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記者会見

党新執行部記者会見(役員会後)

平成27年10月7日(水)11:30~12:00
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

党新執行部

【高村正彦副総裁】

 こんにちは。引き続いて副総裁を拝命いたしました高村正彦であります。
 政高党低であろうと党高政低であろうと、国民のための政治を前に進めることがいい政治だと思いますので、引き続いて総理・総裁をしっかりと支えていきたいと思っております。党4役、いずれもしっかりした練達の士でありますので、大船に乗ったつもりで、しかし緊張感を失わずにやっていきたいと思っております。

【谷垣禎一幹事長】

 引き続き幹事長を拝命いたしました谷垣禎一です。
 今までで平和安全法制その他の問題を前国会では処理をすることができたわけでございますが、さらに国民の理解をしっかり得ていく。そしてアベノミクスの新しいフェーズ、「新・3本の矢」をしっかり肉付けをしていかなければなりません。難問も山積しております。党が一致結束して、私どもは与党でございますので、政権を支えられますように全力を挙げる所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【二階俊博総務会長】

 引き続き総務会長を拝命しました二階俊博であります。
 総務会というところは、いろいろな練達のメンバーが揃われて大変活発な意見が交わされる部分でありますが、私は、政調会長ともよく連携を取って、「今日、政調会を終えてきたのだから、総務会で了承してもらって、明日は閣議にかけなければいけない」、こんなことをぎりぎりの日程を組んで我々のところへ押し込んできますが、これでは落ち着いた議論も重要な議論もできないわけですから、何でも「早く了承して次へ進ませろ」というやり方は、我々は受け付けないつもりでおります。したがって、よく党内融和の下に立派な政策を打ち立てていくためにそれなりの努力を必要とするわけでありますが、我々もしっかり頑張って期待に応えたいと思っております。

【稲田朋美政調会長】

 昨年、政調会長に就任して以来、多くの方々にご指導、そして支えられて職務を遂行し、またこのたび、引き続き政調会長という重責を担わせていただくことに身の引き締まる思いでございます。 安倍政権第2ステージ、アベノミクス第2ステージ、まさしく正念場だと思っておりますし、TPPという大変意義のある大筋合意ができましたが、国内対策もしっかりと講じていき、予算、さらには参議院選挙の公約作り、自民党らしい政策を進めてまいりたいと思っております。また、党内で大きな議論があり、財政再建の計画を骨太の方針に入れていただいたことを形にし、また3年間、安倍政権が取り組んできた、難しいが大きな改革にきちんと取り組んでいく姿勢を党側からも発信をしてまいりたいと思っております。自民党の良さは、295小選挙区、そして参議院の先生方からの多くの第一線の国民の皆さん方の意見を政策にしていくことでありますので、そういった点を踏まえてこれからも緊張感を持って取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

【茂木敏充選対委員長】

 引き続き選挙対策委員長を務めることになりました。よろしくお願い申し上げる次第であります。
 何より来年の参院選に勝利することが最大の使命と考えております。振り返ると自民党は2012年12月の総選挙で、「日本を、取り戻す」というキャッチフレーズの下で政権を奪還いたしました。そして2013年夏の参院選に勝利をすることによって、衆参のねじれも解消いたしました。私が選挙対策委員長に就任して以降も、昨年末の衆院選で、2回連続で290議席以上獲得し、安定政権を確立することができました。さらに今年4月の統一地方選、10の知事選の勝利、さらには41道府県議会で実に24年ぶりに過半数を獲得する、こういった成果によりまして地方の基盤も強化することができました。こういった一連の選挙の最終決戦が来年の参院選でありまして、緊張感を持って臨んでいきたいと思っております。
個人的に「選挙にマジックはない」、このように考えております。政権政党として日本が直面する様々な課題について一つ一つ進め、決め、そして結果を出す、これが国民の期待、そして希望を広げ、政権に対する、また自民党に対する信頼につながる、これ以外で勝利をする道はない、こういった思いで今後の党運営、そして来年の参議院選挙に臨んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

