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総裁記者会見

谷垣禎一総裁 定例記者会見

平成23年9月15日(木)17:30~17:55
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣禎一総裁

【谷垣禎一総裁発言】

最初に申し上げることは、この土日、台風12号の現地視察をいたしましたので、それについて申し上げたいと思います。和歌山県、三重県、奈良県の被災地を訪問したわけですが、現地の被害状況を確認すると共に、地元自治体の方々、並びに地元住民の方々から、大変な流木が田畑に流れてきたりしましたが、流木の除去とか今後の生活保障、生活再建への要望であるとか、河床に随分土砂が流れて高くなっている。堤防があっても、すぐに堤防から溢れるようになっている。そういう川床の土砂堆積の話とか土砂ダムの決壊の心配など、こういった不安の声を伺ってきたいところです。

政府・民主党は、「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズの下で、治水・利水、これらは国民の命を守ることにつながってくるわけですが、防災ダム、こういうときに一番の基本的なライフライン、孤立した集落がたくさん出ている。災害復旧して、重機を入れようにも道が崩壊している。命の道、あるいは津波・洪水には堤防等が大事ですが、そういったものを「無駄」として徹底的に軽視した。その結果として多くの国民の命や財産を失うことになった。危険に晒すことになった。それは厳粛に受け止めなければならないことだと思います。

そういった自省を前提にいたしますと、一刻も早く3次補正、3次補正だけでなく、今までの予備費の迅速の使用ということもあると思います。十分な予算措置を行う。激甚災害の早期指定も迅速に行う。そういう形で現地の復旧活動の後押しをして、被災地の住民の方々の不安に政治がこのようにしているというメッセージを早く出さなければならないわけです。平成23年台風12号災害対策本部は、石破政調会長に本部長をやっていただいますが、今日会議を開き、被災3県から寄せられた全ての要望項目について、政府の取り組みを確認して、早期実施を求めたところです。引き続き、地元の皆様の声を最大限に受け止めて、全力を挙げて安心・安全の確保に努めるということです。

もう一つは、この臨時国会での野田内閣での国会対応ですが、臨時国会が13日(火)に召集されまして、私も昨日、代表質問に立ったところです。野田内閣が自らの未熟さ、幼稚さといったものの露呈を恐れ、予算委員会すら開催を拒否して、4日で閉じようとする姿勢は、憲政の常道を逸脱した暴挙です。著しい国会軽視の姿勢に強く抗議をしなければなりません。

東日本大震災の復旧・復興、あるいは台風12号による被害への対応、円高対策、朝鮮学校無償化問題、TPPをどうしていくのか、国会で議論すべき重要課題は山積しているわけです。野田総理は、「議論を通じて合意を目指す」と良いことをおっしゃっていますが、国会での議論を放棄して、場外の協議ばかりを呼び掛ける姿はあまりにも不誠実だと思います。「正心誠意」、国会で堂々と議論されなければならない。そのことは強く申し上げなければならないところです。

質疑応答

Q
被災地の視察でも、総裁は、「コンクリートから人へ」はまやかしだとおっしゃいました。民主党に「コンクリートから人へ」の撤回を求めるのでしょうか。また、野田政権が、マニフェストや政治主導など、自民党との対立軸として掲げたものを撤回している姿をどのように受け止めていますか。
A

「コンクリートから人へ」というのはスローガンですが、大事なのは実質です。やはり私たちの国は、大変災害も多い国、大変台風も多いし、地震も多い。やはり安全に暮らすのに、それから山がちの国ですから、なかなかインフラ等を整備していくのもコストもかかるという面もあります。もちろん限られた財政事情ですから、その中で国民の安心と安全を守るということに、今年は大変残念なことですが、災害の当たり年のような年です。しっかり、どのように安心安全な国土を作っていくのか、真剣に取り組まないといけないと思います。私たちも、もう一回そのことをしっかり考えなければいけないし、当然のことながら、政府にもそのような対応を求めていかなければならないと思います。今、おっしゃったように、これは私も繰り返し、繰り返し言っていますが、2年前の政権交代の時に、民主党の方から自民党政治への対立軸として掲げたもの、この「コンクリートから人へ」もそうだと思いますが、そういったものがすべてまやかしであった。まったくの空理空論であったということが今やあきらかになっているわけです。ですから、私どもは、これはやはり、民主党の皆さんもそれを総括して、そして結局のところ、それで政権を取ったわけですから、もう一回国民に信を問うというプロセスが必要になってくるということだと思います。

