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記者会見

谷垣禎一総裁 定例記者会見

平成22年1月21日(木)
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

【谷垣禎一総裁発言】

先程、わが党のトップバターとしてこの予算委員会の質問に立たせていただきました。感想としては、政治と金、この鳩山献金疑惑に関しては、鳩山首相は、もし知っていたということがはっきりした場合には、バッチを外すと明言されました。そのことは、しっかり記録に留めておかなければいけないことだと思います。
小沢幹事長の政治資金の問題では、資金問題そのものについては小里泰弘衆議院議員が質問していますが、私としては、民主党の中の小沢幹事長と一体となって検察と戦うという形の異様さを浮かび上がらせたつもりです。
天皇と憲法については、政府の統一見解を出すということになりましたので、これで1つ、きちっとした整理ができればと思っているところです。

質疑応答

Q
今回の予算委員会の質問について、質問の通告をいつ、どのように行ったのか、政府側からの質問取りがあったのか、お聞かせください。
A
具体的な質問取りは、特になかったようです。項目を伝えたということです。
Q
先程の予算委員会で、総裁は、千葉法務大臣に指揮権の発動はありませんねと再度確認されましたが、もしかしてそういう事態も起こり得るという感触をつかんでおられたのですか。今、渦中の実力者に捜査の手が直に及んで、指揮権を発動しなければならなくなるという感触をつかんでおられたから、再度念押しする質問をされたのですか。
A
ということよりも、千葉法相は今までこの種の質問を受けておられるわけです。質疑の中でも申し上げましたが、千葉法相の答弁の特色は、従来ですと政権が違ったかもしれませんが、比較的(これまでの)法務大臣は、指揮権発動ということは、今、念頭にないとか、割とはっきり答弁されてこられたわけです。ところが千葉法相の場合は、受け止め方にもよりますが、いつも含みを残された発言を今までずっとしてきているわけです。そこのところで、もう一度千葉法相の真意を問うてみようかということです。
Q
今日の質問全体の中で、政治と金の問題について40分、その内鳩山首相の問題、小沢幹事長の問題、それぞれ20分ずつを費やしたと思います。もう少し長くされると思っていたのですが、全体の配分について、何か戦略はあったのですか。
A
個別具体的に、金銭の使途や金銭がどこから入ったのかという問題、その辺の回し方というのは、私の後、お2人(柴山昌彦衆議院議員、小里泰弘衆議院議員)が質問していただいています。私も、そういうところに渡る質問を用意していたのですが、調整して、若い方々にそこらの具体的な詰めをやっていただこうと。私はどちらかと言うと、この2人に関して、総論的な問題と言うか政治倫理的問題、鳩山首相の場合で言えば、やはり国民を得心させるだけのご答弁をされているのかという辺りを、それから小沢幹事長の場合には、まだこれからどう捜査が展開していくのかわかりませんけれども、党として少し偏った対応をしておられるのではないかということを中心に、私はやろうということで受けました。
私の当初の計画は、もう少し憲法上の天皇の地位の問題を短く仕上げるつもりでしたが、なかなか的確なご答弁が出てこなかったものですから、途中で中途半端にするわけにもいかず、つい長くなってしまった。本当はもう少しマニフェストとか経済財政運営の問題にもう少し時間を注ぎたかったのですが、若干志と違ってしまったということです。
Q
鳩山首相とは、事実上の党首討論、一騎討ちになりましたが、鳩山首相の答弁ぶりの評価と今後の党首討論への意気込みをお聞かせください。
A
党首討論は、これからどんどんやってもらわなければいけないわけです。今日は、党首討論ではなかったわけでして、私も、予算委員会の質問には、若い方にどんどん立ってもらいたかったのですが、今まで党首討論が1回もできていないので、国会の冒頭ぐらい1回やっておかなければならないという気持ちがありました。これからは、ちゃんと党首討論をやってもらわないといただきたい。やっていただかなければならない。これを強く要求してまいりたいと思います。
鳩山首相の答弁ですが、前も良く申し上げていますが、融通無碍(ゆうずうむげ)のところがありまして、とらえどころのない答弁をしばしばされる。それは、今日もそういうことであったと思います。
Q
小沢幹事長の事件の関連で、原口総務大臣が「関係者によると」という報道のあり方に疑問を呈しまして、関係者を明確にしないで公共の電波を使うのは不適当だとの趣旨の発言をしています。所管大臣の発言ですが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
こういう政治的な事件の捜査に関しては、今までも随分いろいろな議論があったと思います。それぞれの思いとか、これも全体政治的な攻撃防御の中で、いろいろな発言があるということは、今までもありました。ただ、電波に関する所管大臣がそこまで発言されるということは、今まであまりなかったと思います。
今日、民主党の小沢問題に対する対応の仕方の中で、鳩山首相が「闘ってください」とおっしゃったり、あるいは今までの中で「国策捜査」と言われたこともありました。これも質疑の中で言ったことですが、かつて野党時代も西松事件に関して、プロジェクトチームと言いますか、書類をまとめられた中に指揮権発動を容認するかのごとき表現があったかと思います。今も捜査情報漏えいチームを作ったり、やや対応が異様であると思います。
総じて言えば、権力を運営する場合の自制というのは、少し足らないのかなと。あえて申し上げると、やはり政党の性格にもよるのかなと思います。わが党はどちらかと言うと、国民政党的な規定をしてまいりましたので、政権はみんなのものであるという気持ちが、我々が閣僚をやっていたときも、どこかにありました。しかし、民主党の場合には、どちらかというと、階級政党的な血筋を持っている方もたくさんいますし、ずっと野党できたということもあるかもしれませんが、必ずしもみんなの政権であるという、国民政党的な意識が弱いのではないでしょうか。政権は、自分たちの支持者のためにあるというお気持ちがどこかにあるのかなと、言いすぎかもしれませんが、そんな印象を受けています。
Q
今日の予算委員会の質問の中で、谷垣総裁は鳩山首相や菅財務大臣を立てるようなご発言もあったかと思いますが、どのような心境からでしょうか。
A
心境というか、意気や良しということを、言葉のニュアンスをどう受け止められるか。それを受け止める方の感性の問題だと思います。私がその意気や良しというときには、褒めて使うことはめったになくて、意気だけは盛んだけれど、本当にできるのと。そういうニュアンスで、申し上げている場合が私も場合は多いので、谷垣語の通訳をお願いします。
Q
山崎拓前衆議院議員と保岡興治前衆議院議員の参院比例の公認について、党大会前までに谷垣総裁が最終的な結論を本人に伝えるとの情報がありますが、谷垣総裁のお考えをお聞かせください。
A
基本は、内規と申しますか、ルールがありますから、そのルールを基本にしてやっていこうということで、幹事長の下でいろいろ調整されています。大事なことは、比例を取り上げられましたが、選挙区の候補者をしっかり選んでいくということが基本なんだろうと思います。それから比例代表もご関心は、一部に偏っているように感じないわけではないのですが、やはり若い候補者をどのように発掘していくかが、肝要な問題だと思います。
その上で最後は、今の問題を含めて、私が決断しなければならないときは決断する。こういうことで、まだちょっと若干、調整をしている最中です。
Q
党大会前までに結論を出して、伝えるのですか。
A
今日の段階では何とも。