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記者会見

谷垣禎一総裁記者会見(臨時役員連絡会後)

平成21年12月4日(金)
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

【谷垣禎一総裁発言】

今日で臨時国会が終わりますので、今後どういう風に、わが党として臨んでいくかということも含めて、臨時役員連絡会を開きました。
そこで、私は何点か申し上げましたが、この国会を振り返って、元々我々は、少し会期が短すぎるのではないかと言ってまいりましたが、この国会を通じて、いくつかの問題点がだんだん浮かび上がってきたと思います。1つは、デフレ宣言があり、急激な円高があり、前々から心配されていた雇用はどうなるのか、つまり景気の問題があるわけです。それからもう1つは、普天間基地問題を中心とする日米安保・外交関係の問題点というものがある。さらに、連日のように報道されてきた政治と金の問題があります。やはり新政権ができて、こういった問題は国会としてしっかり議論する必要があるということで、私ども野党としては、やや異例な対応であったと思いますが、こういう問題を予算委員会での集中審議、決算委員会の総括質疑、党首討論を通じてきちっとやるのであれば、私どもは会期延長に賛成する。具体的なスケジュールも提案しましたが、結果として、今、申し上げた3つの要求はすべて拒否され、4日間という極めて短期間の会期延長で終ろうしているわけです。私は、この国会で鳩山首相はお逃げになった、脱税疑惑隠し、普天間基地問題を先送りして、こういう問題点を追及されるのを嫌がって、お逃げになったと断ぜざるを得ない。こういう風に、役員連絡会で申し上げた次第です。次の国会で、必ずこれをきちっとまた議論していくことです。
まず景気の問題につきましては、私どもも、今まで司令塔がはっきりしないとか、あるいは政府と日銀の連携も今1つであるとか言いながら、やはりきちっとした対策を立てるようと申し上げたわけです。政府の方も動き出されていることは事実であります。しかし、事はかなりスピードを要するということがありますと、私どもは我々の政権の時に作りました景気対策が不要不急であるということで執行停止されている部分があります。政府で議論されている景気対策を拝見しますと、少し言葉は悪いですが、我々のやってきたものを化粧直しして、もう1回多少アイシャドーをきつくして、もう1回お出しになるという色彩がかなりあると思います。スピード感から言えば、現に我々の案は、既に予算として通っているわけですから、これをただちに実行することが、まずなさるべきことではないかと思っています。
普天間基地の問題については、連立内の協調ということを優先させて、年内に結論が出るかわからない、むしろ新しいところを模索するということに出ておりますが、荏苒(じんぜん)時を送れば、ますますこの解決は難しくなるということは明らかです。こういう対応は、国際間の問題の処理の仕方としては、非常に無責任なものではないか。
さらに、政治と金の問題については、やはり脱税面の問題にだんだん焦点があたってきている。これをきちっと国会で議論しないといけない。次の国会には、さらに私どもは闘志を燃やして臨まなければいけないと思っています。
そこで今日で臨時国会は終わるわけですが、年内私どもとしても、しなければいけない作業があります。まず、政権構想会議でわが党の理念、大きな国家ビジョンというものを議論していただき、昨日は全体会議という形で議論しました。随分いろいろな議論を頂き、執行部の今の対応に対してのご注文も随分ありました。この執行部に対するご注文は、できるだけ正面から受け止めて生かしていかなければいけないと思っていますが、政権構想会議の議論自体は、大きな理念のまとめに入っています。今後はこれを基礎に、党本部だけで議論するのではなくて、各地方組織に至るまで、問題意識を共有していくという作業が1つあります。それからその理念をさらに、わかりやすい方針を立てていく、政策も立てていくということがこれからの作業ということになります。
陳情処理等の問題について、民主党は小沢幹事長の下、幹事長室に一元化するお考えを取っておられるようですが、私どもが政権におりましたときは、やはり政府は単に自民党だけのものではないんだと、国民のものであるという考え方の下に、どこの地域の陳情であろうと、場合によっては、私のところに共産党の方がお連れになった経験もあります。そういう形で幅広く陳情を受け付けていた。民主党は、族議員を経由して、陳情を上げるようなやり方が日本の政治を悪くしていると言わんばかりのご説明をなさっているようですが、むしろ小沢幹事長の下に、すべての陳情を一元化して、巨大な利権を壟断(ろうだん)しようという形になっているのは、大変問題が大きいと言わざるを得ないと思っています。わが党としても、新陳情を受け入れてくれるのかどうかというご質問もありますので、従来通りもちろん受け付けるけれども、きちっとした窓口も作ろうと、それを基に対応を考えていこうということを、今、政調会長の下で仕組んでいただいています。
年末に向けて、来年度に向けてどうやっていくか、わが党の予算の考え方もある。それから、わが党としての税の考え方もある。これも年内に取りまとめをして、わが党の主張が国民に伝わるように、きちっとした広報の仕方も組んでいかなければならないということがあります。
今、二階選対局長の下で、いろいろ作業が進められていまして、県連等々のヒアリングも47都道府県の内、今まで33県済んだという報告がありました。これは精力的に進めて、参議院の候補者もまだそろっていませんが、できるだけ年内に、さもなければ年内にできないところもありますが、1月中には、ほぼそろってくるという形になってきております。そういうことをご報告申し上げて、団結して、来年の国会で闘志を燃やして臨もうと申し上げて、今日の役員連絡会は終わりました。

