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記者会見

谷垣禎一総裁ぶら下がり会見

平成22年5月25日(火)
於:院内第24控室

質疑応答

Q
国会での口蹄疫に関する質疑を終えて、鳩山総理の答弁はいかがでしたか。
A
総理の答弁も、赤松農相の答弁も、自分が絶対に口蹄疫を食い止めるんだという気迫、責任感が非常に希薄だと感じました。私どもは、今朝、口蹄疫対策緊急措置法を用意し、国会に出したのですが、要するに内閣で法案を出すのか、今日の答弁にありましたが、検討していると。いつ出てくるのかわからない状況ですので、これは政府主導では無理だなということで、国会主導でやらなければ仕方ないということでこの法案を出しました。公明党、民主党も、議員立法としては、検討されているようですから、私どもは、我々の案にこだわることなく、修正協議等にも応じるつもりですし、要するに、委員長提案で速やかに対案を通したいと考えております。
我々の方針は、これは危機管理ですから、口蹄疫を抑え込むために必要なことは、我々もきちっとやるし、また与野党で協力することも当然しなければならない。それは、きちっとやらせていただく。さはさりながら、こういう問題で、被害がこんなに広がりました。結果責任ということもあると思いますし、単に結果責任と言っていいのか、初動の遅れ等々は、当然政治的責任は大きいわけですので、赤松農相の不信任案も考えなければなりません。明日にも出すかというところで、今、準備を進めているところです。
Q
明日、赤松農相の不信任案を出すということでよろしいのでしょうか。
A
まだ決定したわけではありませんが、準備を進めているということです。
Q
他の野党と連携する形になりますか。
A
他の野党とも相談してやると思いますが、そこらは国対に任せています。
Q
赤松農相は、今日の答弁でも海外主張を肯定されていましたが、このことをどのようにお考えですか。
A
一言で言えば、責任感がない。今日のどなたかの質問にもありましたが、国際的にも、畜産関係者の間では、口蹄疫というのは危機管理として迅速に対応しなければならない。こういうことは国際的にも常識となっていますから、それを担当する大臣が口蹄疫を発生したにもかかわらず、不要不急と言っては大変失礼ですが、そういうことで、途中で取りやめもせず、海外出張を続けておられたことは、国際的に見ても極めておかしなことに映るのではないか。大変残念なことです。
Q
本日、社民党の福島みずほ党首が沖縄を訪問し、仲井真沖縄県知事と会談して、普天間基地の移設問題について「辺野古移設は断固反対である」と発言しました、さらに会談終了後、福島党首が記者団に対して「与党3党の合意はない」と言い切っていますが、こうした閣内不一致、また福島大臣の行動について谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
まず福島大臣がどういう立場で行かれたかということです。鳩山総理のぶら下がりを聞いていますと、閣僚として行くのはいかがなものか。しかし党首として行くのは仕方がないというような発言をしていましたが、果たしてこの時期に沖縄に行くというときに、国務大臣の立場を離れて行くかどうか、そんなばかげた話はないのであって、鳩山さんもまことに内閣の責任、内閣のトップとしての責任、リーダーシップをまったく発揮していないということではないでしょうか。これは説得してでも、「閣内にいるのならあなた留まりなさい、止めなさい」とおっしゃらないといけない。このような重要な局面でまったくリーダーシップを発揮していないと思います。ですから福島大臣も、閣内に留まるのであれば、このような行動はまったく節操のない行動であると考えています。
Q
関連で、福島大臣への不信任案の提出の検討はしていますか。
A
今申し上げたようなことですから、これから内閣の責任もどうしていくか考えていかなければならない中で、まだ決め打ちで考えているわけではないので、いろいろ考えていかなければならない。要するに、閣内不一致なんていう生易しい言葉では表現できないと思います。これは「閣分裂」です。
Q
関連で、与党3党は幹事長レベルで、「今後、海外・県外の移設を模索する」という覚書を作って乗り切ろうとの動きがあるようですが。
A
責任逃れとしか言いようがないのではないでしょうか。鳩山さんがリードしている連立内閣です。これは鳩山さんが何度もおっしゃっているように、最低でも県外。そして5月末には、米国との合意、地元との合意、連立3党での政府としての合意に職を賭すとおっしゃっているのですから、それと外れたものを作って乗り切ろうというのは、まったく無責任な話だと思っています。
Q
内閣不信任案の提出の時期について、谷垣総裁のお考えをお聞かせください。
A
それはまだ28日までの推移もありますから、よくそのあたりを見て判断していくということです。
ひとつ余計なことを申し上げますが、先ほど鳩山総理の答弁を伺っていましたが、論語に「仁を好む、その兵は愚(仁を好みて学を好まざれば、其の蔽(へい)や愚)」という言葉があります。現代風に訳しますと、「友愛を好むと、その欠点は愚かである(仁を好んでも学問を嫌がれば、情に溺れて愚か者の仁となる)」ということだと、孔子はそのように言っています。