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記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員連絡会後)

平成27年8月28日(金) 10:30~10:46
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日の役員連絡会ですが、高村副総裁からのご挨拶で、平和安全法制の野党との協議について、差を埋めるのが難しい。特に維新の党とは、協議がまとまっても維新の党内でまとまるのか、その点を見極めていかなくてはいけないという趣旨のお話がございました。
私(谷垣幹事長)からは、一つは、参議院で連日、平和安全法制の審議にご尽力いただいているが、今、野党もいろいろ党内事情があるなかでなかなか対案・修正協議も大変かと思うが、対応をよろしくお願いするということを申しました。それから総裁選日程ですが、公選規程で『総裁選挙管理委員会が総務会の議を経て決定し、公表する』とされているわけですが、本日、総裁選挙管理委員会が開かれて、総裁選の日程等が協議されて、本日の総務会に諮られる。国会会期中での総裁選の施行になると思うが、各位のご協力をよろしくお願いするということを申しました。
佐藤国対委員長、吉田参議院国対委員長からは、それぞれ本会議日程、平和安全特別委員会の日程についてのご報告がありました。特に佐藤国対委員長は、参議院をサポートしながら残りの法案を処理していきたいというようなお話でした。
茂木選対委員長からは、本日から岩手県議選の告示である。16名の公認候補を擁立するというご報告でした。
稲田政務調査会長からは、来年度予算の概算要求の党内審議状況についてのお話がありました。
二階総務会長からは、ドローン法案の早期成立をお願いしたいというようなお話でした。