質疑応答

Q
米軍の普天間基地の移設問題について、自民党の沖縄県連は、この問題が年内に決着しなければ、県外移設を主張しなければならないとの立場を示しています。そのような中、鳩山首相は、年内に結論を出すことを先送りする姿勢を示していますが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
沖縄県連の苦渋というものがあります。沖縄県民とすれば、今まで県外がベストであるとおっしゃってきた、知事もおっしゃってきたと思います。現実問題として、なかなか適切なところが他に見つからないではないかということで、苦渋の受け入れということをやってきたわけです。
基本的なお気持ちとしては、「やれるものなら、県外をおやりになったら」と言うと捨て台詞的ですが、そういうお気持ちがあることは、間違いないだろうと思います。私どもとしては、さらにこのまま時を送れば解決自体が極めて難しくなる。このことは、日米関係にも大変な問題を与えるわけですから、さらにいろいろ運動していかなければならないと思っています。
Q
鳩山首相の偽装献金問題、脱税疑惑問題について、本日で臨時国会が閉幕することにより、今後、自民党としては、国民に対してこの問題を訴える場所がなくなってしまうと思うのですが、閉会中の対応をどのようにお考えですか。
A
国会が閉幕しますと、野党としては一番の訴える場が国会であることは間違いありません。鳩山首相の脱税疑惑の対策チームを作って、国会内にも看板を掲げまして、引き続き調査などをしていかなければならないし、訴えていかなければならないと思います。
Q
年内に予算と税について考え方をまとめるということで、現在の基本的な考え方をお聞かせください。
A
予算については、政調会長から聞いていただきたいと思います。我々は野党ですから、細かなところまで精細にという案は作らないだろうと思います。大きな財政の方向のフレーム、予算フレーム、中初期の考え方。それから主要な論点については、ある程度考えをまとめることを考えないといけないと思います。
税制については、今、いろいろ野田毅税調会長の下で議論をしていただいていますが、基本的な考えをまとめていただくということでやっていただいています。
Q
現在、来年1月に行われるダボス会議に対して、どのようなお考えをお持ちですか。
A
ダボス会議については、河野太郎国際局長が行く方向でいろいろ調整していただいていますが、ここへまいりますと、どういうところで、どういう発言をする機会があるのかによっても、申し上げる内容が変わってくると思います。どういうところで、発言の場があるかまで決まっていないので、それを見て、そんなにたくさん発言することが場によって変わるわけではありませんが、私がそこで発信すべきことも、これから整理していきたいと思います。