質疑応答

(代表質問)産経新聞の水内です。谷垣幹事長と稲田政調会長に一問ずつご質問します。
 まず谷垣幹事長に質問です。安倍総裁の任期も2期目に入り、政権の折り返し地点に来ています。経済再生を第一に掲げる安倍総裁を、今後どのように党側から支えていかれるのでしょうか。また来年夏には参議院選挙が控えておりますが、どう取り組まれるのでしょうか。党として一番訴えたいことは何でしょうか。
 また稲田政調会長に質問です。先ほどもお話がありましたが、参議院選挙の公約作りに今後取り組まれることになると思います。何に重点を置き、何を最も訴えていきたいと考えているのでしょうか。
(谷垣幹事長): 安倍政権も2期目に入りました。今おっしゃったように、この間安倍総裁が記者会見をされまして、一億総活躍社会、第2のフェーズであるということをおっしゃいました。あのなかで、新しい3本の矢というものを提示されまして、これを党の側でも、これは主として政調会長の仕事ですが、具体的に肉付けをしていく。そしてやはり政策を進めていくには国民の理解を得ていく必要がありますが、まずそのためには党内でやはり活発な議論をしていくということが必要ではないかと思っております。そういうことをして、皆が一丸となって臨んでいける、党が一丸となって政権を支える態勢を作り上げていくということではないかと思います。新しい3本の矢、新しい政策、こういうことを安倍総裁は言っておられるわけですが、ちょうど時あたかもTPPへの大筋合意が成立しました。これは新しい、世界のGDPの4割近い国が参加をする、これは新しい刺激を我々の地域に与えると思います。そういう意味で、これは追い風にもなる。しかし他方、日本の国内産業、特に農業等がそのなかでしっかりやっていけるような骨組みを、これはもう党を挙げて議論をして作っていかなければならない。こういう非常にまた難しい時期でもあろうかと思っております。それをしっかりやっていく。そしてそういったことの結果は、先ほど選対委員長がおっしゃいましたように、参議院選挙でしっかりと国民の理解を得られるような態勢を作っていくということではないかと思っております。よろしくお願いします。
(稲田政調会長): 来年の参院選、大変大切な戦いです。そしてこの参院選に向けての公約作り、非常に大きな政調としての役目だと思っています。まずは、昨年の衆院選で、経済再生と財政再建、「二兎を追って二兎を得る」ということをお約束をして勝ったわけでありますから、その点についてのしっかりとした政策を訴えてまいりたいと思っております。特に、アベノミクス第2ステージに入ったということですが、政権を奪還をして日本を取り戻す戦いということで政権を奪還した3年前のとき以来の安倍政権の成果と同時に、この第2ステージに向けた政策をきちんと公約の中に盛り込むということであります。大きな課題として、今、幹事長がおっしゃいました、例えばTPP、この意義をしっかりと経済、そして農業、さらには外交面の維持を訴えると同時に、例えば農業についての影響、そしてそれに対する対策をきちんと訴えていくということも重要であろうかと思いますし、先ほど申しましたが、3年間取り組んできた安倍政権の改革の姿勢、非常に大きな、しかし本質的な改革にきちんと取り組んでいくということも、公約、また参院選を通じて訴えていくということが重要なのではないかと考えております。
共同通信の丹羽です。高村副総裁にお聞きいたします。先般成立した平和安全法制について、次の参院選で野党は争点化を図ろうとしています。党としてこれからどのようにまだまだ進んでいない国民の理解を得ていこうとお考えでしょうか。これからの取り組みについて教えてください。
(高村副総裁): 平和安全法制というのは、国会審議が進んでいるなか、特に野党第一党が「廃案を目指す」と最初から言っている状況のなかでは対立が先鋭化してなかなか不安を掻き立てられるということでありましたが、これから多くの国民が少し冷静になってみていただければ、「戦争法案なんていうことはないね」、あるいは「徴兵制なんてありっこないね」ということは分かっていただきやすい状況になってくると思いますので、そういうなかでしっかりと、質問に答えるという形ではなくて全体的な話をしっかりと政府としても党としても国民にご説明ができる、そういう状況にこれからなってくるのだと思います。この法案をどのように説明していくかということはむしろ幹事長とか政調会長とか、あるいは国民運動本部長がどういう形でやるかということで、私はむしろ一兵卒として「どこに行け」と言われればそれに応えて説明をしてまいりたいと思っております。
日本経済新聞の酒井です。茂木選対委員長に伺います。先ほど「最終決戦」という言葉で来年の参院選の決意を述べられましたが、候補者調整について、野党に比べて進んでいると思いますが、今後の調整のスケジュールと、今後、候補者擁立で重視する点はどういう点があるのか、また前回の参院選は65議席と現行勢力では最多の議席を獲得していますが、現時点の獲得議席目標があればお願いします。
