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記者会見

党則79条機関設置等を受けて 共同記者会見

平成26年10月3日(金)10:45~11:10
於:院内平河クラブ会見場
どこでも政調会・地方創生実行統合本部・女性活躍推進本部

冒頭発言

【谷垣幹事長】

今、お手元に3つの資料をお配りしました。
「『どこでも政調会』実施要綱」、「地方創生実行統合本部の活動方針」、「女性活躍推進本部の活動方針」と3枚のペーパーをお配りしました。要は、例えば女性の活躍にしても、それぞれの具体的な現場というか、地域地域でどんなことが問題なのか、よく知らなければならない。それから、地方創生になりますと、さらにそのことがくっきりしてくると思います。全部東京で考えて東京の問題意識でやってもたぶんうまくいかないでしょう。今日は、そういうことがいろいろございますので、我が党も前から「ふるさと対話」というようなことをやってまいりましたが、「ふるさと対話」は、大体あまりそれぞれテーマを設けずにそこへ行って、そこの地域の方々の実感をうかがおうということでしたが、そういう地方創生とか女性の活躍などのテーマで、地域地域に出かけていって、生の声をお聞きして、それを政策立案に活かしていこうということです。これを少し、今までも少しやっていたわけですが、やるぞということで大々的にやっていきたいということで、今日こういう発表をさせていただくわけです。総論は以上私が申し上げたことに尽きますが、それぞれお三方からそれぞれの部署でお考えのことをお話いただきたいと存じます。

【稲田政調会長】

ありがとうございます。「どこでも政調会」と銘打って、今幹事長もおっしゃったように、野党時代「ふるさと対話」だったり「生声プロジェクト」だったり、下野して、党本部にいるのではなくて外にとにかく出て、そこでいろいろなことを聞いてこようということでやってまいりました。何か動けば何か得るものがあると私は思っております。今回、地方創生、女性活躍ということで、政調会としても、まず今週末は高知県に行きますが、政調副会長や政調会長代理、政調会長代行それぞれが、それぞれの企画で、「こういう企画」と決めずにやっていって、そこで持ち帰ったことを地方創生本部や女性活躍推進本部で、「こういう意見があった」ということを還元することができたらと思います。47も都道府県がありますし、パフォーマンスだけではなくて、ちゃんと視察もして、きちんと議論もして、各地にいる一年生の国会議員も我が党にもたくさんいらっしゃいますので、その人たちの意見を聞くとか、活躍をするという場も作っていけます。とにかく党本部から出て、地方の声を聞いて、それを政策に反映しようという試みでありまして、まずやってみて、それから考えると思っております。

【河村地方創生実行統合本部長】

地方創生実行統合本部長ですが、幹事長が言われましたように、待ったなしの地方創生、これはやっぱり国民にもそういう危機意識を持っていただく。特に、「日本創成会議」、増田寛也座長の下で発表された、全国の半分以上の町が消滅可能性のある都市であるという指摘、特に人口減、少子化という問題があります。特に今度の地方創生推進法案でも、人口減少に歯止めをかけるのだという強い意思がございます。そのために何をやっていけばいいかということで、我々は待ったなしということですから、「実行統合本部」という難しい名前を付けましたが、気持ちとしてはこれまでの田中角栄元総理の「列島改造論」から始まり、大平正芳元総理の「田園都市構想」、竹下登元総理の「ふるさと創生事業」など、いろいろなことが行われてきた。その中にいろいろな物語もあります。地方の声、それをしっかり吸い上げてまいりたいと思います。政調は政調で、今お話があったようにいろいろとやってくれるということでありますし、また一方で女性の立場から、女性活躍推進本部としてやっていただく。そういうものを統合本部が集約して、政府の政策にしっかり反映していきたいと思っております。我々は今度いろいろな動きをしますが、「アクション まち・ひと・しごと物語」で、地方の物語をいろいろ語っていただきながら、それを一緒の立場で考えていこうということで、これから具体的な行動を起こしたいと思っておるところでございます。今日は、まず共通認識を持っていただくために、その提案者でありました増田寛也先生の話を聞いて、共通の認識を持って、これからどうするということなどいろいろなお話をいただいておりますが、それを総括して、また政府は政府で、「まち・ひと・しごと創生本部」で年内に意見をまとめていきたいということですから、それに合わせていきたいと思っておるところです。よろしくお願いいたします。

