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記者会見

谷垣禎一総裁 定例記者会見

平成22年4月22日(木)
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

【谷垣禎一総裁発言】

まず、今日、鳩山首相の政治資金をすべて取り仕切ってきた元公設秘書の勝場氏の有罪判決が出ました。禁錮2年、執行猶予3年ということです。鳩山首相は、国会や記者会見等で、「裁判が終われば、検察に提出した証拠を含めて、使途についての資料を公開する」と再三そのように述べて、国民に対する説明責任を今まで果たさないで、そういうことを言ってきたわけです。ところがいざ判決が出るにあたって、昨日の党首討論でも、公明党の山口代表の質問に対して、資料は出さないと、約束を突然反故にしたわけで、それは嘘をついたとしか言いようがありません。言うことが二転三転し、都合が悪くなると前の約束を平気で反故にする。普天間基地問題での混乱も、そういった鳩山首相の言語、言葉の軽さから起こっている共通の現象であると考えます。今までの説明では、まったく国民は納得しておりません。わが党は、資料の全面提出を強く求めます。鳩山首相は、弁護士に相談してとか、弁護士に任せているとか言っていますが、弁護士は総理を守る、依頼者を守るのが仕事で、総理の責任は説明責任をきちっと果たす、一国の政治の責任者として説明責任をきちっと果たしていくことです。仮にその弁護士にすべてを任せていたということを強くおっしゃっているならば、弁護士の国会への参考人招致を考えなければならないということです。鳩山首相は、秘書の疑惑は議員の責任と、過去に誠にあっぱれな発言された経緯があります。ご自身の責任も明らかにすべきであると、申し上げたいと思います。
2番目に、今日、舛添要一参議院議員より離党届が出されました。私をはじめ執行部からの問い掛けに対して、舛添議員からはご返事も頂けなかったという状況で本日を迎えたわけですが、昨夜一方的に新党立ち上げの発言をされたわけです。そしてわが党の議員も勧誘する。明らかに党の規律を乱す行為です。断じて許すわけにはいかない。特に、比例代表として、わが党に託された票の上で当選している議員です。自民党として、まず新党をお作りになるのなら、議員辞職をしてからおやりになるのが当然だろうということを強く申し上げたい。出処進退は議員本人の矜持の問題ですが、自民党としては今後、党紀委員会で厳しい対処が取られることになるだろうと考えます。
3点目はマニフェストですが、本日夕刻に石破政調会長から骨子を発表いたします。詳細は、石破政調会長の発表会見に譲りますが、雇用の創出、安心できる社会保障、外交の立て直し等々、わが国のあり方についての骨太の公約を打ち出していくということです。さっそく明日の午後、ネクスト・ジャパンの街頭活動をスタートさせて、国民に向けて積極的に発信していこうという方針です。