(茂木選対委員長): 来年の参議院選挙、安倍総裁もおっしゃるようにわが党にとって極めて重要な選挙であります。選挙に勝利をし、安定政権を作り、そして日本の国をさらに前に進める、こういう基本方針の下で取り組みたいと思っておりますが、勝敗ラインや獲得議席目標というのは、なかなかまだ日経新聞ほど先取りができておりませんので、若干早いかなと考えております。候補者の擁立、これは前回と比べても、また他党と比べても順調に進んでいると思います。今後、まだ残っている選挙区、さらにはそれぞれの選挙区における選挙態勢作り、こういったものを加速をしていきたいと考えております。複数区、そして1人区、さらに比例区、それぞれ重要であります。戦い方の違いもありますので、候補者であったり、それからまた各都道府県連、さらには支援団体等々とも相談をしながら具体的な戦略をこれから煮詰めていきたいと考えておりますが、先ほど申し上げたように、基本はやはり政権与党としてしっかりとそれぞれの課題について結果を出す、それによって国民の信頼を得る、これが王道だと考えております。
朝日新聞の笹川です。谷垣幹事長に伺います。平和安全法制について高村副総裁が「国民への説明の進め方については幹事長や政調会長がやることだ」ということでしたのでお尋ねしますが、まだ国民の理解は十分に進んでいないと思いますが、具体的にどのように説明を進めていくのかということと、この説明は参院選でも国民に対してやっていくということでよろしいでしょうか。
(谷垣幹事長): 先ほど高村副総裁がおっしゃいましたように、ややこの種の議論は日本の政治では対立点が強調された、先鋭化された議論になっていくという傾向がございます。ですから、一つの論点に絞ってやるというよりも、全体的に日本の平和と安全をどのようにして確保していくべきかというような議論を一番基礎的なところからやっていく必要があるのかなと私は思っております。すでにこの問題に関しては、衛藤晟一首相補佐官が非常に全体の説明等に苦労されまして、資料等も作りました。また各都道府県連でもそれぞれ説明会というか議論の徹底を図るような指示を出しておりますので、そういう今まで出してきた方針に則りましてやっていく必要があるのかなと思います。こういうことでありますから、日本の平和と安全をどういう形で守っていくのかという議論は幅広い議論でございますので、単発的な議論ではありません。こういう日本の安全保障の基礎は何なのかという議論は繰り返し繰り返し提起をし、説明をし、議論をしていく必要がある、そういう方針で臨みたいと思っております。
朝日新聞の笹川です。参院選についてはいかがでしょうか。
(谷垣幹事長): まさに参院選というだけではなくて幅広く、局部に集中した先鋭な対立をあおるというような議論ではなくて、日本の平和と安全を守るにはどういうことを考えていったらいいのか、言うなれば、日本の安全保障、国防の基本方針というのはいかにあるべきかというようなところを十分まず議論しませんと、「こういう場合はどうなんだ」などという局部の議論だけをしても方向性が定まらないと私は思っております。
産経新聞の水内です。谷垣幹事長に伺います。これから官邸では組閣が行われることになります。安倍総裁から今回の改造について具体的にどのようなことを重視されるのかという話を幹事長は何か聞いていますでしょうか。また党として今回の組閣で期待する点などあればお願いします。
(谷垣幹事長): 安倍総裁のご方針は、もうじき組閣本部ができて具体的に出てくると明らかになっていくと思いますが、基本はやはり今まで安定してやってきた基本的な骨格は残していくということだろうと思います。ただもちろん我々の世界、これはどこの世界でもそうですが、新陳代謝がありませんとゆるみが生ずるということもございますので、そういう形で清新な人材を取り込み、次世代、どういう人たちが育っていくのかという姿も見えるようにしていく必要があるのだろうと思います。本日午後の新しい組閣もそういう方針に沿ったものになっているだろうと思います。
朝日新聞の相原です。稲田政調会長に伺います。今回妥結したTPPについて今朝、安倍総裁が対策の必要性について明言されました。党としてこの問題は参院選への影響もかなり心配されるということもあると思うのですが、今後どのような議論を党で、スケジュール感も含めて、対策を取っていきたいか、お考えをお聞かせください。
(稲田政調会長): 先ほども申し上げましたように、TPPは大変意義のあるものでありますが、例えば農業について非常に影響があると思います。まずはきちんと報告を受けてその影響を精査したうえで早急に対応をしていかなければならない、対策を講じなければならないと思っております。その議論の場についても、単にこのTPPは農業だけでなくて大変幅広い、非常に大きな大筋合意でありますので、そういった議論の場、そしてどういった形で議論を深めていくかということを早急に谷垣幹事長はじめ執行部の先生方ともご相談をして、議論を早急に進めていきたいと思っております。