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記者会見

新役員決定を受けての共同記者会見

平成26年9月3日(水)11:00~11:30
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

(役員会の内容説明)
新役員

【高村正彦副総裁】

 おはようございます。引き続いて副総裁を拝命いたしました。総裁を補佐して、しっかりやってまいりたいと思います。
 今度の新四役の人事は、重厚なサプライズもありましたし、あるいは安倍総裁好みのスパイスの効いた点もありまして、多士済々、極めて能力の高い布陣であると思いますので、足を引っ張らないように、その範囲で全党的に目配りをしてやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【谷垣禎一幹事長】

 幹事長をご指名いただきました谷垣禎一でございます。
 政権に戻って1年8カ月経つわけですが、おかげさまで、総理が先頭に立って大変頑張っていただきまして、今まで安定した体制をつくることができたわけですが、これから大事なことは、さらに総理のもとに私ども一致結束して、大変いろいろ課題がたくさんございます。その課題に適切に応えていくように、党も何かいろいろ議論をしなければいけませんが、最後は一致結束して、国民のために働いていく体制をつくるように努力をしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【二階俊博総務会長】

 総務会長を拝命しました二階俊博でございます。
 今、谷垣幹事長もお述べになりましたように、議論は活発にやって、そして最後は意見の一致したところ、みんなで団結して、党の発展のために期待に応えるという姿勢で臨んでいきたいと思っております。
 私は今まで国土強靱化という問題にほとんど集中して取り組んでまいりましたが、これからは党の立場からも、しっかりと引き続いてこの問題をテーマに努力していきたいと思っております。
 なお、公明党との関係は、我々が長く築いてきた公明党との信頼関係をより一層発展させていくように努めてまいりたいと思います。ご指導をよろしくお願いします。

【稲田朋美政調会長】

 このたび政務調査会長を拝命いたしました稲田朋美でございます。
 政権を奪還いたしまして1年8カ月余り、日本の政治も安定してきたのではないかと思います。アベノミクス第2章、そして日本を取り戻す第2章ということで、与党第1党の政調会長として、政府、そして公明党と密に連携して、党の英知を結集して、政策議論を深めてまいりたいと思います。
 また、日々地方の党員の皆様方に支えられて、ここまで政権奪還し、1年8カ月を過ぎることができましたので、地方の皆様方の意見も謙虚に聞いて、政策に反映してまいりたいと思います。全力で頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【茂木敏充選対委員長】

 選挙対策委員長を拝命いたしました茂木敏充です。党本部での会見は2年ぶりということになると思います。
 先ほどの役員会で、安倍総理総裁のほうから、今後の地方選挙に勝つこと、政権そして自民党の足腰を強くすることにつながるというお話がありました。これから年内には、福島、そして沖縄の知事選もあります。そして、来年は大切な統一地方選が待っております。一昨年の総選挙で、我々は「日本を取り戻す」ということで政権を奪還し、そして昨年の参議院選挙でねじれを解消いたしました。まさに来年の統一地方選挙は「日本を取り戻す最終決戦」という思いで総裁、幹事長のもとで、党団結してしっかりと頑張ってまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

