ニュースのカテゴリを選択する

記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員連絡会後)

平成28年4月1日(金)10:22~10:36
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日の役員連絡会ですが、高村副総裁からのご挨拶で、年度が改まったので気を引き締めてやっていこうということでした。
私(谷垣幹事長)からは、平成28年度予算、それから予算関連法案も参議院で大変ご努力いただいて成立したということで、参議院のご努力に感謝しました。後半国会の審議はTPP関連法案が中心となると思うが、成立に向けて気を引き締めて努力していこう。それから、高村副総裁のお話にもあったように、新年度を迎えて、気を引き締めて国会対応と北海道5区補選に臨んでいこうということを申しました。
佐藤国対委員長からは、本会議日程等々についてのお話がありました。
河村議運委員長からは、情報監視委員会の年次報告について、それから、選挙制度改革は、4月7日(木)を最後の意見聴取としたいということでした。
吉田参議院国対委員長からは、予算関連法案の年度内成立について、いろいろご協力をいただいたという御礼の言葉がありました。あとは、本会議日程等々についてのお話がありました。
松山参議院議運委員長からも同様の趣旨のご発言がありました。
溝手参議院議員会長は本日、ご欠席です。
伊達参議院幹事長からは、予算あるいは法案の成立に対する感謝と、北海道5区補選についてしっかりやっていきたい。国会も選挙も気を引き締めてやろうということでした。
茂木選対委員長からは、北海道5区補選の状況報告で、全党挙げて取り組みたい。また、参議院選挙比例代表のオープンエントリーのネット投票が始まるが、5月9日(月)締め切りである。それから、公明党からの推薦について、32選挙区33名をいただいたということです。
稲田政務調査会長からは、来週からロシア訪問である。また、北海道5区補選の応援に入られた状況についてご報告がありました。
二階総務会長からは、訪米のご報告、年度末の忙しいなか、留守させていただいたということでありました。