【上川女性活躍推進本部長】

この度自民党の女性活躍推進本部長を授かりました、上川陽子です。新たな成長戦略の大きな柱として、女性の活躍というものが大変期待されているということで、身の引き締まる思いで、頑張っていきたいと思っております。女性も男性も、全国津々浦々で輝く生活、実感できるようにしていくという目標の下で、男性も女性もご自分自身の問題であるということを感じていただくことができるように、できるだけ地方あるいはそれぞれの職場、地域に出かけていって、声をたくさんうかがいながら、国民挙げての運動というかたちで、皆さんの意識が高まることができるように取り組んでいきたいと思っています。党の中ではPTを4つほど立ち上げたいと思いまして、長時間残業の問題も含めて新しい働き方の改革のチーム、2020年に指導的地位を占める女性の割合を30%以上にするという大きな国際公約がありますが、2020年は東京オリンピック・パラリンピックの年であるということもあって、日本全体として「変わった」と海外からも見ていただくことができるように、女性もそういう面で貢献できるようなビジネスとか新しい事業についてのアイディアを出していただきそれを応援していくということもやっていきたいと思っております。また、地域のコミュニティで、子育てとか一人暮らしのご高齢の皆さんを応援するということについては、きめ細かく女性たちが活躍していただいておりますので、そういったことについてもPTでしっかりと議論をしていきたいと思っております。最後に外交ということでありますが、海外で活躍している女性たちで、なかなか日本に帰りたくないという思いがあるということで、そこに大きな壁があるのではないかという問題がございます。この部分に焦点を当ててPTでもご議論いただき、来年の党大会において、シンポジウムのような形で問題提起がしっかりできればいいなと思いますし、地方の選挙がございますので、そちらの方にも、できる政策についてはどんどん実行していただくべく、動いていきたいと思っております。
  「『女性活躍』全国キャラバン運動」の第一弾としては、まずこの霞が関・永田町界隈で子育てをしていながらお仕事をしていらっしゃるところで応援をしている保育所を視察させていただきたいと思います。