質疑応答

北海道新聞の村田です。谷垣幹事長にお伺いいたします。
先ほどご挨拶の中で、課題はたくさんあるとおっしゃいましたが、当面の課題、具体的にどういったものがございますか。
(谷垣幹事長):当面の課題は本当にいろいろあるわけですが、1つは内政面です。今、茂木選対委員長からお話がありましたように、やはり政党は選挙に勝っていかなければいけないということで、お話がありました福島、それから沖縄、いずれも、福島はやはり復興をどう進めていくかということと大きく関係がございますし、それから沖縄は、もちろん沖縄の発展も大きくございますが、同時に日本の安全保障がどうあるべきかという問題を含んでおりますので、今までのいろいろな経緯を聞きながら、よい結果をおさめるようにしなければいけないと思います。
それから、これは稲田政調会長のお仕事ですが、やはりアベノミクスを進めてまいりまして、いろんな成果も上がっておりますが、各地域によってそれぞればらつきがあるように思います。稲田政調会長が地方の組織の方の声にも耳を傾けながらとおっしゃいましたが、一概に全部同じことということではなく、それぞれの温度差がありますから、そういったことにじっくり焦点を当てながらもう一回政策を練っていく。それをまた、来年度の予算編成にも生かしていくというような作業が、これから必要なのではないかと思います。
外交面に関しても、いろいろな課題がございまして、これは党というよりもむしろ政府がお取り組みになることでございますから、今、あまり踏み込んだことを申し上げるのは差し控えますが、総理も「近隣の国との関係もドアはオープンである」とおっしゃっているわけですので、そのオープンなドアが、いかに風が入ってくるようにするかということは、党としても努力をしなければならないのではないかなと思います。
挙げれば切りはございませんが、当面、差し当たって考えなければならないことというのは以上のようなことであると思います。
もちろん、国会もしっかり取り組んで、最近見ておりますと、自民党の中の議論が単色だというような議論がございますが、もう、これは当然、今までの総務会長も、それから二階総務会長もご努力をされると思いますが、なかなか我が党の総務会というのは活発な議論がございます。そういうところで、やはり活発に議論をし、国民に理解をしていただくような党運営というものも心がけていかなければならないのかなと考えております。
テレビ朝日の富川です。谷垣幹事長と二階総務会長に1つずつお聞きいたします。
まず谷垣幹事長なのですが、課題の1つとして消費税もあると思います。消費税10%への引き上げ判断を前に今回幹事長に起用された。まさに実際に消費増税取りまとめの中心人物であったと思います。これは安倍総理のメッセージでもあると思います。そのような中で、実際に安倍総理から消費増税に関して、幹事長就任にあたって何か指示があったんでしょうか。また、ご本人の考えをお聞かせください。
(谷垣幹事長):消費税は、ご承知のように法律上は8%からさらに10%へ上げていくというレールが敷いてあるわけです。そしてまた、安倍政権でいろいろアベノミクスなど新基軸を発揮するときに、やはりこの消費税というものが財政の安定にも寄与し、そして税収も図りつつ政策の選択肢を広げることにも役立っていると私は存じます。したがいまして、基本は法律に書かれたとおり進めていくということだと思いますが、ただ同時に、これは景気情勢もよく見ていかなければならないことは言うまでもございません。特に4-6月期はさることながら、7-9月期です。1つは、あのような大変な雨が降りまして、いろいろな問題がございます。消費なども落ち込んでいる面があるとか、あるいは野菜価格が上昇しているとか。こういう影響がどうなのかということも十分目を光らせながらやっていかなければいけない。ですから、総理のご指示は、「よくその辺の諸般の事情をよく目配りして進めてほしい」ということでございました。政調会長ともよくご相談をしながらやってまいりたいと思っております。
テレビ朝日の富川です。APECで政府は日中首脳会談の実現を目指しているのですが、総務会長としてできることは何があると思われますか。
(二階総務会長):政府は、大使館もあるわけですから、間断なく交渉を続けておると私は信じております。我々もその分に応じて、毎日のようにいろいろな接触があるわけですから、それを通じてお互いに信頼感を醸成していけるように努力をしていくということが大事であると思っております。あまりとがって、「そっちが悪い」、「こっちが悪い」と言っているよりも、そこはいずれにしても、どこの国でも隣国と仲よくやっていかなきゃいけないということは国民の願いなのですから、それに応えていくのが政治だと思っております。分野において、やるべきことはしっかりやっていきたいと思います。
テレビ朝日の富川です。二階総務会長だからこそできることというのもあると思うのですが。
