ニュースのカテゴリを選択する

記者会見

谷垣禎一総裁 定例記者会見

平成23年4月21日(木)
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

【谷垣禎一総裁発言 】

まず、巨大地震・津波等々の対応についてですが、復旧、復興に向けた第1次補正予算、それから復興基本法等々に関しまして、いろいろ議論が進んできている わけです。我々は、今回の対応について、震災復旧、被災者支援等々については、オールジャパン、日本中の力を挙げて対応していかなければならないという基 本方針に基づきまして、引き続き、良いものは良い、批判すべきは批判する、是々非々の態度で対応したいと思っています。

原発の問題につきましても、先週、 工程表が出されたわけです。まだ不確定の要素が非常に多いことは事実ですが、今後のことを考えますと、今回の原発事故は一体どういうところが問題であり、 原因であったのか、こういったことの究明もそろそろ取り組んでいく必要があることも睨みながら、問題点を考え、物事を整理していく必要があるのではないか ということを考えております。

それから、今度の日曜日は、統一地方選挙の後半戦、並びに愛知6区の補欠選挙、その投票日です。私自身も明日、愛知6区丹羽秀樹候補の応援、お願いに入る 予定です。今回の統一地方選挙は、非常に重要な意味を持っていると思います。菅民主党の政権運営ということはもちろんですが、今般の震災に対する政府の危 機対応への国民への評価が下される機会であろうかと思います。引き続き、必勝に向けて、全力を挙げて取り組んでいきたいと考えています。

今日のシャドウ・キャビネットですが、平成23年度の第1次補正予算について、中間報告としての政府との折衝状況の報告を受けました。資本市場及び金融業の基盤強化のための金融商品取引法等の一部を改正する法律案について、審議しまして、これを了承したところです。

質疑応答

Q
愛知6区補欠選挙について、現在の状況をどのように受け止めていますか。
A

報告を受けますと、丹羽候補が若さと実行力といったことを武器にして、今回の大きな争点である東日本大震災への被災地の支援策として、いろいろな基金の創設やら臨時交付金の創設等を訴えて頑張っているとの報告を受けています。

また、当然のことながら、東南海地震等々に向けての対策として、学校耐震化、あるいは防災をさらにどう進めて行くか、防災ニューディールというような表現を使っているようですが、そういった姿勢も支持を集めている、共感を呼んでいると聞いておりますので、脇を締めて、最後まで全力を挙げて戦ってもらいたいと思っています。

