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記者会見

谷垣禎一総裁 定例記者会見

平成24年6月14日(木)15:00~15:25
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

(役員会の内容説明)
谷垣禎一総裁

税と社会保障の一体改革について、我々の基本方針は、6月15日までに結論を得て、会期末6月21日までに採決をすること。それから社会保障の協議を先行して行い、その合意を得た上で税での合意を探ると。そして、あくまで全体のパッケージとしての合意であって、税だけの合意、あるいは一部のパーツのみでの合意は最終段階でも、途中のプロセスでもないということを申し上げておきたいと思います。それから社会保障での合意の前提は、我々の社会保障制度改革基本法、これを基本的に受け入れていただくことであり、ボールは政権与党にあると認識しております。我々は覚悟を持って本件にあたっておりまして、野田総理におかれましても、相応の覚悟をも持って、決断から逃げぬよう対応していただきたいと考えております。
次に、青年部・青年局が企画しておりますが、明後日16日(土)「北朝鮮による拉致問題」をテーマに、第2回青年部・青年局一斉街頭を実施いたします。私も14時より東京スカイツリー駅前で行われる街頭演説に参加する予定であります。ちなみに申し上げますと、「業平橋」という名前も懐かしい名前だったと思っております。皆様にお越しいただきますよう、お願い申し上げます。

質疑応答

Q
修正協議について、現在の総裁の見通しと、15日までに合意が整わなかった場合の対応についてお聞かせいただきたい。
A

今、鋭意協議中でありますので、予談をもって申し上げることは差し控えたいと思います。15日までに成案を得ることが大事でありまして、そのために全力を挙げたいと思っております。

Q
昨日、民主党側から自民党の基本法に対する修正案というものが出てきた。この中身は、自民党の法案の中にあった「現行制度を基本とする」とか、「自助を基本とする」という所が削られていたが、この民主党側の修正案についてどのように受け止めたか。
A

基本的に我々の要請に応えるものではないと思っております。

Q
全面的に書き換えないと受け入れられるものではないということか。
A

基本的に我々の要請に応えるものではない、こういう認識でおります。

Q
基本的に自民党の要請に応えうる内容にするには、どのような点がポイントか。
A

我々の基本法案を、基本的に受け入れるということであります。

Q
自民党側から譲歩できる余地はあるか。具体的にはあるとすればどのような点か。
A

こういう局面において譲歩する、しないとなれば、基本的には与党側が譲歩するものだと思っております。

Q
政権内には、自民党がハードルを上げて来ているという受け止めがある。野田政権にとっては、ハードルが上がることでかえって野田さんの政権基盤を弱体化させてしまい、元も子もなくなるのではないかという声もあるが。
A

今のご質問は私には全く理解できないご質問であります。私はハードルを上げたことは一回もございません。当初から、基本方針はこうであるということを明言してまいりました。十分に政府の方々のお耳にも入っているはずですから、「ハードルを上げた」という表現は理解できない、このことを申し上げておきたいと思います。

Q
15日までの合意というのは、実務者間の合意なのか。それとも民主党の党内手続きも経た上での合意なのか。
A

本来は、政党間で合意をするということがどういうことであるかをよくお考えいただければ、おのずと答えは明らかであります。

Q
野田総理との党首会談によって事態の決着を図るという考えはあるか。
A

横綱同士がいきなり裸でぶつかり合うということではないと思いますね。まずその前の手続きをきちっと詰める、それを見守りたいと思います。

Q
最終局面では会談はあり得るか。
A

あり得ると言えば得るでしょう。あり得ないとは申し上げません。あり得るけどあり得ない、あり得ないから言わないが、というのが付いております。

Q
修正協議の中で後期高齢者医療制度と最低保障年金がポイントになってきているが、民主党側が出してきた修正案を国民会議にかけて棚上げ・先送りすることで、旗を降ろさなくても飲めるという形で打ち返してきているが、こういう形の決着で良いのか。それとも、撤回を求めて行くのか。
A

その辺は、基本法案を基本的に受け入れることが、いかなることかということです。

Q
15日まで時間がないが、民主党側から会期延長の話も出ているが、合意がないまま延長に踏み切ることについては、総裁はいかがお考えか。
A

まだ延長の話まで考えていません。まだ合意を得られるか、得られないかということを考えておりまして、延長の話はまだ考えておりません。

Q
総裁からご覧になって、野田総理の覚悟、本気度をどのように見ているか。
A

繰り返し申し上げておりますが、覚悟、本気度、どのくらい意欲があるかということと、それができるということは必ずしもイコールではないので、イコールでないとなかなか進まないということです。

