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記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員連絡会後)

平成28年2月19日(金)10:33~10:50
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日の役員連絡会ですが、高村副総裁からのご挨拶で、予算委員会で選挙制度改革について安倍総裁の意志が示された。できるだけ安倍総裁の意志に沿った形で党内がまとまるようよろしくお願いしたいということでした。
私(谷垣幹事長)からは、予算委員会は、中央公聴会の日程も決まりまして、審議も来週、大詰めを迎える。年度内成立を目指して、最後まで緊張感を持ってやっていこう。それに加えまして、連日、閣僚あるいは自民党議員の発言がいろいろ取り沙汰されておりますが、誤解を招く発言あるいはものの言いよう、こういうものが積み重なりますと国民からの支えを一気に失うことにもなりかねない。十分注意して謙虚に丁寧にかつ慎重に発言をするようお願いするということを申しました。それから、選挙制度改革については、今朝の予算委員会の冒頭に安倍総裁の方針が示されました。答申にある議員定数の10削減は、間もなく発表される国勢調査速報値に基づいて行われる区割り見直しの際に併せて削減する、この安倍総裁のご発言を受けてそういう作業を今、細田幹事長代行にお願いをしております。今後、細田幹事長代行を中心に党内手続きを進めていこうということでございまして、24日(水)には選挙制度改革問題統括本部・選挙制度調査会合同会議を持つということで今、準備を進めております。政府・与党結束してこの局面を乗り切っていきたいのでよろしくということを申し上げました。
佐藤国対委員長からは、予算委員会の日程について、分科会の日程協議が今後のヤマ場になってくる。それから、予算関連法案についても予算と同時に参議院に送付できるようにしたいと思っている。
河村議運委員長からは、22日(月)に大島衆議院議長が各党をお呼びになって、選挙制度調査会の答申に対する各党の答えを聞くというご報告がありました。
吉田参議院国対委員長からは、丸山和也参議院議員の発言について大変ご迷惑をかけた。議員辞職勧告決議案が出されたので扱いを慎重に協議したいということでした。
溝手参議院議員会長、伊達参議院幹事長からも、慎重に緊張感を持ってというご発言でした。
茂木選対委員長からは、京都3区補選があるので、その対応についてはしっかり協議していきたいということでした。
稲田政務調査会長、二階総務会長からも、謙虚に緊張感を持ってやっていこうということでした。

以上です。

質疑応答

NHKの瀧川です。選挙制度改革について、本日の予算委員会での安倍総裁の発言ですが、自民党がまとめた党の方針と異なるわけですが、幹事長はどのように受け止めておられますか。
自民党案もどのように前倒しができるかということ、選挙制度改革問題統括本部・選挙制度調査会合同会議の冒頭で細田幹事長代行が「定数10削減はやるのだ」と言った。あと残された課題としては、それをどう前倒しをするかというのは、またおそらく各党協議でも議論しなければならないだろうというようなことを細田幹事長代行とは話をしておりました。ですから、まったく方向が違うということではありませんが、安倍総裁がやはりそういう強いご意志をお持ちでしたので、さてどういうことでまとめていくのか、今、細田幹事長代行の下で検討していただいているということです。
朝日新聞の笹川です。安倍総裁は国会の答弁などでも、自民党の案というのは答申を尊重したものだという考えを示していたと思いますが、いかがですか。
基本的に私どもは衆議院選挙制度調査会でおまとめになったものをきちんと実現しようということでやってまいりました。ただ、答申そのものは削減について前倒しという路線にあるわけでは必ずしもないと思いますが、安倍総裁の気持ちのなかには、やはり我々が野党のとき、野党総裁としての党首討論の記憶というものが、あの論理も、あのときは比例を削減という話でしたので、今回とは必ずしも軌を一にするわけではありませんし、その後、各党でなかなか結論が出なかったわけですので、衆議院選挙制度調査会にお願いをしたということがありますので、過去の議論をどう踏まえるかもいろいろな理解があると思います。しかし安倍総裁は、やはりあの時の党首討論というものがかなりお気持ちのなかにあるのではないかという、これは私の推測ですから、あまり推測でこれ以上申し上げるのは控えますが、そう思います。
