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記者会見

李明博大統領の竹島訪問を受けてなど谷垣禎一総裁ぶら下がり会見

平成24年8月10日(金)15:00~15:15
於:党本部4Fエレベーターホール

質疑応答

Q
今日、参議院の本会議で消費税関連法案が成立する運びとなっている。まずこの法案成立に関しての受け止めを。
A

これは三党合意に基づきましてね、関連法案が成立するところまでまいりました。三党合意はあったわけですが、今まで民主党の執行部は審議の引き延ばしを図るなど、大変不審な動きがありましたけれども、とにかくここまで来たことに対して、ご関係の皆様のご努力を心から多としたいと思います。三党合意は結んだわけでありますが、元々私どもは、消費税をやるということを公約にもして参院選を戦ったという経緯があります。民主党にしてみれば、明らかにマニフェスト違反であるということですね。消費税についてもそうでありますが、消費税をどういう風にしていくんだという社会保障の面でもマニフェスト違反は明らかですから、私どもは当初まず信を問うてからですね、税等をやるべきだと申しておりました。

しかし、三党合意の過程で、我々の税と社会保障の考え方も呑みましたから、そこは我々考えを転換して、成立したら信を問うべきである、こういう考えで三党合意をしたわけであります。それで、総理ご自身もですね、仕事を終えたら、いずれ信を問わなくてはならんということは明確にされておられたわけですから、成立したら、これは国民に信を問うて、きちっとした体制の下でですね、この三党合意を実施していくということでなければならないと思います。そういう体制の刷新のなしに、つまりマニフェスト違反という傷を背負ったままでですね、なかなかこの三党合意というものを実質化していくことは難しいと思います。ですから、これからは徹底的にそれを求めていきたい、このように考えているところであります。

Q
この消費税率関連法案の成立まで、自民党は三党合意を結び、直近では谷垣総裁自身が局面打開のために直接総理と話すなど、これまで自民党が成立に向けて果たしてきた役割をどのように評価しているのか。
A

これはですね、私どもも政治生命を賭けてこの三党合意を結んだわけであります。非常に矛盾を感じましたのはですね、三党合意を結んだ民主党。三党合意をきちっとやろうということで幹事長同士が署名をしたわけでありますね。これは署名をしたのは一裸の個人が署名したわけではありません。党を掌握して、そしてその党を代表して署名した。にもかかわらずですね、民主党から大勢の人が造反され、そればかりではなくて、審議の過程の中での採決の引き延ばしなど、これは一回や二回ではありません。何度もそういうことがございました。

したがいまして、審議という面からも、この三党合意を押し進めていく、局面をきちっと掌握していくという力という意味でも、民主党はもう限界に達しているのではないかという思いを強く持っておりました。その中で、特に小沢さんたちをはじめとして、不信任案を出してきたことは非常に悩ましかったわけでありますが、「近いうちに解散をして信を問う」ということを総理が明確にされて、我々もそこを乗りきったわけであります。ですから総理がそういう非常に厳しい局面で、近いうちに解散をするという言葉をはかれたということは、極めて重いことでありまして、これは必ず現実化していただかなければならない。これは先程申し上げた我々の三党合意に臨む基本的な姿勢、つまりマニフェスト違反の片棒を担ぐつもりは全くない。したがって法案が成立した暁には信を問うと言うのは当然のことである。こういうことをきちっとやるということですね。

Q
(参院)本会議の採決はこれからだが、民主党内には参院の中にもこの採決に造反して、反対も辞さないようなことを言っている人もいる。こうした状況が続いていることについての総裁の受け止めを。
A

これはですね、先程申し上げたことの繰り返しになるんですが、要するに物事を処理していく能力、三党合意に限らずですね、国政を前へ進めていく能力というものが完全に失われつつあるのではないかと。あるいは失ったのではないかと。例えばですね、私と総理が党首会談である一定の結論を出したと。近いうち解散をするということに対してですね、輿石幹事長は「近いうちに代表選があって二人が入れ替われば、拘束される必要はない」と。それから「近いうちに、これはそういう前提もなしに、こだわる必要はない」とおっしゃった。政党政治が何たるかを心得ていない。こういう方がナンバー2に居る政党が、はたして国政を先に進めていく力があるのかどうか。厳しく糾弾しなくてはいけませんね。私はそのように思っております。

