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記者会見

APEC報告質疑後 谷垣禎一総裁 ぶら下がり会見

平成23年11月17日(木)16:06~16:17
於:院内第24控室
谷垣禎一総裁

質疑応答

Q
野田総理からAPECの報告が行われ、谷垣総裁からはTPPに関する質問をされましたが、感想をお聞かせください。
A

一言で申し上げれば、TPP協議というのも外交ですから、外交と内政は、切っても切り離せません。表裏の関係で、政権基盤がしっかりとしていないと外交交渉は難しいのではないかという危惧を感じさせるということです。

例えば、今回の交渉というのは、TPPという名前が付いていますが、ある意味では日米構造協議を彷彿とさせるところがあるわけです。今まで農業ばかりが主として問題になってきましたが、決して農業だけではない。日米構造協議みたいなところが多分にあると思います。ウルグアイ・ラウンド交渉などもありました。ウルグアイ・ラウンド交渉を振り返ると、交渉の時、我々は野党でした。しかし、当時の与党、細川政権が交渉している姿は、どういうことが問題になっているかは、かなり我々のところに情報が入ってきました。入ってきたのは、主として交渉に実際にあたっている官僚機構などがそういう情報を野党である我々を信頼して、野党の全員にということではないかもしれませんが、主だったところには情報を持ってきて、共有することが与野党でできていました。今度はそういうことがまったくないのだと思います。何をやっているのかよくわからない。なかなかわかってこない原因はそういうところもあると思います。政権の基盤がしっかりとしていない。そこに心配が出てくる原因があると思います。

今日も私は質問の中で申し上げましたが、今まで、もちろんFTAAPを目指さないといけないというのは、基本的には我々もそう考えていますが、我々の政権時にもASEAN+3などいろいろなことを言ってきましたし、現実にも自由貿易を拡充する努力をしてきました。

そういう中で、今日の質問の中でも申し上げましたが、例えば自動車は関税がゼロになっているというのは、アメリカは関税をやっていますし、鎖国しているという認識はあたらないと思います。そういう自由貿易を進める努力を我々はかなりやってきましたし、そういう中で入っていくときは、やはりそれなりの準備をして入った。どうもそれが見受けられない。それは多分、野党に情報が来ないのは、国民的な意見の集約を図っていこうという足腰が弱いのではないでしょうか。

Q
TPPについて、谷垣総裁は野田総理への質問の中で、情報開示やメリット、デメリットに関して質問されましたが、野田総理の答弁ぶりはいかがでしたか。
A

かなり抽象的な答えでした。あの中でも申し上げましたが、これで総理が国際的にも入ると、やるというふうに協議するという定義はどうかと言いましたが、総理の答弁を伺っていると、9か国から入っていいというGOサインが出たら協議というような定義を言っていましたが、これからそういう現実に、そういう過程に入っていくので、我々も具体的な問題点を定義してどうしていくのかというのを質していかないといけないと思います。

Q
昨日、一川防衛大臣がブータン国王を招いた宮中晩さん会を欠席していたことが判明しましたが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A

ブータン国王が国賓としてお出でになっているときに、よんどころない用事もあると思いますが、やはりよんどころないのかどうかの評価は別として、やっぱりおかしいです。しかも、そんなことを聴衆のウケを狙って言うこともおかしい。閣僚として国賓をどのようにお迎えするという基本的な姿勢がしっかりとしていないのではないでしょうか。

Q
今後、一川防衛大臣の資質を追及していくお考えはありますか。
A

追及すると言っても、あまりにもいろいろなことがありますので、決して等閑に付するわけにはいかないと思います。しかし、これは政権としての全体の問題だと思います。

Q
一川防衛大臣は、官房長官に陳謝したとのことですが、責任は今後の仕事をやることでとっていきたいと発言したようです。またあらかじめ欠席届を出しているので問題ないとの認識を示したようですが。
A

いちいちお答えすることもアホらしくなります。お答えするのがアホらしいということで、この問題に対して私がどう思っているか、想像してください。

Q
TPPに関して、野田総理の責任を問う声があがっていますが、不信任決議案や問責の取り扱いに関してお考えをお聞かせください。
A

これからさらに色々な論点を明らかにしていくということの方が、これで動いて行ってしまうので、そういうときにどういう姿勢でやるのか。現実に政権を担っている人が動かしていくので、そこの問題点を明確にしていくことが一番大事だと思います。

Q
時事通信社の世論調査で、内閣支持率が35.5%という結果になり急落しています。また不支持率は36%となり、野田内閣発足後初めて支持率を不支持率が上回りましたが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A

低下の原因は何か。御社の世論調査は、先行主導的に、割合低く出ることもあると思います。先行主導的な意味合いもあるような感じがします。そこを十分に分析する力はありませんが。今度、こういう数字が出てきたということは、どっちの方向に歩んでいるということの善し悪しよりも、最高権力者がどこに向かって、この国をリードしようとしているのか。「野田総理、あなたは一体何をしたいのですか」という質問で始められた方がいましたが、そういう印象を多くの人が持ち始めているというところに、支持率が下がってくる原因があると思います。

Q
一方、自民党の支持率は12.8%という政権交代後、一番低い数字となりましたが。
A

我々が何をやっていくのかということを明確に示していくということでしょう。

Q
総裁は、手法やプロセスについて指摘されましたが、TPP参加の是非について、自民党として見解を示すお考えはありますか。
A

先程申し上げましたように、今まで自由貿易体制を拡充することに、力を入れてやってきた党です。これからもそれは変わりありません。しかし、自由貿易体制を進めていく時に、FTAなどいろいろな交渉がありました。そういう時に、我々の手法は、どういう問題点があるのかということをある程度明確にして、同時にその対策等もいろいろ議論しながら進めて来ました。今回、TPPというものが何者なのか。想像はできます。想像はできますが、あまり情報がない中で、なかなかゴーとは言えないです。今後情報が集まってくる中で、いろいろ申し上げることは出てくると思います。

Q
これまで野田総理に対して、安全運転、低姿勢という評価が一般的ですが、TPPを巡る野田総理の対応を見て、改めて野田総理の評価をお聞かせください。
A

安全運転というよりも、何をなさりたいか、よくわからないということではないですか。