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記者会見

谷垣禎一総裁 定例記者会見

平成22年12月9日(木)
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

【谷垣禎一総裁発言】

まず、今日午後1時から、全国B型肝炎訴訟の原告の方々とお目にかかりました。そこで、12月7日札幌地裁での和解協議について、ご説明を頂いたわけですが、それぞれの方々の思いを伺いますと、胸が詰まるものがありました。年内にきちっと和解を成立させることが何よりも大事ではないかと思います。しかし、実態としては、なかなか進んでいないようですので、現在の政府の姿勢をしっかり前に進めてもらわないといけない。そのことも我々からも要請したいと考えています。年内も残すところ、あと1回しか和解協議が予定されていないようですので、本当に和解するつもりがあるのか、このことを我々が注視しなければならないし、強く早期の解決を我々の方からも要請していかなければならないと考えているところです。
今、政府では、平成23年度の予算編成、税制等の準備があるわけですが、その政府の予算編成のプロセスを見ていると、財源漁りに終始しているという印象を持ちます。そもそもマニフェストでは、予算の組み替えと無駄排除で、政府予算の1・2割程度は即座に出てくる。これがマニフェストの基本構造にあったわけですが、自らのマニフェスト施策の仕分けをすることがまず必要ではないかと思います。これでは、現下の経済情勢に対応していくとともに、財政規律をきちっと立てていくことが果たしてできるのかどうか、大いなる疑問を抱かざるを得ないということです。
それから、予算編成を行っていくためには、当然のことながら、政治主導、総理のリーダーシップというものが随所に発揮されなければいけないわけですが、現在、財源漁りに終始している、財政規律、今の経済の状況を乗り越えるという骨太の議論が全く起こっていないのは、政府、あるいは菅総理のリーダーシップの欠如が一番の大きな原因ではないかと思います。国家の一番の基本である予算編成においてすら、リーダーシップを発揮できない菅総理に、これ以上の日本の舵取りができるわけがないと思います。一刻も早い退陣・解散総選挙を求めていきたいと考えています。
今日、シャドウ・キャビネットがあり、税制調査会がわが党としての税制改正についての基本的考えを取りまとめたわけです。ここにおいて、先程申し上げたように、消費税を含む税制の抜本改正の必要性に加えて、理念なき財源漁りに終始している政府の姿勢も厳しく批判し、問題点を指摘しているわけです。詳細については、野田毅・税制調査会長からご説明を頂くことにします。総務部会からは、地方議会議員年金制度が来年の6月で財源が枯渇するということを聞いておりまして、その改正についての提言を出していただき、これを審議し、ご了承いただいたところです。あと、行政改革推進本部から、「これで良いのか事業仕分け」ということで、民主党が行っている事業仕分けの問題点について、報告を頂きました。

質疑応答

Q
民主党の岡田幹事長は、小沢氏の件で自らの国会招致について申し出がない場合、国会での議決も念頭に調整を進める意向を示していますが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
これはコメントに値するかどうかという気すらいたします。この間の臨時国会で何らかの形で実現すると岡田さんは言っておられた。それが現在まで果たせていないということであって、岡田幹事長は何をしておられるのか。さらに言えば、総理大臣のリーダーシップのなさが原因ではないかということです。我々としては、引き続き、真相解明のための証人喚問を求めるということです。
Q
国会の議決で事態を収拾しようとしている民主党の姿勢をどのように見ていますか。
A
いろいろ言わずに、まずは物事をきちっと解決しろと言いたいです。
Q
大村秀章衆院議員に対して、党紀委員会により除名処分の結論が出ました。党紀委員会で本人の意見を聞かずに意見を聞いたことについて、一部から反発の声が出ているようですが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
昨日、党紀委員会でおっしゃったような決定がなされたと聞いています。党の規約に基づいた手続きを進めていくということだと思います。
Q
また再度、党紀委員会を開いて、大村氏の意見を聞くお考えはありますか。
A
昨日、きちっと決まったんだと思います。
Q
除名処分は妥当だったとお考えになりますか。
A
これは独立組織を設けて、十分に審議していただいたと思います。あとはどうするかは、党の規約にいろいろな手続きがありますので、それで進めていくということです。
Q
昨日、谷垣総裁は読売新聞の渡辺恒雄主筆と会談されたのだと思いますが、どのようなお話をされたのですか。大連立のお話などは出たのでしょうか。
A
私、この仕事をしていますと、いろいろな方とお目にかかったり、電話をしたりしますが、いちいちどういうことを、誰とお会いしたのか、あるいはお会いしなかったのか、どういうことを話したのかしゃべっていたら仕事になりません。皆さんに取材源の秘匿という倫理があるのと同じです。
Q
大連立に関する谷垣総裁のお考えをお聞かせください。
A
今のご質問のあとに、今のようなご質問が出てくると、甚だ答えにくいということでありますが、今、私どもの選挙は、私自身も小選挙区制度の下で、民主党の候補者、議員と戦ってきた。民主党の方々も大部分の方がそういうことだと思います。つまり政治のテーマは、民主党と自民党でどう違うのか。どこに対立があるのか。どこに共通点があるのか。こういうことで政治のテーマが決まっていくというのが、今の日本の政治のプロセスです。こういうことを前提とすると、大連立というのは、よくよく大義名分がないとできないということだと思います。
Q
大村氏について、本日、党内の一部議員から谷垣総裁に対して、愛知県連が推薦をしている候補者に対して、推薦をしないようにとの要望があったと思いますが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
これはいろいろと事情を聞きながら進めていきたいと思います。
Q
大連立について、先ほど、よくよくの大義名分がないといけないとのお話がありましたが、現状はその大義名分が存在すると思われますか。
A
よくよくの大義名分がないとできないと言った後に、今のようなご質問は、少し想像力を働かせていただきたいと思います。
Q
民主党の成長戦略PTがJBIC(国際協力銀行)の分離、独立を提言したようですが、これは自民党政権下で統合されたものを再び分離させるというものですが、この方針について谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
これは民主党がどのような案を作ってくるのか、しっかり見てみなければ、きちっとした論評は難しいと思いますが、我々が政権を持っていたときに、JBICをどうするかについては、今回あったような議論もあったわけです。ですから、それに加えてその後の情勢がどう変わってくるのか。こういうことも考えて、よく判断していきたいと思います。
Q
大村氏について、党内の一部から、今回の党紀委員会の決定に対して、違和感があると言われていることについては、どのように受け止めていますか。
A
これは違和感がある、それは特に当選同期の方がたくさんいらっしゃいますから、友情ということもあるのだろうと思います。よく全体を見て判断したいと思います。