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記者会見

谷垣禎一総裁 ぶら下がり会見

平成24年3月30日(金)10:30~10:39
於:党本部4階エレベーターホール
谷垣禎一総裁

質疑応答

Q
今日、消費税法案が閣議決定されて国会に提出されることになりましたけれども、総裁の受け止めをお願いします。
A

民主党内でも色々な混乱があってここまで来たわけですが、結局この問題の背景には、「政権交代のルールは何なんだ」という問題があると思います。自民党政権が長く続いている時代は、一内閣一課題みたいなことで、「自分は消費税をやるんだ」ということで済んでいたわけです。ただ、政権交代があるということになりますと、どうしても現政権との差別化を図ろう、違うことを打ち出そうという欲求に駆られるわけですね。その一番悪い例は、要するに財政的なバラマキというか、大きな政府としてのサービスを財政的には小さな財政で賄える。こういう誘惑に駆られるわけです。典型的なデマゴークの手法ですね。民主党のマニフェストにはそういう所があった。それを次の政権交代の時にも繰り返していたら、日本の政治は悪くなる一方です。今回の民主党や国民新党の混乱の背景にあるものは、そういうことにけじめをつけていない、そこにこの混乱の原因があるのだと思います。そうしますと、やはりこれを解決するには、きちっとけじめをつけていく。解散総選挙ということを私は言っているわけですが、そういうことが必要だというのが私の基本的な認識であります。

Q
財政再建への機運が高まる中で、それに対する対応はいかがですか。
A

そういう問題の背景に、より大きな政治のルールというものがあるということを意識してかからないと、この問題に対する対応はふらつくと思います。

Q
解散して信を問うということですけれども、それがなければこの消費税法案には賛成できないということでしょうか。
A

要するにこの「けじめ」というのはですね、何がけじめなのかというのは、私に言わせれば解散総選挙が一番分かりやすい。解散総選挙をすれば、問題を解決する道筋もおのずから見えてくるだろうと私は思っております。しかし、解散総選挙だけなのかどうか。これはけじめをつけさせるよう努力するのは、当然野党の責任です。しかし、けじめが解散以外にあるのかどうかは、これは総理大臣の役目だと思います。

Q
民主党に対し、与党として党内を一つにまとめて来いとおっしゃっておられましたが、今回のこの閣議決定へのプロセス、民主党としての裁きをどう見ているか。
A

先程申し上げたことに尽きます。

Q
法案が国会に提出されると思いますが、これに対して自民党として例えば対案を出すとか、そういう考えはあるか。
A

民主党がどういうことで国会に臨んでくるか、もう少し彼らの対応、行動を見て、色々考えたいと思います。

Q
最低保障年金の撤回ですとか、民主党の社会保障が不十分だと総裁はおっしゃっておられますけれども、こうした部分をクリアすれば賛成しやすくなるということか。
A

こうした部分をクリアと、一つ一つ個別の問題を議論するとそういうことになるのでしょう。しかしそれは、マニフェストという根本構造がおかしかった。つまり私に言わせれば、大きな政府を小さな財政でできるというデマゴーク的手法に問題があるのですから、そしてそれは政権交代では、そういう誘惑に駆られるものなんですね。だからそこは、ひとつひとつけじめをつけていくことが必要だと思っています。

Q
自民党も前回の参院選で消費税10%を掲げています。そういうことに対して、例えば森喜朗さんなんかがやはり分かりにくいと。協議すべきだという意見もあるが。
A

分かりにくいと言う方があるから、私はそういう政治的な問題が、ルールの問題があるんだよと。そこの所をきちっと意識してやらない限り、政策的に方向が同じだからといっても、野田さんの足下は常に崩れるばかりなんです。やはり手順、段取りを踏む。政権交代はこれでお終いではないと思いますよ。これから何度も政権交代があるのだと思います。その時に、差別的手法に駆られてデマゴーク的手法で常にそれを繰り返したら、日本の政治の進歩があると思いますか。私は無いと思います。ですからやはり、色々な問題点はありますけれども、根本の問題がそこにあるぞということは、私は繰り返し、繰り返し、言いたいと思います。

Q
国民新党の対応ですが、亀井代表が野田総理に対して閣議決定にサインしないということと、連立離脱を通告しながら、自見大臣はサインをしたわけですけれども、この対応についてはどのようにご覧になられているか。
A

やはり手順、段取りを踏んでいないところに、つまり今言ったようなことにけじめをつけていないところに、混乱の根源がありますね。

Q
代表は連立離脱をすると、サインをしないと言いながら大臣はサインをしているのですが、この正当性については。
A

要するに、一政党の中にそれだけの混乱を生ずることを内包していると。こういうことをきちっとやらないと、次から次へと足もとが液状化するよと。それでやるんだ、やるんだと言って出来るんですかということを申し上げています。

Q
政権側は、この法案提出を機にまた与野党協議を呼び掛けてくる意向ですけども、それに対して総裁はいかがお考えでしょうか。
A

国会に出してくれば国会で議論するということでしょう。

Q
実務者での協議というのは。
A

これから何が起こるかは、もう少し向こうの出方も見て、こちらがどう対応するか、政権側の出方も見て決めてまいりますが、繰り返し、繰り返し申し上げますが、根本をないがしろにして、基を建てずに上だけやろうとしてもうまくいきませんね。

Q
小沢さんのグループの対応ですが、政務三役が集団で辞めるといった話もあったわけですが、今のところは主だった動きは無い。これをもって、野田さんが民主党内をまとめていると見ているのか。
A

今申し上げたように、相当根本的な問題をはらんでいるから、これでもって民主党が足並みを揃えていけるということにはならないのではないかというのが、私の基本的な見方であります。

Q
総裁常々、まず四つに組むと。そこまで追い詰めないと、野田さんはぎりぎりの選択をしないと。そうした場合の時には、話し合い解散という選択肢は今後考えられるのでしょうか。
A

それは今の段階では分かりません。とにかく我々の仕事は、そういうルールとは一体何なのかということを明らかにしていくことも仕事なのですから、野党がそういう問題を提起しなければ、うやむやのままに進んで行くということになる。

Q
法案が今日国会に提出されますが、現在のこの法案に対しては賛成できないという立場ということで良いでしょうか。
A

何度も申しますが、税をどう使うかということが多少なければいけない。税自体には我々それほど議論があるわけではありません。しかし、どういう使い方をして行くのかということが明らかにならない時にお願いするというのは、そう容易な業ではありませんね。