以上です。

質疑応答

question
日本経済新聞の田島です。本日朝、日本銀行の短観が発表されまして、大企業の製造業が2四半期ぶりに悪化しました。また、非製造業は1年半ぶりに悪化しました。予算成立直後ではありますが、企業の景況感が悪化していることから景気のテコ入れ策を求める声も高まると見られますが、政府・与党としてどのような対策を講じていくお考えですか。
answer
まず第一にやるべきことは、予算が成立しましたので、その迅速な執行だと思います。これからどうしていくかということは、サミットでどのような国際情勢の分析と対応策を打ち出すかということと併せて物事を考えていかなければいけないのだと思います。おおむねそういうことではないでしょうか。
question
日本経済新聞の田島です。党内からも追加の経済対策を検討すべきではないかという声も出ていますが、その点についてはいかがですか。
answer
これは今、申し上げたようなことで整理をしていくということだと思いますね。
question
北海道新聞の徳永です。TPP協定およびTPP関連法案がまもなく審議入りすると思いますが、今国会中の成立は、日程を見るとかなり厳しいと思うのですが、改めてそのスケジュール感の認識と、そのうえでどういうことに留意して進めていくかということについてお願いいたします。
answer
かなり厳しいと言えばそうかもしれませんが、当初からの、年度内に予算成立させて年度が替わったらTPPに入っていこうということは、ほぼそれで来ております。ですから、タイトと言えばタイトですが、気を引き締めて成立を目指すということです。気を付ける点は、私どもは大きく言えば日本経済にとっても大きなチャンスであるし、世界の経済にとってもこれだけ大きな自由貿易圏が誕生するということは非常に深い意味があると思います。ただ、日本の国内、これは日本だけではなくて、不安を感じておられる向きもあって、それについては相当な手を打ってきて、関連法案等でもそのことが含まれているわけですが、それをやはり丁寧に説明して、やはりどなたもおっしゃることですが、景気というのも「気」という字が入っております。やはり気持ちの持ちようというか、希望を持って臨んでいくのか、かなり心配しながらというのでは違いますので、そこを丁寧にやっていくということが一番大事なのではないかと思います。
question
テレビ朝日の村上です。経済政策について、今年度の補正予算で若者の低所得者層に商品券を配ると報じられていますが、商品券という手法に関して疑問の声も挙がっています。今後、そういった景気刺激策としてどのような効果が見込まれるとお考えでしょうか。
answer
今までも似たような発想というのはあったわけで、それぞれの効果もいろいろでしょう。少しその辺はこれから議論を深めてもらいたいと思います。
question
テレビ朝日の村上です。平成27年度補正予算では高齢者の低所得者層に対して3万円を給付しました。対象年齢と手法が変わっていますが、抜本的な解決に結びつくとお考えでしょうか。
answer
全体で判断しなければいけませんからね。それだけ捕まえて抜本的な対策という、それだけではないと思います。やはり全体像をよく把握しないと今のような議論はなかなかできないのではないかという気がいたしますね。
question
朝日新聞の笹川です。先日、ヘイトスピーチ対策の法案について、自公両党で法案準備がスタートしました。その前提としてのヘイトスピーチ対策の必要性について、現行法では直接被害を被ったということでないと対応ができないという問題があると思いますが、不特定多数に対する差別的言動というものを対象とする法整備が必要だとお考えですか。
answer
今回、どのような議論をされているのか、私も十分報告を受けておりませんが、この議論は私が法務大臣の頃始まりまして、検討したがなかなか簡単ではありません。前向きの方もずいぶんいらっしゃるが、本日は報道関係者も多くていらっしゃるからそういう危惧もお持ちだと思いますが、やはり言論に対しての影響も大きい法案、そこを徹底するとなってくると思います。したがいまして、ヘイトスピーチ法案だけであらゆる問題を解決しようというのは、私は難しいと思います。まずやはり理念というものをしっかり立てて、ヘイトスピーチのようなものに対する基本的な姿勢というものを定めるところから出発するというのが私は大事なのではないかと思っております。手法は相当簡単ではない。どなたがお考えになっても、一方で相当有効、迅速、適切というような案を考えた場合には、その反作用も警戒しなければならないというところがあるように思うのですね。ですから、あのチームでどのような案をまとめて来られるか、これは法務大臣時代ですから2年前くらいの、今の議論からすると低い議論かもしれませんが、基本的にはそう思っております。
question
朝日新聞の笹川です。今、おっしゃった「理念」は、ヘイトスピーチをどのように捉えるかという定義にもかかわるところだと思いますが、幹事長が法務大臣だったときの委員会での答弁を拝見しますと、ヘイトスピーチの定義というのは現状では定まっていないが、そういう人種差別的な内容であるとか、あるいは少数者集団への差別というものを対象とするということを言われていますが、いかがですか。
answer
なかなかその辺りも、定義というのは、定義と簡単に言うが、どういうことを目的とするか、その定義からどういう効果を導こうとしているのかということと不可分なのですね。つまり、理念を相当議論しませんと、なかなか難しいのだろうと私は思います。我々が対処すべき問題はどういう問題で、どういう価値観を守ろうとしていて、そのためには何が問題なのか。これは例えば、言論を統制する法律でも、例えばドイツなどは戦後、日本はそういう方式をあまり取らなかったわけですが、ドイツなどはかつてのナチスの経験に鑑みて、言論統制もナチスのような言論に対しては相当徹底した取り締まりをやるという踏み込みをやった。ジャーナリストの皆さんはご承知だと思います。日本ではそのようなことを取り入れようというようなことに対しては抵抗感も、むしろ言論統制に対する反発というか警戒感の方が強かった。その辺りのバランスは極めてデリケートなものがある。私はあまり偉そうに言うつもりはありませんが、このデリケートな感覚が大事なのです。つまり、「ナチスのような議論は許さん。それに対して徹底的に戦うぞ」、これも非常に重要な議論ですよね。しかしそれによってかつての言論統制を思い出して、ということで、だからそこはなかなか難しい。あまり煮え切った議論ではないなとお思いかもしれませんが、そのデリケートさをよく私は理解しながら進めなければいけないのだと思っております。
question
フジテレビの津秋です。夏の参議院選挙に自民党から出馬する山田宏氏が、昨日の会合で、待機児童に関するブログについて「落書きだ。育児はまず親の責任だ」というような発言をされました。保育政策に力を入れているなかでの発言で、抵抗感を持つ方もいると思いますが、この発言についてどのようにお感じになられますか。
answer
ごくごく頭を冷静にして考えますと、育児は誰の責任なのかという問題は、非常に考えようによっては難しいですね。私はやや古い人間ですので、育児は親の責任であるという気持ちは相当強いです。ただ、やはり女性の活躍など親も自分の仕事を選んでそこに生きがいを見出し、社会参加をやっていくという場合に、社会がどこまでそれをサポートできるか、これも、社会がすべて子供を育てるのだという議論にしてしまいますと、古くはトマス・モアの『ユートピア』に書いてあるような議論になるわけですね。ですから、私はそのバランスが必要なのだと思います。私はやや古い保守政治家ですから、育児は親の責任が第一義である、しかし、さはさりながら、親のいろいろな人生の目標などあるでしょう、それを社会がバックアップするというバランスの取れた議論が必要だと思います。ですから今の議論は、山田氏がどういうことをお考えなのか直接聞いたわけではありませんから分かりませんが、私の言っていることが何を言っているのか分からないとお思いかもしれないが、要するにバランスなのですよ。政治家はやはり全体でバランスの取れたところに落ち着かせるというのは政治にとって大事なところですから、今のお問いかけに対する答えは難しいですね。バランスが必要だということではないでしょうか。