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記者会見

谷垣幹事長 ぶら下がり(選挙制度改革 衆議院議長報告後)

平成28年3月4日(金)
14:30~14:43 於:院内第14控室

質疑応答

(代表質問)TBSの加納です。本日はどのような報告をされたのでしょうか。
答申が出て以来の自民党の受け止め方あるいは議論はどうなっているのかというお問いかけでしたので、今まで3回、選挙制度改革問題統括本部・選挙制度調査会合同会議を開いて議論をした。その議論で、もちろんこういうことは自民党だけでできるわけではないので、いろいろな交渉などをしていただくのに基本的な方針は了承していただいた。その内容は、一つはあの答申を尊重していくというのは大前提としてあるわけで、10年ごとの大規模国勢調査のときには、答申のなかにもあるように、都道府県間の調整も含めてきちんと整理をしていく。しかし5年ごとの簡易国勢調査のときには、そこまでそれをやると非常に制度の安定性が問題となるので、おそらくそういう論理の下に答申も、5年ごとの簡易国勢調査のときには県内調整となっているので、この間出たのはそれにあたるわけだから、まずそれをきちんとやる。1対2という以上に今後、任期中に1対2は超えることのないような深掘りも考えて調整をしていく。それから、削減については、むしろあの答申もいつという時期も必ずしも明示していないが、そういうような決断で、10減というのをやろうということになっている。そのうえで、昨日は、中身についての議論というよりも具体的なそういう案に基づいた、この間の国勢調査の結果を踏まえるとこういう案になるというので議論していただいた、というようなご報告ですね。
(代表質問)それに対して大島衆議院議長からはどういったお答えがあったのですか。
大島衆議院議長は、結局、自民党に本日、こういう問いかけをされたということは当然、今週は時間的に難しいかと思いますが、来週とおっしゃっていたわけではありませんが、おそらくこれから各党の話も聞いてみよう。そのうえで、また各党はこうだからこうということを自民党にもまた、ボールを投げ返すという表現は使っておられませんが、各党の意見を聞いたうえでまた自民党にもお考えをいただくということかなという感じでした。
(代表質問)自公の協議に関して大島衆議院議長はどのようなお考えを示されているのでしょうか。
ですから、自公の協議というよりも、大島衆議院議長は、ご自分が各党の現時点での考え方を聞いてみようということだと思います。
NHKの瀧川です。大島衆議院議長からは、これからの意見を聞いて、そのうえで再度自民党にも、考えを伝えたうえで意見を聞きたいということなのですか。
そうでしょうね。もう一つ言っておられたのは、3月中に何らかの結論を出したいと言っておられました。要するに、4月になると、段々選挙ムードになるとお互いが戦闘ムードになってしまって、なかなかまとまるものもまとまらなくなることもあり得るので、3月中にそれぞれの結論を持ちたいというのが、大島衆議院議長のお考えでした。
日本経済新聞の田島です。自民党の今の基本方針案について大島衆議院議長から何か評価などありましたか。
いや、特段そういうことはありません。今度は各党の話を聞いて、ということでした。
NHKの瀧川です。次に呼ばれるまでの間、自民党としてはどういう対応を取っていくのですか。
一応、昨日で、3回やっておりますので、党として特段、また選挙制度改革問題統括本部・選挙制度調査会合同会議を開こうということを考えているわけではありません。
NHKの瀧川です。公明党との協議についてはいかがですか。
公明党は自民党とまず協議ということは必ずしも言っておられませんので、その辺は、私も井上公明党幹事長とよくお会いしますし、細田幹事長代行もいろいろなことで北側公明党副代表とお会いになりますから、事実上の意見交換みたいなものはあるかもしれませんが、特にまず大島衆議院議長から「自公でまとめろ」など、そういうご指示があったわけではありませんので、お互いの立場をよく知って、さて最後ボールを出すときにどうしていくかというようなことは、ある意味で少しこれから何かあるかもしれませんが、特に今、本日、大島衆議院議長とお会いして、そういうことを予定しているわけではありません。
NHKの瀧川です。昨日の選挙制度改革問題統括本部・選挙制度調査会合同会議では、10減についても慎重な意見が出たと思いますが、そういう党内の雰囲気についてはいかがですか。
昨日は10減についていろいろな議論がありましたかね。
NHKの瀧川です。定数削減については抜本的な議論を求める声などについていかがですか。
