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記者会見

谷垣禎一総裁ぶら下がり会見

平成22年11月8日(月)
於:党本部4階エレベーターホール

質疑応答

Q
今日の予算委員会の質疑をご覧になって、漁船衝突ビデオをはじめとする政府側の答弁に納得されましたか。
A
答弁ももちろんありますが、その前に我々が国会で十分熟議をするための前提として求めてきたことがいくつかありましたけれども、まったくゼロ回答に等しかったです。
第1に、小沢氏の問題、政治とカネの問題、これについて何らかの形で説明責任を果たすことが必要だと、岡田幹事長も幹事長・書記局長会談で発言されて、与党として何らかのコミットメントが必要だとの認識を示されたわけですが、結果として、今努力中だということです。この間の小沢・岡田会談を踏まえてとのことですが、進展がない。これは公党の幹事長に対して失礼ですが、子どもの使いではないかということです。
もう1つ、尖閣のビデオ問題も、これは海上保安庁が持っていたものと同一のものであるということはお認めになったわけですが、この公開に関しては、予算委員会でこれから質問する者に限定するというやり方です。ということは、予算委員ではない私なんかは、インターネットで流れたもので見ているということで、果たしてこういうことで誠実な回答かということです。引き続き、こういう問題に関して誠実な対応を求めていかなければいけないと思いますが、今日の予算委員会について言いますと、菅総理をはじめ、逃げの答弁に終始されていたと思います。特に中国漁船の今回の事案に関しては、菅総理は「これは非常に悪質な事案だ」ということを言っておられた。しかし、仙谷官房長官は、那覇地検の判断を引きながら、計画性に乏しいとか、いろいろなことを言われた。つまり、これはそういう悪質なものではないということを仙谷官房長官は了とされたわけですから、認めておられる。総理と官房長官でこの問題に対する認識が違うわけです。しかも、総理のように、悪質な事案と言うならば、いったん起訴し、司法過程に乗せておいて、なぜこれが釈放されたのかというのは、少なくとも菅総理は、検察の認識を了とされないという結論に、論理的にはなるはずです。
もう1つ、柳田法務大臣が捜査は終了していると言わんばかりのことをおっしゃった。甚だ頼りない、おかしなことを申されました。こういう点から見ても、各閣僚が問題点を十分掌握してしっかり対応しているのか、甚だクエスチョンマークがつくべきだと思います。したがって、我々は外交とか経済、特に情報管理、危機管理の問題について、集中審議を求めてまいりますが、これは必ず実現しなければならないと改めて思った次第です。
Q
ビデオに関しては、集中審議を求めつつ、担当大臣の責任問題については、どのようにお考えですか。
A
私は大変な管理上の責任があると思います。最もこの点に関しては、ただいま捜査中であり、現にそれは、被疑者を特定せずに告発したということが起こっているわけですが、これは大変な責任問題だと思います。
Q
不信任決議や問責決議案に値するとお考えですか。
A
まだもう少し問題点を明らかにしたいと思いますが、今、見ている限りでは、大変逃げの答弁だと思います。しかも、何か答弁書を丸読みしたような、しかも柳田法務大臣の答弁なんかを聞いておりますと、甚だ問題点をしっかり把握されているのか、論理的、法論理的にも、言ってみれば、しどろもどろされているように思います。
Q
民主党側に求める誠実な対応という中で、1つビデオの問題があります。自民党としては、国会にあたって国民全員に公開するような形と、長さの問題で例えば逮捕シーンを含めた公開という、2つの面からの全面公開を求めていくお考えですか。
A
こう短く編集されたのに対し、現実に44分を見ますと、何故これを編集されなければならなかったのかわかりません。むしろ今まで出さないとこういうことを言われていますけれども、ひょっとして出せないようなことが何かあるのではないかというような疑心暗鬼すら生まれてきたわけです。ですから、出していれば進まなかった疑心暗鬼が広がってきたことがありますから、私はきっちりとした公開をしていくべきだと思います。
Q
小沢氏の問題についての誠実な対応というのは、今国会に招致することでしょうか。
A
当然のことながら、与党野党含めて、各党の話し合いというのは、各党幹事長・書記局長会談で、私の理解するところによれば、本人が国会に出てきて、何らかの説明責任を果たす必要があるということを、与党も認めた。しかも、単にご本人の判断に任せるのではなくて、与党としても、それについて積極的な努力をする必要があるということも認められた。引き続き、子どもの使いではないのであったら、それをきちっとやられることを我々は求めていくということです。
Q
週末に行われた各社の世論調査について、民主党の支持率が軒並み大幅に下がっていますが、その原因を含めて、どのように受け止めていますか。
A
私は、従来ジリジリと内閣の支持率が下がってきたことには、基本的には信頼がなくなってきていると思います。信頼がなくなってきているということの意味は、あらゆる事が何か思いつきのように発言されるけれど、それを後から撤回する事例が、この政権の中で今まで続きました。マニフェストに書いたことができない。いくつかありました。八ッ場ダムも中止を前提とすることを止めることになってきたわけです。その前に、鳩山総理が辞めるとおっしゃった辞任会見の白鳥の歌のような言葉もひっくり返されることが起こった。言葉と行動に信頼がないことが背景にあったと思います。最近さらにそれが落下しているのは、特に尖閣の問題等々で基本的外交のあり方に対して、多くの国民が不安感を募らせていることが背景にあると思います。
Q
昨日、一時報告で帰国されていた河野雅治駐ロシア大使について、帰任させる判断をさせましたが、この評価をお聞かせください。また政権の支持率が外交問題を理由に下がっているとの見方がありましたが、その絡みを含めてどのようにお考えですか。
A
これは、ロシア政府に日本政府の姿勢がしっかり届くことが必要です。私はむしろAPECの成功ということを優先された形になっているのではないかということを危惧しています。
Q
会談するために帰任させるのは、日本国としてメッセージが伝わらないとお考えですか。
A
そういうことであれば、極めてこれは問題だと危惧しているわけです。果たして日本政府の姿勢がきっちりと伝わっているのかどうか、私は疑問に思っています。
Q
与党は10日(水)の補正予算の採決を目指していますが、総裁のお考えをお聞かせください。
A
先程申し上げましたように、今日の答弁を拝見しても、甚だ自信のないあやふやな答弁、確固たる信念が伺われないことが続いています。10日採決という前提は、まったくナンセンスとしか言いようがありません。ですから、先程、申し上げたように、外交に関しても、経済に関しても、あるいは情報管理、危機管理の問題、こういうものの集中審議は必須だろうと思います。
Q
補正予算の採決前に、集中審議を行うべきだとお考えですか。
A
当然そうです。
Q
危機管理、情報管理の問題に関して、ビデオの映像がインターネットで流出したことを受けて、菅内閣の政権党能力について、どのようにお考えですか。
A
私はいろいろな機会に申し上げていますが、外交についても、単に領土問題というだけでなくて、もう本当に目を覆わんばかりの外交力の低下というものがあると思います。それから、経済問題についても、これは言葉を繰り返しませんが、基本的な方向を見失っているのではないかと考えておりまして、このまま続けていくのは、極めてわが国の国民生活、わが国の国益にとって利害相反するものだと、確信しています。