Q
進めるためにはどういうことが必要だと思いますか。
A

それは与党がお考えになることだと思います。

Q
丹羽駐中国大使の更迭について、総裁ご自身はこの件についてどのような立場か。理由とともにお聞かせいただきたい。
A

わが党の中では、丹羽大使の言動について強い批判がございます。この批判に対して内閣としてどのように対応するか、注目しております。

Q
最近の自民党はスパイ疑惑、丹羽大使の発言を過剰に取り上げているように思いますが、日中関係を政争の具にしようとも見えるが、これは総裁の指示なのか、あるいは自民党党内の一部の議員の発言なのか。
A

私どもは、日中関係は極めて大事だと思っております。極めて大事だということと、問題があることを少しも取り上げないということは、別のことでございます。問題点は的確に指摘していく、協議していくということを、お互い乗り越えて行くべきだと思います。

Q
15日までの合意がなければ、野党総裁として内閣不信任案の提出も視野に入ってくるのか。
A

今の段階はこの協議が成立できるかどうか、合意できるかどうかに全力を挙げております。一般論として申し上げれば、不信任案をいつ、どういう風に使うかを考えるのが私の仕事でもありますから、頭の中に全くないとは申しませんが、いまはとにかく、成案をいかにして得られるのか得られないのか、これに全力を挙げている次第でございます。

Q
民主党内の状況だが、野田総理が自民党案を修正して共同提出できるように努力してほしいという指示をしたとする一方で、別の幹部はそんな指示は聞いていないという。本来総理の指示は重たいものだと思うが、それが聞いた、聞いていないというレベルになると深刻だが、そうした局面で、最後に野田総理に伝えるとしたらどのようなメッセージか。
A

御指摘の点が、物事が決まらない、動いていない政治の基本的な原因だと思っております。したがって、野党も物事が決まり、動いていく政治というものを作って行く努力をしなければなりませんが、主原因がそこにあるわけですから、野田総理には決然とした決断と行動を求めたいと思います。

Q
現在修正協議が行われていて、成案を得たならば法案に賛成となるのか。それとも、併せて解散の確約がなければ賛成できないのか。
A

今、どういう合意ができるか。現場もぎりぎりの努力をしていますので、それを見守りたいと思います。解散は、先程不信任案をいかに使うかということが野党総裁の仕事だと申しましたが、いかに解散に追い込んで行くかということも私の仕事でございます。

Q
総裁はこれまで、政策的けじめと同時に政治的けじめが必要だとおっしゃってきたが、それに変わりはないか。
A

それに付け加えますと、政策的けじめと政治的けじめは表裏一体であり、コインの裏表であると。引き続きそう思っております。

Q
それは今回自民党の法案を飲むということは、マニフェストの旗を降ろすことになると。つまり解散につながるということか。
A

今、主要な頭はそこにあるというよりも、いかにして協議を進めるかということにあるわけであります。

Q
現時点で党首会談の申し入れは来ているのか。それと、明日までに合意、結論に至らなかった場合、それ以降は協議に応じない、協議を打ち切るという立場で良いということか。
A

一番目は何も来ておりません。二番目はおっしゃる通りです。

Q
尖閣について、東京都の尖閣の募金運動について総裁はどのようにお考えか。また総裁が将来日本のリーダーになった場合、この問題をどう処理すべきとお考えか。
A

私の基本的な考えは、尖閣は日本が実効支配しており、歴史的にも伝統的にも日本固有の領土であると。ここに領土問題は存在しない、これが私の基本的な考えでありますから、私が政権をとった時にも、その基本的考えに基づいてやっていくということです。勿論、大前提として中国との友好関係というものは、推し進めなくてはならないと思っています。

Q
都の募金運動についてはどうお考えか。
A

そういう都の募金運動を支援する方達がいることは事実でしょうね。

Q
総裁ご自身は。
A

私は都がお買いになるよりも、本来国有の方が良いのかなと。一部はもう国有になっているかとも思いますが、そこは色々なご議論があると思います。

Q
解散となると公明党との関係が重要になってくるが、公明党とは消費税法案賛成・反対で大変悩ましい立場にあるわけですけれども、仮に賛否が自民と公明で分かれたとしても、次の選挙で自民と公明は引き続き協力関係を維持できるとお考えか。
A

これは夫婦関係に例えたら公明党さんは怒るかもしれませんが、夫婦関係といえども双方の努力が必要ですね。友党関係も同じだと思っております。その友党関係を努力して維持していくということではないでしょうか。

Q
現在、修正協議は自・公・民という三党で進めているわけだが、その他の小政党から密室談合ではないかという批判が出ているが。
A

これは密室談合とおっしゃいますが、国会の税と社会保障の特別委員会においては、90時間、100時間の審議が必要だと言って、現在までにすでにかなりのところまで来ているわけですね。それだけオープンに議論して、後をどうするかという問題ですから、決して密室談合ではないと思います。むしろこれを前提として、100時間とか90時間という実績がなくて、議論を始める前からお互いに話して「これでいこう」ということであったら、そういうそしりがあるのかもしれませんが、私はそういうそしりは当たらないのではないかと思っております。

