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記者会見

谷垣禎一総裁 定例記者会見

平成23年11月10日(木)15:00~15:13
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣禎一総裁

【谷垣禎一総裁発言】

本日、衆議院において第3次補正予算が通過しました。厳しい冬が目前に迫っているわけですので、被災地の復旧、復興については、政府への協力を惜しまない。従来からの姿勢には変わりはありません。わが党は、賛成をさせていただきました。ただ、私たちは被災地の復旧、復興には、より大規模な編成をすべきと政府に申し入れ続けてきましたので、野田総理は予算の後押しなき支援策が、被災者の不安と現場の混乱を招き、結果的に復旧、復興を遅らせてきたということに、猛省をしなければならないと考えています。そのうえで、第3次補正予算を一刻も早く成立させて、迅速に実行してもらいたいと思っています。予算委員会が行われてきましたが、依然として野田政権として何がしたいのか、どういう方向性で進むのか。日本をどのような方向に導いていくのか。こういう方向性が予算委員会の質疑の中からは、まったく出てこない。説明は皆無であるということです。

特に、TPPの問題などは、本来、貿易自由化の手段であるはずですが、この参加表明が政権の目的化しているという感じがしています。国民への十分な情報開示も行われない。それから不利益を被る部分を隠しているかのような印象もある。8割近い国民が説明不十分とするなかで、拙速に参加表明の決断をしようとする野田総理の姿勢は、あまりにも国民の民意を無視していると考えています。国民新党、民主党内においても、依然として反対意見が多数を占める現況を見ていると、与党議員すら説得できない状況で、どうして国民に協力を要請できるのか。我々、自民党も政府民主党の議論も、情報が不十分な中で、総理がAPECで参加を表明することには、断固として反対だということを申しあげなければなりません。

質疑応答

Q
TPPについて、本日、衆議院で野党5党などが「APEC首脳会議におけるTPP交渉参加表明に反対する決議案」を提出し、民主党の反対により本会議における採決は見送りになりましたが、今後、自民党としてはどのような対応をとっていくのですか。
A

参議院の方でどうしていくかということは、参議院の執行部ともよく詰めたいと思っています。

Q
本日、野田総理が第4次補正予算の編成について言及があり、復興名目により野党の協力を取り付けることが目的とも取れますが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A

4次補正について、野田総理が言及したのは、例えば二重ローン問題などは、だいたい与野党の間でどのくらいの規模でやっていくかの話し合いがついたわけですが、これは3次補正の中には入っていない。そういうことを考えると、多分、これは4次補正を組まざるを得なくなってくると思いますが、現段階では予備費などを使って、この二重ローン問題も滞りなく解決、対応してもらいたいと思っています。ただ我々が政権時には、補正予算、あるいは予算の審議中に、まだ成立していない段階で、次の問題への対応を次の補正予算を言及することは、極めて異例なことであって、果たして全体の状況を十分に把握して、3次補正を組んでいるのかどうか。結局、全体のタイムスケジュールを組み、段取りをつけることが、この民主党政権は、非常に下手です。そういうこともひとつの表れだと思います。

Q
本日、野田総理はTPP交渉参加の表明を行う見通しですが、これを受けて自民党としてはどのような対応を行っていきますか。一部からは、参院における問責に加え、不信任案について言及する人もいるようですが。
A

これまで申し上げてきたように、政府からの情報開示も十分に行われていない。具体的な説明もない。そういう中で、与党の方もサポートをしっかりしていない。そこで態度表明することはあまりにも拙速だということは変わりありませんが、今日、記者会見があるようですから、その中身を十分に精査して、明日は集中審議があるので、まずはその中で問題点を徹底的に追及して、正していくということから始めたいと思います。

Q
大阪府知事選挙が告示されましたが、自民党本部としては推薦を出していないようですが、その理由についてお聞かせください。
A

大阪府連は、前池田市長の倉田氏を支持していると聞いていますので、それを注視していきたいと思います。これは、大都市の問題、政令指定都市のあり方をめぐっては、わが党の中にもいろいろな考え方もありますし、まだ十分に議論は詰まっていないと思いますので、政令指定都市と都道府県との関係は、問題の指摘があるので、さてここでどういう議論になってくか注視していきたいと思います。

Q
大阪府知事選挙では、既成政党と大阪維新の会との対立の構図になっているようですが、この大阪維新の会の勢力について、どのように見ていますか。
A

結局は、こういう政令指定都市問題をどういうふうに考えるかというところからきていると思います。ただ選挙などでは、必ずしもわが党の統一地方選挙のときに、良い関係にあるわけではありません。そういう制度の問題と選挙のあり方というのは、もう少し整理が必要だと思います。今回は、それを注視していきたいと思っています。

Q
三党の税調協議について、タバコ税の取り扱いをめぐりまだ隔たりがあるようですが、あらためて自民党としての考え方を聞かせていただきたいのと、いつ頃までに税調の議論をまとめたいとお考えですか。
A

これから三党で話があるのだと思います。それで、与党の方は、早く決着をつけたいという意思を我々の方に表明しています。それも引き延ばしたいと思っているわけではありませんので、おそらくかなりの進展があるのではないかと思います。確か15時半からだったと思いますが、税調会長会談を見守りたいと思います。

Q
与党もTPPに関してサポートがしっかりしていないとおっしゃいましたが、内紛ばかりしていると思われる民主党の状況について、野党として、どのように思われますか。
A

度々申し上げましたが、我々も与党の対応がきちっと出て来ないことに、迷惑をしているという表現が適切かどうかわかりませんが、いろいろな国家的大事については、野党と言えども、政府に協力しなければならないことはいろいろあると思います。特に、復旧復興となれば、当然そういうことになると思います。果たして、与党内がどのような態度でどういう方針で来るのかというのが、司々と言いますが、どうも司々で違っていることがあるものですから、非常に我々としても、その対応に苦しむと言うか、政府与党というものは、方向性をきちっと出してもらわないと、我々としても必要な協力が迅速にしにくい。それはさらにたどれば、結局民主党のアイデンティティーは何なのかということに起因すると思います。もし、綱領がないとかいろいろな表現で申し上げて来ましたけれども、端的に言えば、自民党政権にとって代わることだけがアイデンティティーであった。さらにその上で、国家に何をしていくかというところの方向性に対する党の主体性、方向性が基本的にないのではないかと思います。