Q
復興実施本部について、先程国民新党の亀井静香代表から大島副総裁にお話があり、報告を受けたと思いますが、この対応について、どのようにお考えですか。
A
我々は、この震災等々の対応について、与野党の協議会設置を提案したり、あるいは、我々の考え方を逐次、官邸に提言するというようなことをやっておりまして、協力をするという基本姿勢を貫いているつもりです。復興実施本部というものに、是非参加してほしいということが、主たる内容だと思いますが、この復興実施本部が一体どのような性格を持ったものなのか、その行政機構であるのか、あるいは、何というのでしょうか、今の各党の協議機関というものの看板の掛け替えのようなものであるのか、まだその中身がよくわからないわけです。 これは、我々が、今、菅政権を見ておりますと、権限と責任の所在というものが、非常に不明確になっているというところにいろいろな問題点があると思います。この不明確なままであれば、この復興実施本部も、それをまた拡大した性格を帯びてしまうのではないかと思っております。既に一度このご提案をお断りした経緯があるわけですが、基本的な考えが変わっているわけではありません。
Q
亀井代表は、総理の発言として、「政権の地位に恋々とするものでない」ということと、「復興に全力を挙げる」期間の認識として、これは総理の発言ではありませんが、6か月という発言をされました。この発言のご所見をお聞かせください。
A
6か月間にできるだけのことをやろうということだと思いますが、その辺も性格がまだはっきりしませんので、評価しにくいということです。
Q
「地位に恋々しない」という発言について、参議院予算委員会の答弁との絡みで、所見をお聞かせください。
A
予算委員会のご答弁からすると、財政再建まで自分の手までやるという意欲満々の姿勢を示されたわけです。そのことと地位に恋々としないということがどのような関係に立つのか。非常に問題と言いますか、どういうことなのかなという感じは持ちます。
Q
福島第一原発の対応について、20キロ圏内を警戒区域という発表があったようです。その発表があったタイミングについてのお考えをお聞かせください。また、これまでの対応を見ていますと、対象を拡大するようなやり方ですが、危機管理のあり方からして、今回の政府の対応について、どのようにお考えですか。
A
私どもは、今20キロ圏内の扱いについて、その中で具体的にどういうことがあるから、このようになったのかということについて、十分な情報を持っていないわけです。ただ今まで問題の対処の仕方を見ておりますと、物事を決める時に、何というのでしょうか、単に正確に言えば良いとか、あるいは、その決定したことを速やかに伝達すれば良いというのを超えて、やはりそれぞれの生活なり、地域のいろいろな立て方が関わっているわけですから、そういうコミュニケーションと言いますか、危機管理にあたって、大勢の方々が安心して危機に対処できるためには、十分なコミュニケーションがいるのではないかと思います。その点は、何というのでしょうか。必ずしもうまくいっていないという感じを私は持っています。
Q
原発復旧の対応について、自民党・公明党・みんなの党の超党派の勉強会という形で、技術的な議論を勉強するということになったようです。党として、科学的検証を行う受け皿がないという問題点が示されましたが、そのことについて、どのようにお考えですか。また、水で冷却することを続けて行くと、汚染水を増やすだけで、対処方法をもう少し議論すべきとの意見も出ていますが、総裁のお考えをお聞かせください。
A
それは議論する必要があると思います。
Q
復興実施本部について、亀井代表によると、総理が「復興に政治生命をかける」とおっしゃったとのことで、大島副総裁は、「菅さんの言葉に変化があったと受け止めた」とのことですが、今後、総理の本気度というものが伝わった場合、復興実施本部についても前向きに考えるお考えはありますか。
A
本気度というものは大事なポイントです。我々も結局、今まで、いろいろなことをお断りした経緯があります。同時に協力すべきは協力しなければならないというスタンスも取ってきたわけです。その時に、本気度があるかどうかということは基本的に大事な点です。ただ、もう1つの問題点、権限と責任がはっきりしない体制というもので、復旧・復興ができるのか、大きく問題点を持っています。
Q
復興基本法について、自民党・民主党の政調会長会談で、これから実務者で懇談ということでやっていくことが確認されたようです。党内には、大連立の呼び水ではないかという警戒する声もありますが、総裁のお考えをお聞かせください。
A
我々は、この基本法を議員立法でやろうと考えていますので、きちっとした案が出てきたら、形だけ打ち出すなら、それで良いのですが、本当にそれを通そうと思ったら、他党との協議も避けて通れないだろうと思っています。問題は、やはり自公でどのようにこの法案を整理していくのかという基本線を固めながらきちっとやっていくことが大事ではないでしょうか。
Q
復興債の償還に消費税を充てる案が政府内でありますが、それについてのご所見をお聞かせください。
A

膨大な財源がいることは確かですから、やはり議論はまず順序というものが必要だと思います。第一に考えることは無駄を省いたり、不要不急なものを削っていくことで、どれだけ調達できるか。これに全力を傾けなければなりません。それからもう1つは、これだけ大きな対応をしなければなりませんので、ある意味で、一挙にそこに負荷をかけて行くことが、このような経済状況でできるかも十分配慮する必要があります。結局のところ、我々の案では、復興再建債という名前を使っていましたが、そういったものの発行が必要だと思っています。そういったものをどう償還していくのかということも、併せて考えないといけないと思います。
そのとき、まず考えるのが、消費税というわけでは必ずしもないだろうと思っています。そのあたりは、議論は未整理ですが、今後、我々も十分に議論していかなければいけないと思います。