Q
自民党からすれば、民主党が学習してきて、追及が難しくなると、お考えでしょうか。
A

我々は、何も追求ばかりやっているのではなくて、そういう震災対応、台風12号への対応なんというのは、我々も協力していかなければいけない。しかし、やはり政治のあり方として、国民と契約とまで、彼らがおっしゃったことが机上の空論、全くの絵に描いた餅に終わってしまった、終わらざるを得なかったということは、一体それはどういうことか厳しく追及していかなければいけないと思います。今日も見ておりますと、国民新党の下地幹事長は、国民との約束、マニフェストを守るべきだという質問をされて、民主党の中で随分拍手が起こっているわけです。それに対する総理の答弁は、私たちとの3党合意とか、やはり連立していることを踏まえながら、ということをおっしゃっていましたが、論理的に考えていくと、何を考えているのか、全くわからない。そこはやはり明確にされなければならないと思います。

Q
明日で、政権交代して2年になりますが、この2年間をどのように見られていますか。
A

2年間で3人の総理がお出になったということです。やはり、この間明らかになったことは、先程申し上げたことの繰り返しになりますが、今まで長い間自民党が、この10年は公明党との連立ですが、政権を担ってきた。それに対するアンチテーゼを提起して、それが一定程度、国民に受け入れられて、政権交代になった。しかし、今、申し上げたように、アンチテーゼ、対立軸として掲げたものは、その骨はほとんど取り去られた、取り去らざるを得ない状況で、結局のところ、彼らの理念、政策、これが現実の生活に根ざしたものではなく、頭の中で考えられたものであったということが明らかになったと思います。それから、政策だけではなくて、そういった政策を現実に進めていくには、ある意味での経験と言いますかスキル、それ以前にやはり政治というのは、プロセスというのが大事です。要するに極端に言えば、それぞれの世論というのは、国民の数だけあるわけですが、それを統合して、最後は一つの国論にしていかなければいけない。選挙もその一つで、大きな過程だと思いますし、国会の議論もその過程だと思います。そういうプロセスをまったく理解していない、無視していると言いますか、そういったことは民主政治ではないということを意味するわけでして、もう一回彼らは顔を洗ってから、一から出直して来なければならない面があると思います。

Q
野党自民党としての2年間を総括して、評価している点、今後の課題について、総裁のご所見をお聞かせください。
A

あのようなアンチテーゼ、彼らが作った対立軸がありますと、我々自身も自民党という党のアイデンテティーと言いますか、我々の党は、一体どのような党なんだろうということをもう一回考えざるを得なかったと思います。それはある意味では、新しく作った綱領の中に結実しているわけです。例えば、昨日の質問でも申し上げましたが、野田総理は中産階級を重視しなければいけない、その層を厚くしていかなければいけないとおっしゃっておられます。私も、その考え方自体はそうだと思います。だけど、バラマキで中流、中産階級を作れるかと言えば、そうではありません。やはり作れるのは、自ら額に汗する人が頑張って、そういう中で雇用が生まれて、経済がしっかりし、そういう中で自らの足で寄って立つ中流、中産階級というものが増えてくるのであって、自ら額に汗をして、自助、共助、公助の組み合わせが大事ですが、やはり自助が基本にないと駄目なんだと。そういう点をしっかりと見直しをしていこうと。我々は、もう一度、自らの足で立つということを基礎においてやっていこうと、そういうようなことを見直していくよい機会だったと思います。

Q
課題についてはいかがですか。
A

課題は、これはいろいろな課題があります。つまり我々の時代から、結局は3月11日の大震災が起こってから、どうやって日本を復興させるかというテーマが大きくクローズアップされて、そういうテーマを依然として持っているのは明らかですが、その前から抱えているテーマは、別に変っているわけではありません。非常に高齢化してきて、人口が減少している過程に入って、社会保障の負担が重くなり、そしてそれに対する財源がないから、ますます財政も厳しくなっている。それからデフレの状況がずっと続いて、経済も停滞しているという状況がある。また国際社会の中で、いろいろな問題もいちいち詳しくは申しませんが、どうしてやっていくかという問題。そうものは相変わらずあります。

