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記者会見

谷垣禎一総裁 記者会見

平成23年4月11日(月)
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

【谷垣禎一総裁発言 】

先程、2時46分、私も黙祷を致しました。ちょうど1か月前の3月11日、東日本を大地震と大津波が襲い、わが国に甚大な被害と不幸をもたらしたわけです。皆さんとともに、亡くなられた方に謹んで哀悼の誠を捧げ、また被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。
日本中の国民が、わが身の被 災も顧みず、被災地支援に立ちあがっているこの「絆」の力に、私は大変感銘を受けています。自衛隊、警察、消防、海上保安庁をはじめとする国、地方自治体 の方々、そしてボランティア等の皆さんだけでなく、世界中の国々から様々な支援を頂き、心から敬意と感謝を申し上げる次第です。
今もなお余震が続きまし て、多くの被災地は、未だ復旧のメドも、将来の見通しもつかず、原発への不安や、風評被害等もまだ沈静化していません。その影響は、被災地ばかりではなく 日本中に広がっています。この国難に際して、我々は、子供や孫の世代に、この復興が新しい日本を創ったと言ってもらえるようなことをしなければならないわ けです。
そのためにも、被災地だけではなく、オールジャパンで立ち向かう必要があります。わが国全体の経済を活性化し、企業や街が元気を取り戻すことが被 災された方々を支えることになります。積極的な行動や消費が早期の復興を助けることにつながります。節電などに配慮しながら、我々は被災地の分まで、これ まで以上に頑張らなければなりません。
震災後、我々は累次にわたり対応策を提言するなど、与党野党ということではなく、政府に徹底的に協力してまいりました。今後も1日でも早く日常の生活と明 るさを取り戻すように、原発の安定化、被災者支援、復旧等に全力で取り組みます。被災者の皆さんとともに、下を向くことなく、顔をあげて踏み出しましょ う。我々も皆さんといっしょに歩んでまいります。

こうした大震災の中での統一地方選でしたが、こういう災害が起きたこともあり、いかにして暮らしの安心・安全を作り、確保していくか、地域経済の活性化を 図っていくか、こういったことを基本に訴えてまいりました。昨日、前半戦の結果が出されましたが、大半の地域で、わが党候補者が地域のリーダーとして選出 されており、草の根から生まれ地域に根差した国民政党として再評価を頂いたと思っております。
地域のリーダーの集合体として、全国津々浦々の草の根の声を 国政に反映できる政党である。その誇りと責任感を持って、地に足の着いた政治、国家観を持った政策を進める所存です。今回の結果は、我々に、まだ道半ばで ありますが、この国難を乗り越える上で果たすべき責務は大きいと、改めて確認した次第です。
一方、民主党の敗北は、これまでの失政に加えて、震災対応を行 う菅政権への国民の不信が表れたものです。菅総理には、国民の厳しい声にどう応えていかれるのか、自ら判断されるべきことと考えます。我々は、国民の声を しっかり受け止めて、菅政権に対して、震災対応など協力できることには徹底的に協力して、危機を乗り切るために全力を尽くす一方、健全野党として問いただ すべき点は厳しく問いただして、国家国民のためにならぬことには断固、筋を通していく姿勢で、これからも臨んでまいります。
政策論のない野合は国民への裏切りであると考えます。今後、累次にわたって補正予算が編成ると思いますが、民主党においては、マニフェストの不履行の原因 を今回の震災とするような詭弁を弄さず、まずは素直にその非を認めた上で、バラマキを廃して復旧・復興財源に充てることを強く求める次第です。