朝日新聞の笹川です。本日、野田前総理が予算委員会に立たれて、この問題について議論するという方向になったことで安倍総理の考えも少し変わってきたということですか。
変わったわけではないのです。前々から安倍総理は「できれば前倒しを」「もう少し前倒しをできないか」という感じはずっと持っておられて、そういう感じはずっと私どもにもおっしゃっておりました。
日本経済新聞の田島です。答申のなかには議席配分方式としてアダムズ方式の導入を提案していますが、これについて幹事長はどのようにお考えですか。
アダムズ方式の採用自体は、これもまた今すぐというわけでは必ずしもないわけですね、答申の読み方はいろいろですが。アダムズ方式もいろいろ確かに問題点があることはあるわけですが、この辺はよくまた整理をしていかなければならないのですが、私は、衆議院選挙制度調査会にお願いをしたわけですから、やはりそういうことを基本に踏まえてやっていくべきだと思っております。
日本経済新聞の田島です。つまり、来週発表される国勢調査速報値を受けての定数削減の際には、アダムズ方式を採用する必要はないというお考えですか。
答申はそれを要求しているわけでは必ずしもないと思いますね。
日本経済新聞の田島です。現行の方式で定数削減を実施するということですか。
その辺をどうするかは今、細田幹事長代行がいろいろ考えていただいていると思います。
時事通信の越後です。党内で取りまとめをする際にも安倍総理は「できれば前倒ししてほしい」とおっしゃっていたのですか。
「しろ」とおっしゃったというよりは、いろいろな可能性のなかにやはり前倒しの可能性もいろいろ検討する必要があるねという感覚だったのだろうと私は思います。
時事通信の越後です。つまり、党内で取りまとめがあった後に、「時期を明示した方がいい」と安倍総理がお考えになったということですか。
その辺は全体の、先ほどからアダムズ方式などいろいろな議論がありましたが、それから国勢調査の時期など、そういうものをいろいろ考えて、技術的に何ができるかなどいろいろな考慮がたぶん必要なのだろうと思います。その辺は細田幹事長代行が、いろいろ考えていただいているということですね。
NHKの瀧川です。安倍総理の意向に沿って党内をまとめるということになりますと、一度議論した自民党の方針をまた変えるということになります。党内の議論もなかなか難しいと思いますが、その見通しはいかがですか。
これは、高村副総裁がおっしゃったように、それに沿って安倍総裁をバックアップしていけるようにやはり議論を集約していきたいということですね。
時事通信の越後です。仮に安倍総裁のおっしゃった方向で議論がまとまるとなった場合に、最短で、例えば年内に仮に選挙があったとき、その適用は可能なのでしょうか。
ちょっとそこまで技術的に検討はしておりませんが、どういうものをやるかによってまた違ってくると思いますが、普通ですと、かつての例がそのまま適用されるのかどうか分かりませんが、かつて0増5減などいろいろやりました。それはやはり区割り画定審議会にあのときは「そういうことで作業をせよ」ということでやったわけですね。今回どういう案でまとめるのか、私はまだ案の詳細まで、今、細田幹事長代行に詰めていただいているので分かりませんが、区割り委員会などにかけるとなりますと、区割り画定審議会も10か月か1年くらいたぶんかかるので、その辺をどうするのか、これはちょっと細田幹事長代行にその辺りもよく聞いていただけたらと思います。
日本経済新聞の田島です。意見集約について、今国会で法改正にこぎつけるには、いつくらいまでに党内で意見をまとめて、いつくらいまでに与党で合意しておく必要があるとお考えですか。
その辺も今、細田幹事長代行が、いろいろカレンダーを見ていただいているので、細田幹事長代行にお聞きください。