(二階総務会長):もしあれば、喜んでやらせていただきます。
TBSの藤森です。谷垣幹事長に伺います。今回、先ほど高村副総裁から重厚なサプライズという発言もあり ましたが、自民党総裁経験者として、初めての幹事長就任ということになりました。野党時代の苦しいリーダーでもいらっしゃったわけですが、今回のこの幹事長就任において、党の運営ですとか、自民党全体に与えた影響、効果はどんなことだとお考えでしょうか。
(谷垣幹事長):我が党には、いろいろ有能な若手、中堅、ベテランもたくさんいらっしゃるわけです。総裁までやった自分がお引き受けするのはいかがかなという気がなかったわけではございません。
しかし、前の組閣で法務大臣をお引き受けしましたのも、私はやはり前の与党がやはりなかなか最後まとまれないという姿が国民に非常に不安感を与えたと思います。したがいまして、法務大臣をお受けしましたのは、前総裁がそういうことも総理のもとで一生懸命汗をかいているという姿が国民に安心を与えられるのではないかと、大変自負が過ぎるかもしれないが、そういう思いで入閣をさせていただきました。
今回も基本的にその延長でして、もちろん先ほどお話しのように、野党の再編というものもいろいろあるわけですが、当面それぞれの党がどこを目指していくのかというのもあまり明確になっていない。そういうところにやはり国民の不安もあり、国際的に日本を見た場合の日本のステータスにも関係してくるのではないかと思っております。ですから、今はやはり政権与党が一致団結して安定した政治を展開しているという形にしていかなければならない。そのために我が党も、おごることなく、脇を締めて姿勢を低くして進んでいく必要があると思いますが、そういったことを少しでもできるなら、という気持ちでお引き受けをさせていただいたわけです。
TBSの蓮見です。谷垣新幹事長に伺います。先ほどの質問にも関連しますが、いつごろ安倍総理から幹事長の打診を受けたのか、そして、率直にその打診を受けたときのお気持ちと、それから、ここ最近で「よし、自分しかいない。私が幹事長をやろう」と思ったその一番の理由を教えてください。
(谷垣幹事長):私はあまりメモ魔ではないので、すぐ昔のことを忘れてしまうのですが、総理からそういう打診をいただいたのは数日前という以外にあまり明確なことは記憶いたしておりません。
総理からそのお話がありましたとき、全く想像もしていないご提案だったので、一瞬戸惑ったことは事実でございます。どうしようかなとも思いましたが、私は、割合物を考えないほうですので、総理がそうおっしゃっていただくなら、先ほど述べましたような、「私にも果たせることがあるかもしれない」という気持ちでお受けをしたわけです。
TBSの蓮見です。果たせることがあるかもしれないというのは、何だと思いますか。つまり、自分の役割は何だと思いますか。
(谷垣幹事長):これはまさに先ほど申し上げたことの繰り返しですが、与党、与党というともちろん公明党も入りますから、私が全部申し上げるのは僣越ですけれども、自民党がまとまって日本の発展のために政治を発展させて、日本を発展させていくために取り組んでいるという姿を描いていくということも、具体的な個々の政策がどうということももちろん大事ですが、「何となくまとまってしっかりやっているね」と国民に思っていただくことも、与党としては大事な側面です。私がどこまでできるかはわかりませんし、先ほどご質問のあったように、私でなければできないなどというようなことは、私は全く思っておりませんけれども、私にもできることがあるかもしれない、ということでございます。
ニコニコ動画の七尾です。谷垣幹事長によろしくお願いします。お隣の二階総務会長が9月1日にこういうことを申しております。「総裁と幹事長は夫婦みたいなものだ。日ごろから話し合いをしっかりやってほしい」と。夫婦は時にけんかもすることがあると思うのですが、谷垣幹事長と総理とのコミュニケーションについてはどのようにして日ごろから行っていくお考えでしょうか。
(谷垣幹事長):まさに練達の二階総務会長らしい明言だと思います。私はどちらかというとずぼらなものですから、あまり人とコミュニケーションをうまく頻繁にとるというようなことは長けておりませんが、総理をお支えする役としては、そこに心がけてやっていきたいと思っております。
産経新聞の水内です。谷垣幹事長にお伺いします。経済政策についてですが、幹事長は財政規律の大切さを常日ごろからお話しされていて、総理のアベノミクスに対しても、一時期、慎重に対応すべきだというお考えを示されたこともあると思います。今回、今後の消費税の判断も含めて、総理と幹事長の間の経済に対するお考え、また今後どうしていくか、政策のお考えの差はあるのか、ないのか、あるとすればどう組み合わせていくのか、その点をお伺いできればと思います。
