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記者会見

民主党代表選挙を受けて 谷垣禎一総裁ぶら下がり

平成22年6月4日(金)
於:党本部

質疑応答

Q
民主党の新代表に、菅直人氏が選出されましたが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
菅さんの期待されている役割というのは、あれだけ政権交代で期待を担ったけれど、いろいろなことがありまして、その期待がすべて雲散霧消した。菅さんは、民主党の方々から見ると、もう1回、この期待を取り戻して、今の政権に命をもう一度吹き込むことができるかというのが、菅さんの課題なんだと思います。
我々の目から見ますと、今度の鳩山退陣というのは、鳩山さん個人の資質に由来するものではなくて、政権の持っているいろいろな問題がすべて壁に当たって、それで解決できなくて投げ出したということです。菅さんは、今までその政権の中で副総理と責任ある立場にいたわけですし、今まで鳩山、小沢、菅のトロイカ体制と言われてきたので、いろいろひきずってやらないといけない立場だと思うので、どうしたらその役割を果たせるのかということは、国民からの目からすれば疑問もあると思います。
いずれにしても、我々としては、選挙も間近ですから選挙のために表紙を変えるという古い手法のように見えます。それから民主党の中の各派閥がいろいろ会合を繰り返して、談合しているように見えます。参院選を前にして、新しい総理ができて、どういう道筋を国民に示すのか、国会で示してもらわないといけない。政治とカネの問題にしても、鳩山さんは「もう一度、クリーンな党にする」と発言されたし、今日の菅さんの演説の中にもそのような発言があるので、当然、説明責任を果たさないといけないでしょう。そういう意味で、気迫を込めて、また菅さんを対峙していきたいと思っています。
Q
新政権と小沢幹事長の距離感は、どのようなものが望ましいとお考えですか。
A
常に小沢さんとの距離とか、親小沢、反小沢ということがテーマになるというところに、民主党の体質が表れているのではないでしょうか。
Q
菅直人氏の政治家として、総理としての資質をどのように見ていますか。
A
それはこれからテストされることだと思います。ただ、私どもは菅さんに限らず、ずっと見ていると、例えば外交関係等々は、日本がおかれている安全保障、外交路線をどう認識されて、どのように今の状況に対応されていこうとされているのか分かりません。鳩山さんもそこは非常にあいまいだったので、普天間の問題でもあのような迷走を繰り返したのだと思います。
菅さんは、こういう表現が適切か分かりませんが、市民運動から出てこられた方で、今日も演説の中で、若干その点を気にされたのか発言がありましたが、外交面でどういうスタンスを持っているのかはっきりしないところがあります。ここをしっかりされないと、今の朝鮮半島などで、哨戒艦の事件があって緊張が増しているときに、日本の安全をリードするのは難しいと思うので、その辺、我々も本会議、予算委員会でしっかり解明しないといけないと思います。
Q
自民党として、民主党政権に解散総選挙を求める姿勢に変わりはありませんか。
A
変わりはありません。
Q
これからの人事のよっては、自民党にとっては逆風になる可能性もあると思いますが、参院選への影響をどのようにお考えになりますか。また自民党としての戦略をお聞かせください。
A
基本的に今まで民主党政権が持っていた問題点で行き詰ったと思いますので、菅さんも今までその政権の中で副総理として背負っていたので、例えば去年の衆院選のときのマニフェストを全否定されるとか、あるいはその他の問題でも過去を全部かなぐり捨てておやりになれるかどうか、それはなかなか難しいでしょう。そういうことになれば、国民に対しる責任があります。基本的な流れは、変わらないと見ています。向こうは変えようと努力するわけですが、私は、なかなかそれは難しいだろうと思っています。そのときそのときで若干、支持率が変化することはあると思います。しかし、大きな流れはそういう行き詰まりの中から生じていると思います。
Q
外交姿勢があいまいだとのことですが、菅氏は「外交は国民の覚悟だ」と発言されていましたが。
A
無論、国民の覚悟も必要でしょう。しかし、トップリーダーがどういう道筋を示して導くか、政治はそれがなくては始まらないと思います。