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記者会見

平成22年度予算の衆議院通過を受けて 谷垣禎一総裁ぶら下がり会見

平成22年3月2日(火)
院内第24控室

質疑応答

Q
先程の本会議で平成22年度予算が衆議院を通過しました。組み替え動議は否決されましたが、総裁の受け止めをお聞かせください。
A
この予算は、問題が非常に多い予算だと思います。まずこれだけ税収よりも赤字国債の発行額が多いという昭和21年以来の予算ですが、一体、中長期的に財政をどうしていくか、いろいろ恒久政策がありますが、それに恒久財源が用意されていない等々、財政的にも責任感が欠如した予算だと思います。そのバラマキの使い道というのは、経済効果が乏しいところに使われている。成長戦略、あるいはデフレ脱却の道筋というものに、きちっと対応できていない。経済政策的に問題が極めて多いと思います。
政治的に言いますとマニフェストで約束されたことに対する違反、典型的にはガソリンの暫定税率の問題ですが、多々問題をはらんだ、非常に欠陥の大きな予算だと思います。従いまして、これが成立してしまったことに対しては、非常に私は危機感を持ちます。私どもは組み替え動議を出しまして、民主党の作られた予算5.2兆円ぐらいは、いろいろなところで、無駄な政策を排除するとか、いろんなところで作れるのではないか。そのうち、3.9兆円はそういう財政状況ですから、財政の健全化に向ける。あとの1.3兆円で成長の種をまくとか、社会保障の不安なところをカバーしていくとか、そういったことができるのではないかと思います。そういう組み替え動議を出しましたが、残念ながら数の論理で敗れた。誠に残念だと思っています。
Q
今回の通常国会での本予算審議を振り返って、途中自民党は審議拒否をしましたが、自民党の審議スタイルをどのように評価しますか。
A
今の中では、申し上げませんでしたが、政治とカネの問題があるわけです。今、確定申告が行われていますが、国家は国民に税を払っていただくことで成り立っているわけですから、こういった問題をきちっと解明していかなければならなかった。それに対して、まったく数の力で持って、臭いものにふたをしてきたというのが今までの流れです。それから、やはり国会の中で、今まで与野党で作ってきた伝統、これは長い間、我々の与党時代に野党の意向も組み入れて作られてきた、重要な法案には総理に来ていただいて、きちっと審議しようだとか、そういうようなことも無視されている。数を頼みにいろいろなことをやってくる。これは決して日本の民主政治を前進させるものとは思いません。私どもは、そういうことに抗議をして、審議拒否ということも致しました。数の力もありますから、その点では十分な抗議の成果をあげることはできなかったかもしれませんが、今後、今のような政治とカネの問題等々決定的にまたやっていかなければならないと思っています。
Q
まだ参議院の審議も残っていますが、民主党、与党のシナリオ通り、予算が年度内に自然成立することになったことについて、総裁のご所見をお聞かせください。
A
これは非常に残念です。国対、予算委員会の現場、よく戦ってくれたと思いますが、衆参ともに多数を取られている状況の中で、こういう結果になったのは残念だと思います。
Q
今日、鳩山首相が企業団体献金の問題で、与野党で協議機関を作って議論をするように指示したそうですが、自民党は協議機関に加わる意思はあるのですか。
A
前提問題を解決しないといけないと思います。まず税法なり政治資金規正法に違反しておいて、そのエクスキューズのために、政治資金規制法等を改正していこうというのは、発想が逆立ちしていると思います。今のあの方たちが疑惑を持たれているのは、法の不備ではないのです。法の不備ではなくて、法をきちんと守っていないというのが問われているのではないかと思っています。守っておかないで、それを追及されたら政治資金規正法を変える。まことに滑稽な判断ではないですか。私は、まず今までやったことを明確に説明されることがなければ、こういうまやかしの案に乗るわけにはいかないと思います。こういうことをきちっとなさって、証人喚問をする、説明責任を果たす、あるいは石川知裕衆議院議員の議員辞職決議案を上程するとか、そういうようなことをきちっとおやりになったら、私どもは話し合いに応ずる用意はあります。もちろんその中で議論することはたくさんありまして、労働組合の、今、北教組が問題になっていますが、北教組の問題でも、あれは裏金で禁じられていたわけです。もう少し透明度を高めることによって、そういう不当な、違法な裏金の使い方に透明性をもって追及できるようなことができないかとか。組合費は、従業員の給与から天引きできるようなチェックオフの仕組みがありますが、果たしてそれが良いのかどうか。そういうことを含めて議論しようと言うなら、我々も議論に応じる用意がある。前提を不問に付したままでは、ちゃんちゃらおかしいということでしょう。
Q
今の段階では、自民党は協議機関に参加しないということですか。
A
まず前提をきちんとしろということです。
Q
昨日、舛添要一前厚生労働大臣が講演の中で、自民党の支持率が上がらないことを考えれば、賢明な議員は総裁に辞任を促す方向に行くだろうとの趣旨の発言をされていますが、このような党内の声に対して、総裁はどのようにお答えになりますか。
A
参議院選挙を前にしまして、団結していくことが1番ではないかと思います。支持率云々されますが、やはり団結して、この前の衆院選挙で、党内で争っているような姿が、我が党の支持率を落としたのだと思います。参院選を前にして、やはり団結していくことが1番大事ですし、そういういろいろなご議論があるなら、党内でそれぞれの場で議論していただくことが必要なのではないでしょうか。
Q
本会議で、小泉進次郎衆議院議員が討論に初めて立ちましたが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
なかなか音吐朗々、立派な議論をしてくれたと思います。わが党の1回生議員が質問に立ったり、討論に立ったりしていますが、若い人が育っているという姿を示すことができたのではないかと思います。頑張ってほしいと思います。