質疑応答

Q
高速道路の料金に関して、1度新制度への検討を始めた政府に対して、民主党の小沢幹事長がこれに疑問を呈して、元の制度に戻す意向を鳩山首相が示しました。しかし、前原国土交通大臣が反発し、再び一部値上げとなる新制度を検討する意向を鳩山首相が示しましたが、このような二転三転する鳩山内閣の姿勢をどのようにお感じになりますか。
A
民主党が高速道路料金を実質上上げるというか、発表されたと。小沢幹事長の鶴の一声でそんなことはできない。また前原大臣は、鳩山首相に直談判をされたのか、違うことをおっしゃる。要するに、政策決定の一元化ということを言っていますが、それがまったく機能していない状況ではないかなと思います。機能していないというか、形骸化してきているというか、鳩山政権の迷走ぶりが表れています。結局、あのような形での政策決定の一元化を言いながら、このように迷走するのは、最後は総理の責任ということだと思います。どうまとめるか、リーダーシップが発揮できていないと思います。
Q
舛添氏が離党届を提出し、先ほど比例での当選なので党に議席を返すべきだとご発言されましたが、先日、離党届を提出した与謝野馨議員も比例での当選です。この2人に対する対応の仕方に違いは生まれるのか、谷垣総裁のお考えをお聞かせください。
A
与謝野氏も比例代表の選出であり、これは東京都連から強く議員辞職をして、そして議席をわが党に返すのが筋ではないかと、強く要請を与謝野氏にもされていましたが、与謝野氏はそれを拒否されて今日の行動がある。
2人がどう違うということは、党紀委員会で議論していただかなければ、どういう結論になるかはわかりません。そういう比例代表のうえで当選された議員、衆参の違いはありますが、共通点があることは間違いありません。
Q
大島幹事長は、舛添氏に対して議員辞職を求める発言をしましたが、谷垣総裁は、与謝野氏に対しても求めて行くお考えはありますか。
A
比例代表で当選した方が、党を変わって、新しい党を作って、そのまま議席を維持しているというのは、制度上の欠陥と言っていいかもしれません。私は非常に矛盾に満ちた行動をしていると考えると、本来、当然、辞職をして、議席を返還して再スタートするべきではないかと考えます。
Q
鳩山首相の元秘書に対して実刑判決が出ましたが、これだけ政治とカネの信頼を失った内閣、民主党はどのように説明責任を果たすべきとお考えになりますか。
A
いろいろな責任があると思います。要するに鳩山首相の政策運営のあり方、政治とカネの問題の対処の仕方、いろいろな問題が出てきていますので、それをひっくるめて言えば、私は昨日の党首討論でも申し上げましたが、鳩山首相が野党時代に麻生首相にぶつけた言葉をそのまま引用してお返しすると申し上げました。もうその決断をする時期ではないかと申し上げましたが、トータルとして責任論としてはそういう段階に入ってきたいと考えています。
政治とカネの問題について言えば、まずその議論に行く前に、説明責任をしっかり果たす、では何らかの形で職を辞されたりして、それでおしまいかという議論はされないといけません。ではどういうことが行われたのか。あれだけ巨額な金額が動いたわけではないか。それが果たして、何に使われたのか。そのことが政治と国民の信頼関係を損なっていないか。そういうことをしっかり説明する義務がまずはあると思っています。
Q
舛添氏は、法律に違反していないので議員辞職の必要はないとの趣旨の発言をしていますが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
法律に違反していなければ、自分の誇りはそれで満たされるとおっしゃっている。私は矜持の問題だと申し上げました。数字を申し上げますと、自民党の比例総得票は、約1654万票、14名の当選です。そうすると1人当たり約118万票、舛添氏は個人で約47万票です。差し引き71万票は党の力ということがあります。そういうあたりをどう議席を持っていることと、ご自分の誇りを結びつけるかということを申し上げています。
Q
舛添氏は、世論調査でも人気が高いわけですが、今後、党に与える影響をどのようにお考えですか。
A
あまり影響があるとは思っていません。
Q
政権交代後、離党者が13人目となりましたが。
A
喜んでいることはまったくありません。残念なことだと思っています。13名とおっしゃいましたが、かなりの部分が公認調整等々の問題で、必ずしもその公認の問題で、志を得られなかった。だから自民党とはともにはできないという方がかなりいまして、こちらの方は公募とか予備選挙の手法、できるだけオープンな手法でお願いしたいということを党本部からも要請したという中でこういうことが起こっていますので、生みの苦しみなのかなと思っています。
Q
舛添氏が離党届を持ってきた際に、直接受け取らなかった理由をお聞かせください。
A
特に理由はありません。幹事長のところに行かれたのではないでしょうか。
Q
事務方に渡したとのことでしたが。
A
私はそのとき仕事をしていたのかもしれませんが、幹事長のところに来たのだと思います。私はよく承知していません。
Q
総裁と幹事長が打ち合わせ中だったとのことですが。
A
打ち合わせ中、いつだったか分かりませんが、幹事長と打ち合わせ中だったのか、どうでしょうか。
Q
16日(金)に、韓国ハンナラ党の鄭夢準(チョン・モンジュン)代表とお会いになったという報道がありました。外国人参政権について、鄭代表から早期に実現してほしいとの依頼があり、総裁は難しいということのようですが、外国人参政権以外に話題はありましたか。
A
全部明確に記憶していませんが、外国人参政権だけではなかったと思います。要するに、基本的に日韓関係は良好なわけです。そういうあたりを強調してやっていこうと。今年は、日韓併合100年ですから、そういうことを乗り越えてやっていくには、積極的なことをやっていかなければいけないという話をしました。
Q
関連で、ロサンゼルスの高速道路沿いに「竹島(韓国名・独島)は韓国領」という看板を掲げられていることが1月から問題になっています。日本の小学校の教科書に竹島が記載されていることについて、韓国の国会で非難決議がされています。鄭代表は、かなり強硬派と伺っていますが、竹島問題について何かお話はありましたか。
A
若干お触れになりました。しかし、今おっしゃった強硬派だと、私も実は予断ではそう思っていたのです。おっしゃったけれども、何と言うのでしょうか。血相を変えて議論しなければならないという雰囲気ではありませんでした。
Q
本日出馬会見した堀内恒夫氏と東京都公認候補者に決定した東海由紀子氏の印象をお聞かせくださいか。
A
堀内氏から申し上げますと、私は堀内氏より若干年上ですが、ほぼ世代的には共通なところがありまして、若い頃から堀内氏の野球界での活動を、まさに刮目して拝見してきたわけです。野球の世界では、最高の達成をなさった大スタープレイヤーで、その方が新たに志を政治の世界に持たれて、しかも自民党を選んでくれたことは、非常に我々にとって嬉しいことです。堀内氏の政治の世界での夢、志というのは当然おありですから、それに従って行動されていくと思いますが、私としては、今やや若い方々が内向きになったり、積極性が欠けているようなことがあります。そういう中で若者に情熱、誇りと勇気を与えることを、堀内氏にやっていただけないかなと強く期待しています。
東海由紀子氏につきましては、女性であり、お年は女性ですからあまり言わない方が良いかもしれませんが、40ちょっと過ぎています。外資系の企業でも、非常に高い実績を挙げられて、国際的なビジネスにも通じた方です。日本の女性が国際的な経験を積んで来られて、これがやはり我々の将来展望を開いていく時に、国際化社会の中で生きているわけですから、こういう経験が我々の活動に非常に生かせるのではないかと。大いに頑張っていただきたいなと期待しているところです。
Q
竹島問題で新藤義孝衆議院議員が外務委員会で追及されましたが、政府与党は、「累次にわたってお願いしている。個別案件にはお答えしない」と、岡田外務大臣も答弁されています。自民党としては、どのように追及されるのですか。
A
新藤議員のご議論がわが党の姿勢ということです。
Q
新年1月7日の記者会見で、谷垣総裁は、ツイッターをやらないのかという質問に対し、「つぶやくようなことはしない、ごまめの歯ぎしりのようなことはしない」とおっしゃいましたが、この度ツイッターを始めた心境の変化について、お聞かせください。また、ブログをやるつもりはありますか。
A
心境の変化という程ではありませんが、若い方々から多くの方の生の声を聞く、非常に良い手法であると。必ずしも、公式の、四角四面の街頭演説や集会では得られない声が返ってくるということもありまして、やれというお勧めだったわけです。まだ始めたばかりですので、どういう発信をしていったら良いのかというのも、実はまだ手探り状況ですが、なるほど瞬時にたくさんの反応が返ってくるものだなと感じていますので、どのように使っていくのか、もう少しいろいろ整理をしながら、前に進みたいと思います。