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記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員会・役員連絡会後)

平成27年12月15日(火) 10:41~10:55
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日の役員会ですが、安倍総裁からのご挨拶で、一つはインド訪問の報告について、日印新時代の幕開けにふさわしい成果となった。二つ目は軽減税率について、公明党と丁寧かつ真摯に協議して民意をくみ取った最善の結果となった。党内をまとめて一致団結してやってほしい。また、三つ目は税制、補正予算、本予算と大きな課題があるが、国民の期待に応えるようよろしくお願いするということでした。
高村副総裁からは、インド訪問はよかった。また、軽減税率は最善の結果とするよう努力していかないといけないということでございました。
私(谷垣幹事長)からは、軽減税率について大変、党内にいろいろご心配をかけたが、対象品目を酒類・外食を除く生鮮食品と加工食品とする。また、財政健全化目標を堅持して、安定的な恒久財源を確保するため、平成28年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講じること等々で公明党と合意した。よろしくご理解をいただきたい。それから今後、党内手続きに入るわけですが、大変時間をかけてしまいましたので、この後の手続きを短時間でやらなければならないので、政調、総務会にご迷惑をかけるがよろしくお願いしたいということを申しました。補正予算、平成28年度予算編成の作業と併せてしっかり仕上げていきたい。もう一つ申し上げましたのは、来年3月に党大会がございますが、その運営委員会の人事を決めたということを報告いたしました。
佐藤国対委員長からは、議運で通常国会の1月4日(月)召集を伝達した。今後、代表質問など日程を協議する。また、18日(金)には環境委員会の閉会中審査を行うということでした。
吉田参議院国対委員長からも、衆議院と同様の内容であるということでした。
溝手参議院議員会長、伊達参議院幹事長からは、参議院選挙に向けてそれぞれしっかりやっていきたいということでありました。
茂木選対委員長からは、参議院選挙の北海道選挙区の二人目の候補、衆議院補欠選挙の北海道5区の候補の公認、京都市長選挙の推薦決定についてのお話がありました。また先週末、宜野湾市に入られて、宜野湾市の様子を見てきたご報告がございました。
稲田政務調査会長からは、補正予算、本予算、税制改正について、党内手続きを進めしっかり結論を出していきたいということでした。また、これから予算や税制が決まっていくわけですが、本年の予算、税制のポイントについては、仕上がったらしっかりした資料を作りたいというご主旨のご発言でした。
二階総務会長からは、しっかり党内がまとまるようやっていきたいということでした。

