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記者会見

首班指名選挙を受けて 谷垣禎一総裁ぶら下がり会見

平成22年6月4日(金)
於:院内第24控室

質疑応答

Q
菅直人新総理と会談されて、いかがだったでしょうか。組閣の日程の話も出ていたようですが。
A
菅さんが首班指名を受けて、相当緊張されていると拝見しました。陛下のご日程もあるので、組閣は来週8日(火)という話をされていました。
Q
菅新総理率いる民主党と、どのように国会で対峙されるのか、改めてお聞かせください。
A
菅さんのお気持ちの中では、このように代表を交代して、今まで政権交代で民主党が得た期待がガクッと下がっている。それを取り戻して、政権の求心力を作って行くことが、菅さんの方から見た今のお気持ちだと思います。我々の方から見ますと、あらゆる民主党政権の政策なり、政治運営なり、政治とカネの問題、あらゆる問題が行き詰まってどうしようもなくなって、ここで鳩山さんが投げ出した。では、菅さんになったらできるかというと、菅さん自身が今までの副総理でしたし、そういうもの皆を引きずらざるを得ない。どうやって払拭していこうとされるのか、菅さんのご苦労ではありますが、私は、今の民主党政権が鳩山政権の下で抱えてきた問題が、そんなに簡単になくなるとは思いません。そのまま引き継がれる状況ではないかと思います。それは、今度の代表選挙も1日で決めています。政治とカネの問題や普天間基地移設問題で連立が壊れてしまった。それがいったいなんだったのか、総括もほとんどやる暇(いとま)がなくて、バトンタッチをしたということだと思います。なかなか菅さんも厳しいのではないでしょうか。
Q
昼の民主党と国民新党との連立協議では、会期延長しないことと、郵政改革法案を速やかに通す方針が確認されていますが、総裁の受け止めをお聞かせください。
A
郵政法案の件は、仮にこの日程でやるとすれば、ものすごくきついスケジュールです。そうするとおそらく衆議院の方でも、前は120時間審議したのが、今回は6時間、このこと自体我々はおかしいと言っているわけです。参議院でも同じ轍を踏まざるを得ない。結局のっけから、非常に強硬な国会運営をやらざるを得ない。1つの論点で、これだけ乱暴な国会運営を引き継ぐのですかということですから、また今までの負の遺産を背負ってスタートすることになりかねないということではないでしょうか。
Q
人事について、官房長官に仙谷由人氏、党幹事長に枝野幸男氏ではないかとの報道が出ていますが、総裁のご所感をお聞かせください。
A
ではないかと言われると、なかなか論評しにくいです。
Q
これから菅さんと国会などで論戦することになりますが、論戦相手の菅さんについて、どのような認識を持っていますか。
A
今の政権に引き続き、たくさん問題を抱えています。まず、普天間基地の問題をどのように処理していくのかという問題もあります。この問題は、沖縄との信頼関係をどのように回復していくのかという問題でもあります。その政策運営にしても、菅さんは財務大臣まで務められたわけですが、これからどのように来年度予算を組んでいくのかという問題もあります。挙げればきりがありません。先程、行き詰まって投げ出したと申し上げましたが、議論したいことはいくらでもあります。
Q
菅さんは論戦に定評のある方ですが、どのように思われますか。
A
総理に使命を受けたばかりでそのようなことを言ってはいけませんが、罵詈讒謗(ばりざんぼう)はお上手です。
Q
これまで厳しく批判していた鳩山総理と小沢幹事長が辞任されました。逆に自民党が参議院選挙に向けて、どのように国政を担うのかということが求められると思いますが、総裁はどのようにお考えですか。
A
この答えは明快です。今までの政権の問題点は、例えばマニフェストの問題にしても、日本をギリシャにしてしまうのではないかという不安を皆が持っている。それを解消できるのは、自民党なのか、民主党なのかということがあります。普天間基地の問題でも、日本とアメリカの関係だけではなくて、朝鮮半島で哨戒艦が撃沈されたときにどうやって極東と言いますか、日本周辺の平和を守っていくのか、それはどちらが定見、しっかりした考えをお持ちかというようなこと、さらに大きく言えば、日本もなんとなく自信喪失で、経済的でもそうです。どうしたら成長していけるのか、それをどちらができるのか。そのようなところが当然争点です。
それで、このように変わりますと、いろいろ失策がありましたから、当然のことながら国民の失望感が高まり、支持率がうんと低くなった。当面は民主党政権の支持率は少し元に戻るでしょう。先程申し上げた問題点は、サッと解決できる問題ではありませんから、同じような問題が起きてくるのではないでしょうか。
Q
今日の代表選で、菅さんは「鳩山さんは、政治とカネの問題でいったんけじめをつけられた」と話されていますが、この問題がなくなったわけではないので、自民党は、鳩山さん、小沢さんの証人喚問、参考人招致を求めていく姿勢に変わりはありませんか。
A
政治とカネの問題で、鳩山さんの退陣の時に「クリーンな民主党をもう一度作ろう」との趣旨のことをおっしゃいました。政治とカネの問題で、そのことはクリーンでなかったということをお認めになったことです。ですから、認めたら政治とカネの問題がおしまいということに、当然ならないのであって、言って見れば、五月の鯉の吹き流しではないですが、お腹の中に何があるのか、さばいて見せないと、国会で証人喚問なり、何か説明責任を果たされるのが当然のことだと思います。それなくして一丁上がりですねというわけにはいかないと思います。
Q
菅さんは、かつて自社さ政権の時に、自民党と組んで仕事をされた経験もあります。その時などを踏まえて、菅さんの力量をどのように見ていますか。
A
菅さんは、なかなかセンスが良い点もお持ちだということも、私は認めます。前の金融危機の時は、与党、野党なく乗り越えなければならないということで、自社さ政権ではなく、野党の時に協力していただいた。そういうところは、私は良い判断をしていただいたと思っています。別に市民運動が悪いと言っているわけではありませんが、自社さの時でも、では本当に安全保障ということになりますと、なかなか答えが出てこないのだと思います。その辺り、今の安保情勢を踏まえますと、果たしてどうなのかということを多くの国民も心配して、これからの方向を知りたいところではないでしょうか。