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記者会見

野田総理施政方針演説を受けて 谷垣禎一総裁 ぶら下がり会見

平成24年1月24日(火)14:38~14:50
於:院内第24控室
谷垣禎一総裁

質疑応答

Q
自民党として、事前談合はなしという態度を鮮明にしている中で、今日も野田総理から再三協議の呼びかけがありましたが、総裁の受け止めをお聞かせください。
A

私は、野田総理が税と社会保障の一体改革に極めて気合が入っていると、今まで聞いていました。燃えるが如き所信表明をされるのかなと、一部の期待を持っていましたが、聞いているうちに、白々した気分になってきたというのが、残念ながら正直なところです。議場の雰囲気もそういうことではなかったかと思います。
なぜそのような感じにとらわれたかと考えてみたのですが、いろいろ理由はあるのです。いろいろなことを言っているのですが、それをきちっと取りまとめるために、党内をどうやって説得しようとされているのか、現実には言葉だけで、行動はあまり見えてきていません。それから、今、円高とかいろいろありますが、要するに具体的施策に関する言及はほとんどなかった。ああ、なるほどこういうことをして乗り切っていかれようとしているのか、そういう問題に対する言及はほとんどありません。あるいは、社会保障についてもそうでしょう。一体、この消費税で何をされようとしているのかということについては、ほとんど言及がなかった。つまり具体的行動と、具体的政策が見られないというのが一つの理由です。
しかし、より根本的には、自分たちの立っておられる足下に対する虚心な考え方、反省が全くないのです。つまり、私も何度か申し上げていることは、やはり国民との信頼関係を作らなければ駄目ですよということを申し上げているわけです。少なくとも本気で、私どもに協議をしようとか、いろいろなことをおっしゃるのであれば、なぜマニフェストでこのような主張をされるのか、真摯な反省や言葉があって然るべきだと思います。野田さんは、どこかで聞くと、「マニフェストに書いてないことはやってはいけない、マニフェストに書いてあることはすべてやると言ったら何もできない」とおっしゃったけれども、しかし、マニフェストに書いてあること書いてある。マニフェストに書いてないことは書いていない。なぜそれをやるのか。それをやらないのか。もっと真摯な態度がなければ、聞いている方が白けるのも当たり前です。私は、そういう印象を持ちました。
選挙の事ばかり考えるなとありましたが、私どもは、附則104条であるとか、参議院選挙で「当面10%」ということを掲げて戦ったのです。全然違うことを言って、選挙を戦いながら、「選挙の事ばかり考えて」という話は、よくも言えたものだと思います。その言葉をそっくりお返ししたいと思います。総じて言えば、小さなことだけお考えになって、「政局よりも大局を」とおっしゃったけれども、大きな政治が全然見えていないのではないかというのが、私の印象です。

Q
具体的な提案や真摯な態度がなかったということで、野田総理は、かつて福田総理や麻生総理の言葉を引用しましたが、そのあたりのご所見をお聞かせください。
A

全く自分の足下を見ずに、そのようなことをおっしゃるのもいかがなものかと。再度同じことを言わせてもらいますが、極めて白けた気持ちで野田さんの本気度を疑いました。やはり、野田さんみたい方は、ナマズのような政治とおっしゃいましたが、もう少し一つ一つの言葉に、真心を込めたことをなさらなければ、野田さんの良さはでません。

Q
消費税の具体的使途も見えてこなかったとおっしゃいました。「世界最速の超高齢化が進み、・・・もう限界」と発言され、輿石幹事長や岡田副総理も今後更なる増税を考えているようですが、総裁のご所見をお聞かせください。
A

もう少し税法なら税法で、具体的な制度設計をされながら、話を進めていかないと、何か抽象的な掛け声ばかりおっしゃっても駄目です。

Q
代表質問で、どのような点を追及していきたいのか、現時点でのお考えをお聞かせください。
A

今も申し上げたことですが、国の危機、あるいはいろいろな内政、外交に対する懸案を克服していく上で、大きな意味で与野党が協力できなければ、与野党が反発ばかりしたらうまくいかないというのは、私はそうだと思います。より大局を見たということは何なのか。だから言ってみれば、総理に対してアドバイスのつもりもあって、もう一回、信を問えと申し上げている。
要するに大きな政治とは何なのか。大きな方向で、本当に今、国が必要なものに協力し合っていく環境は何なのか。総理はそういうこともお考えになって、もう少し大きな土俵を作る努力をする必要があるのではないか。そういう思いを持って、代表質問をさせていただきたいと思います。

Q
与野党協議には、民主党がマニフェストを変えて消費税を増税するなど、根本的な見直しをしない限り、応じることはできないということですか。
A

事前協議に応じるつもりはありません。

Q
民主党側が政府与党としての意見をまとめて、閣議決定して国会提出しても応じないということですか。
A

国会へ出してきたら、それは我々も附則104条というのは、平成23年度中に消費税を含む抜本改革をやると書いていますので、それはおやりになったら良い。そしたらまた考えなければいけませんが、我々も考える必要があります。ただそれ以前に、事前に密室談合をすることはするつもりはありませんし、それはあまりよくないと思います。
それから私が望みたいのは、今のところは、8%、10%ということはありますが、やはり税法というのは、もう少し具体的な制度設計が要ります。いつ上げるだけでは、プログラム規定のようなものです。もう少し具体的な制度設計を詰めてこないと、例えば細かなことを言うようですが、社会保障、医療なんかは、今まで非課税とされてきた。そういうところをどうするのかとか、具体的な制度設計を詰めていかないと法律にはならないと思います。今のところ3月には、お出しになるのだと思いますが、しかし、そういう議論が全然聞こえてきません。何なんだろうと思います。

Q
4次補正予算には、どのように対応されますか。
A

復旧、復興に関しては、今まで協力すると申し上げてきましたが、3次補正と今度の4次補正は、そういう意味で復旧・復興に関しては、若干性格が違うと思います。茂木政調会長のところで検討してもらっていますので、その検討結果をよく見たいと思います。

Q
消費税について、5%の増税分の使途についての説明が直前になって変わるなど、政府の対応がバタバタしている印象を受けますが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A

もう少し具体的にしっかりと整理してきていただかないと、閣議決定するまでには決まるのか、決まらないのかわかりませんが、何か漠然としたものをお出しになられても、なかなか協議すると言っても、ああそうですかというだけになってしまうのではないでしょうか。もう少し具体的な制度設計の詰めを、政権を担っているのですから、やる必要があると思います。

Q
関連で、公明党は社会保障にいくらかかるかなど、具体的な全体像を示してからでなければ、協議に応じられないとしていますが、総裁の所見をお聞かせください。
A

それもひとつの大きな論点であることは、間違いないです。もっといろいろな論点があまりにも詰められずに残っているので、一つだけ取り上げてどうというのは、正直言って、言いにくいです。もう少し全体の整理をうまくされないと、という感じがします。

Q
野田総理による与野党協議の呼び掛けについて、公の場ばかりで、事前の相談やいわゆる根回しというのが全くありませんが、このような野田政権の政治手法をどのように見ていますか。
A

根回しとか、つまりもっと言えば、言葉だけと先ほど申し上げました。具体的な説得とか、具体的にどう党内をまとめる、あまり見られないと。我々におっしゃるより先に、党内をしっかりと掌握して、議論を整理されることの方が先決ではないかと思います。