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記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員会後)

平成28年3月28日(月) 17:16~17:31
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日の役員会ですが、安倍総裁からは、民進党が結成されたことに祝意を表したい。全ては国家国民のためであり、切磋琢磨して国会の場で建設的な議論を行っていきたい。一度失われた信頼を取り戻すことは容易ではない。3年3か月の野党生活で痛感をした。政権交代から3年間、実績を積み重ねてきたが、驕っていると思われると国民の信頼は一瞬にして失われてしまう。私たちが全員、あの野党時代の臥薪嘗胆の日々を胸に刻みながらもう一度気を引き締めて国民の声に謙虚に耳を傾けながら地道に政策を磨き実行していきたい。ご協力をよろしくお願いするということでした。
高村副総裁からは、明日、予算成立となるが、最後の最後まで集中してよろしくお願いしたいということでした。
私(谷垣幹事長)からは、予算委員会は明日、採決成立を迎える運びとなったが、ここまでの参議院のご尽力に感謝申し上げる。最後まで緊張感を持ってやっていきましょうということを申しました。また、選挙制度改革について本日、各党協議が行われた。わが党としても較差是正、定数削減、小選挙区の都道府県別定数の見直しについての考えを表明した。今後、各党間および議長と各党で合意に向けた努力を行って、4月7日(木)に再度集まることになっている。成案を得られるよう努力していきたい。それから、熊本県知事選挙では圧勝することができたが、この勢いを北海道5区補選に繋げていくためにも、一層気を引き締めて臨んでいきたいということを申しました。
佐藤国対委員長からは、TPPは早期審議入りに向けて全力を尽くしたいということと、本会議日程についてご報告がありました。
吉田参議院国対委員長からは、本会議日程、予算委員会の日程についてお話がありました。
溝手参議院議員会長からは、明日、しっかり成立できるまで緊張感を持って最後までやっていくということでした。
関口参議院幹事長代行からは、本日、伊達参議院幹事長は北海道5区補選の応援に入っているということでした。
茂木選対委員長からは、自公で具体的な選挙協力の合意をした。これまで以上の与党の連携で参議院選挙の勝利を目指したい。また、熊本県知事選挙の結果、それから北海道5区補選の状況についてご報告がありました。
稲田政務調査会長からは、待機児童の提言を先週、安倍総理に提出した。分かりやすく説明できるよう準備していくというお話でした。
鈴木総務会長代理からは、二階総務会長は今、訪米中であるが、明日、総務会はございますということでした。

