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記者会見

谷垣禎一総裁 定例記者会見

平成23年4月14日(木)
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

【谷垣禎一総裁発言 】

震災発生以降、わが党として救援募金、救援物資提供のお願いをいたしまして、救援募金は、今日、私が日本赤十字社に出向きまして、全額を寄託してまいりま した。それから救援物資につきましても、今日、党本部からのトラック最終便が出発しまして、水22万リットルをはじめ、合計すると500トンを各被災地へ 搬送することができました。皆さま方のご支援とご協力に、改めて感謝を申し上げたいと存じます。

震災発生以来、一貫して被災地の支援、復旧には、与党野党ということなく、政府への協力を惜しまない。こういう考えで、累次にわたって、対応策を提言する といった積極的な取り組みを今日まで続けてきたところです。しかし、現在、政府のこの問題に対する体制を見ますと、20近くに及ぶ会議、あるいは対策本 部、これが乱立している。そして権限が不明確な、不明瞭な特命担当大臣、内閣官房参与の任命が、情報の錯綜と指揮命令系統の混乱を招いているのではない か。私どもは、これを深く憂慮しております。

昨日、総理が松本健一内閣官房参与に対して、福島第一原子力発電所周辺の避難対象地域について、当面住めないと発言されたと言われていますが、厳しい避難 生活を続けておられる地元住民の皆さまの気持ちを深く傷つける、いたずらに不安をあおる結果となっております。この点は、私どもは深く遺憾に思っていま す。

阪神・淡路大震災の際は、40日以内に、16本以上やった半数以上の特別立法が成立しています。今日現在、東日本大震災に関する復旧・復興の特別立法は、 提出すらなされていないのが現状です。加えて福島第一原発事故評価のレベル7への引き上げであるとか、各国大使館への汚染水放出後の連絡等々、後手後手に まわる政府の対応の遅さは、政府だけではなく、日本国そのものの国際的な信用の失墜を招いております。先日の統一地方選挙の結果からも、国民は既に、菅政 権に、復興の舵取りを委ねることはできないという意思を示しているわけでして、総理自ら出処進退について、判断する時期に来ていると考えます。

統一地方選挙ですが、各地で奮闘していただきました。改めて、御礼を申し上げたいと存じます。引き続き、この後半戦並びに愛知6区補欠選挙の必勝に向けて、全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。

