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記者会見

党首討論後 谷垣禎一総裁ぶら下がり会見

平成23年2月9日(水)
於:院内第24控室

質疑応答

Q
党首討論を終えての感想をお聞かせください。
A
35分というのは短いので、菅さんも随分、冗長な答弁をしたので、思ったことをなかなか十分には言えなかったなと思いますが、しかし、一番言いたかったことは、いろいろな問題点がありますけれども、本当の意味で日本の経済、国民生活、財政、こういうものに責任を持つためには、やはり小さなことをやっていても駄目だと思います。大道を歩むということが菅さんに、今の民主党政権には、それが欠けているのではないかと言いたかったので、それは言えたと思います。
Q
菅さんの発言からは、与野党協議に巻き込みたいとの意図が見て取れましたが。
A
今日は谷垣に抱きつくぞと言って、張り切っている様子はわかりました。
Q
協議の前に解散総選挙で信を問えとおっしゃいましたが。
A
協議と言われますが、菅さんたちがやっている作業は、実は我々が政権の頃ずっとやってきまして、今日の実はペーパーを持ってきているのですが、現実にもうペーパーができています。もちろん時勢の変化で直さないといけないところは出てくると思いますが、基本線はしっかりと出しているわけです。
こう言っては何ですが、今、政府でやっているメンバーと、我々のときのメンバーは、ほとんどピックアップしてやっているので、そんなに違ったものにならない。協議しろと言うけれども、我々の已に出した案を参考にすれば良いのだと思います。そのうえで、大きな国民との信頼関係をどう築いていくか。そこの視点がなければ、小手先で言ってもだめです。現状認識を言われましたが、そんなこと菅さんに言われなくても当然共有しています。
Q
昨日から党首討論の準備をされていましたが、成果はいかがでしたか。
A
準備をした時は、これで材料が足りるかと思ったら、実際にやってみるとできないのがたくさんあって、菅さんの答弁が冗長だったこともありますが、ちょっとそういう意味では、まだ弾が十分に撃てなかったということでしょうか。
Q
谷垣総裁が菅さんをずっと見ていたのに対して、菅さんは下を見ている場面が多かったと思いますが、対峙しているときにはどのような印象をお持ちになりましたか。
A
一国の総理にこういうことを言うのは失礼ですが、私の菅総理に対する総理になられてからの、直に議論するのは去年のいつでしたか、予算委員会で議論して以来なのですが、代表質問はありますが面と向かってやるわけではありません。私の印象は、何か自信なげだなと、一国の総理にこういうことを申し上げるのは甚だ残念なのですが、何か自信に満ち溢れて議論しているように見えない。一国民として非常に残念だと思います。
Q
自信なげというのは、前に比べて、だんだん自信がなくなってきたということですか。
A
一貫してそのように見ています。
Q
山口公明党代表の質問も、マニフェストの破たんについて質問していましたが。
A
誰が見ても、今の予算委員会の議論を見ても、今日、準備していてできなかったのだけれど、子ども手当をどうするのだということで迷走しています。財源も結局十分に用意できなくて、単年度立法を繰り返している。地方負担もどうするかわからない。これが子ども手当の姿です。年金改革は民主党の金看板でしたが、これについても一元化はどうするのか、最低保障年金をどうするのかがまったく不透明です。ということはマニフェストの構造そのものが破たんしている。
今日は細かくは言えませんでしたが、要するに16.8兆円を捻出してやるのだと。実際にできているのは2.3兆円です。この2年間で12.6兆円と約束していたのに、2.3兆円だけです。あと1.3兆円、増税でもって3.6兆円の財源を出してきていますが、無駄を省いたのは2.3兆円です。無駄を省いて財源を捻出する中で大きなものは一括交付金です。一括交付金で6.1兆円を出すと言っていますが、今年やったのは300億円です。絶対に財源が足らないというのは、見る人が見れば明明白白です。
