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記者会見

谷垣禎一総裁 定例記者会見

平成23年2月17日(木)
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

【谷垣禎一総裁発言】

最初に、昨日、民主党から野党6党による小沢元代表の証人喚問要求への回答が示されました。我々が、政治とカネの問題を乗り越えていこう、ページをめくろうと提案したわけですが、この問題を積極的に解決しようとする意思は全く見受けられず、事実上のゼロ回答と言うべきものであったということです。菅総理も、最終的に私の判断が必要ならば、対応したいと言っておられたわけですが、結局のところ、決断の先送りである。逃げの姿勢に終始していると言わざるを得ません。また、民主党の自浄能力に大いにクエッションマークがつくという現状です。衆議院での予算案通過までに責任を果たすということですが、まさに方便としか言いようがないのではないかと思います。我々は、引き続き証人喚問の実施を要求していくということです。
それから、今日は民主党議員16名が衆議院の民主党会派を離脱するというニュースが飛び込んで来ました。この16名の方々の記者会見等々を伺うと、まさに我々が従来指摘していたマニフェストの旗、あるいは政権の正当性の崩壊を、民主党・与党の内部からそれを認める声が大きく出てきたということです。そして、党内の権力闘争を国会にまで持ち込んでくる民主党の姿勢、これは憲政の正常な姿とあまりにも違う。政党崩壊の序曲が始まったということではないかと思います。代表として、党内をコントロールすることすらできない。院内会派の維持すら難しくなっている。こういう今の政権に、日本の舵取りを任せておくことはできないということがますます明確になってきたわけです。私も何度も党首討論等でも申し上げておりますが、こういった行き詰った現状を打開するためには、もう一度国民に信を問うて、国民との信頼関係を作り直していくことがなければならない。この思いをますます強くしたところです。
最後に、民主党の国会運営について、野党が反対する中で、地方公聴会から1週間の間をおいて(中央公聴会を)セットするというルールがありましたが、その1週間ルールも破って、職権で公聴会を設定したわけですが、その直後に子ども手当法案の本会議も職権でセットした。このちぐはぐぶり、結果として本会議は延期されることになりましたが、結果として無用な混乱を招いただけであったということです。熟議の国会ということを菅総理は掲げていますが、与野党の話し合いとか丁寧な国会運営と全く逆のことをやっている。言っていることとやっていることが全く違う。与野党間の信頼関係を築くことがますます難しくなってきたと言わざるを得ません。