Q
総裁は今日の会見の中で、合意の前提は社会保障の基本法を基本的に受け入れてもらうことだと。そういう意味では、民主党の回答は我々の要求に応えるものではないと。ではどの様な点を具体的に受け入れるべきだとお考えか。
A

それは今、実務者で協議していただいているところでありますから、あまり後ろに居て、勝手なことを言うのは差し控えたいと思います。まずは現場の努力を見守りたいと思っております。

Q
基本的な理念や考えといったものでもかまわないのだが。
A

基本的な考えは基本法でありますから、読んで字のごとしであります。

Q
自民党の部会が、国の出先機関の移譲について「反対」の決議をしたが、全国知事会は賛成、市町村会は慎重・反対、そうした中での総裁のお考えをお聞かせいただきたい。
A

この、出先機関を地方に移譲せよという話は前からございます。ただ、今進められていますのは、何というか統一的な基準がなく、希望する所からとか、あるいは広域連合で受ける所はとか、そういう形で進んで行きますと、本当にそういう国としての制度、国と地方としての制度の立て方で良いのか。私はその点を非常に疑問に思っております。何か特区のような考え方でやっておられるような感じも致しますが、やはりこのことは、国と地方の基本的な骨組みに関することでありますから、そこはもう少し基本的な設計をすべきではないかというのが、私の基本的な見方でございます。

Q
基本法を基本的に受け入れてもらうことが大前提とのことだが、会期を延長して、基本法を受け入れてもらう環境が整うということも可能性としてはあるが、なぜ15日に協議を打ち切る必要があるのか。
A

ご質問の中にもございますが、そもそも民主党が総理大臣の指示を受けて、一体として前に進んで来られるかどうかということは、我々は非常に不安を持っているわけであります。下手をするとですね、そういう分裂の中で、にっちもさっちも進まないという状況の中で、純然と協議を進めるということが使われるのではないかと、そういう恐れを私どもは抱いております。従いまして、協議に入る時から、これは日限を区切ってやるということを基本方針としてまいりました。

Q
民主党のマニフェストについて、総裁はかねてから民主党のマニフェストはデマゴーグだとして、その正当性を一貫して否定してきた。しかしこの修正協議の中では、民主党のマニフェスト撤回という言葉があまり聞かれないように思うが、こだわりは今どのような状況か。
A

デマゴーグという言葉が良いかどうか分かりませんが、これは流れとしては一体のことですね。つまり政権交代可能なシステムを作り、そしてそのためには小選挙区が必要だと言い、その時小選挙区で政権交代をしていくには、それぞれがマニフェストをはっきり掲げてというのが、どなたがお考えになったのかは分かりませんけれども、一つの絵でございました。しかし今日それがあまり上手く行っていないなというのが、多くの方がお感じになっておられることだと思います。そうしますと、選挙制度もございますね。色々なことがございますが、やはりマニフェストのあり方、決まらない政治ということが言われておりますが、党というものは綱領を持たなくて良いのかと。そういう個々の政策というよりも、もっと根源的な政治というものに思いを致さなくてはならないのではないか、という思いを強く持っております。そういう議論があまりに未熟で、頭の中で描いた机の上の政治議論をやり、そしてそのマニフェストというのも、現場を見ない机の上の議論で成り立っていたのではないかという、強い疑問と大きな懸念を持っております。従いまして、マニフェストというものを、マニフェストと言うことが良いのかどうかという議論もございますが、政権交代の大きなバネとなったマニフェストをどう乗り越えていくかというのは、我々野党の課題でもありますが、与党にとっては最大の課題であるという思いは、時に言葉で激しく言うこともあり、言葉の上では激しく申し上げないこともありますが、気持ちの上では沸々と煮えたぎるものがあるということは、私は申し上げておかなければならないと思っております。

Q
マニフェストの主要政策撤回を求め続けて行くという考えはあるか。
A

それは、今私が申し上げた大きな政治の中の大議論と、今具体的にこの協議をどうしていくかという両方がございますから、まずは大議論の方を申し上げたと、こういうことでございます。

Q
解散について、総裁は常々、「私に言わせれば、けじめというのは解散である」とおっしゃってきたが、今日は、解散ということよりも、今はいかにして協議を進めるかということが大事だとのことだった。これは解散を求めてきたこれまでの路線を転換するということか。
A

いや転換はしておりませんが、その時その時、望遠レンズを使うか接写レンズを使うか、今は接写レンズの方を使っているということであります。

Q
総理は、消費税法案不成立の場合には解散に踏み切るとの国会答弁をしたが、自民党内では、総理が解散に踏み切るには、この法案が成立しない方が良いのではないかという声もあるが、こういった考えについて総裁はどうお考えか。
A

解散権は野田総理が持っておられるわけですから、野田総理がどうご判断されるかです。なので、あまり揣摩憶測をするということは避けておこうと思います。