質疑応答

Q
統一地方選挙の前半戦は、菅政権にノーを突きつけた結果だと思われます。菅政権の批判も、自民党はある程度抑えてきた部分もあったと思いますが、震災後、菅政権の退陣を求めて行く方向に転換されるのでしょうか。
A
私どもの対応は、この間から何度も申し上げておりますが、震災の復旧とか被災地・被災者の支援、こういったことに対しては、まず徹底的に協力をしていく。これが第一です。しかし、こういう危機の時代でも、批判すべきことは、きちっと批判して、今、申し上げたことですが、方向を過(あやま)たないようにしていく。野党はそういう任務を負っていると思います。まず、それを徹底的にやっていくということです。
その上で、今回、政権に対してはかなり厳しい結果になったことは、今も申し上げたように、この間の被災地の支援であるとか、復旧への取り組み、いささかリーダーシップに欠けるものがある。いささかかどうかわかりませんが、そういうことを有権者がお考えになっていると私は感じております。これをどうやって乗り越えていかれるのか、まずは、それは政権が自らご判断になることだと、私は思います。
Q
先程、総裁は「自ら判断すべきと考える」と発言されましたが、この現状が続く場合、野党として、不信任決議案や問責決議案というアクションも考えられると思います。先週末、大島副総裁が記者会見で、6月以降の不信任決議案、問責決議案の提出の可能性について言及していましたが、総裁は、この現状が続く場合、会期末といった時期に、そういった対応があり得るとお考えですか。
A
慌ててどうこうしなければいけないということではありませんが、いろいろな可能性、これからの展開があるわけですから、いろいろな可能性を幅広く見ていくということです。
Q
明日から、国政選挙である愛知6区補欠選挙が始まります。減税日本が候補者を擁立しますが、総裁は、この選挙をどのように位置付けているのでしょうか。
A
これは国政選挙です。今テーマとなっているのは、愛知6区でも、これはまさに統一地方選挙のテーマであったわけですが、地域の安心・安全、生活の安心・安全、これをどう確立していくか、ということがあると思います。しかし、それも我々の視点は、その1つの地域だけで考えるというわけでは、十分できないのであって、日本国全体を睨みながら、そういった安心安全を確立していく。愛知6区の選挙も、当然そういうことになるだろうと思っています。
Q
今回、大阪維新の会が躍進したり、減税日本が議席を獲得したり、このような地域政党が躍進しています。例えば、減税日本の減税というようなイシューに対して、どのように対峙するのですか。
A
今度の地方選挙で、今おっしゃった大阪維新の会等が有権者の支援を得たことは、我々もしっかり受け止めなければいけないことだろうと思います。ただ、今度は国政選挙でありますから、やはり我々自身、地方選挙の対応も単に知事のことではなく、幅広く見て行くということでありますが、今度は、国政選挙ですから、さらに日本全体の中でどう位置付けて行くかという視点が、求められるのではないかと思っています。
Q
統一地方選挙で菅政権の対する国民の批判・不満が表れたと思います。これを受けて、「菅総理は自ら判断すべき」とのことですが、総裁は、菅総理は自ら責任を取って辞めるべきだとお考えか、それとも、それを踏まえてきちっと対応を取るべきだとお考えですか。
A
それは、菅総理がお考えになることです。いろいろな問題点があると思います。私は、これは何度も申し上げたと思いますが、やはりこういう危機を乗り越えて行く、危機管理の側面が非常に今回あるわけです。そういうときに、一番大事なことの1つは、権限と責任という体系というものが、要するに指示が多岐にわたって、いろいろな方から出てくるとか、誰が責任を持って発言され、指示されるのか、わからない状況は危機管理にとって最も慎むべきことだと、私は思っています。
今、見ておりますと、そこのところに、私はかなり問題があるのではないかという意識を持っておりまして、そこを一体どうされるのかということを、果たしてきちっと整理して、立て直していかれるのか。あるいは、立て直しが不可能なのか、そのあたりの問題意識を私はずっと持っています。
Q
原発の問題など現在進行形で、全体の国益を考えると、その体系が整っていないのであれば、一刻も早くそれを整える方が、長い目で見るとプラスになるとの考え方もあると思います。菅総理サイドが、それをどうするかという判断は、どの程度待てるものだとお考えですか。
A
それはこれからのやり様でありますが、何とも言えません。
Q
郵政の特別委員会の件について、明日、本会議があった場合、衆議院で郵政の特別委員会を設置する動きがありますが、賛否について、総裁のお考えをお聞かせください。また、震災に対して与野党で協力しなければいけない現状で、自民党が反対であるならば、そういった行為をすることをどのようにお考えか、強引にやってきた場合の対応について、お聞かせください。
A
私がお答えするより、国対委員長に聞いていただいた方が良いと思いますが、今、そういう特別委員会を設けるということは、直ちにこの議論に入っていくということを意味しているのでしょうか。直ちに、議論に入っていくということであるならば、設置をせよということも理由がないわけではないでしょうけど、今、そういうことを議論するよりも、先に議論することがあるのではないか。今の震災対応をどうしていくのか、補正予算も今、これから考えて、そろそろ出てくるわけでしょう。そういった問題の方が優先すると私は考えます。 設置の賛否については、今のように考えています。本当に、今すぐ必然性があるのかどうか。
Q
昨日、政府与党が補正予算に関して、与野党協議を始めることを決めたようですが、与野党で協議したいという方針に対して、自民党はどのように対応するのですか。
A
予算ですから、必ずしも参議院のことは考えなくても良いのかもしれませんが、こういう緊急の者に対して、瓦礫の処理や仮設住宅をどうするのか、スムーズに処理をしていかなければいけないと思います。ですから、そのねじれのような状況の下で、できるだけスムーズに通していくために、まず協議はできないかというご提案があったのだろうと思います。これはどのような仕組みでやっていくか、いろいろ議論はあるでしょうが、基本的に災害復旧のための第1次補正予算は、スムーズにやらなければいけないということで、我々も考えていかなければいけないと思います。
Q
与党側は、4兆円規模の補正予算を組みたいということで、高速道路の財源や年金の国庫負担分を充ててというお話をしています。国債を発行しないということで、このような財源の構成について、総裁のご所見をお聞かせください。また、マニフェストのバラマキを廃してとおっしゃいましたが、1次補正の段階で、その点追及して対峙するのでしょうか。
A
これから膨大な財源が要ると思います。まず、不要不急のものを削っていくのは、当然やっていかなければならないことであって、面子にこだわって、そこまで踏み込まないことがあってはならないことだと思います。