抜本的な議論を求めるというのは総務会でも、今までも度々出ているのです。それは確かに私も理解できないわけではありません。例えば、やはり選挙制度を考えるときは衆参の役割分担を、衆議院、参議院はそれぞれ何をやるところか、どのように役割分担をしているのかというようなことを前提にして、それぞれの選挙制度もそれを踏まえたものでなければいけないが、実際には衆議院のときには衆議院で議論し、参議院のときには参議院でするという形になって、結果としてどちらも、参議院の場合は必ずしも皆、小選挙区ではありませんが、しかし結果として小選挙区と比例代表を組み合わせた、似たような制度になっている。これはもう少し衆議院と参議院がどういう役割をしめているのかということを考える必要があるではないか。それから、これはなかなか難しいところですが、つまり昨日、皆がショックだったのは、想定していた以上に地方の人口が減っているというのが皆、ありまして、このままいけばどんどん地方の声が反映しなくなるという危機感・焦燥感は昨日も非常に強いものがあったと思います。ですから、地方創生みたいなことをもっと力を入れるべきだという議論があるのもよく分かりますが、そういうことをやったら直ちに人口が増えてくるというわけにもなかなかいかないだろうと、そんなにすぐ結論が出るのだったら大変、物事は易しいですが、必ずしもそうでないところもあって、どういう制度を考えていくのかというのは深刻な問題だと思います。ただ昨日、私が申し上げたのは、それがいいかどうかは別として、やはり選挙をやるごとに訴訟が起こり、そこで違憲状態などということになりますと、まずはそれに対応しなければならないというのがあって、いつもそれでバタバタして、「さあ、できたね」というとまた次の判決となる。そうすると、なかなか視野が、当面、これを片付けないとしょうがないではないかという議論でやってきた面はあります。抜本的な議論をやっているとそれこそ案がまとまらなくなってしまうということも実際は、そういう表現はよくないですが、ないわけではない。やはり今の違憲状態をどう収めるか、違憲状態という指摘をされないようにはどうしたらいいかというようなことに常に議論がいってしまって、これはやや近視眼的な議論と言えば言えなくもない。しかし、それはある程度もう最高裁判所から、合憲だという判決が出るところまでやっていきませんと、なかなかでは抜本的な議論といっても、いかないという面もあるのですね。私はそのように思っています。ですから、まずやることは、きちんと1対2の枠のなかに収めていくというようなことがまず一番大事なのではないかと私自身は思っています。
NHKの瀧川です。本日は自公の協議の現状について報告はなさらなかったということですか。
協議というか、ちょっと意見交換を、「うちがこうなっている」と、「それはおれのところはちょっと呑みにくいね」とか、そういう話はしないではないですよ。しかし、報告するような協議というのをやっているわけではありませんので。
朝日新聞の笹川です。各党の意見に隔たりがあるなかで、議長裁定を期待する声がありまして、アダムズ方式の導入時期などを巡って議長なりの考えを本日は示されなかったということでしょうか。
ですから、まず自民党には考えを聞いて、また各党ということですね。そのうえで、またどのように大島衆議院議長がお考えになるかということはあるかと思います。
各党の意見を聞いたうえで議長なりの裁定案のようなものは出てくるという見通しですか。
いやちょっとまだそこまでは議長もおっしゃっておりませんので、あまり速断でものを言ってはいけないと思います。
NHKの瀧川です。幹事長からの説明のなかで平成32年の国勢調査を基にアダムズ方式を導入するということは報告したのですか。
それは、安倍総理が度々国会でおっしゃっているなかで、安倍総理のご表現は「アダムズ方式を中心に」という表現だったと思いますので、 一応そういう表現を使ってご説明をしました。
日本経済新聞の田島です。普天間基地の辺野古移設について、裁判所が示した和解案について国と県それぞれが受け容れまして、和解が成立しましたが、この受け止めと評価をお願いします。
これは安倍総理もかなり大きな決断をされたと私は思うのですね。やはり膠着状態にあったわけですから、何とかしなければいけない、膠着状態を打開しなければならないという安倍総理のご決断もあったと思います。そのことはやはり評価しなければいけないことだなと、大きな決断だなと思います。ただなかなか、私も和解案の中身というのをよく見ているわけではありませんが、それを沖縄県も国もやはり守っていかなければいかんということだろうと思うのですがね。そういうことではないかと思います。
時事通信の越後です。幹事長は先ほどの記者会見で、「安倍総理が野党の出方を見ながらいろいろな球を投げている」とおっしゃいましたが、その一環と見てよろしいのでしょうか。
あれは憲法がどうという議論の関係で申し上げたわけで、これは必ずしもそういうことよりも、むしろ膠着しているのを打開しようということではないでしょうか。
テレビ朝日の村上です。参議院選挙を前に国と県が争うという構図を払しょくしたいという思惑があったのでしょうか。
私は「思惑」という言葉があまり好きではないのですね。皆さんお好きな言葉ですが、「思惑」というと「本当は腹の中に一物を隠して」という表現があるから、思惑という、私は割と一つ一つの言葉のニュアンスにデリケートでして、というと変ですが、思惑というよりも、むしろ膠着しているものを解決しなければならないのは当たり前のことだろうと思います。内閣総理大臣として、膠着をいつまでも放って置いていいとお考えになったわけではないと思います。