(谷垣幹事長):これは、主として稲田政調会長のお仕事になるわけです。考え方が私と総理と、今のご質問の背景にも違うところがあるのではないかというニュアンスがあったと思います。これは人間ですから、100%符節を合することに一緒なんてことはあり得ません。それぞれいろいろな判断があると思います。大事なことは、やはり総理の基本方針を踏まえながら、いろいろな景気や経済に対する見方だって、アベノミクスというのは相当思い切ったことをやっていますから、相当思い切ったことをやるというのは、効果も期待できるけれどいろいろ副作用も心配して進めなければいけないということを意味しているわけです。ですから、そこをよく見ながら、議論もしながら、最後はやはり総理のお考えを基本にして、党が一致結束できるようにしていくということではないかと思います。これは稲田政調会長とよくご相談しながらやっていきたいと思います。
福井新聞の高島です。稲田政調会長にお願いします。先ほど谷垣幹事長からお話もありましたが、政権の大きな課題でもある「地方の再生」という問題に、福井という地方出身の議員として、今後政調会長としてどのように取り組まれていくおつもりでしょうか。
(稲田政調会長):私も地方の出身の議員です。また、アベノミクス第2章は地方であるということで、地方創生本部という横串を刺す形での本部もできあがるわけです。縦割りを廃して、横串を刺して、みんなで一緒に地方が活性化できるような政策をやっていただきたいし、党からもそれを後押ししたいと思っております。
また、冒頭にも述べましたように、野党時代ずっと支えてくださった地方の方々、そして野党時代は地方を回る谷垣総裁のもとで「車座」というものもやってまいりました。そういった地方の方々の意見を吸い上げて、政策に反映をしていく。そして、地方といってもそれぞれの特色がありますので、その特色を生かせるような政策議論がやっていけたらと思います。
朝日新聞の鯨岡です。稲田政調会長に伺いたいのですが、稲田政調会長は当選3回ということで、部会長や調査会長などに、当選3回、もしくはそれ以上の方々がたくさんいらっしゃると思いますが、諸先輩方の中でやれるか大変苦労されるのではないかと思います。それについてどのようにこれからやっていきたいとお考えなのか、その辺りの抱負を伺いたいと思います。
(稲田政調会長):当選3回で、野党時代に法務部会長をやったのみですので、まだまだ経験は未熟ですが、やはり自民党は大変能力のある先輩方、また同僚、後輩も含めていらっしゃいますので、いろいろな人の意見を聞いて、ご指導いただきながら、この課せられた責任を果たすべく命がけで頑張っていきたいと思っております。
中国新聞の坂田です。高村副総裁に質問です。引き続き、安全保障関連の法案、与党の協議については担当されると思われますが、その今後についてのスケジュールについて教えてください。
(高村副総裁):与党協議のスケジュールというのは、まだ皆目わかりません。一応閣議決定ができたので、それを出発点として、政府の中で法案、どういう法案を全体像としてつくるのかということを政府の中でまずやる。そういう中で、日米のガイドライン、年末までに決めるということになっています。そのときに、政府で検討する中で、当然、与党にも相談があるでしょうから、その相談がある中で、自公で差がなければ、あえて与党協議をやる必要はないわけでありますが、政府が考えたことに対して、「それでいい」、「それでは困る」という、与党の中で差があるようなこと、あるいは両方が政府と違う考えであるというようなことがもしあるとすれば、あまりないと思いますが、もしあるとすれば、与党協議を再開しなければいけないということもあり得るということだと思います。
閣議決定する前に与党協議を閉じるに当たって、私は「暫時休憩」ということを申しましたので、必要があればいつでも立ち上がるということです。今、必要があるかどうか、現時点でわかりません。
読売新聞の大藪です。福島県知事選と沖縄県知事選についてお伺いしたいのですが、福島に関してはまだ党本部の対応が定まっておりませんし、沖縄に関しては仲井真知事の情勢はかなり厳しいかと思いますが、今後どのように戦っていかれるでしょうか。
(茂木選対委員長):福島、そして沖縄ともに極めて重要な選挙だと考えております。基本的には、それぞれの選挙について、県連等からこれまでの経過をしっかり聞いた上で、今後の対応方針を決めていきたいと思っておりますが、福島については、復興の加速化をどういう形で図っていったらいいのかというのが基本的な視点であると思っております。
 そして沖縄においては、基地負担の軽減と同時に、安全保障体制の維持、そして沖縄の振興をどうやって進めていくか、これが最も大切なポイントだと思っておりまして、そういった観点も含めて、選挙態勢のあり方等々、今後検討していきたいと思っております。