質疑応答

Q
民主党所属議員の16名が会派離脱届を岡田幹事長に対して提出しましたが、今後、自民党として、この勢力とはどのように連携する、できる可能性があるとお考えですか。
A
今のご質問に、直接答えるにはあまりにも、彼らの思想、行動に対する材料が乏しいと思っています。ただ言えることは、マニフェストを撤回することの国民への背信性と、正当性の喪失。この点での認識はまったくその限りにおいては共通しているので、今後、彼らの動きがどういうことになるのか、関心を持って見ていく必要があると思っています。
Q
時事通信の世論調査で、菅内閣の支持率が17.8%と民主党政権で過去最低を記録しました。一方で、民主党と自民党の政党支持率は下落傾向、「支持政党なし」が増加傾向にありますが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
そういう数字は、謙虚に受け止めて、どうしたら我々に対する支持を広げられるか。更に工夫と努力をすべきであることは、言うまでもないことだと思います。現状の数字に関しては、政権の統治能力に大いに失望感がある半面、彼らもいろいろと我々に対して、罵詈讒謗(ばりざんぼう)を浴びせる宣伝戦を行っています。
菅さんの党首討論におけるカンニングペーパーがある週刊誌に出ていましたが、「真摯に協議を求める菅に対して、頭から協議を拒否する谷垣」というような趣旨のことが書いてあって、一生懸命、そういう姿を国民に印象付けようという作戦があります。
事実は、我々は審議拒否しているわけでもないし、協議、協議と言っても、何も暗闇でこっそり協議するのが、そればかりではありません。国会の予算委員会で、堂々と自民党が何を考えているのか。自民党と民主党の違いはどこにあるのか。これも立派な協議なので、そういう誹謗中傷の効果も若干あるのかなと思っています。
Q
「支持政党なし」が増加していることについて、既存政党への不満が背景にあるのではとの見方もありますが。
A
そういう議論もあるんだとは思いますが、それに対して私どもには、自民党であればどう考えるかということをもっと言えというご意見もあるのは事実です。やはり議論していない、議論していないというようなことではなくて、予算委員会などでしっかりと自民党と民主党の違いを明らかにしていく。それをしっかりとやっているんだという地道な努力を訴えていくことではないかと思います。
Q
本日、社民党の阿部知子政審会長と民主党の城島光力政調会長代理が国会内で会談し、特例公債法についても、社民党は賛成するのは難しい、反対になりつつあると発言したとのことです。自民党としては、特定公債法については否決するということで変わりありませんか。また、協議については、政府の方から、何らかの呼びかけがなければ、対応策を考える必要はないというスタンスに変わりはありませんか。
A
これは、やはりもし通らなかった時、どうなるのかという議論は、政権与党の方で問題点を整理して、どうするかということをまずお出しになるべきことではなのではないでしょうか。国会・予算委員会の審議日程も、大体方向感が出てきたので、その辺をどうしていくのか、まず与党から何らかのアクション、提案があるのではないかと思っています。
Q
冒頭、「行き詰った現状を打開するためには、もう一度国民に信を問うて、国民との信頼関係を作り直していくことがなければならない」と解散総選挙を求めましたが、民主党内の亀裂が深まる中、早期解散を求めていく戦略が具体的になっていくとお考えですか。
A
具体的になっていくというよりも、やはりそれぞれが規律ある行動ができるかできないかが大きなポイントです。やはり国民生活にあまり大きな悪影響を与えずに、政治が果たすべき役割を果たしていくのが一番良いわけです。私は党首討論でも申し上げているように、平成24年度は本当に予算を組めるのか、これは野党も無関心であって良いはずがないのであって、そのために国民に信を問うことが一番の近道ではないか。急がば回れではないかと申し上げてきたわけです。しかし、その前提は、それぞれが国民生活に責任を持ちながら、ある程度行動できるという前提で組み立てた考え方ですから、それが崩壊の過程を辿っているとなると、それが場合によっては、我々にプラスに働く場合もあると思います。しかし、場合によっては、なかなか政治全体がコントロール不能なものになっていく恐れもあると思います。私はそこのところ十分に読み切れておりません。
Q
15日(火)に、国民新党の下地幹郎幹事長が「郵政法案が今国会で成立しない場合は、倒閣運動に踏み出す」という発言がありましたが、倒閣運動に踏み出した場合の自民党の対応について、お聞かせください。
A
この郵政法案に対する考え方は、我々と下地幹事長のところでは、若干なのか、うんとなのか、違いますので、すべてご一緒にできるということではないと思います。むしろそういう政権自体が自壊過程に入っている中で、今も申し上げましたが、それが果たして、全体の秩序ある今の問題点の打開に向かっていくのか、それとも非常に大きな混乱になっていくのか、そこは良く見極めながら、進めていきたいと思います。
Q
先日、ワタミグループの前会長の渡辺美樹氏が東京都知事選挙への出馬を表明しました。渡辺氏は、かつて自民党政権下で、教育再生会議に参加するなど、どちらかといえば自民党が発掘した人材というイメージも強いのですが、渡辺氏の出馬について、どのようにお考えですか。また、現職の石原慎太郎都知事に出馬してもらいたいというお考えに変わりはありませんか。
A
これは、石原伸晃幹事長が都連会長でもありますので、石原幹事長を中心に、都連と選対本部が緊密に連携しながら、問題点を整理して対応を決めていくと思います。それを飛び越えて、今、私がコメントするつもりはありません。
Q
コントロール不能な混乱とおっしゃいましたが、どのような事態を想定しているのでしょうか。もし、混乱した場合、どのように自民党は進んでいくとお考えですか。
A
いろいろな事態が推定されますから、一本の馬車道が通っているというわけではありません。やはり、我々は長い間政治に責任を持ってきた政党ですから、根本的な意味で国民生活を混乱させてはいけないということで、大道を歩んでいくことに尽きます。