 以上です。

質疑応答

NHKの瀧川です。本日の役員会のなかで、自公幹事長がまとめられた軽減税率に対する評価や今後の注文については、何か役員の方からありましたか。
先ほど高村副総裁が「最善の結果としていくようにしっかりやっていこう」ということをおっしゃったわけですが、概ねそれに尽きると思います。
NHKの瀧川です。幹事長も言及されていますが、党内手続きを進めるには時間が限られているなかで、明日、総務会も設定されていると聞いています。期限、あるいは党内の手続きを進めるにあたっての幹事長の考え方を改めてお聞かせください。
もうだいたい日程が限られておりますので、そこでしっかりと私も申し上げることは申し上げて、速やかに準備に入っていかなければいけない。来年はもう1月4日(月)から国会召集ですし、補正予算等々もすぐに審議がありますので、そういうことを、全体を睨みながら、時間が正直言ってあまりないということだろうと思いますので、緊張感を持って進めていかなければいけないと思います。
朝日新聞の笹川です。軽減税率について安倍総裁は「最善の結果となった」とおっしゃっていますが、高村副総裁は、まだこれから、「最善の結果とするよう努力していかないといけない」とおっしゃっています。この温度差についていかがですか。
これは具体的に、今はまだ税調で議論していただいていますが、ではどのように、酒・外食を除いた加工食品、どこに問題点があるのか、おおよそ今までも議論しましたが、そういう点についても煮詰めていただかなければならないと思いますし、やはり何よりも大事なことは、皆が「これでいこう」ということで一致結束ができるかどうかということが大事な点だと思います。
朝日新聞の笹川です。つまり、まだ党内としてはまだ一致結束したとは言えないということですか。
これは非常にいろいろな議論がありましたので、そういう点は、我が党は、最後は皆団結していこうという気風はありますが、それにはそれなりの議論を尽くしていかなければいけないと思います。
日本テレビの加藤です。本日、午後に清水寺で今年の世相を表す漢字一文字が発表されるのですが、幹事長は今年を表す漢字一文字は何か浮かびますか。
私はあまりそういう発想をしたことがないものですから、清水寺の貫主がこういうのを発表したということで時々問われるのですが、いつも答弁に大変戸惑うのが実際です。一言で今年はこうだったと言えるような才能があれば、私ももうちょっと器用な政治生活を送ったんじゃないかと思いますね。すいません、あまり正面からお答えできなくて。
日本テレビの加藤です。ちなみに昨年は「税」という漢字が選ばれました。この「税」というのは引き続き関心のあるテーマになったと思うのですが、その辺りいかがですか。
すごいですね、一年を象徴する言葉を「税」でまとめちゃうなんて。そんなことがあったのかとびっくりしました。もう忘れているのですね。すいません。
東京新聞の木谷です。選挙制度改革について明日、衆議院の選挙制度調査会が一票の格差是正や定数削減を盛り込んだ答申案を取りまとめる予定です。この答申について一部政党から「拘束されるものではない」という発言も出ていますが、幹事長はどのように取り扱うべきだとお考えでしょうか。
それは基本的に有識者が議論していただいたことは尊重をしていくということだと思いますね。
毎日新聞の佐藤です。軽減税率について、幹事長は先週の会見では「導入当初から加工食品を含めるのは難しい」というご認識だったと思いますが、結果としては今回、加工食品を含めるという決着になったわけで、この間どういう状況の変化、心境の変化があったのでしょうか。
心境で決められるものではないです。心境の変化はございません。ただ、混乱を生むようではいけませんから、いろいろな議論をいたしましたが、いわゆる加工食品の中で区別するというのはきわめて難しい。それに比べますと、酒と外食は除くという方が、いろいろ議論をしましたが、整理はできるのかなということです。ですから今、議論している基本的な案は、その場で食べる場所を提供するようなことは軽減税率にせず、サービスを提供するからという意味だと思うのですが、買ったものをすぐ外で食べるならばそれは軽減税率に、これは恐らくイギリスなどでもそういう形で分けているのではないかと思います。ただ、税というのは、そういう形で分けますと、また新しい現象も起きまして、日本でそういうことが起こるかどうか分かりませんが、イギリスなどでは寒い冬空でも外で、買ったホットドックをぱくついている人がいたりするなど、そういうことがあるのかもしれません。そういうことを今、最終的な案がどうなったかまだ報告は聞いていませんが、詰めていただいておりまして、要するにそれはそれで線引きができるのかなということでこのような合意に至ったわけです。
時事通信の越後です。野党が早速、今回の軽減税率の大筋合意について「選挙目当てである」とか「ばらまきである」などと批判していますが、財源を示さないなかでこうした批判にどのように答えていくお考えでしょうか。
財源を示さないわけではなくて、これから、やはりいかにも、今すぐに全部財源を用意しろといっても、それはなかなか難しいですから、これからしっかり議論をする。それから、安定財源を確保する。それから、財政健全化目標も維持するということでやっていきたいと思っております。選挙目当てというようなご批判がありますが、それはどういうことを意味しているのですかね。要するに選挙の結果をまったく度外視して、つまり選挙というのはやはり国民の政治的意思の表現ですから、恐らくおっしゃっている趣旨は、票を金で買うようなことはやってはいかんという意味だろうと思いますね。そういう節度のないことはやってはいかんと。しかし、「選挙目当てである」という批判、やはり選挙、民意の動向を見ながら判断をしていくのが、その表現はもう少し別な言語に、もう少し鋭敏な形での表現にして批判をしていただきたい。常々そうおっしゃる方にはそう思うのです。
テレビ朝日の中丸です。様々なご努力のご事情の結果だったと思うのですが、結果として財源の当てのないまま新しい制度を導入するということで、来年度以降、財政規律の面からすると一つ悪しき前例を残したかなと思うのですが、来年度以降、税の議論をする際に、もう一度財政規律を締め直していくという意味でどのようにたがを戻していけばいいとお考えですか。
今のお話ですが、新しい制度を財源も無くして入れるわけではありません。入れるまでにはちゃんと財源を確保するのです。ですから今の点は、まずそのように申し上げたいと思います。それから、あの合意の中で二つ書いています。一つは、安定的な財源を確保しなければいけない。しかし、安定的な財源は確保したが、それが財政健全化目標とか経済・財政再生計画などと齟齬するものであってはいかん。この二つを踏まえながら、きちんと導入までに財源を用意していかなければいけない、こういうことだろうと思います。
テレビ朝日の中丸です。ただ制度の導入が決まっているなかで、財源を考えようという議論は今まであまりなかったと思いますが、いかがですか。
大きな基本的な姿勢は示しておりますので、これから煮詰めるということだと思います。
テレビ朝日の中丸です。財政規律は崩れていないということですか。
これから煮詰めるのです。まだそこがコンクリートになっていないわけですね。ですから、これから煮詰めて、導入までにきちんと対応を講ずるということですね。
北海道新聞の徳永です。間もなく平和安全法制が成立して3か月になると思うのですが、成立時も「まだなかなか国民の理解が進んでいない。党としてもいろいろしていかないといけない」というようなご認識だったと思いますが、この3か月間、党として何をしてきたかということと、またこれからどういうことをしていこうというお考えはありますか。
何もしていないというわけではないのですね。かなりあちこちで、青年局や、あるいは青年局だけではありません、いろいろな方々がそういう説明会を開いて、私は今、どれだけの回数をやったか数字を諳んじてはおりませんが、かなり今までそういう活動はしてきたと思っています。それから、かなり、私がいろいろな方とお話した限りでは、「当時の議論は過度にイデオロギー的対立が強調されたということがあった」と、私はずっとそういう認識でおりますが、やはり直接お話するとかなり理解は進みつつあると思っています。