以上です。

質疑応答

NHKの瀧川です。維新の党の橋下徹最高顧問らが離党しましたが、これについて幹事長はどうご覧になっていますか。
なかなかよその党内でどういう議論が起こっているのかは、正確に私も把握しているわけではありませんので、特に、コメントできるほどの知識はないのです。我々とすれば、やはり議会制民主主義のなかで、各党、各会派と必要があれば話し合いをしなければならないわけですが、できればその辺の見極めが難しいというようなことなく、いろいろな折衝ができる方がありがたいなという気持ちはございますが、それ以上のコメントは差し控えたいと思います。
NHKの瀧川です。やはり今、まさに臨もうとしている平和安全法制の修正協議にも影響があるとお考えでしょうか。
影響があるというか、与党としては影響がないようにしていかなければいけないということではないかと思います。
京都新聞の高橋です。武藤貴也衆議院議員の問題について、先日、会見を開かれましたが、時間も限られていて十分な説明をされているとはまだ言えません。与野党のなかでは政治倫理審査会の開催を求める声が挙がっていますが、幹事長はどのようにお考えですか。
私はまだそういう声を直接聞いてはおりません。ただ、武藤衆議院議員がよく説明をされる必要があるのは当然のことだろうと思います。
朝日新聞の笹川です。今週末に、全国で平和安全法制に反対する大規模なデモが開催されるようです。そういった大掛かりなデモというのが法案審議に与える影響についてどのようにお考えですか。
注意深く見ていかないといけないということでしょうか。
朝日新聞の笹川です。この法案に限らずデモというもの一般について伺います。代議制を補う、補完するようなものなのか、一方でポピュリズムに陥りかねないものなのか、デモというものを幹事長はどのようにお考えですか。
古典的なご質問ですね。特に昭和35年の安保条約の改定を巡っては、これについては喧しい議論がありました。あの頃は、一部に暴力革命を是認するかのごとき議論もなかったわけではありません。そういう中で騒然たるいろいろな議論がございました。ですから今おっしゃったことも両面があるのだと思います。やはり当然のことながら、民主主義社会で自分たちの主張することはきちんと主張する方法がなければいけない。また主張したかったら主張したらいい。しかし、それが結果として騒然たる争乱状態をしばしば引き起こすというのは、これは国民の平和と、安寧という言葉が今しばしば使われる言葉かどうか分かりませんが、それらに資する所以ではありません。また、そういうことが興奮と徒なポピュリズムを巻き起こすものであるならば好ましいとも言えないので、あまりこういうことを言うと偉そうですが、民主主義社会の、日本の民主主義のキャパシティがどうかという問題でもあるので、やはりそれぞれ、そういうことを踏まえて、我々もそういうことを踏まえて、そういうことを計画なさるなら、その計画の波及するものをよく観察し、対応しなければいけないと思いますし、おやりになる方もやはり日本の民主主義の質を高めるという観点からやっていただけたらありがたいなと、私は主催者ではありませんから、そんなことは言わずもがななことですが、そのように思いながら見ております。
北海道新聞の徳永です。野党が提出するヘイトスピーチを規制する法案ですが、与野党合意はなかなか難しく、今国会での採決も難しいのではないかという情勢なのですが、どういうところが課題になっているか、幹事長はどのようにお考えですか。
いろいろな国会闘争と絡めずにシンプルに思考をしてやっていただければいいのですが、なかなか国会というのは難しいところがございますね。
北海道新聞の徳永です。幹事長としては、そういうヘイトスピーチを規制する法案についてはどのようにお考えですか。
なかなかこういう立法はよく慎重に考えなければ問題が起こる可能性はないわけではないですね。ただ、民族差別をして「どこそこのあれは日本から出て行け」みたいな言論が横行するのは、私は恥ずかしいことだと思っております。しかし他方、そのことが言論立法としてどういう問題をはらむのかということも十分考えていかなければいけませんので、やはり冷静に議論を尽くすということが必要ではないでしょうか。
共同通信の比嘉です。総裁選について、8日告示、20日投開票ということですが、国会中の選挙になります。そうしますと、対抗馬が立った場合は選挙戦が行われることになって法案に影響があると思うのですが、そうではないということを考えたうえでの日程なのでしょうか。
なかなか実際問題、できれば国会のないところで総裁選という方が望ましいことは望ましいと思うのですが、カレンダー上、万やむを得ずこういうことになったということだろうと私は思います。しかし一方、国会でいろいろな重要問題が審議されているところでありますので、これはこれから総裁選挙管理委員会でご議論いただくことですが、そういう総裁選の持ち方と国会審議の関係というのは、相当注意深く議論をしてやっていかなければいけないだろうと思います。
共同通信の比嘉です。幹事長としては、党内情勢をご覧になったうえで、野田総裁選挙管理委員長とのお話になっていると思います。無投票再選の流れが今、強まっていると思いますが、そのことも考慮に入れたうえでの日程なのでしょうか。
まったく考慮に入れなかったとは言わないですが、それが決定的に「だからこれでいいんだ」などと思ったわけでは決してありません。薄氷を踏むような思いで国会会期中に総裁選をやるというのが正直なところでございます。
共同通信の比嘉です。一方でよく言われるのが、総裁選が実際になく無投票で再選された場合に、権力基盤が弱くなるという指摘もあると思います。つまり、正当性をもう一度強固に証明していないままで次の任期が始まるのではないかという議論があると思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
一つの流れを否定的に評価するか肯定的に評価するかで、そのような表現なり評価というのは違ってくると思います。しかし、ある政権がやっているときに対抗馬が立たないというのも、正当性が与えられなかったと批判する側はそう言うでしょう。しかしそれは、対抗馬が立たないのは対抗馬が立たない理由があるのかもしれない。そこらは、我々はその渦中で右往左往している人間ですから、あまり偉そうに論評する資格はないですが、皆さんの方からそこは冷静に見ていただいて、公正なる論評を加えていただければと思いますね。
日本テレビの加藤です。新国立競技場の整備計画について、先ほど関係閣僚会議がありましたが、幹事長も遠藤五輪担当大臣から説明を受けられていると思います。幹事長は新たな計画についてどのように評価されていますか。
できる限り華美なものにならないというか、金もかけすぎないということで相当検討されたと思います。しかし話を聞いていますと、やはり諸物価の高騰などもあって相当苦労されながら結論にたどり着いたのではないかとは思っております。
日本テレビの加藤です。トータルとして新たな案は納得が得られるものになっているとお考えですか。
私がいろいろ聞いてみると、「まぁこんなところかな」とかなり切り込みの努力をしたのではないかと思っています。
日本テレビの加藤です。今朝、河野太郎衆議院議員がメールマガジンのなかで、今回の新たな案について、「サッカーのワールドカップ招致を念頭に置いているような節がある」と言及しながら「納得できない」として、「稲田政調会長とも相談のうえで、党として了承できない」とされています。これについて幹事長はどうお考えですか。
節があるというのはどういう節かよく分かりません。
日本テレビの加藤です。「将来8万人のスタジアムに整備できるという余地を残しているのはいかがなものか」という趣旨で書かれていて、そのうえで「党として了承できない」という表現で書かれていますが、いかがですか。
党として了承すべきものかどうか私はよく分かりませんが、それはツイッターですか。
日本テレビの加藤です。メールマガジンでの記述です。
メールマガジンというのは「ごまめの歯ぎしり」のことですか。
日本テレビの加藤です。無料で登録した人が見られるものです。
「ごまめの歯ぎしり」ではないのですね。「ごまめの歯ぎしり」だったら、「ごまめの歯ぎしりの意味をお考えになったことがありますか」と伺いたいと思ったのですが、それはやめます。
テレビ朝日の高松です。総裁選について、今回、7つの派閥全てが安倍総裁の支持を表明して無投票の公算が高まっていますが、無投票という流れそのものについて幹事長のお考えを伺います。
我々は、先ほども申しあげたように、渦中でやっている人間ですから、その評価は皆さんが評価される、国民が評価されることなのではないかと私は思っています。そして、現在の流れのなかで、本当に無投票になるかどうかはまだ確定したわけではありません。そういうなかで、やはり無投票になるには無投票になる理由もまったくないわけではないのだろうと思うのですね。だから、私はそのように思っています。
東京新聞の宮尾です。先ほどの河野太郎衆議院議員のメールマガジンのタイトルは、「ごまめの歯ぎしりメールマガジン版」というものです。幹事長の先ほどのコメントは採用させていただいてよろしいでしょうか。
いいですよ。「ごまめの歯ぎしり」というのは力のない者の例えです。