質疑応答

NHKの田村です。谷垣幹事長にうかがいます。今回、3つの組織でそれぞれ地域に出ていって行うわけですが、地域に出ていく時点ではすみ分けをする必要はまったくない、それぞれでやればいいと思いますが、最後の出口で政府に出していく時にはある程度一つにまとめていく必要があると思います。そういった3つの動きを最終的に1つにしていく動きについて、どのようなイメージをお持ちですか。
(谷垣幹事長): 一つにするのか、それぞれ女性活躍、地方創生ということで別にするのか、これはまだ私考えたわけでもありませんし、両本部長にご相談したわけでもありません。ただ、私の個人的な経験を申しますと、先ほど河村地域創生実行統合本部長が、かつてのいろいろな自民党の中で起こった議論のご紹介がありましたが、私などは大平元総理がなさった「田園都市構想」、あれは田園都市構想だけでなく環太平洋連帯構想などいろいろなことがございましたが、そこで出たペーパーを当選間近の頃教科書のような感じで読んだ記憶がございます。大島衆議院議員に聞くと、「俺もそうなのだ」とおっしゃる。ですから是非ここでみんなで議論してまとめたものが、地方議員もそうだし、我々の後輩たち、若い代議士たちが教科書のように読んで、もちろん批判していただいてもいいですが、政治を志す者の教科書のように読んでもられるようなものができれば嬉しいなと、個人的な思いですがそう思っております。
京都新聞の高橋です。河村本部長にうかがいます。「ふるさとフォーラム」について、地方では計5か所ということですが、場所が決まっていれば教えていただきたいのと、そういった町を選ばれる理由も併せてお願いします。
(河村本部長): 政府にもいろいろな資料がありますから、そういうものもいただき、またこの地方創生実行統合本部の役員会でお諮りして、政府や政調が行くところと重なってもいけませんので、その辺の仕分けをした結果、今考えているのはみちの駅で有名な群馬県の川場村にまず行って意見を聞いてみようということが一つございます。それから、千葉県の銚子市の漁村で漁業関係について、また会津若松の取り組み、徳之島の伊仙町の取り組み、北海道下川町の取り組み等が今計画されておりますが、さらに必要であればまた出かけていくし、また場合によってはそういう方々にも来ていただくということも考えながら、声をしっかり聞きながら、もちろん内部でも議論をして、まとめていきたいと思っております。
北海道新聞の村田です。河村本部長にうかがいます。「ふるさとフォーラム」について、北海道の下川町での実施が検討されているということですが、これはどういう狙いで選んだのでしょうか。
(河村本部長): 下川町のケースは、政府からの推薦もあったので地域的なことも考えたのですが、詳細は後ほどお答えいたします。
日本テレビの菅原です。河村本部長にうかがいます。12月に政府が長期ビジョンに向けて中間とりまとめを地方創生実行統合本部としてまとめられるということですが、このスケジュールについて何かお考えはありますか。
(河村本部長): 11月いっぱいくらいまでは議論を聞くことになりますので、11月終わりくらいまでにはある程度まとめ上げていきませんと、政府の方も3、4回の会議でまとめたいと、これが11月~12月ということですので、それを見ながら、それに合わせた形になると思います。それに間に合うように持っていかねばなりませんので、こちらの方が忙しいのではないかと思っております。
中間とりまとめについて、基本的に我々が考えているのは、東京オリンピックまでの5年間と東京オリンピック後の5年間というのが一つの目標になっていくと思いますね。
TBSの加納です。谷垣幹事長、上川女性活躍推進本部長、稲田政調会長にうかがいます。女性の国会議員の比率が先進諸国の中で低いということで、なかなか女性が政界に進出することが難しい状況です。この数を増やしていくというお考えはあるのか、またクオータ制というものもこれから議論になっていくと思いますが、その辺りも含めてお聞かせください。
(谷垣幹事長): 私は特段の考えがあるわけではないのですが、私の仕事からすれば、野党の時に「公募を原則とする」ということを始めまして、今それは大体定着しているのではないかと思うのですね。その時に考えなければならないことは、女性だからということを特に今まで意識していたわけではありません。やはりその地域で、その地域をよくしたいという熱意が一番ある人は誰だろうとか、それぞれの地域地域は特色がありますから、相性がよくなければいけない。もちろん相性がよくてどっぷりそのままで何も変わらないというのはダメで、刺激をもたらすということも必要かもしれませんが、とにかくそういうようなことをいろいろ勘案しながら、どうやったら当選できる人材を確保できるかという目でやってきました。結果として、今の日本の実情から見ると、女性が必ずしも多いわけではないので、それは政調会長あるいは上川本部長に、どういうふうにしたらそういうことができるのかということをお考えいただきたいと思いますが、我々の仕事は「やはりその地域が私は好きなのだ」ということと、「とてもこの人は当選できないね」というのでは困りますから、幹事長の職務からすればそういうことになります。