Q
韓国の李明博大統領が二時頃に竹島に上陸した。これについての総裁の受け止めを。
A

これは国際法上もわが国の領土であります。それをこういう形で李明博大統領が竹島に行かれたということは、極めて遺憾なことでありまして、政府は直ちに強く抗議をしなくてはいけない。そして、ソウルに居る日本大使を召還して、事情を確認する必要があると思います。この李明博大統領が竹島に行かれたということはですね、色々な方が努力して日韓関係を改善しようと努力してきた。日韓関係は随分進んできた面もありますけれども、そういう過去の努力を大きく否定するものだと私は思っております。わが党も、声明を出しました。

これというのもですね、結局いたるところでこういう問題が起こってきているわけです。事柄は竹島にとどまるわけではありません。これはですね、結局、民主党政権が一つ一つの何がということよりも、国家観を欠いていて、外交の基本姿勢というものが見られないというところから、このような誹りを受けているのではないかと思っております。したがいまして、先程民主党政権にもはや国政を進めていく力がなくなっているのではないかということを申し上げましたが、これは内政面だけではなくて、外交面でも露呈してきたというのが、今度の事案だと思います。

Q
それに関連して、森本防衛大臣が閣議後の記者会見で「韓国の内政の問題」であると。「他国の内政のことに他国が発言するべきではない」という主旨の発言をしたが、これについての総裁の見解を。
A
これはですね、森本大臣は釈明の記者会見をなさったそうですけれども、外交・安全保障の専門家として、民主党の中に政治家で人が居なかったからか、民間人として、専門家としての見識を期待されて入閣された森本さんですよね。その方がこんな馬鹿な発言をするとは私は信じられないですよ。これはですね、直ちに国会でも召喚して、きちっと真意を確かめて、もし最初におっしゃったようなことが真実であるとするならばですよ、これは問責などに値するものではないかと私は考えております。
Q
自民党では来週、予算委員会の集中審議を求めるとのことだが、総裁は国会での対応はどうすべきとお考えか。
A
当然そういう、今申し上げた通りでございまいて、院内の発言であれば直ちに責任を追及するということを始めなければなりませんが、院外での発言ですので、国会にお出でをいただいて、きちっと真意を確認するという対応をしていかなければなりません。これはですね、中途半端にすると、日本の国会はそういうことをそのまま放っておくのかと、外交上の悪しきメッセージになってしまうと思っております。
Q
輿石幹事長に対しての厳しい批判があったが、輿石幹事長の発言は野田降ろしともとれる発言だが、総理が本気で近いうちの解散をやるのであれば、まず幹事長の交代を含む党人事に先に手をつけるべきとお考えか。
A

それはですね、向こうの党のことですから、我々は言うべきことではありませんけれども、民間だって、その業界の最大の会社が、第二の会社の社長と色々相談して合意に達したと。二社間で契約を結ぼうということになった。そしてその話ができた途端にですよ、その会社の専務ないし副社長が「あんなものにこだわる必要はない」と。こんな企業はですよ、政治だけではなくて一般社会だって通用しませんよ。だから、先に人事をやるべきだとかやるべきではないとか色々あるかもしれませんが、もう現状はですよ、国政を先に動かしていく力がないんですよ。ナンバー1とナンバー2が明後日の方向を向いていてどうして国政を動かしていくことができますか。私はそう思います。

Q
野田総理も委員会で、もし私が代表でなくなれば後の代表の解散権が縛られる話ではないと。解散権は次の首相が持っていると発言したが、この発言についてはどうお考えか。
A

ここまで来ますとね、一つ一つの発言にああだこうだと言い出したらきりがありませんよ。もうちょっと国政に対して真摯な姿勢で臨んでほしい。我々は一番最初に申し上げたことをきちっきちっとやっていく。このことに尽きます。