しかも、財源が得られても全部バラマキに使ってしまって、少しも財政状況は改善されない。しかも財政状況が改善されないどころか、毎年1兆円、社会保障費が増えていく。我々は政権の時、それに一番苦しんだわけです。それで2200億円増えたのではたまらないから、2200億円はカットしてくれと。つまり、8000億円ほどの増高に抑えようとしたことが、随分批判を受けたわけです。自民党は社会保障に厳しいのではないかと。我々が下野した原因のすべてだとは言いませんが、かなりの部分がそれだったのです。我々は苦しみに、苦しみ抜いたのですよ。彼らだって、それを知らないはずはないのです。これらの衆議院選挙の時のマニフェストには、2200億円の削減はやらない、問題の所在は明確にしていたということです。明確に知っていたけども、あれを裏返して、矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)、行間を読むように読んでも、この1兆円毎年増えていくのをどうするか。ただの1行も書いていない。つまり、これをやればやるほど、悪くなるのですよ。だから、そこを見直さない限り、駄目だと思っています。
Q
自公で足並みがそろっていた件ですが。
A
話が脱線してしまいましたが、誰が見ても、全部あれを擁護しようと、互協的立場でやるなら別として、今の政策の根本を曇りなく見れば、そこに問題が明らかなんです。批判ばかりするなとおっしゃるけれども、そういう根本的な問題を指摘しないような野党は一体なんだということになります。そういうことを捨てておいて、協議に応じて、わかったと。菅さん、あなたの言うとおり消費税をやろうよというようなことになったら、それは国民からの信頼を得られません。今日は、カド番になったから、八百長で1つ星を貸してくれという馬鹿なことはできますかと思っています。
Q
マニフェストの破綻、財源問題について、質問されたわけですが、やり取りを聞いていると、その中で、その中で社会保障と税の一体改革と一体大きな改革を菅さんが成し遂げるのにリーダーシップがあるのか、相応しい人物なのかどうか、そういうところを質したいという意図はあったのですか。
A
一言で言えば、「どうしても今度は本気でおやりになるのですか」という気持ちが私の中にないわけではないのです。初めから失礼なことを言おうとしているわけではありませんが、どうしても口調に、「今度は本気ですか」というのが出てしまうのだと思います。
山口代表の質問も非常に良かったです。政府だけでなく、党をちゃんとまとめられるのかということを、山口代表は行っておられた。そこもポイントです。
Q
国民からの信頼を得られていないことを何度も強調されていましたが、それは、民主党が参議院選挙で負けたからですか。
A
負けたからではなくて、もっと端的に言えば、嘘をついたからです。できもしないことをやると言って、できていないわけです。今のマニフェストの問題はまさにそういうことです。マニフェストなんか、時勢の変化で見直すところがあるとは思いますが、根本構造がこんなに(違っていて)、知っていてやったのも悪質だけれども、知らなかったとすれば、これは資質の問題です。つまり、そういうところで、皆、大丈夫かと思っているわけです。だから、そこのところを解消しないと、なかなか進まないと思っています。だから、「急がば回れ」ではないのかということを申し上げたのです。
Q
菅総理の答弁の中で、マニフェストに明確に、平成23年度に16兆と書いてあるのに、マニフェストは4年で達成するものと言ってみたり、参議院選挙のマニフェストを持ち出して、衆議院選挙では国民の信を得たとしても、参議院選挙では負け、信を得ていないマニフェストに書いてあるというすり替えが目立ったのですが、菅さんと今後どんな議論をしたいとお考えですか。
A
私が一番言いたいのは、このままでは、今の日本の財政状況や何かを乗り越えることができないということで、本当は批判ばかりしているのは本意ではないのです。菅さんは大きな意味で、団塊の世代が引退するし、リーマン・ショックなどで大きなタイムスケジュールを変えなければならない。あの人に言われたくない気もするが、基本的には共有しています。本当は、もう少し前向きなことができないといけないのでしょう。
Q
党首討論は何度でもやりたいとお考えですか。
A
原則は毎週やることになっているですが、それが形骸化されているということです。毎週ということでなくても、もう少しやっても良いのではないでしょうか。
Q
今日の党首討論を委員会室で聞いていますと、野次が非常に大きく、菅総理の答弁が聞こえない時もありました。かなり総裁を応援する言葉もありましたが。
A
時々聞こえない時もあったのも事実です。私は、今まで自分が本会議で演説したり、質問したりしましたが、最上の質問は、やはり満場シーンとなって、野次も起きない。皆がその議論に集中している。それが最上です。でも、そんなのは、今まで国会に28年いますが、ほとんど記憶がないですね。一番悪いのは、議場は静かだけど、皆緊張感がなく、半分居眠りしていることです。ある意味、野次が飛ぶことは、子供に見せたら何だと言われるけれども、皆だらけて寝ているよりは良いかと思います。