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記者会見

谷垣禎一総裁 定例記者会見

平成23年1月13日(木)
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

【谷垣禎一総裁発言】

第1は、国会の召集についてです。例年であれば、今の時期になりますと、国会召集の日程、国会の基本的な設計図が示されるはずですが、今年は、民主党が党内抗争に明け暮れているせいか、未だに通常国会のスケジュールというものが明確になっておりません。現下の国民生活を考えると大変政治の責任を放棄した、遺憾なことだと申し上げざるを得ないわけです。国会召集を行うには、昨年、参議院で、官房長官と国土交通大臣の問責決議案が可決されております。参議院、立法府の一院の政治的意思の表明です。これを真摯に受け止めて、新しい体制の下で一刻も早く国会をきちんと開くべきだということを強く申し上げたいと思います。
もう1点、民主党からマニフェストの見直しのような話が出てきております。これはマニフェストが現実の基礎を欠いていた、私の用語で言うと砂上の楼閣であったことを彼らも認識し始めていることではありますが、しかし、一昨年の選挙で、これを掲げ、民主党は(総選挙を)戦って、国民との契約であるとまで豪語したのです。国民との契約をご破算にするのであれば、当然そのご破算にする手続きがなければならない。手続きなしに債務不履行を、債務の契約条件を変更するというのは、通らない話であると強く申し上げたいと思います。