Q
昨日、野田総理は谷垣総裁の代表質問に対して、少なくとも今は解散の時期ではないと発言していましたが、どのように受け止めていますか。
A

様子を見ないといけないということではなくて、私はなぜ解散を求めるかを繰りかえし申し上げていて、2年前に政権をとったときの正当性が失われているではないか。そして、あの方たちの言い分ですが、野田さんも民主党の敵という本の中で、与党の党首が交代するときは信を問うというルールを作るべきだとおっしゃっていたわけです。
全てに信を問わなければならないかどうかは別として、少なくとも2年で3人目が出て来て、しかもその前提として、政権をとったときの対立軸を自らの手で葬り去ろうとしている状況であると。これは政策の内容だけではなく、政治手法、政治の組み立て方、そういうものも骨は全部取っ払ってしまっているということを考えれば、これは信を問わなければならない時期は、今は震災対応が第一だからできないとおっしゃっている。確かに震災対応は必要でしょう。災害対応、我々もしないといけない。しかし、それはそれとして、もう全体の政治状況は、そういういつまでも解散を先送りすることは許されない状況になっているということは、私は口を拭って許してあげるよというわけにはいきません。
今日も野田総理もおっしゃっていましたが、昨日の私の答弁の中でもおっしゃったと思いますが、来年度予算を考えると、これは抜本的な税制改革の取り組みなしに、なかなか来年度予算が組めるとは思いません。野田総理は、それは十分に意識している。しかも消費税をあげる前には信を問うとおっしゃっているわけです。
そうすると、私は昨日申し上げたように、この任期いっぱいやるという都合で、本当に先延ばしできるかという問題があります。いろいろな方向から考えて来て、信を問わなければならない必然性、合理性、政治のうえでの正統性が日々強くなっていくと思います。

Q
党役員人事ついて、現在のお考えをお聞かせください。
A

まったくの白紙です。今は、こんな簡単に国会を閉じるのでいいのかという問題に全力をあげたいと思っています。

Q
昨日に続き代表質問が行われ、各党の評価として、野田総理の答弁漏れや実質ゼロ回答だとの声が聞こえてきますが、失言がない一方、踏み込んだ発言がない野田総理の答弁ぶりをどのように見ていますか。
A

野田総理の所信表明の後に申し上げましたが、やはり総理大臣の所信表明を聞きますと、たいがい何か、役人に書かせたものがあっても、ここのところはやっぱり大きなテーマとして掲げてきたなというものが、何かあります。あまり私はそういう感じを受けなかったです。税をやろうとしているのは分からないのではないが、あまりこれを強くやるぞという意識を感じることができませんでした。安全運転を心掛けるあまりに、方向性もはっきりしなくなっているのが、現在の状況ではないでしょうか。

Q
野田総理から提案のある3次補正を含む政策協議について、谷垣総裁は4日間で臨時国会を閉じるようではとても応じられないとの認識を示していますが、野党が要求している予算委員会を開催するという条件の他に、どういう環境が整えば協議に応じることができると考えていますか。
A

先ほど、今年は災害の当たり年、この表現がちょっと良かったのかどうかと思いますが、とにかく災害が次々と起こっています。ですから災害対応というものに、全力をあげて協力することは当たり前なことです。
しかし、そういう優先順位をつけると、新しい政権ができて、そして国会に臨んだときに、所信表明をして、代表質問をして、それからそれぞれの閣僚が、それぞれの委員会で、担当委員会で、それぞれの所信を述べ、ある程度の予算委員会で基本的な内閣の方向性を明内にすることが、ほとんどの場合に行われてきたわけです。
やはりそれは日本の議会政治が育ててきた良き財産です。行われていないときはあったんですが、前回は菅総理が就任したときです。つまり民主党政権になって、二代続けて、そういう前例を踏襲しない手法をとる。議会政治というのは、何も前例を踏襲すればいいわけではありませんが、やはりそのとき、そのとき、いろいろな対立する政策の中で、先輩たちが何とか良い道がないかとやってきたのが、先例ということでもありますし、我々は昔、国対とか議運の仕事をしているときに、先例を随分と引いて教育を受けました。我々は4日間で閉じるけれども、すぐその後に閉会中審査という悪しき先例を作るということには、なかなか合意できない。
これは、第3次補正に協力をしなければならないということですが、こういうことをやっているときに協力できるかということはあります。場外協議だけではいかない。やはり協議をするというのは、国会の中でもじっくり議論する前提が必要ではないか。
それから、与党として自分の案をまとめずに、こういうことでやりますよということもなく、どうしましょうとご相談を持ちかけてくるのは、それは違うのではないかと思います。連立を組んだりすれば、政策を全部練り上げる仮定から一緒にやることはありうるかも知れませんが、そうではない、けじめというのは民主党としての考え方をどうするかというようなことをはっきり示す必要があるのではないかと思います。
その他にも、これは第3次補正の協議とは違いますが、前国会で二重ローン問題など3つの法案について、今行われている国会で、そこでまずやるという安住国対委員長(当時)の確認書があります。そういうものをどうするのかということも、やはり問わなければならないと思います。

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