以上です。

質疑応答

question
共同通信の小笠原です。明日、平和安全法制が施行を迎えます。幹事長はこれまで「国民の間にイデオロギー的対立が生じた」とおっしゃっていますが、その現状をどう分析されているか、また党としてさらに理解を広げるためにどのような取り組みをされていくお考えですか。
answer
ああいう議論をされまして、イデオロギー対立を掻き立てるような論調を取られたことは事実ですし、それに反応する向きもなしとはしないと思います。ただ、全体としては今の極東情勢、そういうものを見た場合に、やはりこういうものは必要ではないかという理解は広がっていると私は感じております。
question
NHKの瀧川です。野党側は廃止法案を出して国会でも反対していく姿勢を示していると思いますが、国会での対応あるいは国民世論に対して今後どのように対応していくお考えですか。
answer
ああいうのを出しておられますが、共産党に引っ張られてというところがないわけではないように思いますね。私は、昨年あれだけ時間をかけて議論をして、その後大きな状況の変化があったかと言ったら、北朝鮮のいろいろな問題が起こったわけですよ。いわば決着済みの議論をもう一回議論しようというのはどんなものかなという気が正直言っていたします。
question
日本経済新聞の田島です。野党側は参議院選挙でも平和安全法制を争点の一つに位置づけようとしていますが、与党としては参議院選挙でどのように位置づけていき、どのような訴えをしていくお考えですか。
answer
日本の周囲の現状をどう見るか。例えば、あれだけミサイルみたいなものを撃っているときに一体どう対応していくのか、というようなことをやはり言わなければいけないのでしょうね。ただ、やはり私は、今も申しましたように、いわば決着済みの問題を、昨年あれだけ時間をかけてやって、それでまたすぐ「では廃止法案だ」というのは、直接一事不再理がかかるわけではありませんが、そういう審議の原則をどう見ているのだと。実は、歴史は繰り返すで、1960年の安保法を通したあともあれを廃止するいろいろな動きを彼らはしている、今の彼らとかつての彼らは、「彼は昔の彼ならず」ということかもしれませんが、似たような行動をお取りになるものだなと私は思っています。
question
東京新聞の木谷です。決着済みのものをもう一度議論するのはいかがなものかということでしたが、昨年の通常国会は採決も含めて十分な議論がなされなかったのではないかという疑問の声もありますが、いかがですか。
answer
あれだけ時間をかけて十分な議論がなされなかったのではないかというのは、どれだけかければいいのですか。あれだけ時間をかけてまだ足りないのであれば、どれだけかければいいのか。そういう議論をしている方もいらっしゃるのですがね。しかし、審議しなければならないことは平和安全法制だけではありません。平和安全法制だけではないなかであれだけ時間をかけたというのは、国会としては相当エネルギーをかけたと私は思います。そこで有効な反論なり国民を「うん」と言わせることが言えなかったら、何をおっしゃるのですかと私は思います。
question
東京新聞の木谷です。野党は廃止法案以外にも対案を出していますが、それについても審議する必要はないとお考えですか。
answer
今、大きな声で言いましたから、「十日の菊、六日の菖蒲」という言葉を私は引用したいと思います。
question
共同通信の小笠原です。アメリカの大統領選のトランプ候補は、日米安全保障についてニューヨークタイムズのインタビューで「日本が在日米軍の駐留経費の大幅増額に応じなければ在日米軍の撤退を検討する」「アメリカが衰退すれば日韓両国が核兵器を持ちたくなるだろう」などと発言されています。共和党の指名争いでは首位に立つ人物の発言ですが、幹事長はこれについてどのようにお考えですか。
answer
 結論がどうなるかまだ分かりませんので、あまり選挙最中に、アメリカの国内からの議論ならともかく、国外からいろいろなことを言うのは、私は基本的には差し控えたいと思っているのです。やはりアメリカは民主主義という意味では先進国ですから、私は今までアメリカの大統領選挙というのは長期間をかけていろいろな議論を熟成させてきたという経験もお持ちですから、過去の経験にお学びになってくるのではないかと期待しております。
question
毎日新聞の佐藤です。昨日、民進党の結党大会が行われました。野党第一党が新たなスタートを切ったわけですが、幹事長はこの動きをどのようにご覧になられていますか。
answer
私も昨日、ああいう形で新しくスタートされて、祝意を表したいと思っているのです。かねがね言っていますように、私は岡田民主党代表が今まで野党第一党の党首としてどのようにやっていかれるのか注目をしているということは常に申し上げてきました。やはり私は、何も政権交代したいなど与党ですから思っているわけではないのですが、長い間には政権交代があるのは必然ですよね。そのときに我々に代わって政権を担い得る方がどのように自分たちの姿をつくってこられるのか、やや今のところはまだそれは弱いと思うのです。私は、政権交代可能な政治をつくるという議論が始まって四半世紀経ちますが、そこのところが十分ではなかったという認識を持っております。ですから、そういうなかでいかにしてこれから民進党が新しい議論をおつくりになれるのか。新しいという意味は、何も新規であるとか珍しいとかいうことを言っているのではなくて、自民党に代わり得る、あるいは自民党が緩んだときに鋭く突くような議論をどういう形でまとめてこられるか、それを正直言って見守っているという気持ちです。
question
毎日新聞の佐藤です。民進党の綱領を見ると、「自由、共生、未来への責任」など、党の性格も以前に比べると少しずつ明らかになっている状況ですが、自民党としてはどのように対峙していくお考えでしょうか。
answer
今の聞いてみると、非常に結構なことを言っておられて、対峙というほどではないのかもしれませんね。
question
テレビ朝日の村上です。消費増税について、弊社の世論調査で増税を「延期した方がいい」という方が72%、「そう思わない」という方が18%でした。かつて幹事長は、増税に関しては議論自体が目的ではなくて、経済状況を鑑みると議論しない方がいい時期もあるとおっしゃっていましたが、今の世論調査の結果なども踏まえて、今は増税について議論すべき時期に来たとお考えでしょうか。
answer
私は、増税についての世論調査の見方というのはなかなか簡単ではないなと思っています。我々は世論調査というものを大事にしないわけではありませんが、増税するときに世論調査の結果にすべて従っているとなかなか難しいことも起こってくるというのが私の認識です。そこでやはり国会の機能というのを重視しなければいけない。要するに、国会というのはマグナ・カルタのとき以来、税をどうするか、国民負担に対する要求にどう応えるのかというのが国会の基本的な使命でした。やはり必要な時は国会でしっかり議論しなければならないと思いますが、先ほど言われたように、こういうときいつも先頭に立って「増税するな」という方は必ずいらっしゃいます。私は、自民党の幹事長は先頭に立って言う立場ではないと明確にそう思っております。
question
朝日新聞の笹川です。選挙制度について、6減の対象県の選び方について、本日の各党協議では野党側から「選び方が明確ではない」という指摘があったようですが、これについてはどのように説明されたのでしょうか。
answer
あれは、一つ減らしたときどうなるかという順番を立てていけばその時の較差はどうなるのかとやっていけばああなるのですよ。大体あれ以外の結論は、いかなる算定方式で出しても難しいのではないかと思っておりますが、根拠が明らかでないというのは、大体どのように計算しても、減らすのはやはり較差が一番のところでやるわけですから、一人減らしたときにどうなるのかというので考えていったら当然、ああなると思います。
question
朝日新聞の笹川です。アダムズ方式を当てはめたものではないということですか。
answer
そこは実はいろいろな言い方があるのですよ。いろいろな言い方があるのだがやってみるとそうなるのです。アダムズ方式でやってもそうなるでしょう。アダムズ方式でないというものでやってもああなるのです。
question
朝日新聞の笹川です。今、自民党で考えているのはそうではないということですか。
answer
それはいろいろどういう説明をするかというのはありますよ。しかし、よほど突飛な説を出してこない限り大体ああいう順番になるのです。