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記者会見

党首討論後 谷垣禎一総裁ぶら下がり会見

平成23年2月23日(水)
於:院内第24控室

質疑応答

Q
党首討論を終えた感想をお聞かせください。
A
結局、前回のときは、マニフェストの正統性の損失、マニフェストが非常に崩壊したということに焦点をあてましたが、今回は民主党の16人が会派離脱をおっしゃって、完全にガバナビリティーの喪失がはっきりした。そういうことが今回のテーマで、事実、その点ははっきり表れていると思います。
外交については、ロシア外交だってやはり河野大使のことを挙げましたが、一度罷免すると言っておいて、その後、何カ月も後任も決まらない。こういう状況で本当に求心力のある外交ができるのか。こういう人事を放置していること自体信じられません。
その他も用意しましたが、時間の都合で全部言えませんでしたが、菅政権のグリップの衰えはある程度浮かび上がらせることができたと思っています。
Q
ガバナビリティーのなさの部分では、特にどのような点で浮かび上がらせることができたとお考えですか。
A
菅さんも、私は驚いたのですが、自分のときの金融国会の例を挙げて、丸飲みできるくらいの良い予算をやってくれと。予算の組み替え動議を出してくれと。これはちょっと、開いた口がふさがらない発言です。法律というのは、我々は立法府にいますから、与党であろうと野党であろうと出しますが、予算の提出権は内閣にしかありません。彼らが完全に飲める組み替え動議というのは、そんなことがあったら野党の組み替え動議を飲むようなことがあったら、不信任案に限りなく近いと我々は理解してきましたが、そんなことをポロっと発言するあたりに、議会制民主主義に対する根本的な、何か感覚の、なんというか、エイリアンと言ったらいいのか、そういう感じを受けました。
Q
逆に追い込めきれなかった部分はありますか。
A
例えば、もう少し用意したのは、中東でいろいろなことが起こっています。これは我々にはすぐにこのことは原油価格の高騰、エネルギーが確保できるかなど、我々の生活に直結する問題ですし、そういう意味で中東には日本人がたくさん活動していますが、果たしてこの問題が起こった時に、では中東問題に対してどういう対応をしたのか。例えば、担当大臣をすぐに派遣するとか、そういうこともない。
なぜこういうことを申し上げるのかというと、我々は野党になってから、何人かの中東関係者から民主党政権になって中東への関心がものすごく落ちていると聞いていたので、そのときは、いまのような動乱があちこちで起こっている状況ではありませんでしたが、その対応を見ていると基本的に関心がないではないか。この政権には。
そういう感じが、そういう問題はいくつか用意していましたが、ロシアみたいな大国で、確か本当に河野さんがそうおっしゃったのかはわかりませんが、「ロシアの事情に疎いからと」、そういうことをあとで誰かおっしゃったわけですが、それで罷免したはずで、全然補充人事をしないということはちょっと信じられない、言ってみれば無責任というか、関心のなさというか、もう少しロシアをどうしていくのかという関心を持っていれば、おのずから対応は違ってくると思います。
Q
菅総理は、自民党が予算と関連法案を通さないのは政局だと言い放っていましたが。
A
予算を野党が賛成するようになれば、議会制民主主義、野党がみんな予算を賛成する、そんな議会が今まであったでしょうか。それは基本的な問題です。初めから予算に賛成するくらいなら連立政権でしょう、と思います。
Q
仮に政府が予算と関連法案を分離して、衆院に関連法案を残した場合、どのように対応しますか。
A
採決しないで握りつぶすというか、いろいろやっていくというのに、野党としては衆院で多数を持っていないので、なかなか対応は簡単ではないことは事実です。ただ予算というのは歳出権限です。特例公債法であれ、税法というのは歳入です。歳出と歳入が無関係に議論することは、そもそもおかしいと思います。法形式は、予算と法は違いますが、基本的に一体なものなので、それを党利党略で握っている。これは、我々は今、衆院にいますから参院のことを云々する場合ではありませんが、参院側はそういう扱いで、税法がいつまでも来ない状況の下で、予算をどう扱うのかというのは、随分と変な話だと思います。
Q
つまり与党側が予算を衆院通過させた時点で、野党との協議の意思はないと理解するということですか。
A
それは、いろいろ考えているとは思います。邪のことなのか、“縦じま”なことかはわかりませんが、あまり憲政の常道から外れた手練手管で行くと、かえってうまくいかないと思います。
Q
公明党とは打ち合わせをされたのですか。
A
だいたい今度は、今までは内政のことだから、今度は外交を触れなければという程度の話はしました。
Q
菅総理に対して、「頭に血が上っている」「政局が好き」など挑発的な発言があったと思いますが、これは戦略だったのでしょうか。
A
戦略というほど、私は悪人ではないので、おのずからなる反応ということだと思います。言ってみれば、菅さんは、前回に比べるとだいぶハイテンションだったと思います。何か、こうそういう感じでハイテンションだったらうまくいくという意味ではありませんが、だから山口代表から「北風ピューピュー吹かしても」と言われてしまったのでないでしょうか。