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記者会見

谷垣禎一総裁 定例記者会見

平成23年7月21日(木)15:30~15:43
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣禎一総裁

【谷垣禎一総裁発言】

今日は2次補正予算について、申し上げたいと思います。この2次補正予算の中身は、言い古された言い方ですが、“too little, too late”だと、将来の不安を抱えて、迅速かつ大規模な予算措置を求める被災地の切なる願い、被災地の方々の希望と安心を確保するには程遠い、不十分な中身だと、私どもは考えています。我々の案は、既に震災後の経済戦略に関する特命委員会(町村信孝委員長)で、我々には残念ながら予算を提出する権限はありませんので、我々がこう考えるということは、町村委員長の下で作っていただいたわけです。しかし、生活再建の不安、ガレキ等も処理されていない、そういう中で、今日はたまたま涼しいですが、いよいよ酷暑のシーズンになって、腐臭、ハエ、依然として大変厳しい状況にある被災地を考えますと、少しでも現場の復旧・復興を前進させなくてはならないと考えまして、昨日の衆議院本会議において、2次補正予算に賛成したところです。

一方、この衆議院予算委員会、今日の参議院予算委員会の審議が行われていますが、菅総理の発言を見ますと、被災地において1次補正予算が遅々として執行されない現状を全く顧みない、3次補正予算の編成に対しても無用の混乱を招いていると思います。また、菅総理に対する外国人からの献金、あるいは拉致事件容疑者と関係の深い団体に対しての多額の献金等々の疑惑についても、国民に対し真摯な説明をする姿勢が全く見られない。大変遺憾千万であります。我々自民党は、無為無策な政府に頼っていても仕方がない。ガレキ処理、原発賠償、二重ローン問題、産業復興等々、被災地の皆さま方から聞かせていただいた声をできるだけ早く実施に移していかなければいけないということで、議員立法等を通じ、責任を持って、その早期実施を進めていきたいと考えています。

質疑応答

Q
今、子ども手当について協議されていますが、子ども手当の条件で折り合えることができれば、特例公債法を通しても良いというお考えはお持ちですか。
A

条件闘争みたいなことをやるつもりは、私どもには全くありません。問題は、子ども手当というのは、民主党の2009年マニフェストの中心テーマであったはずです。まさに、看板政策です。その子ども手当法案を、結局撤回したわけです。それで、つなぎ法案で半年つないでいるという形になっている。しかし、なにゆえに看板政策を撤回されたのか、ということについて、明確な説明は未だにないわけです。私どもは、それがおかしいと思っているのです。そこのところに、明確なご説明があれば、いろいろな議論が進んでいくと思います。それがないようでは、「信なくば立たず」という言葉も何度も使いましたが、なるほどそういうことかというところがなければ、なかなか進まないと思います。

Q
菅総理が早期解散に打って出る可能性について、どのような見通しを持っていますか。また、総選挙に向けて、何か党内に指示などは出されていますか。
A

菅総理による解散総選挙の可能性については、まったくわかりません。常識外の行動をされるかもしれないとは、思います。

Q
常識外の行動というのは、どのようなことでしょうか。
A

わからないです。常識では推し量れない行動という意味ですから、定義して物を言おうにも、それ以上は詰めようがないということです。それからもう一つは、我々衆議院議員は常在戦場と申しますから、常在戦場だぞということは常に申し上げているということです。

Q
自民党は、菅総理が示したと言われている退陣の3条件と関係なく、早期退陣を求めていくのでしょうか。
A

3条件というのは、我々が示した条件でも何でもありません。菅さんが一方的に設定された条件でありますから、我々はそれに拘束もされませんし、責任も負っておりません。

Q
本日、政策グループの例会などで、菅総理を退陣させるには、総裁が党首会談をして、話をつけるべきだとの発言がありましたが、党首会談の実現性はありますか。
A

私どもは、不信任案を出すということで、まず基本的な行動をしたわけです。今、求められているのは、与党の中で、どのように今の閉塞感を打ち破る努力を徹底的にやっていただくことが、まず必要ではないかと考えています。

Q
自民党としては、やるべきことはやったということでしょうか。
A

政治情勢は日々動きますから、その時、その時で必要なことは、また生じてくると思います。しかし、現時点、私が見ておりますと、これは与党の中で、この閉塞状況をどのように打ち破るか、もっと真摯な工夫があってしかるべきではないかと思っています。

Q
今日の参議院予算委員会で審議が30分以上中断されました。菅総理の献金問題についての答弁に原因がありますが、震災と直接関係ないところで審議が止まったことについて、総裁はどのように受け止めていますか。
A

もっと真剣に審議に国会審議に対応していただきたいと思います。卑しくもこういう時に、審議が自分の答弁なり、対応が不十分で止まるなんてことは、言語道断であると思います。

Q
与党内で閉塞感を打ち破る工夫が必要とのことですが、総裁の考える工夫というのはどのようなことですか。
A

我々は与党ではありませんから、与党としてどのような行動をお取りになるべきかということだと思います。例えば、「鴻毛(こうもう)より軽し」ということをおっしゃるのは、いかなる意味なのか。そこを突き詰めてお考えになるべきではないでしょうか。

Q
それは、閣僚を辞任されたり、民主党執行部も自ら辞任するということでしょうか。
A

政治家の進退は、自分で決められることから。

Q
政策撤回の明確な説明が必要とのことですが、それがあった上で、子ども手当で折り合いがつけば、特例公債法を通すことができるとお考えですか。
A

何でも相談に乗ってくれとか、協議に応じてくれという時に、いかなる理由かということもなく、こうだからと言われても、なかなか相談に応じにくいです。こういうことだからということであれば、なるほどなとか、それはわからんよということになるわけで、それもないと、話の接ぎ穂もないということになってはいけないわけです。

Q
これまで政党間協議で民主党が一旦約束したものをひっくり返していますが、民主党側の代表がどのようなことを言えば、担保になる、約束が守られるとお考えですか。
A

それがわからないのです。つまり、結局のところ、昔 “Trust me.”とおっしゃった方がいらっしゃいましたが、“Trust me.”と言われて、“I trust you.”と言えるかどうかです。

Q
そういうことをしてほしいという行動はありますか。
A

信頼関係というのは、いきなり信頼せよと言われてもなかなか信頼できないので、一つ一つプロセス、信義を重んじる。そういうことの積み重ねだと思います。

Q
特例公債法が7月下旬になっても成立していない事態について、総裁はどのようにお考えですか。
A

与党の努力不足だと思います。