことに重点を置いて考えたということになります。
Q
問責決議が可決されたが、野田総理は「法的拘束力はない」としている。衆議院を解散する、あるいは辞任する考えはない。こうした政府側の考え方については。
A
今日はですね、わが党の川口議員が討論の中で、この問責が通るということは、総理大臣としての野田さんを参議院でお迎えすることはないという主旨の表現をしておられましたね。つまり法的拘束力とか言っておりますが、結局野田政権で何かをやろうとしても、それを進めていく力はなくなってしまったということを意味すると思います。ですからそこをどう乗り越えようとされるのかなと。法的拘束力がどうだとか、それは何と言ったって行政府というものが物事を進めていかなくてはなりませんから、その力が失われたということですね。
Q
仮に野田総理大臣が10月に臨時国会を召集することがあった場合、自民党としての対応は。
A
招集して何をおやりになるかによりますね。先程申し上げたような、国民に信を問うということであったら色々な話の余地があるでしょうね。そうでないとすると協力はできないということです。
Q
公明党と採決の対応が分かれた。昨日公明党の山口代表と党首会談を行った上でこうなったわけだが、今後公明党との調整、連携は。
A

確かに今日の対応は違った事は事実です。
ただ公明党とまったく一致しておりますのは、政権としての物事を掌握し処理していく能力は全くなくなっているという点では一致しております。さらに、いわゆる三党合意を結んで一緒にやってきたわけですけれども、公明党と共通しておりますのは、三党合意を実質的に押し進めていくためには、やはり国民に信を問うと。
民主党はやらないということをやっているわけですから、それをそのまま放置したらなかなか進みませんよ。社会保障の基本的な方向を定めていくとか何だかんだ言ったって進まないと思いますよ。きちっと解散をして、新しい体制をつくって、国民からやれと言っていただいて進めないと、物事はならないと思います。その体制をつくっていかなくてはならないという点において、自公は一致していると思います。

Q
野党七会派が提出した三党合意と消費税に反対する問責に乗ったということで、与党内からは「自民党の自己矛盾だ」との声もある。国民にとって分かりにくいとも思えるが。
A
これで仮に問責を出したと。この政権はだめだと野党は言っているけれども、結局数はあるんだけれども小さな違いで通せなかったとなったら、もっと分かりにくいと思います。
Q
これまで総裁は国民に信を問うべきだと、解散すべきだとおっしゃってきたが、今回の問責に解散すべきとの文言は入っていない。仏作って魂入れず。問責は通ったが、大事な一言が入っていないことについてはどうお考えか。
A
これは私どもの案ではなくて野党七党が出した案ですから。小異にこだわっていたら大きな目的は達成できない、そういう思いでやりました。しかし私どもの考え方は、川口さんの討論にありますように、そして先程も申し上げましたように、三党合意を大事にしていく観点からも、ただちに解散しなければそれを成し遂げていく体制はできない。そして現実的に物事を進めていく体制はとれていないわけですよ。ですから一日も早く解散する、我々はこれを大きく主張して国民にうったえていきたいと思っております。
Q
民主党の樽床幹事長代行は「自民党が三党合意を破棄したんだ」と批判しているが。
A
先ほど申し上げたことに尽きるわけで、今のような小細工的な批判は、ただ一言、「ちゃんちゃらおかしい」ということです。
Q
解散をして信を問うのであれば、残っている懸案について、解散前に協力する余地もあるということか。
A

結局のところですね、色々な懸案も野田政権は解決できない状況になっているわけですね。そうすると問題は、これで問責が通りましたねと。野田さんはここをどう解決していこうとされているんですかと。
やはり政権はここまで来た時に、どうやってこの窮状を解決していこうとするのか。これはボールが出てこなければ、問題処理能力がないということですね。
ですから今のお問いかけも、まずそういうことを野田政権が考えるべきだと。今は私の方がどう考えるかというお問いかけだったと思いますが、まず、野田さんの方でここをどう乗り越えて行こうかというものがなければ、野党としての助け船も限界があるということです。

Q
原子力規制委員会の国会同意人事については問責可決後も応じるということだったが、それについては。
A

その辺もどうしてくるんですか。やはり、今まで民主党の中でボールが出せなかったわけでしょ。そういったことをやってくれないと、何もなしにこのまま問責になったら動けませんと言うのでは話になりませんよね。
一体どうやってボールを出して来るんですかというようなことから、まずやってくれないとですね、どうするんですかと言われたってどうしようもないですよ。

Q
8月中に総裁選の日程を決める規定になっているが、日程を決めるのか。また総裁の出馬は。
A
これはまだ、言うのは早い。それだけです。