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記者会見

谷垣禎一総裁 記者会見

平成22年1月12日(火)
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

【谷垣禎一総裁発言】

連日、小沢民主党幹事長の政治資金疑惑が報道されていまして、ますます黒い闇が大きくなるのを感じている次第ですが、通常国会において、わが党としても徹底的にこの問題をついていかなければいけない。こういうことで準備しているところです。国会対策委員会においては、そういった勉強会も始めていますが、今日、川崎国対委員長から資料を渡されまして、その中の1つは、昨日発売された文藝春秋に「消えた五箱の段ボール」という記事がございまして、それを一読しまして、大変驚いたわけです。今、裁判が行われている西松建設の違法献金事件について、陸山会に捜索押収があった数時間前に、関係者が証拠を隠滅していたということが書いてあります。しかも、証拠を隠したのは、小沢幹事長の元秘書で、現在の民主党代議士になっている石川知裕議員や樋高剛議員だということです。こういう疑惑がある以上は、その真相を徹底的に追及する必要があると考えます。
昨日の新聞にも書いてありましたが、小沢幹事長の秘書は、全て細部に渡り、全て小沢幹事長の命令に従っているだけどいう報道がありましたが、もしそれが真実であるとするならば、この証拠隠滅に関する小沢幹事長の関与ということも、追及していかなければならないのではないかと考えます。
もし、検察の国策捜査だという批判をしている背後で、このような証拠隠滅が行われているとすれば、これは言語道断、徹底的に追及しなければならないということです。この関係で、小沢幹事長の元秘書で、陸山会の資金を担当していた石川議員は、政治資金報告書に虚偽の記載をしていたということで、現在特捜部の取り調べを受けているわけですが、一部報道で、このまま逮捕されずに、在宅起訴で終わりになるということも言われています。まさか、まだ検察がそんなことを決めておられないと思いますが、もし在宅起訴で終わるとしたならば、大きな問題があると思います。これも川崎国対委員長から頂いた資料ですが、平成15年に、検察は当時自民党に所属していた坂井隆憲元衆議院議員の、1億2000万円の政治資金収支報告書の虚偽記載があったということで、国会会期中でしたが、逮捕許諾請求がありました。当時の法務省刑事局長から秘密会で説明を受けて、全会派一致で逮捕を許諾したことがありました。現在、石川議員については、4億円についての虚偽記載が明らかになっていますが、その他10数億円に上る虚偽記載の容疑も報道されているところでして、前回の坂井元議員の時に、1億2000万円で会期中でありながら逮捕許諾請求があったのが、今回はその額がはるかに高額であるにも関わらず、在宅起訴で終わるということになれば、公平性という観点から考えると極めて大きな問題です。虚偽記載額が前例をはるかに上回るだけではなく、検察の調べに対して虚偽の説明をしているという報道もあります。前回国会開会中であるにもかかわらず許諾請求をしたのに、もし今回このような処分で終わるのであれば、一体この2つの例から考えて、公平性の観点からも、国会でたださざるを得ないと考えています。

質疑応答

Q
通常国会では、民主党の石川知裕議員や樋高剛議員に対して証人喚問などを求めていくお考えですか。
A
それは国会対策の方で研究、準備をしているので、そちらの方で考えていただくわけですが、私は今の時点で、前回は1億2千万円で逮捕許諾請求、今回はどうなんだという問題意識を持って発言させていただいています。
Q
坂井隆憲氏の事件と比較すると、今回の石川議員の問題は逮捕される事案であるという認識ですか。
A
額も巨額であるし、それから取り調べに対する対応というのも問題があるのではないだろうか。それをそのような軽い処分ということで放置すると、前回の関係からして、国会でしっかりその違いを説明してもらわざるを得ないと申し上げています。
Q
それは当人ですか、もしくは捜査当局に対してですか。
A
当人というわけではなくて、それは捜査当局にもそういう説明を求めざるを得ないでしょう。
Q
小沢幹事長の責任に関してはいかがですか。
A
まずはご本人がご説明をされるべきことではないでしょうか。そして、しっかりとしたご説明ができないとなると、当然、それなりの責任の取り方を考えていただかなければなりません。
Q
それなりの責任というのは。
A
今日はそこまで。
Q
小沢幹事長に関しては、説明ができないようであれば、辞任を求めていくお考えに変わりはありませんか。
A
前回は、説明をきちんとされないのであれば、職を賭すべき問題ではないかと申し上げました。その基本認識は、今も変わっていません。
Q
政府が、永住外国人に対して地方参政権を付与する法案を通常国会に提出する動きを見せていますが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
まだ党として、結論を出しているわけではありません。実は、今日の役員連絡会でもそういう議論、私は党としての対応を早めにきちっと議論を集約しておく必要があるということを発言しました。
Q
この問題に関する谷垣総裁ご自身のお考えをお聞かせください。
A
これから党の結論をまとめますから、その前に私個人の考えを申し上げても何だと思います。
Q
在宅起訴の件について、検察が政界の実力者である小沢幹事長に配慮して、甘い処分をするのではないかとのご質問という理解でよろしいのでしょうか。
A
小沢幹事長に配慮しているかわかりませんが、一部の報道でこのまま在宅起訴で終わるという観測、観測報道だと思いますが、そういう報道もなされている。そういう記事を拝見しますと、前回の場合と今回とでは、非常に処分が違うのではないかということを申しているわけです。