質疑応答

Q
今日、与謝野馨氏がたちあがれ日本を離党しました。入閣も取りざたされていますが、総裁の受け止めをお聞かせください。また、与謝野氏が入閣した場合、民主党との税制を巡る政策協議に、どのような影響がありますか。
A
現時点でこの問題を論評する必要は全くないと思います。
Q
与謝野氏は、自民党の比例代表で当選して、たちあがれ日本に行き、離党という形になりました。こうした議員の行動のあり方について、今後の対応策など、どのようにお考えですか。
A
あえて言うならば、出処進退に対する考えはそれぞれだなと。私どもの出処進退に関する考えとは違うなと。今日申し上げられるのは、そのぐらいではないでしょうか。
Q
与謝野氏の政治行動を思い返してみると、自民党を離党された時、「鳩山政権を倒す気概がない。そういう谷垣さんに失望した」と谷垣総裁を批判し、それから約1年が経ちました。総裁のご所見をお聞かせください。
A
その話題ばかり集中しますが、先程申し上げたように、現時点で論評するような価値は全くないのではないでしょうか。私はそのように思っています。
Q
12月27日、たちあがれ日本が連立に参加するかどうか、議員総会を開いた時に、与謝野氏の主張は、「民主・自民両党の大連立の呼び水になる。だから、たちあがれ日本が菅政権に協力する」ということでした。重要なポストに就き、自民党に連立の打診等が、与謝野氏からあった場合、どのように対応されますか。
A
先程申し上げていることは、論評に全く値しないということであって、先程の私の発言から、どのように私が見ているのか、ご想像いただきたいと思います。
Q
財政健全化責任法(バラマキ阻止法)の作成には、与謝野氏が大きく関わったのですが、与謝野氏の立場に関わらず、自民党は、次の通常国会でも引き続き成立を目指すのですか。
A
そうです。
Q
与謝野氏が入閣してもその法律を通すのですか。
A
あえて一言付け加えますと、極めて頭の良い、政策マンとしては、なかなか大した方であることは、私はそれを認めます。たた、政治家としての行動、出処進退に対する考え方は私どもと違う。私が申し上げられるのは、それだけです。
Q
今日、民主党の鉢呂国対委員長から仙谷官房長官、馬淵国土交通大臣の交代が伝えられ、それを受けて国会も始まると思いますが、その受け止めをお聞かせください。
A
要するに、国会を開くということは、召集の権限は政府にあるわけです。これは行政にとって大変大事なことであり、国政にとっても極めて大事なことでありますから、従来、内閣の大番頭である官房長官が、きちっとそれを伝達される慣行が作られたわけです。私は、その慣行は正しいものであって、それを崩すようなことはよくないと思います。やはり、先人が国会運営で知恵を出して、きちっとしたものを作ってきた。それを重視すべきだと思っています。そして官房長官というのは、まず陛下が認証されて、その上で、官房長官という国務大臣と言うだけではなく、補職というものがあるわけです。その手続きがきちっと終わって、内閣官房長官であるわけです。その手続きをきちっと踏んでいただくことは、私は当然なさるべきことだと思いますし、それがあって初めて、国会の召集等々のいろいろな手続きが動くのだと思います。
Q
仮に若干の内閣改造で仙谷官房長官、馬淵国交相が交代となった際、攻撃材料がなくなりますが、自民党として、どのように民主党に対峙していくか、次の展開について、どのようにお考えですか。
A
国会召集の手続きは、先ほど申し上げたような手続きがしっかりと運ばれていくのであれば、手続きは進んでいくということです。それで我々がこうでなければならないと申し上げていたひとつの条件は、そうなればクリアすることになるだろうと思います。
ただ前国会からの積み残しがたくさんあるわけで、そういういった問題をどう前捌きしてこられるのかということも、我々は注視しなければならないと思います。
Q
前国会からの積み残しの中には、小沢一郎元代表の政治とカネの問題も含まれますか。
A
そうですね。一体どうされるのかということはあります。
Q
仙谷官房長官の交代が内定しているようですが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
まだ内定の段階で、いろいろ申し上げるのはどうかなと私は思います。ただあえて、せっかくのお尋ねなのであえて申し上げれば、当然、問責という一院の意思表示を受けて、それにしっかりとお答えになることは、行政府として今後、立法府との関係を進めようとされるのであれば、当然のことだと思います。
Q
仙谷官房長官の後任に、枝野幹事長代理の起用が内定しているようですが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
しっかりと組閣が終わったら、また申し上げたいと思います。まだ決まっていない段階で、変わるかもしれませんし、あまりいろいろなことを言う必要はないのだと思います。
Q
仙谷官房長官の次のポストは、国対委員長とも言われていますが。
A
昔からこういうときの答弁はパターンが決まっていまして、などと言うと柳田前法務大臣の二の舞を踏むといけませんが、仮定のご質問にはお答えできませんということになります。すみません。木で鼻をくくったような答弁で。
Q
仙谷官房長官と馬淵国交相の問責が可決されたことについて、政府民主党は憲法論を持ち出して内閣不信任案と問責の違いを主張していますが、問責が可決されれば、その大臣は自動的に辞任すべきだとお考えですか。
A
内閣不信任案が通れば、これは憲法上、内閣は総辞職するか、あるいは衆院を解散しなければいけない。これは憲法に明記されていますし、当然に法的効果があるわけです。しかし、それ以外の不信任案と称するものであったり、あるいは問責決議案と称するものが仮に可決されても、そのような法的効果を伴うものではない。このことも明らかです。
ただ、では法的効果がなければ、まったく何の意味もないものかと言えば、そういうことではないので、それを可決した、今回の場合で言えば参院として、当然、この大臣は信任できない。ともに議論できない。こういう政治的意思を表明しているわけです。そうしますと次はそれに対してどういう態度をとっていくかは、そのときの政治状況を見ながら内閣が判断することではないでしょうか。いろいろなことがあり得ると思います。そういう政治的な決断だと思います。
Q
政治状況を見ながら、そのときの内閣が判断するということですか。
A
それに対して、また立法府がどう答えていくかという無限連鎖とは申しませんが、そういうことがありますから、そういうことを判断してどう行動を決めていくかということではないでしょうか。
それと同時にこういう問題を考えるときに手がかりになるのは先例です。直ちに退任に至らなくても、いずれかの形で解散をしたり、そう遠くない時期に辞められるというような先例もありました。法的なものではない政治的なものですから、そこに法的なものほど選択肢は狭いわけではないんだろうとは思いますが、そういった先例も考えて、一院の政治的な意思表示であるということを十分に考えて対応していくということではないでしょうか。
ここは対応を誤りますと、悪しき先例が積み重ねられるということになります。そのあたりを考えて、今、ボールは政府に行っているので、どうお答えになるのか。その答え次第では、我々もどう対応していくのかが問われると思います。
Q
与謝野氏は本日の離党記者会見で、今年は国勢調査の速報値が出てくるので、選挙区の区割りの見直しの議論が始まるので解散権が制約されるとの考えを示しましたが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
これも今申し上げたような法的に考えるか、政治的に考えるかによって答えは若干違うと思います。しかし解散権がなぜあるかというと、立法府と行政府が対立して国民生活に関するいろいろな問題が処理できないとか、打開できないという場合に解散権というものが問題になるわけです。だから、そういう区割りの問題があるから、すべてこれが縛られるとしてしまえば、そういう状況を打開できないままに進んでしまうということもあり得ます。ですから、区割りの問題があるからといって、すべて縛られると考える必要はないと思います。
Q
特に考慮する必要はないとお考えですか。
A
そこも考慮しながら判断するのであって、考慮しないとは私は申しません。ただやはり問題の打開ができなくて、国民生活が危機に瀕するとなれば、それは解散権を発動しなければならないことも当然にあると思います。