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記者会見

谷垣禎一総裁 記者会見

平成22年6月8日(火)
於:党本部平河クラブ会見場

質疑応答

Q
菅内閣が発足し、記者会見が行われました。総裁のご感想をお聞かせください。
A
新しい閣僚名簿を拝見しますと、ほとんどの方が鳩山政権でも閣僚だった方、あるいは副大臣であった方ですから、前の政権のいろいろなものをある意味では背負って新しい政権がスタートしたのだと思います。鳩山政権と菅政権、何が違って、何を継承するのか、このことは、まだ、今の記者会見だけでははっきりしません。このことをはっきりさせることが必要かなというのが感想です。
Q
菅総理の記者会見の中で、財政再建についての言及があり、各党との協議を呼び掛けたいとのことですが、総裁のご所見をお聞かせください。
A
私どもも、鳩山政権の時に、財政社会保障の問題に関しては、円卓会議を開く必要があるのではないか、鳩山総理に対する代表質問だったと思いますが、そういう提言をしたことがあります。ですから、そういう考えを基本的に現在も持っていますが、問題は、社会保障、税、財政経済、一体として強くしていくことが必要だというご趣旨でした。この問題の中で、明確におっしゃったことは、今まで過去を見ていると、税を上げることをしないにもかかわらず、借金をして公共事業をやったと指摘をしています。そうしたことを考えますと、財政と経済と社会保障を一体として解決する中には、当然増税をするという趣旨を明確にされたと思います。そうしますと、今までの民主党、昨年夏の選挙で戦われたマニフェストとは、極めて大きな方向転換を意味します。そこをどうされるのかということは、明確にされる必要があります。明確にされる必要があるということは、なぜこの前のマニフェストでは、言ったことと大きく方向転換するのか。なぜ今までのマニフェストができないのか。そのことを明確に謝罪する。そういうプロセスがなければいけないと考えます。
Q
会期延長について、菅総理はまだ判断しないとのことですが、総裁のご所見をお聞かせください。
A
会期延長するかどうかということよりも、新しい政権になった。前の政権と何が違って、何を新しくしていくのか、何を継承していくのかも、はっきりしていません。もうじき参議院選挙をしなければいけないことは確実です。国会の仕事というのは、国民の前で争点を明らかにしていくということだろうと思います。そういう観点から考えますと、本会議における所信表明演説、それに対する代表質問では足りないのであって、予算委員会を開いて、きちっとそういった問題点を明らかにして、選挙に入って行くプロセスがどうしても必要だと思います。それをいかなる日程でできるのかということについて、いろいろな考え方があると思います。私は、会期を延長するとか、しないとかというよりも、その日程をどうやったら確保できるかを、まずきちっと示す必要ではないかと考えています。
Q
昨日、総裁は「内閣の顔ぶれが左翼的な色彩を持った政権であろう」との趣旨のことをおっしゃいましたが、どのあたりをそのように評価されたのですか。
A
それは漠然たる印象でして、今後その辺がどうなるかということをよく見ていきたいと思います。今、申し上げられるのは、そのくらいです。
Q
菅政権は支持率も高く、国民の期待も高いですが、菅政権に対して、自民党はどのように対峙していくのか、選挙に向けてどのように盛り返していくのか、お聞かせください。
A
この政権についての私の見方は、いろいろな意味で鳩山政権が行き詰まった。向こうの立場で言えば、その局面の展開を図るために、菅政権が誕生した。そういうことから言えば、その狙い通り、ある程度の支持率の改善は、我々の立場から歓迎するわけではありませんが、当然のことだろうと思います。ただ問題は、私が申し上げるように、いろいろな意味で壁にぶちあった時に、これをどう解決していけるのか、いけないのか。例えば、今もご議論にあった財政を立て直していくことが、増税ということを意味するのならば、今までのマニフェストをどうしていくのか。こういうことの明確の姿勢がなくてはいけません。そのように、今までの壁の行き詰まりのように打開しようとすると、当然のことながら、国会できちっと解明していかなければならない。私どももそこを突いていかなければならない問題がたくさんある。我々の物の考え方もありますが、まず基本的のその点を明らかにしていく。これは選挙のためにも、最低限必要なことだろうと思います。
Q
民主党の幹事長や政調会長には、かなり反小沢的色調が強い方が起用されています。若返りもしていますが、総裁のご所見をお聞かせください。
A
私の基本的認識は、小沢隠しと言っては失礼ですが、そういうことによって、支持率を上げていこう、回復していこうというのが、基本的戦略としてあると思います。その限りにおいて、反小沢と皆さんがお書きになっているのは、その意味ではそうかなと私も思います。ただ、それが本当にそうかということ、鳩山さんもお辞めになるときに、もう一回クリーンな民主党とおっしゃった。菅さんも両院議員総会が終わった後、同じようなことをおっしゃっていた。それが実際にできるかどうかというのは、政治とカネの問題について、小沢さん、鳩山さんのきちっとした説明責任を政権の側からリードしていくことができるのかということにかかっていると思います。
Q
新内閣で若返り、世代交代が進んだと菅総理は強調されていますが、総裁のご所見をお聞かせください。
A
閣僚の平均年齢ということから考えますと、自民党政権の頃、例えば小泉政権の頃も、そんなに違っていたわけではない。むしろ我々の政権でも、もっと若い方もいたわけで、最近の相場感かなという感じがします。
Q
菅総理の記者会見で、普天間基地問題について、日米合意を基づき進めると発言しましたが、沖縄と理解をどのように得るのかという問いに対して、明確な答えは示されませんでした。総裁のご所見をお聞かせください。
A
普天間基地問題を解決していく際も、日米合意を踏まえる、これは国際間の約束ですから、これは当然のことだと思います。ただ誰もが思っていることは、それだけではない。沖縄との信頼関係をどうやって作って、解決に持っていくかということです。これは、5月いっぱいで鳩山さんが全部おやりになるはずでしたが、できていないわけでして、今求められているのは、どのように具体的に沖縄との信頼関係を作っていくのか。言葉で言うのは簡単ですが、具体的な手立てを政権がどのように示していくのか、このことが1番問題だと思います。