質疑応答

Q
これ以上、菅総理には任せられないとのことですが、具体的な行動をとられるおつもりはありますか。
A
まずは、菅総理自らが判断すべきだと考えます。我々もいろいろ思いを巡らせております。
Q
つまり、それは菅総理自ら退陣しろ、辞めるべきだとおっしゃっているのですか。
A
今日、この大震災に対する対応を見ていると、これ以上、この体制で行くということは、国民にとって不幸であると考えています。
Q
このままの体制であった場合、これからの1次補正などの議論にはどのような影響があるとお考えですか。
A
繰り返し申し上げますが、復旧とか被災者支援、これは全力をあげて協力をするということですが、あまりにも方向が違っていれば、しっかりとした批判をせざるを得ない。そういう意味では是々非々です。 1次補正については、今は政調会で検討しています。私どもは、歳出面もいろいろ議論していますが、特に財源をどうするかという点は、いろいろな疑問が出ている状況であると考えていますが、政調で結論を出していかなければいけません。
Q
2次補正の議論では、徹底的に正していこうとお考えですか。
A
まだ出てきていませんので、出てきていないので徹底的に正すのか、賛成するかは早すぎます。しかし、内容はしっかりと精査して判断するということだと思います。
Q
民主党内では、小沢一郎元代表が菅政権を批判するなど、「菅おろし」が表面化しつつありますが、このような動きをどのように見ていますか。
A
民主党でやっていることは、民主党の中のことですから、私が直ちに論評すべきではないと思います。しかし、小沢先生の動向に関係なく、わが党としては今申し上げたような、本当に国民生活に必要なことは協力するし、そうでないことにはしっかりと批判するという健全野党としての立場を貫いて、その立場で、是々非々で判断したいと思っています。
Q
小沢一郎元民主党代表が「民主党がだめなら、憲政の常道として、谷垣総理でもいい。理念も自分に近い」との趣旨の発言をしていますが、小沢グループとの連携などはどのようにお考えですか。
A
小沢元代表の動向に関係なく、我々は是々非々の立場で臨むと申し上げて、それ以上は申し上げる必要はないと思いますが、憲政の常道とはどういうことなのか、そのことはよく考えないといけないと思います。
Q
小沢元代表が谷垣総裁と考えが近いと発言していることに関してはいかがですか。
A
考えは近いところもあれば、離れているところもあると思います。
Q
菅政権では、震災復興はもう駄目だと思われた出来事、きっかけはありますか。
A
きっかけというわけではありません。全体のやっていることを冷静に見てきたつもりです。先ほど申し上げたことですが、やはり権限と責任というものの体系がぐちゃぐちゃになって、これではものごとが進まないのではないかと、私は判断しています。
政治主導という言葉がありますが、政治主導というのは、あれをしろ、これをしろと的確に指示するということも、もちろんないといけません。
しかし、一番大事なのは、自分が責任をとるんだということが、政治主導の根本的な欠くことのできない条件だと思います。そこのところが極めて、あいまいになっている。私は大きな問題だと考えています。
Q
政府の震災復興会議が立ちあがり、地元の知事は加わっていますが、中央の政治家はメンバーに含まれていませんが、どのように評価していますか。
A
五百旗頭真先生をはじめ立派な方が入って議論をされる。そのこと自体は、私は意義のあることだろうと思っていますが、ただいろいろな会議が乱立して、それ ぞれの役割分担がはっきりしないという問題が対応のまずさにもつながっている面があります。今度の会議がどういうものになっていくのか、我々は注視しない といけないと思います。
その上で今感じていることを若干申し上げますと、これは東北の復興に関するものですが、東北に関係のある方々がいらっしゃらないわけではありませんが、東 北に関して実務を担ってきた方々があまり入っていないのではないかというのが1つ。それから、きちっとした案を多分、五百旗頭先生をはじめ、おまとめにな ると思いますが、その案を具体的に政策に移していく時には、おそらく官僚機構の助けと言いますか、支えが必要となるでしょう。阪神・淡路大震災の時には、 下河辺淳さんや官房副長官に石原信雄さんがおられ、スーパー官僚みたいな方が、一生懸命支えられたということがあります。そういうことが果たしてあるの か。そのあたりをよく注視してみなければいけないなと思っています。
Q
菅総理のこれまでの行動等を考えると、有事だから自分が震災対応をやるということでやってこられた。菅総理のサイドからは、先程の谷垣総裁の発言に対して、有事にリーダーを変えるデメリットで反論すると思われますが、これに対して、どのようにお答えされますか。
A
それはおっしゃるように、有事に一般論として言えば、リーダーは泰然自若として、大所高所から的確な判断を下していく。それを途中で代えたりするのは、愚策である。これは一般論としてはそうです。しかし、リーダーが泰然自若としておられるわけではない。木の葉の漂うがごとく、その時、その時の状況に、ただ反応しているだけだというようなことになった時に、代えるのが愚策であるという論理がどこまで通じるかという問題ではないでしょうか。
Q
1次補正予算について、政調会で考えをまとめていますが、財源を見ますと、4Kへの切り込みが不足しているとか、年金財源を流用しているとか、いろいろ問題点がかなりあると思います。そういう点を鑑みて、反対する可能性もあるとお考えですか。
A
まだ反対する可能性があるかないかというのは、お答えしにくいです。あらゆる可能性を含めて検討している。そういう難しい問い掛けに関しては、こういう答えで勘弁していただけないでしょうか。
Q
総裁としては、今、政府側から提案されている内容は良くないとお考えですか。
A
今みたいな難しい時に、どのような態度で、政府与党は、野党に対するべきかを考えますと、我々も瓦礫の処理とか仮設住宅を早く推進しなければいけないと考えます。このボールは、受け取りたいのです。受け取りたいのだけれども、あまり違うところにボールを投げてこられたら、受け取りたくても受け取れない場合もあると思います。もう少し受け取りやすく球をお出しになる知恵が出ないものかなという気持ちはあります。
Q
菅総理が辞める決意をした後に、総理が代わりますが、現段階では、与野党でどのような体制であたっていくべきだとお考えですか。
A
皆さん、先程先へ先へとお進みになるが、先程どなたか憲政の常道とおっしゃった。憲政の常道ということを私どもも考えたいと思っています。