(上川本部長): 国会議員の女性の比率は約11%ということで、30%の数値に対してもなかなか厳しい状況にあるということなので、それができるだけ倍加できるようにしていくことは非常に大事なことだと思っております。また地方においては、まず候補者になることということでありますので、候補者になっていただくためには、先ほど幹事長がおっしゃったように、やる気があり、また地方に貢献したいという思いを強くしながら、しかし壁があってなかなか実現できないという方に対しては、いろいろな勉強会等を積み上げながら、ためらいなく立候補することができるような状態をつくっていくということが党としての役割ではないかと思っていますので、この女性活躍推進本部においても、この問題についてはPTの中でも一番目にかかるところで議論していきたいと思っております。 
(河村本部長): 僭越ですが、前選対委員長して申し上げますと、ポスターもつくってあります。「求む、女性の力」というものを。選挙日としても今度の地方選挙において、女性候補の少ない選挙区など分かっておりますので、それをPRしてもっと手を挙げてもらおうと思っております。やはり地方から挙がってきませんと、いっぺんにとはなかなかいかないので、今回の地方選挙はチャンスだという位置づけがされておると思いますので。
(稲田政調会長): 私はやはり意識の転換であると思います。女性が「政治家になりたい」という職業では日本の場合なかなかないのではないかと思います。私自身も、なりたくてなったわけではないと言ったらおかしいけれども、こんなこと知らなかったということもあります。しかも選挙に出る時、父が泣きながら「中学生の子どもはどうするのだ」と言うなどすごくみんなが反対したこともありますので、政治家になりたいと思う女性を増やしていくということと、周りの意識の転換というのはまだまだ必要かなと思っております。
TBSの加納です。男性議員の見る目というものも転換していくべきですか。
(稲田政調会長):入ってから男性議員の見る目を感じることはあまりなかったですが、政治家になるまでですね。自分自身も「政治家は女性が目指すもの」という意識があまりなかったので、 そういうところも小さい時から政治的なことに興味の持てる教育というのも必要かなと思います。
(谷垣幹事長): 僭越ながら申し上げます。やはり既存の議員の側にも、女性議員を発掘していこうというか、そういう気持ちが必要なのだと思います。例えば新しい団地ができる。そこはなかなか旧来の自民党の党組織だけではその団地の中に入っていけない。ではどうしたらいいかといえば、やはりその団地の住人で、例えばそこが市であれば市議会議員をつくるとか、町会議員をつくる。少し政治に関心があってアクティブに動いておられるような方を探してきて、その地域を代表する市議会議員・町議会議員になってもらう。そういう時にやはり女性のやる気のある方が出ますと、その地域をかなりまとめるのに非常に力を発揮するわけですね。選挙で力を発揮するということだけを考えてはいけないのかもしれませんが、そういう目で既存の政治家も女性のパワーを発掘して、そしてその地域の女性の結集点を少しずつつくっていこうという気持ちが、自分がどれだけできているかは別として、必要ではないかと私は思っております。
(河村本部長): 先ほどの北海道下川町についてですが、地方公共団体から国に対するいろいろな要望の支援措置を求めている地域でして、高齢者の集合住宅とか共同菜園とか再生可能エネルギーとかバイオマスなどといった提案なのですが、これは各省庁にまたがるものでして、当てはまるもの、当てはまらないものがあるので、これを統合する必要があります。ですから具体的に現場で聞いて、どうしたらそれが地域活性化、地方創生につながるかを勉強したい、また声を聞きたいと思っております。
時事通信の宮澤です。現場の声を聞くというところで、女性活躍推進本部の「『女性活躍』全国キャラバン運動」というものも入っておりますが、これは具体的にどのようなものなのでしょうか。
(上川本部長): 「『女性活躍』全国キャラバン運動」は、北海道から沖縄までの国内のみならず、海外で活躍されている女性の方もいらっしゃいますので、内外問わずヒヤリングをさせていただくということで、こちらが出向いていきます。皮切りということで、この永田町・霞が関の保育所の状況の視察というのを10月の第一回にしていきたいと思っております。今日程調整をさせていただいております。
それからシンポジウムですが、先ほど申し上げたように、それぞれが当事者意識を持っていかなければいけないということです。自分のことと関係ないと思ったとたんに、意識改革ももちろんできないし施策も成果が上がらないということなので、できるだけ地方に行って、それぞれで活躍していらっしゃる方、あるいはまだ眠ってらっしゃる方に、ある意味では「来て、活動しよう」という呼び掛けをしながら、一緒に全国で立ちあがっていただくような動きをつくっていく、そのためにもシンポジウムで折に触れてやっていきたいということです。第一回目は、党大会の開かれる1月に、シンポジウムのような形で議論を深めていく場にしていきたいと思っております。