TBSの加納です。丸山和也参議院議員の発言に対して、幹事長はどのような対応を求められるのか、また昨日、ご本人とお会いになったということですが、そこでのやり取りをお聞かせください。
まずこれは参議院の憲法審査会でのご発言ですので、もちろん同じ党ではありますが、まず参議院の方でご判断があるのだろうと思います。それから、この件につきまして昨日、丸山 参議院議員もお見えになりました。私自身は、発言の全容というものを子細に承知しているわけではありませんが、今までメディアに現れたもの、あるいは丸山参議院議員のお話を聞きますと、よく私も理解できないところはあるのです。「51番目の州」とか、ああいうのはどういうことをおっしゃりたいのか、ちょっとよく分からないところはございます。ただ私も丸山参議院議員と同じ世代ですので、ちょうど私が高校2年生のときはリンカーンが奴隷解放をやってちょうど100年目のときでした。それから、アメリカで公民権運動をマーティン・ルーサー・キング・ジュニアなどがやったのがちょうど私の学生時代にあたります。そういうことからしますと、皆さんからご覧になるともうずいぶん昔の話だからとお思いかもしれませんが、私などからすると、学生の頃、ああいう公民権運動などがあったことを思い出しますと、まだオンリーイェスタデイという気持ちもあるのですね。だから、丸山参議院議員も私と同世代ですが、彼は私のところに来て「アメリカのそういうダイナミズムというものを自分は言いたかったのだ」とおっしゃる感じは分かるのですね。ただ、全体で何をおっしゃりたいのか私もよく分からないところがありますし、それはこういうときですから誤解を招かないようにやはり慎重に発言をしていただきたい。「我々が若い頃経験したマーティン・ルーサー・キング・ジュニアなどのああいう運動がここまで来たのか。それは俺もよく分かる。しかし、もう少しやはり誤解を招かないように発言してもらわなきゃ」ということは注意をしておきました。
京都新聞の高橋です。京都3区補選について、幹事長はこれまで情勢を注視していかなければならない」とおっしゃっていましたが、今の段階で擁立の是非についてはどのようにお考えでしょうか。
いろいろな議論がありますので、軽々に私個人の意見を言うつもりはありません。ただ、やはり私どもは政党ですから、やはり勝負できるときは勝負しなければなりませんが、勝負のための勝負というのはいかがなものかと思うことがございますね。
朝日新聞の笹川です。野党が平和安全法制の廃止法案を本日、提出されましたが、この野党の動きについてどのようにご覧になっていますか。
前から言っておられたわけですから、お出しになるのは、それはそれだと思います。ただ、ああいう法案をお出しになるなら、もう少し予算委員会などでも日本の現下の安全保障問題に関する彼らの見解、なるほどと思わせるものが出てきて然るべきですが、あまりというかほとんどそういう議論がないのはいかがなことかという気持ちは正直言ってございます。
朝日新聞の笹川です。そうしますと、この対案に基づいて国会で議論するということについてはいかがですか。
基づいてというか、そういう法案をお出しになるのであれば、今の安全保障がどういうものか、そういうものと無縁に廃止法案も何もあるわけではないですね。平和安全法制だってそういうものと無縁にあるわけではありません。やはり我々の出す法案、政策、これは日々起こる現実でテストされチェックされなければいけない。非常に重大なことが起こっているときにテストもチェックも、それに対する立論もしないでおられるのはいかがなことであろうかなというように日々思ってはおります。
朝日新聞の笹川です。与党としてはこの対案について審議する必要はない、そういう方向ではないということですか。
まだこれからですが、その前にいろいろご議論することがあると思います。今の具体的な安全保障問題をどうしていくかということもありますし、当然今、予算審議の最中で、こういう国際的な景気情勢というか、マーケットのやや不安感があるなかで、やはり、日本に限らず各主要国がきちんと政治を安定させているというのは大事なことですから、予算や何かを早期成立させるために努力をするというようなことがいろいろありますのでね。そういうことです。