Q
関連で、政府内には東北地方に負担を求めないという考え方もあるようですが。
A
すぐ消費税というひとつの税目を取り上げて、その仕組みをどうこうするという議論をするよりも、まずは大きな観点からどのぐらいの財源が必要で、それを全体、どういうスケジュールの中で、どうやるかという全体の大きな回し方。それから今、日本はかなり国債等もたくさん持っているので、どうやったらある意味でのマーケットへの安心感を確保しながらやれるか。そういうことを考慮しながら今のような問題を議論すべきで、いきなり個々の細部をどうするかという議論に入るべきではないと思います。
Q
今週末の統一地方選、衆院愛知6区の補選の結果次第では、今後の政府・民主党に対する姿勢に変化は生じますか。
A
選挙というのは、民主主義体制では極めて基本的で重要な問題なので、選挙結果によっては果たして復興という重責を、本当に担っていけるのかどうかということは出てくると思います。
Q
関連で、24日(日)の開票日以降、菅総理に対する不信任案だとか問責提出などという声も聞こえてきますが。
A
先走ってものごとをしゃべらないのが私の考え方なので、24日などの結果を見ながら判断したいと思います。
Q
政府提出の第1次補正予算に対しては、今の時点ではどのような対応を行いますか。
A
まだ出てきていないので、出てきてから判断するということです。
Q
関連で、賛否のスケジュール観をどのようにお考えですか。
A
賛否をそんなおそらくこういう事態ですから、予算審議に入って、ズルズル、ダラダラ議論するわけにはいかないでしょう。ですから、予算が出てきて審議に入るころには、どういう対応をするかを考えないといけないと思います。
Q
本日、亀井代表と民主党の岡田幹事長が同席して、大島副総裁を訪ね復興実施本部への参加を呼び掛けたようですが。
A
これは私から申し上げるべきことでもないかもしれませんが、国民新党の代表である亀井先生がそういうお立場で提言されているというだけではないんだよと。という意味合いはあったのだと思います。
Q
今後、党首会談が呼び掛けられた場合、どのような対応を行いますか。
A
まだ考えていません。
Q
原発事故が発生し新たな原発建設は厳しいと思われますが、自然エネルギーへの政策転換などどのようにお考えですか。
A
私は先ほど、原発、どこにこういう問題の原因があったのかを究明する必要があると申し上げました。そういうようなことが一方で行われないといけないと思い ます。ただ当面、今も止まっている廃炉にしなければならないものもある。現実にエネルギー需給の相当なギャップが出てくるので、そういうギャップをどう埋 めていくかは真剣に考えなければならない当然のことだと思います。
そういうときに考えないといけないのは、火力を動かすことも必要でしょうし色々なことがあると思いますが、自然エネルギー、例えば太陽光パネルをもっと普 及できないかとか。あるいは、そうやったときの一番の問題は、需要の一番大きいときとのギャップを埋めることなので、例えば蓄電池というものがもう少し利 用できないかというようなこともあるでしょう。あるいは風力等々についても、問題点がないわけではないですが、あるいは地熱というようなものも考える余地 があるのでしょう。バイオマスもあるかもしれません。そういうことも、どういう可能性があるかということは、十分に詰めていく必要があると思います。
Q
自民党として、エネルギー政策をいつまではまとめようなどお考えはありますか。
A
すでに当面の問題は、おそらく明日にでも、甘利明先生の委員会でまとめていただいて、それを官邸にお届けすることになるだろうと思っています。それからもう少し、長いスパンを見渡して、どういうことをしていくかという議論も始めないといけないと思います。
Q
日韓図書協定への対応をお聞かせください。
A
明日、外交部会でよく結論を出してもらいたいと思いますが、若干、手続きにいろいろ問題があったということもあるようです。それから日韓の関係もいろいろあるようですが、いつまでも引きずっているのは良くないと思います。
Q
今国会での成立はやむを得ないとのお考えですか。
A
わが党はいろいろな問題意識を持っていますが、各党の状況を聞いていると、各党賛成というところが他は多いようなので、そういう国会情勢もあると思います。