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記者会見

内閣不信任案否決後 谷垣禎一総裁記者会見

平成23年6月2日(木)16:45~17:00
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣禎一総裁

【谷垣禎一総裁発言】

衆議院の本会議で、私たちの提出した菅内閣不信任案は残念ながら否決されました。流星光底長蛇を逸したという思いもありますが、いずれにせよ、私どもの不信任案の提出によりまして、菅総理も自らの進退も口にせざるを得なくなったということです。ただ、退陣の時期や条件も具体的には触れていないので、これは単なる延命のための続投宣言ということにしてはいけないと思います。茶番にしてはいけないということだろうと思います。辞任の条件として、復興基本法の成立であるとか、2次補正予算の早期編成の目途等々、確認の文書もあるようで、よもやそれについて総理が飾言されることはないと思いますが、関係者の間の発言で多くの食い違いが生じているというのは不信に絶えないところです。事実上退陣を宣言した総理を相手に、いろいろなことをすることはできないと思います。事後に責任を負わない総理の下で、復旧復興も進まない。当事者能力のない総理で、通年国会など実が伴わない。訪米等が予定されていたが、国際社会も真剣に相手にするのかどうか。いずれにせよ退陣をまやかしにしてはいけないということで、この問題を追及していきたいと思います。 今般このように自分の進退を口にしたにもかかわらず、10数名の方が棄権され、あるいは白票・賛成票を投じた方もおられる。この党内の対立構図を踏まえますと、菅総理は、もはや党内の掌握、党の統治することも不可能になってきていると思います。昨日の党首会談でも申し上げましたが、総理の不徳と言いますか、掌握力の欠如ということだろうと思います。昨日も申し上げましたように、300議席以上を衆議院で持っている与党を掌握できないことが、基本的に政治の空白を生んでいるわけですから、一応こういう不信任案を否決した与党としては、態勢をきちっと整えなければならないという課題を負っているのだろうと思います。私どもは、それもよく見ていかなければいけませんが、引き続き復旧復興、あるいは原発対応に全力を挙げるということです。復興再生基本法は、今まで与野党である程度議論が進んでいますので、直ちに成立させるべきだと思いますし、2次補正予算の早期編成も、私たちどもが求めてきたところだと思います。これを強く求めていきたい。いずれにせよ、今回の件は、菅政権の終わりの始まりだと私どもは認識していますので、そのような認識の基に、これから行動していきたいと思います。

質疑応答

Q
今後の国会運営について、菅政権とはどのように対峙していくのですか。
A

1次補正を通す時に、私どもは、3党でいろいろ協議した文章があります。やはりこの政権をとって、平成23年度の予算の裏付けとなる税法、特例公債法というものがまったくできていません。これは大変大きな問題だと思います。政権運営能力という点から見ても、これは極めて大きな問題なので、果たしてそういうものをきちっと3党で協議したように進めて行けるのかどうか。このあたりは国民生活にとっても大事なところなので、私どもはそういう問題をきちっと国会で解明していかなければならないと思います。
それから申し上げるまでもありませんが、いろいろな震災対応の遅れ、こういうものについても、今、我々は2次補正の早期策定を求めていますが、そういう問題も大きな問題としてあります。引き続き、そういう問題点は、野党としてしっかりと追及していくと。正していくということが必要ではないかと考えています。

Q
参院における問責決議案に関しては、どのようにお考えですか。
A

いろいろな武器、すぐにギラギラ抜けばいい、一つの段平は抜いたので、もう一本をどうするか、考えながら進まないといけないと思います。

Q
菅総理では一日一日と国益が損なうということで、直ちに退陣を求めましたが、それに対して民主党政権から、復興基本法と2次補正の編成の目途が立つまでというものが出てきましたが、そこまで菅政権ということは容認しますか。
A

容認はしません。不信任の提出、ご本人が自分の進退を口にされる。これは政治家にとって非常に大きなこと、口にせざるを得なくなった。それにもかかわらず、かなりの多くの方が、欠席、賛成されたという状況。それから菅さんが解決しなければならない震災、原発、その他の政策課題にしても、依然としてあって、これが終わって状況が、がらっと変わっているわけではありません。そういう問題をしっかりとやって行くと。我々は野党としての責任を果たすことが必要と考えています。

Q
菅総理が総理でいるうちは、連立は組めないというお考えですか。
A

菅さんの方も、協調している中に、自民党政権に逆戻りさせるなと。あれをはっきりおっしゃって、党内の代議士会の議論だと思いますが、例えば連立して協力せよなんてことも、今後求めないとおっしゃっている趣旨のように聞こえました。ですから、そういうこともあると思います。

Q
菅総理が本会議直前に、辞任の時期を表明することを想定していましたが。
A

いろいろなことを考えていましたので、そういうこともあり得るかなと。しかし、それにしては中途半端な宣言だと思っています。

Q
税制、特例公債法に関しては、震災前からの菅政権打倒のカードだったと思いますが、今後もどのようにお考えですか。
A

この問題について、政権が指摘されている問題点をきれいに整理されてくれば、それはいろいろまた余地はありますが、果たしてそれがおできになるのかということを私どもは疑問に思っています。これは結局、マニフェストでいろいろお約束をされ、国民との契約だとおっしゃった。これをもっと現実に合わせようとする勢力と、それは国民との約束だから、そんな簡単に撤回すべきものではないというのが、あの党の中でずっと争ってきて、決着が着いたのかなというと必ずしもそうではないと思いますので、要するに民主党にとりましても、ハードルを乗り越えるのは、乗り越えるなら結構なことだと思いますが、なかなか簡単ではないのかなと思っています。

Q
今日、小沢一郎元代表が本会議を欠席し、小沢グループと言われる人たちが造反したり、欠席されたようですが、小沢元代表の欠席についてのご所見をお聞かせください。
A

それはご本人のご遺志で、普通は与党であれば、不信任案の否決に回るのが、普通の考え方ですが、そういう考え方に従えない、何かお考えがあると言うしか、私にはわかりません。

Q
シャドウ・キャビネットでも、流星光底長蛇を逸したとおっしゃいましたが、取り逃がしてしまって悔しいという思いがあるのでしょうか。
A

その前に、遺恨十年一剣を磨きとなっているはずですが、10年磨いているわけではなく、まだ2年になっていませんが、そういう思いがないわけではありません。

Q
総裁の考え方として、復興基本法の成立や2次補正の成立までは菅政権と協力するということですか。
A

協力してということではありません。復興基本法は大体話ができているわけですし、必要なものですから、こういうものはすぐにやったらいいと思います。菅さんに不信任案出したから、嫌よということを言うつもりはありません。ただ私どもは、この不信任案を出す前と後で、菅政権の問題解決能力がガラッと上がったと考えているわけではありませんので、認めると言いますか、早晩行き詰まる。もう行き詰まっているのですが、早晩馬脚が現れるだろうと思っていますので、そのような観点から、我々は対応を考えていくということです。

Q
菅総理は退陣の条件として、復興基本法の成立と2次補正の編成の目途までと言っていましたから、そこまでの対応では協力されるのですか。
A

2次補正の編成は、いろいろ意見を申し上げますが、予算提出権は政府が持っておりますから、アイデアは今までも提供していますので、2次補正予算でこういうものは必要だということは申し上げますが、基本的に政権でおやりになることだと思います。出来栄えは、まだなんとも評価の外です。

Q
特例公債法案は、新政権になってからの民主党と対応するということでしょうか。
A

そういうことです。